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MGSD ウイングガンダムゼロ EW レビュー

今回は、MGSD ウイングガンダムゼロ EWのレビューをご紹介します!

MGSD ウイングガンダムゼロ EWは、『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』に登場する主人公機「XXXG-00W0 ウイングガンダムゼロ EW」のSDキットです。SDガンダムの常識を凌駕する“新次元の翼”を再現。MGSDシリーズ初の可変機構を搭載し、大気圏外モードと大気圏内モード2形態の「ネオバード形態」が再現可能となっています。価格は4,950円(税込み)です。

Endless Waltz用にカトキハジメ氏がリデザインしたウイングガンダムゼロで、劇中ではヒイロ・ユイが搭乗。アルトロンガンダムとの激闘後、ツインバスターライフルによる大統領府の核シェルター3連射など印象的な活躍を見せた機体「XXXG-00W0 ウイングガンダムゼロ EW」がSDハイエンドブランド「MGSD」でキット化。

ガンダムタイプ特有のヒロイックな機体形状に加え、可動性と美しさを兼ね備えた「ウイングバインダー」、メカニカルな内部フレーム、合体ギミックを持つツインバスターライフルなどが新規造形で再現されています。

成形色はホワイトとブルーを基調に、頭部や肩部、シールドなどにイエロー、腹部やソール部などにレッドを配色したEW版ウイングゼロ特有のカラーリング。その他、頭部センサー類や胸部サーチアイなどがクリアグリーン、ウイングの一部がクリアブルー、関節や内部フレーム、ウイングのアーム、ツインバスターライフルなどがメタリック調のダークブラウン成形色での再現となっています。シールは付属しません。

シルバー成形色パーツには「リアルメタリックグロスインジェクション」が採用されているため、組み立てるだけで金属的な表現を楽しむことができます。

ウイングの一部パーツにはMGSDガンダムバルバトスと同様、リフレクションカット仕様のクリアパーツが使用されています。

一部のホワイトパーツ、メタリック調のダークブラウンパーツにはKPS素材が使用されています。ABSは使用されておらず、塗装やスミ入れなどにも配慮がされているようです。

ポリキャップも不使用。背部に天使のような白い翼(ウイング)を装備しているため、後方に負荷がかかりますが、ウイングを支えにすれば問題なく自立させることができます。

■付属品

ツインバスターライフル(バスターライフル✕2)、ウイングシールド、ビームサーベル刃✕2が付属。

専用のマーキングシールが付属します。

■内部フレーム

内部フレームのみの状態で全身から。ダークグレー成形色パーツだけでなく、ライトグレーやリアルメタリックグロスインジェクションのシルバーパーツを交えつつ、繊細にメカニカルに造形されています。

頭部内部フレーム。

胴体内部フレーム。

腕部内部フレーム。

脚部内部フレーム。

このままの状態でも十分に飾っておけるくらいの緻密さで見応えがありますね。

■各部形状

ウイングを外した状態で全身から。SDですが3~4頭身と比較スタイリッシュなプロポーションで造形されています。

■頭部

頭部。SDなので大きめに造形されていて存在感がありますが、全体的にシャープでキリッとした表情が印象的。センサー内部だけでなく、こめかみや頬のダクトなどもリアルメタリックグロスインジェクションパーツでモールドがメカニカルに造形されています。クリアグリーンパーツは小さいものが多いので紛失に注意です。

ツインアイ内部と胸部サーチアイ内部のモールドをアップで。

メット部は左右の組み合わせですが、後頭部の合わせ目はモールド化。

左右のウイングはゼロシステム発動状態用に展開可能。内部からメカニカルなモールドが露出します。

■胴体部

胴体部、頭部と同様、細部まで細かくパーツ分割されていてリアル。胸部中央のサーチアイも内部メカモールドがデザインされるなど洗練された造りになっています。腰アーマーも各部ダクトやモールドがかなり緻密。色分けも細かいです。

首は前後にスイング可能。肩は複数パーツの組み合わせで外側に引き出しが可能。前方に幅広く展開できる他、上下にも幅広く可動するようになっています。

肩のマシンキャノンは展開可能。装甲を開くと連動して砲口が奥から引き出されます。このあたりはSDでも抜かりがないですね。砲口はダークグレー成形色での再現ですが、別パーツ化されているのでメタリック系で塗り分けると見栄えがしそうです。

胸部サーチアイの装甲は手前に引き出しが可能。内部からコックピットが露出します。コックピットはモールドが造形されているだけでパイロットフィギュアなどはありません。

リアアーマーを下げることで、ネオバード形態再現用にサイドアーマーを後方に配置することができます。

腰アーマー裏は各部ともリアルメタリックグロスインジェクションパーツによる裏打ちパーツが造形。メカニカルなモールドが入っていて見応えがあります。

股間部には左右への展開ギミックがあり、展開することで脚をクロスさせることが可能。この動きによって羽を開いて飛翔するようなウイングゼロEW定番のポーズを再現することができます。

■腕部

腕部。SDなので短腕ですが、各部の造りは緻密でモールドも細かめ。ショルダーアーマーの黄色いラインや前腕のモールドなどもパーツできっちりと色分けされています。ウイングゼロEW特有の白いハンドパーツも印象的。

上腕、前腕共に内部フレームに外装を被せていく仕様で合わせ目はありません。前腕はロール可能。ハンドパーツは親指、人差し指、残り3指がそれぞれ可動するタイプ。

前腕のセンサーはクリアグリーンパーツでの再現。こちらも内部モールドがきっちりとデザインされています。赤いウイングも可動式。手首は上下にスイングします。

ショルダーアーマーはウイングゼロEW特有の3重装甲。パーツ構成も1/100MGとほぼ同等レベルの造りになっています。

3重装甲はゼロシステム発動状態用に展開可能。各装甲裏共にモールドがきっちりと造形されています。

外側に引き出して下げることで、ネオバード形態や大気圏突入モード用にショルダーアーマーを閉じた状態にすることができます。

■脚部

脚部。こちらもSD特有の短足型ですが、全体的にメカニカルでモールドが緻密。大腿部や膝周り、アンクルアーマーのモールドなども内外パーツとの兼ね合いで細かく色分けされています。

脚部も腕部と同様、内部フレームに外装パーツを被せていく構造で合わせ目はありません。

膝にはスライドギミックがあり、曲げることで部分的に内部フレームが露出。また、脹脛後部の装甲を左右に展開することで、膝曲げ時の干渉が避けられるようになっています。

ソール部は派手さはないですが、ややスタイリッシュに造形。足裏もメカニカルなモールドが造形されていてリアルです。つま先は2個所が可動。

■バックパック

背部にはコンパクトなバックパック、アーム接続による天使の翼のような左右ウイング(主翼)、シャープで厚みのあるウイング(副翼)を装備。

バックパック本体はシンプルな角型タイプ。左右の主翼と後部の副翼の接続基部になっています。

バックパックは組立時にフレーム状態で背部に差し込んで下にスライドさせ、青い外装パーツを被せることでロックがかかる構造。なので外装を組み付けた状態だと赤◯部分でロックがかかって外れないようになっています。

主翼のアームは多数パーツの組み合わせでフレキシブルに可動。左右の組み合わせ箇所も多いですが、合わせ目は各部とも段落ちモールド化されているようです。なかなか存在感があるアームですが、1/100のVer.Kaに匹敵するくらいの長さになっています。

副翼のアームはサーベルホルダーになっていて柄が展開可能。

副翼自体も幅広く展開させることができます。

更に副翼は上下に展開できるようになっていて、展開することでかなり華やかなウイングに変化します。これまでのウイングゼロEWのガンプラにはなかったギミック(おそらく;)でかなり新鮮。

白いウイング部分は左右の組み合わせですが、合わせ目は段落ちモールド化されています。

主翼は他のウイングゼロEWのガンプラと同様、天使の翼を模した象徴的なデザインで造形されています。ただし小羽の根元にはスリットモールドがデザインされるなど特徴的。

主翼は多重構造で各部が展開可能。隙間からリアルメタリックグロスインジェクションパーツによるメカニカルな装甲やクリアブルーのリフレクションカットパーツが露出します。

小型フィンも各種とも上下やロールなどフレキシブルに可動します。

主翼はアームによって柔軟で幅広く展開させることができますし、副翼も上下や左右、ロールなど柔軟に可動します。

■他キットとの比較

HGUC RX-78-2ガンダム(リバイブ版)と並べて大きさを確認。低頭身ですがキットとしてはそこそこ大きめ。通常のHG程度の大きさはありますし、ウイングを含めると更に大きくなります。各部のサイズ感が違うので不思議な感じがしますね。

SDCSSDEXのウイングガンダムゼロEWと並べて。同じSDですがMGSDはクォリティが全く違います。どれを求めるかは人ぞれぞれですが、ウイングゼロはどのブランドでもキット化されているのでお好みのSDが選べるのも良いですね。

MGウイングガンダムゼロEW Ver.Kaと並べて比較。Ver.Kaが比較的近年発売されたキットなので、造形的には近いものがあります。ただ、MGSDのほうがセンサー類内部などが緻密に造形されているため、よりメカニカルさが強く感じられますね。

同じMGSDブランドであるMGSDフリーダムガンダムMGSDガンダムバルバトスと並べて。どれもコンセプトや構造は同じなため、機体形状は違っていても雰囲気は同じです。次はどの機体がMGSD化されるのかも楽しみですね。

■各部可動域

頭部は幅広く上下します。左右へも干渉なくスムーズにスイング可能。

腕は前腕とショルダーアーマーとの干渉を避けることでY字程度まで上げることが可能。肘は2重関節で深くまで曲げることができます。

肩は可動ギミックによって前方に幅広くスイング可能。後方へはほとんどスイングしません。

腰部には可動ギミックがあり、上半身を前方に傾けることができます。

左右へも適度にスイング可能。

腰は少し干渉しますが、一応360度回転させることができます。アクションベースやスタンドで浮かせてディスプレイさせる場合は、バックパック下部のハッチを開き、太めの1ダボを差し込みます。3.0mm穴ではないので、3.0mm軸に対応させる場合はアクションベースなどの六角型パーツを使う必要がありそうです。

腰アーマーが広めに可動するので、前後開脚もそのぶん広めに展開させることができます。

膝も肘部と同様、2重関節で深くまで曲げることができます。

足首は適度に前後に可動。左右へは広めにスイングさせることができます。自立でのポーズもしっかりと接地できそう。

左右への開脚は水平程度まで幅広く展開可能。

内股は股間部との干渉で45度程度までしか曲がらず。がに股は幅広く可動します。

立膝はきれいな姿勢で再現することができました。

可動域の総括としては、短腕、短足ながらも干渉はほとんどなく、各部ともかなり幅広く可動させることができます。若干ショルダーアーマーと前腕装甲が派手な造りになっているため干渉がありますが、その辺りの干渉さえ気をつければ、ダイナミックなポーズ、躍動感あるポーズなども十分に再現できそうですね。

■武装類

バスターライフル。ウイングガンダムゼロEWの主兵装になります。ほぼダークグレー成形色での再現ですが、表面にはMGらしいメカニカルなモールドが造形されています。

砲身、基部共に左右の組み合わせですが、上下の合わせ目は段落ちなどでモールド化。

砲身は前方にスライド可能。銃身部を延長することができます。伸縮先でカチッとロックがかかります。

グリップは反転して本体に押し込むことで収納することができます。ネオバード形態時などに収納します。

側面の装甲は展開可能。2本を連結させることでツインバスターライフルとして使用することができます。センサーはクリアグリーンパーツでの再現。内部には頭部と同様、メカモールドがデザインされています。

ウイングシールド。流線型のフォルムを持つ特徴的なシールドです。ネオバード形態時は機首としても使用可能。パーツ数自体はさほど多くはないですが、内外パーツとの兼ね合いで各部が細かく色分けされています。他ブランドのシールドに比べると少しエッジが効いていて硬派な雰囲気もありますね。

シールド先のウイングは歯車式で左右が連動して展開。後部のジョイントもネオバード形態用に展開することができます。

■ポージング

一通り武装して。

バスターライフルを保持する場合は、まずバスターライフル側も後部のジョイント部分を展開します。そして前腕の青い装甲をスライドしてジョイント穴を露出。

グリップのダボを手のひらに接続し、バスターライフル後部のジョイントを前腕に組み付けたらバスターライフルの保持完了です。

バスターライフルは2箇所で固定されるため、しっかりと保持させることができます。

銃身が長いため、低頭身のウイングゼロEWに装備させると少しサイズ感がバグる感じがですが、その分迫力が出て良いですね。

腕を左右に展開してローリングバスターライフルを再現。

ウイングシールドは前腕の赤いウイングを閉じ、シールドを組み付けます。形状に沿ってはまり込むので、後は上部のラッチでロックをかければウイングシールドの装備完了です。

かっちりと固定できるので取り回しがラク。背部バックパックやウイングとの干渉もほとんどなく、関節も幅広く動くのでシールドを使ったポーズも取らせやすいです。

ツインバスターライフルの状態でも片手で問題なく保持することが可能。関節強度が高いので軽々と保持してくれます。

バックパックはロックが掛かって外れないようになっているため、太軸を差し込んでも負荷で外れることはないですし、背部にウイングを多数装備していても重たい感じはありません。

ビームサーベル刃はクリアグリーン成形色での再現。他ではあまり見ないカラーリングで特徴的です。柄は手のひらにダボ固定するため、しっかりと保持することができます。

センサー類やビームサーベル刃などのクリアグリーンパーツはブラックライトで照らすと若干発光するようでした。

ウイングを展開した状態で。主翼は展開することでリアルメタリックグロスインジェクションのシルバーやリフレクションカットのクライブルーパーツが露出。背部の副翼も幅広く展開することで神々しい容姿、ポージングを楽しむことができます。まさにウイングゼロの真骨頂。格好良さの極みですね。

ツインバスターライフルで劇中のラストシューティングシーンを再現。両前腕にしっかりと固定できるため、ポージングに専念できますし、かなりきれいな姿勢で射撃ポーズを再現することができます。

■大気圏突入モード

大気圏突入モードへの変形は、まずリアアーマーを下げてサイドアーマーを後方に配置。つま先を伸ばしておきます。そして前腕の角度を変えて赤いウイングを収納。ショルダーアーマーは外側に引き出して下げます。

主翼内側の小型フィン折りたたみ、主翼を前面で組み合わせます。そして副翼を左右に展開して広げたら大気圏突入モードへの変形完了です。

機体全体をウイングで覆ったような姿が特徴的。前面で合わせたウイングは特にロック機構はないですが、アームがしっかりとしているので形状が崩れることはありません。

■ネオバード形態(大気圏外モード)

続いてネオバード形態(大気圏外モード)に変形させていきます。

ネオバード形態(大気圏外モード)も大気圏突入モードと同様、リアアーマーを下げてサイドアーマーを後方に配置。つま先を伸ばします。そして前腕の角度を変えて赤いウイングを閉じ、ショルダーアーマーを下げます。ここまで大気圏突入モードと同じ。

主翼は左右に配置し、頭部を反転。

ウイングシールドは黄色い羽と左右のジョイントも展開。グリップを収納したバスターライフルを左右に組み付けます。

ウイングシールドとバスターライフルをバックパックに組み付け、主翼、副翼共に大気圏外モードと同じ位置に組み付けたらネオバード形態(大気圏外モード)への変形完了です。

ネオバード形態(大気圏外モード)。形状的に前述した大気圏突入モードに近いですが、機首が追加され、頭部も反転していることで飛行ユニットらしいシルエットに変化しています。

ウイングシールドとバスターライフルをバックパックに組み付ける際、しっかりと固定させるのが難しいので、一旦ウイング類を外してから取り付けたほうがラクです。

ネオバード形態(大気圏外モード)でディスプレイ。主翼を後部に配置しているからか、全体的に白鳥が飛んでいるような感じにも見えなくもないような・・・・。

■ネオバード形態(大気圏内モード)

ネオバード形態(大気圏内モード)への変形は、まずネオバード形態(大気圏外モード)の状態にしておきます。

そこから副翼を閉じて斜め45度程度に配置し、主翼を左右に展開。小型フィンもそれぞれ展開しておきます。これでネオバード形態(大気圏内モード)への変形は完了です。

大気圏外モードと同様、特にロック機構はありません。なので弄ると形状が変わりますが、関節やアームの強度が高いので問題なく形状を維持してくれます。

ネオバード形態(大気圏内モード)で飛行シーンを再現。スタンドに接続する場合はかなり長い支柱が必要になるので、できれば底面などにディスプレイ用の接続穴が増設されていると良かったですね。

ウイングが自由に動かせるので、ネオバード形態時の表情を細かく変化させることができます。可動させて鳥が羽ばたくような動きを表現してみても良さそう。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。ウイングゼロEWは多くのファンに愛される人気機体ですが、このMGSDでも安定の格好良さがあり、その造形美には相変わらず惚れ惚れするものがありますね。主翼を広げるだけでもポーズに華やかさが出ますし、新しいキットが出るたびにその造形美が増していくようです。リアルメタリックグロスインジェクションのシルバーやリフレクションカットのクリアブルーも白いウイングにうまくマッチしていますし、色味も良いのも良いですね。

気になる点はあまりないですが、ネオバード形態でディスプレイさせる場合は支柱を上部のバックパックに接続する必要があります。支柱に長さが必要になってくるので、できれば底面などにディスプレイ用のジョイント穴があればよかったかなと。

ネオバード形態も大気圏外、大気圏内のどちらも再現できて抜かりがないですし、大気圏突入モードももちろん再現可能。バスターライフルのギミックや保持方法なども細かく再現されていてほぼポロリなどのストレスはありません。あらゆる面で洗練された、完成度の高いSDキットになっているのが良いですね。

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