今回は、2000年9月に発売されたHG 1/144 AMX-107 バウのレビューをご紹介します!
HGUCバウは、『機動戦士ガンダムZZ』に登場する可変MS『バウ』の1/144スケールモデルキットです。カトキハジメによってリニューアルされたデザインを基に1/144スケールで立体化。MS形態のスタイルを崩す事なく、合体・変形が再現可能なキットになっています。ビームライフル、ビームサーベル、シールドといった武装類が付属。価格は1,320円(税込み)です。
主にグレミー・トトが搭乗し、ダブルゼータガンダムなどと交戦したアクシズ(ネオ・ジオン軍)試作型MS『バウ』がHGUCでキット化。「バウ・アタッカー」と「バウ・ナッター」への分離機構を持つ、特徴的な機体形状が再現されています。開発中のコードネームは「飛龍」。
成型色は特徴的なオレンジをベースに、各部にダークグレーやイエローを配色。内部・関節はグレー成型色のPSパーツを使用し、強度が必要な箇所にはABSが使用されています。
シールはモノアイのみ。各部ダクトや腰部モールドなどは塗り分けが必要ですが、素組みでも違和感がないくらいの色分けが再現されています。
ポリキャップはPC-123プラスを大部分に使用し、関節強度はまずまず高め。背部にプロペラントタンクとフレキシブル・ウイング・バインダーを持つバックパックを装備しているため、後方に少し負荷がかかりますが自立は可能です。
ビーム・ライフル、シールド、ビームサーベル、武器持ち手(右)が付属。
『飛龍』のマーキングシールが付属します。
頭部。縦に長いバウ特有のシャープなデザインに造形されています。頭部は左右の組み合わせで額から頭頂部にかけて合わせ目ができます。消す場合は後ハメが必要。顎の合わせ目は段落ちモールド化されています。
モノアイはシールの貼り替えで位置を変更するようになります。変更する際は頭部を分解する必要があり、表情を変えるのに少し手間がかかります。頻繁に変更したい場合は予めダボを細らせ、分解しやすくしておくと良いかもです。(自己責任でお願いしますm(_ _)m)
腰部。ゼータ系を意識したようなデザインになっています。エアインテークや前側だけでなく側面もパーツによる色分けを再現。ダクト内部はグレーに塗り分けが必要です。中央にはネオ・ジオンのモールドが造形されています。腹部は左右の組み合わせで中央に合わせ目ができます。
腰部も各部がシャープに造形。フロントアーマー下部のダクトは黄色と黒に、サイドアーマーの2基◯モールドは黄色に塗り分けが必要です。
腰アーマー裏にモールドや裏打ちパーツは造形されておらずフラットな状態。リアアーマー内部には2基のバーニアが造形。バーニア内部は抜けておらず、作りが簡易的です。股間部も特徴的なスラスターが造形。サイドアーマーはポリキャップ接続で、変形用に展開が可能です。
背部もスラスターなどが造形されています。リアアーマーは形状が特徴的ですが、簡易的な1個パーツ構成です。
腕部。ゼータ系に似ていますが、各部に棘感があり、全体的にシャープなデザインになっています。
二の腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせですが、合わせ目は手首側に少しできる程度。肘の装甲や丸モールドはグレーに塗り分けが必要。前腕のダクトも黒と黄色に塗り分けが必要です。
前腕のグレネードランチャー展開ギミックやサーベル柄の脱着ギミックはありません。
ショルダーアーマーもシャープに造形されています。前後の組み合わせですが、合わせ目は端でモールド化。棘装甲の内側はグレーに塗り分けが必要です。肩内部には合わせ目ができます。
脚部もゼータ系っぽく起伏の少ないシルエットに造形されています。
大腿部は左右の組み合わせですが前後の合わせ目は段落ちモールド化。膝から下も左右の組み合わせですが、こちらは前後に合わせ目ができます。膝から分離しますが、グレーパーツを挟むので合わせ目を消す場合は後ハメなどが必要。
後部と側面のスラスターはそれぞれ黄色と黒に塗り分けが必要です。
ソール部は作りが簡易的でかかと上部が空洞になっています。後部から見えやすいので気になるかも。足裏もつま先とかかとに肉抜き穴があります。
つま先は変形用に折りたたみが可能。アンクルアーマーも可動します。
背部には2基のプロペラントタンクやフレキシブル・ウイング・バインダーを持つバックパックを装備。
プロペラントタンクは左右の組み合わせで中央に合わせ目ができます。タンクの脱着ギミックなどはなし。左右のスラスターも左右の組み合わせで中央辺りに合わせ目ができます。それぞれ分離可能なので、合わせ目消しはラクかと。スラスター口は黒や黄色に塗り分けが必要です。
フレキシブル・ウイング・バインダー。上下2枚のウイングによってシャープに造形されています。内側のハードポイントには3基のミサイルが造形。上部ウイングの内側には肉抜き穴があります。
バックパック基部はポリキャップ接続で上下にスイングが可能。ある程度回転させることもできます。
ウイングもボールジョイント接続で適度に上下スイングが可能。
下部ウイングは左右に展開可能で、ハードポイントに接続されているミサイルも変形用に向きを変えることができます。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。HGとしてはまずまずな大きさ。バウの全高は22.05mです。頭頂高は18.5mとのことですが、オーバースケールなのか設定が曖昧なのか・・・・;
HGUCダブルゼータガンダムが手元にないので、劇中で同じ宙域に身をおいたHGUCゼータガンダム[U.C.0088]、HGUCキュベレイMk-Ⅱと並べて。キットの発売された時期にだいぶ差がありますが、組み合わせてもそれほど違和感はなさそうです。
頭部は少し上下させることができます。左右へは後頭部と襟が干渉するので45度程度まで。
腕は水平まで上げることが可能。肘は90度まで曲がらずです。
変形機構の関係上、肩の前後スイングや上半身の前後スイング、腰の回転は出来ないようになっています。股間部に3.0mm穴などはなく、アクションベースを使ってのディスプレイも考慮されていません。
前後開脚はかなり広めに展開させることが可能。
膝も深くまで曲げることができます。膝装甲裏に裏打ちパーツはありません。
足首の可動は、前後へは適度にスイングしますが、左右へはあまり可動しません。
左右への開脚はかなり広くまで展開が可能です。
内股、がに股は完全に曲げることが可能。
立膝はやや浅めですが、それなりに再現することは可能です。
可動域の総括としては、特殊な合体変形機構があるため、どうしても可動しない箇所や可動が不十分な箇所がありますが、股間部など幅広く動く箇所もあるのでそれらを活かすことで、ある程度のポーズは再現できそうです。
シールド。バウ専用の実態式盾で、表面には5門のメガ粒子砲やジオン軍の紋章レリーフが造形。表面は1個パーツ構成で、メガ粒子砲は内部を赤と黒に、レリーフは黄色に塗り分けが必要です。
裏面も簡易的な作りで少し肉抜き穴があります。
前腕へのジョイントは上下やロール可動します。
ビーム・ライフル。バウ専用に開発された携行式のビーム砲になります。上部動力パイプはオレンジに塗り分けが必要。
本体部分は最中割で上下に合わせ目ができます。
一通り武装して。
ビーム・ライフルはトリガーに指を添える形の武器持ち手で保持します。ダボ固定ではなく、ハンドパーツとグリップとの間に隙間があって遊びがありますが、ライフル後部が前腕と干渉してうまく固定されるのでふらつきがなくなっています。
シールドはジョイントが前腕の凹みにしっかりと固定されるので簡単に外れることはないかと。
バックパックにスタンド(THE シンプルスタンド×3【フィギュア&模型用】)のアームをひっかけて簡単にディスプレイしてみました。造形やプロポーションがいいので、簡単なポーズでもなかなかかっこよく決まりますね。
ビーム・サーベルはハンドパーツにしっかりと差し込んで固定することができるので、スルッと抜け落ちることはまずありません。イエロー成型色のみなので、グリップをグレーに塗り分ける必要があります。
MA形態への分離変形は、まず背部を展開して上半身(バウ・アタッカー)と下半身(バウ・ナッター)とのロックを解除し、分離させます。
上半身をバウ・アタッカーに変形させていきます。上半身は分離したことで内部が自由に可動します。なのでまずその隙間に①頭部を沈めます。②腹部(機首)も展開。③後部ウイングは左右に広げておきます。
④ハンドパーツを外してショルダーアーマーを下げ、⑤肩を可動させて本体の内側に収納します。
⑥下部のハッチを閉じて⑦ウイング下部のミサイルを水平に配置。
⑧腕部を下げて下部に⑨シールドとビーム・ライフルをマウントしたらバウ・アタッカーへの変形完了です。
バウ・アタッカー。上半身を形状を活かしつつもシャープでスピード感のあるシルエットになっています。
バウ・アタッカーをいろんな角度から。特に各部がロックされるわけではないですが、関節強度がまずまずあるのであまり形状が崩れることはありません。
バウ・アタッカーでフライトシーンを演出。航空機らしいシルエットでバウ・アタッカー単体でも十分なかっこよさがありますね。
特にディスプレイできるようになっておらず、この字パーツに簡単に乗せているだけです。固定されないので、キットが落下しないように注意が必要です。
続いて下半身をバウ・ナッターに変形させていきます。まず①足の付根を回転させて脚部を外側に開きます。②サイドアーマーは展開して角度を90度変えておきます。
③脚部を左右に開いて④つま先を伸ばしたらバウ・ナッターへの変形完了です。
バウ・ナッター。こちらはバウ・アタッカーとは異なり、下半身の形状を残しつつも簡易的なスタイルのフライトユニットになっています。
バウ・ナッターをいろんな角度から。こちらも関節強度がまずまずあるので、ある程度形状を維持することができます。
バウ・ナッターの機首も特徴的な形状になっています。左右の丸モールドは内部を黄色く塗り分けが必要。
バウ・ナッターでフライトシーンを演出。こちらはあまりフライトユニットらしくない個性的なデザインになっています。大型ミサイルとしての運用も可能とのこと。Vガンダムのブーツ的な・・・。
アクションベースでディスプレイできるようになっていないので、アームを引っ掛けて浮かせた状態にしています。
バウ・アタッカーとバウ・ナッターを組み合わせてフライトシーンを演出。やはり上下2体が揃ってこそなところもありますね。
適当に何枚かどうぞ。
劇中のようにHGUCド・ダイ改への搭乗も可能。特にダボ固定されたりするわけではないので、落下しないようにバランスよくディスプレイさせる必要があります。
ゼータガンダムと組み合わせて劇中シーンっぽく再現。このバウは造形的な古さを感じさせないので、HGUCゼータガンダム[U.C.0088]と組み合わせても違和感ないシーン演出が可能です。
以上です。各部に合わせ目は多いものの、造形やプロポーションに古さは感じさせず、ポージングさせてもとにかくかっこよく決まります。色分け再現度も高いですし、合体・変形機構も秀逸で、2000年発売のキットとは思えないくらい完成度の高いキットに仕上がっていますね。
気になる点は、合体変形があるため、腰部周りの可動は制限されてしまいます。なのでその分、ポージングの柔軟性という部分では物足りないところもあるかと。あと、サイドアーマーやバックパックの接続部がポリキャップむき出しなのは少し気になりますね。
武装類も一通り揃っているので攻撃シーンの演出には事欠かないですし、分離変形させるなど組んだあとの楽しみも多いです。これが1,320円という価格で発売されているというのも嬉しいところです。何分入手しにくくはなっていますが、入手できれば充実の一体として楽しめそうですね。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。(一度切りです。)切れ味はもちろん優秀。薄刃ですが強度が高く長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら