HG ジム・スループ レビュー

今回は、HG 1/144 RGM-79U ジム・スループのレビューをご紹介します!

HG ジム・スループは、『機動戦士ガンダム MSD』より、MS「RGM-79U ジム・スループ」の1/144スケールモデルキットです。地球連邦軍初の水陸両用機の特徴的な機体形状を再現。アクア・パックやバラストタンク、ソナーガン、センサーポッドといった豊富な武装が付属し、様々な演出が可能となっています。価格は3,520円(税込み)。プレミアムバンダイ限定の商品です。

地球連邦軍が初めて開発した水陸両用MSで、一年戦争時、ジオン公国軍の水陸両用MSに対抗すべく複数の案が計画された水陸両用ジムシリーズのうち、最も早く完成した機体「RGM-79U ジム・スループ」がHGでキット化。

HGジム・ナイトシーカー※1をベースに、背部にアクア・パックやバラストタンクを持つ特徴的な機体形状、ソナーガン、センサーポッドといった武装類が新規造形で再現されています。※1 HG THE ORIGIN版ジム系の内部パーツを使用。

成形色は若干くすみのあるホワイトと深みのあるグリーンを基調に、頭部バイザーやソナーガンセンサーにクリアブルー、胸部エアインテークや背部アクア・パックなどにイエローを配色。その他、部分的な装甲や内部・関節、武装類などはグレー成型色での再現となっています。

ホイルシールが付属しますが、頭部とセンサーポッドのセンサー部、アクア・パックの水中翼を補うくらいでわずか。塗装は一部モールドを塗り分けるくらいでほぼ必要ありません。素組みで十分なくらいの色分けが再現されています。

内部や関節、武装類など、各部に使用されているグレー成形色パーツはKPS素材。ABSは使用されていないため、塗装による破損やひび割れを心配する必要はなさそうです。

ポリキャップはPC-001を使用し、肩部や腹部、足の付根、足首などに組み込みます。肘や膝はKPSパーツ構成で関節強度はまずまず高め。背部に幅のあるアクア・パックを装備していますが、後方への負荷はあまりなく、自立は安定しています。

■付属品

ソナーガン、ビームスプレーガン、センサーポッド(センサーポッド本体✕1、リード線1本、ジョイントパーツ✕2)※2、ハンドパーツ(平手:左右、武器持ち手:左右)が付属。※2 センサーポッドもう1基はアクア・パックにマウントされています。

HGジム・ナイトシーカー用のパーツが多数、余剰で付属します。バックパックが丸々付属しているのでカスタマイズや改修アイテムとして使っても良さそうですね。

専用のマーキングシールが付属します。

■各部形状

形状の異なる部分のみ、HGジム・ナイトシーカー(マーカー・ポッド仕様の頭部)と比較しながら各部を見ていきます。

■頭部

頭部。ジムスロープは特にマーカーポッドなどの装飾がなく、無駄のないシンプルなスタイルになっています。とさか前後のセンサーは青いシールでの色分け。

メット部は頭頂部から側頭部にかけて合わせ目ができます。前後の簡単な2個パーツ構成なの合わせ目消しは楽そう。

バイザー内部には他のオリジン版ジムと同様、メカニカルなモールドが造形されています。

クリアブルーのバイザーは、ナイトシーカーは反応しませんが、ジム・スロープはブラックライト(UVライト)で照らすと鮮やかに発光します。

■胴体部

胸部・腹部。関節や外装の一部をナイトシーカーから流用しつつ、各部がジム・スループ用に新造。素ジムの両肩にダクトアーマーが追加されたようなデザインになっています。

首は2箇所のボールジョイントとヒンジ接続でかなり柔軟に可動します。肩もポリキャップとKPSパーツの組み合わせで、前方への展開や上方への展開が可能。

腹部には可動ギミックがあり、上半身を幅広く前後させることができます。

腰部。形状自体はナイトシーカーと同じ。フロント、リアアーマーともにジム系らしいフラットな装甲が造形されています。。フロントアーマーはふんどし部分がないタイプで、左右2枚装甲のみで構成されています。

腰アーマー裏はフロントにのみ裏打ちパーツが造形。ボールジョイント接続で適度に展開が可能です。裏面は簡単なモールドのみが造形されています。

股間部にはスライドギミックがあり、スライドさせることで脚部の可動域を広げることができます。

■腕部

腕部。こちらも形状はナイトシーカーと同じ。特に派手な装備はなく、フラットな装甲のみで構成されています。ジムの系譜を継ぐシンプルなデザイン。

内部フレームを基礎として、上腕は外装を左右、前腕は前後から被せる仕様ですが、合わせ目は各部とも段落ちモールド化されています。

ショルダーアーマーも前後の組み合わせですが、合わせ目は端でモールド化。側面のグレーダクトは上下にスイングが可能です。各部とも合わせ目はできず、全体的に出来は良いですね。

■脚部

脚部。大腿部や膝から下はナイトシーカーと同形状ですが、側面にはジム・スループの特徴である補助バラストタンクを装備。水中航行も兼ねた特徴的な機体形状が再現されています。

脚部は膝から下の部分にのみ内部フレームが造形されています。

補助バラストタンクは脱着が可能。脚部パーツは基本的にナイトシーカーからの流用ですが、膝から下の外側装甲のみジム・スループ用に新造。補助バラストタンク脱着用に膝の丸モールド(赤◯)が深穴になっています。

大腿部は前後、膝から下は左右と前面の組み合わせですが、各部とも合わせ目はモールド化されています。

補助バラストタンクは3枚パーツ構成。外側のスラスターやダクト、内側のグレーのジョイント各部がパーツできっちりと色分けされていますしメカニカル感も表現されています。

ソール部は一般的なオリジン版ジムと同じタイプ。シャープで薄くシンプルなものになっています。足裏にはメカニカルなモールド入り裏打ちパーツで蓋がされているため、肉抜き穴はありません。足の付根は球型関節でフレキシブルに可動。

■バックパック

背部には水中航行用のアクア・パックを装備。「ダイナミカルダイブ方式」という格納式の水中翼と推進器が併用されたユニットになっています。

グリーンの装甲は上下の組み合わせですが、合わせ目は後部に少しできるくらい。合わせ目を消す場合は水中翼などの後ハメが必要そうです。

アクア・パックを前後から。ウォータージェットや水中スクーターをイメージしたような、水中専用ユニットらしいデザイン。左右の白いラインはパーツできっちりと色分けされています。

前面には2基のプロペラを装備。プロペラはランナーから切り出す際、2度切りでゲートの太い部分をカットするとファンが折れやすいので注意です。実際に折れました;

後面にも1基の大型排水用プロペラが装備されていますし、プロペラ周りのグレーもパーツできっちりと色分けされています。

アクア・パック中央部にはセンサーポッドと水中翼を装備。中央の白い装甲パーツは裏面から回し込むように組み付けますが、組み付けが少し難しいので破損させないように注意です。

中央の白いパーツを内側にスライドさせることで、左右の水中翼が少し展開。

翼を干渉することなく引き出すことができます。先端は白いシールでの色分け。少し引き出しにくいので、引き出す際はシールを剥がさないように注意します。

水中翼の基部はロールが可能。表情を変化させることもできます。その上のセンサーポッドは脱着可能。

センサーポッドはアンテナを交えた3個パーツ構成。本体部分は2枚パーツを組み合わせる仕様ですが、合わせ目はモールドっぽくなっているようです。◯□のセンサー部分はブルーのシールでの色分け。アンテナは展開可能。小さいユニットですが造りは良いです。

付属のリード線とジョイントパーツを組み付けることで、アクア・パックからの展開状態を再現することができます。センサーポッドは2基付属していますが、アクア・パックには1基しかマウントできないようでした。

ジム本体からアクア・パックを外してセンサーを展開すると、前後の向きは違いますがアンコウっぽく見えなくはないですね・・・・;ただ、アクア・パックに3.0mm穴はないので単体でディスプレイさせる場合はコの字パーツなどで挟む必要があります。

背部アクア・パックとはS字フック型のヒンジ接続。簡単な1個パーツ接続ですが、割としっかりとした強度があります。ただし経年で垂れやすくはなりそうですね。

背面のホバーユニット接続部はジム本体部と2ダボ接続ですが、外装を兼ねているため、取り外しはしない造りになっています。

S字パーツによってアクア・パックを上下に可動。

後方にも展開することができます。アクア・パックを本体から外したい場合、S字パーツのヒンジ部分が割とバラしにくいので、一旦背部外装パーツごと外してから分解したほうが良さそうです。

■他キットとの比較

HGUC RX-78-2ガンダム(リバイブ版)、HGUCνガンダム(ファンネルなし)と並べて大きさを確認。大きさはRX-78-2と大差ありません。HGとしては中間か小柄なサイズです。ジムスロープの頭頂高は18.0m。

同フォーマットのHGジムナイトシーカーと並べて。素ジムをもとに、任務によって装備が変えられているため、同形状の部分もあれば異なる部分もあります。ですがどちらも特殊部隊らしい容姿で個性的です。

HG ジム (ショルダー・キャノン装備/ミサイルポッド装備)と並べて比較。同じMSDシリーズのジムですが、細部を見ると結構違っています。開発系譜のルートの違いを感じさせますね。

■各部可動域

フォーマット自体はナイトシーカーと同じため、各部可動域もナイトシーカーとほぼ同じ。頭部や腹部は広めに反らすことができますし、腕もY字、肘も2重関節で深くまで曲げることができます。

腰は360度回転可能。膝も2重関節で深くまで曲げることができます。フロントアーマーが腰に隙間を作って展開するようになるため、立膝は干渉で少し制限されるようでした。

左右への開脚も水平まで幅広く展開させることができます。足首も深くまで曲げることが可能。ガンプラの中ではトップクラスくらい、全体的にかなり柔軟に可動します。ポージングの自由度も高そうですね。

■武装類

ソナーガン。機体にソナーを搭載するスペースを確保できなかったため、MS用に携帯型の小型ソナーとして開発されたとのこと。探索・探知性能はさほど広域ではないようです。ライフル型特殊なデザインで造形されています。

本体部分は左右の組み合わせですが、合わせ目は段落ちモールド化されています。

上部センサーはクリアブルーパーツでの色分け。こちらもブラックライトで発光します。センサー内部もモールドがきっちりと造形されていて作り込みが良いです。

ビームスプレーガン。オリジン版のジム系に付属しているものと同じです。

簡単なモナカ割で上下に合わせ目ができます。側面にダボがありますが、特にマウントする箇所はないようでした。

■ポージング

ソナーガンを装備して。

ソナーガンは武器持ち手で保持します。ソナーガンのグリップのダボを手甲内側に組み付けるため、ある程度しっかりと保持できます。ただし手甲パーツの組み付けが浅いため、少しバラけやすいので注意です。

他のHGと同様、浮かせてディスプレイさせる場合は股間部にスタンドの3.0mm軸を差し込みます。水中航行するシーンの再現も同様。

ソナーガンは武器ではないので、射撃するようなポーズで構えることは少ないと思います。おそらく両手で抱えることが多いと思いますし、左右両方の平手が付属するのでソナーガンに手を添えるようなポーズができるのは良いですね。

背部アクア・パックが水中用の推進機らしいデザインなので、水中航行するポーズが様になります。

ビームスプレーガンを装備して。こちらもソナーガンと同様、武器持ち手で保持します。あまり攻撃要素が感じられない機体なので、こういった射撃武装があるとより攻撃的な演出ができて良いですね。

センサーポッド展開状態で。リード線は奥までしっかりと差し込めるのでちょっとしたことでは抜けません。ただし固定強度はそこまで高くはなく、リード線がクルッと反転しやすいので補強したほうが良いかも。

センサーポッドは軽量ですが、リード線が細いので多少負荷がかかります。ですが垂れ下がるほどではないのである程度の表情付けはできました。リード線を補強したほうが、展開状態をラクに再現できますね。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。ベースはジムですが、背部アクア・パックの存在感が大きく、個性的な機体に仕上がっていて良いですね。色的にも、一見すると亀っぽく見えるのが面白いです。造形的にも完成度が高く、水中翼の展開ギミックやセンサーポッドの射出状態が再現できるなど、各種ともかなり凝った造りになっていると思います。

気になる点はそんなにないですが、他のオリジン版ジムと同様、手甲パーツがバラけやすいので注意です。武器自体は手甲にダボ接続できますが、手甲ごと武器がポロリすることが多々有りました。ストレスを感じやすいのであらかじめ補強しておいたほうが良いかもですね。

ソナーガンを使うことで独特の索敵シーンが表現できますし、何気に攻撃的な武装が少なく、ビームスプレーガンが付属しているのもありがたいところ。特殊任務を遂行する特化型のジムもリアルな戦地シーンを再現するのに必要なので、このようなバリエーション機がキット化されるのはとても嬉しいですし、MSDの世界観を広げるという意味でも必要な一体ですね。

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