今回は、2015年12月に発売されたHG 1/144 ASW-G-11 ガンダムグシオンのレビューをご紹介します!
HGガンダムグシオンは、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場するMS『ASW-G-11 ガンダムグシオン』の1/144スケールモデルキットです。肥大化した特徴的な機体形状を新規造形で再現。両腕の可動によってグシオンハンマーを両手持ちで構えられる他、左手用の平手によって多彩な表情が演出可能なキットになっています。価格は1,320円(税込み)です。
厄祭戦末期に開発された72機のガンダム・フレーム採用機の1機で、宇宙海賊ブルワーズのクダル・カデルが搭乗。三日月搭乗のバルバトスと交戦した『ASW-G-11 ガンダムグシオン』がHGでキット化。既存のガンダムタイプとは一線を画す独特のフォルムが再現されています。
成型色はミリタリー調のグリーンをベースに、関節パーツや頭部、胴体部、ソール部など各部にブルーグレーを配色。その他、内部パーツやグシオンハンマー、90mmサブマシンガンといった武装類がパープルグレー成型色での再現となっています。
シールは頭部ツインアイや肩部モールド、腰部のブルワーズの海賊マークを補うくらいで少なめ。各部のモールドを塗り分ける必要がありますが、素組みでも十分なくらいの色分けが再現されています。
ブルーグレーやパープルグレーのパーツにはKPSが使用されています。ABSは不使用。
ポリキャップは定番のPC-002を首部や肩部、足首など各部に使用します。肘はKPSパーツ、膝はポリキャップを交えた構造で関節強度はまずまず高め。特に負荷のかかるような装備はなく、どっしりとした体型で自立は安定しています。
グシオンハンマー、90mmサブマシンガン、グシオンハンマー用のジョイントパーツ、平手(左)が付属。
まずは内部フレームから見ていきます。
胴体部と腕部、大腿部には内部フレームが造形。ガンダムフレーム採用機ですが、胴体部が大型化されるなどHGガンダムバルバトスの内部フレームとは全く異なる簡略化されたフレームになっています。
胴体部のフレーム。かなり簡易的な構造で、外側に露出するダクトや装甲、バスターアンカーのみがモールド化されています。
腕部には簡単なフレームが造形。肘のメカニカルなシャフトが目を引きます。球状の肩内部や手首部分は合わせ目ができます。
大腿部には簡単なフレームのみ造形されています。
続いて外装を組み付けた状態で各部を見ていきます。
頭部はカエルをイメージしたような独特のデザイン。薄型の楕円シルエットで、上部には耳のような2本のアンテナやバルカン砲(信号弾の場合もあり)が造形されています。
バルカン砲はパーツでのきっちりとした色分けを再現。額の2本アンテナは別パーツ化されているので塗り分けてみても面白そうですね。メット部は上下の組み合わせですが、合わせ目は色分け箇所なのでそのままモールドとしておいて良さそうです。
ツインアイは簡単なモールドにシールを貼っての色分け。
胸部・腹部は左右に円形のバスターアンカーを持つボリューム感あるデザイン。表面には細かなモールドも造形され、一部はパーツでも色分けされていて密度感があります。四方のモールドはグレーのシールでの色分け。腹部のスリットモールドは黒く塗り分けが必要です。
肩はポリキャップが引出し可能。腕の可動域が広がります。首はポリキャップ接続。頭部を胴体内部に収めるような形ですが、ある程度可動スペースは確保されているようです。
腰部にも厚みのある装甲が造形。表面にスリットモールドが造形されているので重機感があります。フロントアーマーにはブルワーズの三叉槍海賊マークのシールを貼るようになっています。(リアアーマーが背部装甲で隠れるため、上半身を取り外しています。)スリットモールドは黒く塗り分けが必要。
腰部にはガンダムフレーム採用機であることがわかるような腹部フレームが造形。
腰アーマー裏にモールドは殆どなく簡単な作り。手榴弾などの装備はありません。股間部のフレームパーツはモナカ割で合わせ目ができます。
腕部。胴体部と同様、丸みのある装甲が造形。ですが特別太いわけではなく、適度な可動性能を感じさせる作りになっています。
上腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は前後の組み合わせで側面に合わせ目ができます。肘から分離しないので、合わせ目を消す場合は後ハメなどの加工が必要。
ショルダーアーマーは丸みのある特徴的な装甲を装備。表面にはゴツゴツとした突起が造形されるなどワイルドさを感じさせる作りになっています。前面の三角モールドは白いシールでの色分け。前後の組み合わせで表面など一部に合わせ目ができます。
腕を上げても干渉しないような構造になっているので可動がスムーズです。内側が開口されているのは少し気になるかも。
脚部。短足ですが、膝から下は丸みのある重厚感ある装甲が造形されています。スネにあるスリットモールドは黒く塗り分けが必要です。
大腿部は筒型で合わせ目はなし。膝から下は前面と左右の組み合わせで後部に合わせ目ができます。膝から分離するので合わせ目消しはし易いかと。
下部のスラスターはそれぞれ別パーツ化。
ソール部は小型。肉厚な外装に比べて小柄。小靴を履いているようなキュートなデザインになっています。構造も2個パーツ構成でシンプル。
足裏はつま先側に大きな肉抜き穴があります。一部にはモールドが造形されていますが、埋めたり表面をデザインしたりと、塗装・製作する場合はなかなか凝った処理が必要そうです。足首は前後にスイングが可能。
背部は全体が曲状の装甲で重厚感があります。各部スラスターも内部パーツとの兼ね合いできっちりと色分けされているので塗装がラクそう。
下部スラスターは別パーツ化されていますが可動ギミックはありません。内側はガッツリ抜けた状態ですが、下半身と組み合わせるので特に見えたりするようなことはなさそうです。
G陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。比較的小柄で、一般的なサイズの陸ジムよりも頭一つ分程度小さめ。ガンダムグシオンの全高は18.0mですが、少し小型に作られているようです。
鹵獲されて改修された姿であるHGガンダムグシオンリベイクと並べて。設定での大きさはどちらも18.0mですが、キットにするとかなり大きさが違っています。
グシオンリベイクはグシオンの改修機ということで、部分的に名残が感じられますね。
HGマンロディを並べて。同じブルワーズ所属機なので、カラーリングが近いですし、形状も似た箇所が多いですね。
同シリーズのキットとして、HGガンダムバルバトス、HGグレイズ改と並べて。
頭部は首のボールジョイントで適度に上下させることができます。左右へは襟が干渉しやすいですが、水平にまで可動します。塗装すると擦れて剥げそうなので注意したいところです。
腕は水平程度まで上げることが可能。肘は1重関節で曲げる角度は90度程度まで。
肩の前後スイングは、ボールジョイントで適度に前後させることができます。前方へはポリキャップが引き出せるのでその分広めに展開可能。
腹部がボールジョイント接続ですが、上半身はわずかに前後する程度。
腰も干渉でわずかに撚る程度です。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0m軸を差し込んでのディスプレイとなります。
前後開脚は腰アーマーや脚部装甲が干渉するため、水平までは展開しません。バタバタした感じで可愛らしさがありますね。
ちょっとわかりにくいかもですが、膝は2重関節で深くまで曲げることができます。膝装甲裏は合わせ目こそ出来ますが、パーツできっちりと蓋がされています。
足首の可動もややわかりにくいですが、前後は適度に可動します。左右への可動はわずか。
左右への開脚はハの字程度まで展開。
内股はわずかですが、ガニ股はハの字程度まで展開可能です。
立膝は前後に開くようにはなりますが、まずまずきれいな姿勢で再現することができます。
可動域の総括としては、肉厚な装甲が干渉し易いため、全体的に見ても可動が制限されやすいです。ですが首や膝などは意外にも広く可動しますし、ポーズを取れないほどの干渉ではないのでうまく表情をつければある程度のアクションポーズは再現できそうですね。
グシオンハンマー。重量15tを超える超弩級の質量破壊武器になります。ハンマー本体にスラスターを持ち、軌道制御及びインパクトの衝撃を高めているとのこと。他ではあまり見ない角型のハンマーで、表面にもメカニカルなモールドが造形されるなど重厚感があります。
ハンマー部分は前後の組み合わせで中央に合わせ目ができます。
背部のカバーパーツを外してジョイントパーツを組み付けることで、グシオンハンマーを背部にマウントさせることができます。ジョイントパーツの一部は肉抜き穴。ジョイントパーツがボールジョイントとポリキャップでフレキシブルに可動するので、ハンマーを干渉することなく配置することができます。
90mmサブマシンガン。広く流通しているMS用のマシンガンです。軽量で扱いやすく、比較的安価なため海賊が好んで使用するとのこと。バナナ型マガジンなどが特徴的に造形されています。
モナカ割で上下に合わせ目ができます。
リアアーマー下部の装甲を展開することで、90mmサブマシンガンを背部にマウントさせることができます。しっかりと固定されるので特に外れたりすることはなさそうです。
一通り武装して。
90mmサブマシンガンはハンドパーツに差し込むだけで保持が可能。トリガーに指を添えるような自然な持ち方ではないですが、差し込むだけなので保持・非保持がラクです。
平手が付属しているので自然な表情が付いていいですね。背部にマウントしているグシオンハンマーには重量がありますが、ジョイントパーツがしっかりとしているので向きが変わることなく、外れることもなく装備できています。
グシオンハンマーを握らせて。片手持ちだとハンマーの重量に負けてクルッと回転したりし易いですが、うまく角度を付けたり強度を上げたりすれば上向きでも持たせることができます。足首があまり曲がらないため、接地性はやや悪いですが、うまくバランスを取ることで重厚感あるポーズを再現することができます。
多少ギリギリな感じはありますが、両手持ちは再現することができました。手甲パーツはしっかりと組み付いていてダボも深いので簡単にはバラけません。
グシオンハンマーに重量感があるので、劇中のような地面に叩きつけるようなポーズも迫力が出て様になります。腰を捻りすぎるとサイドアーマーが外れるので注意です。
どう見てもカエルのような個性的な容姿ですが、適度にポーズが取れるので十分にかっこよく映りますね。パイロット(クダル・カデル)は非道ですが、グシオン自体はどことなく可愛らしさもあって親しみが持てます。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。カエルのような頭部や低頭身で丸みのある機体形状には愛嬌がありますし、各部ともメカニカルで重機的なモールドが造形されているので、ミリタリー感や実機感が感じられていいですね。可動は制限されるものの、装甲が肉厚なのでポーズがダイナミックに決まりますし、平手が付属するので適度に表情を付けることもできます。
気になる点はあまりないですが、装甲が肉厚で干渉し易いため、どうしてもぎこちない感じがあるのと、腰をひねるとサイドアーマーが外れることがあるので注意です。それとグシオンハンマーに重量があるため、手首がクルッと反転しやすいです。ストレスを感じるほどではないと思いますが、気になる場合は補強するなどしても良さそうです。
グシオンハンマーは他ではあまり見ない装備で破壊力を感じますし、それを使ったポージングにはかなりの迫力があります。両手持ちで構えるポーズや背部へのマウントなど表現力も高め。武装は少なくてもマッチョな機体ならではの説得力があるので、そのならではの重厚感を楽しみたいですね。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。切れ味はもちろん優秀。薄刃ですが強度が高く、長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら