HG シャア専用ザク(GQ) レビュー

今回は、 HG 1/144 MS-06S シャア専用ザク(GQ)のレビューをご紹介します!

HG シャア専用ザク(GQ)は、『機動戦士ガンダムGQuuuuuuX』に登場するMS「MS-06S シャア専用ザク(GQ)」の1/144スケールモデルキットです。シャア専用ザク特有の赤いカラーリングを再現。モノアイの可動や肩部ブロックの独立可動により、繊細な表情付けやダイナミックなアクションポーズが可能となっています。価格は2,420円(税込み)です。

「S型」と呼ばれるMS-06ザクのハイエンドタイプであり、MS部隊で指揮を執る隊長・士官クラスに与えられた機体で、劇中ではシャア・アズナブルが搭乗。サイド7への襲撃と地球連邦軍の試作機ガンダムの奪取に貢献した機体「MS-06S シャア専用ザク(GQ)」がHGでキット化。

2025年11月に発売されたHG ザク(GQ)をベースに、シャア専用機特有の赤いカラーリングが成形色で再現されています。※大元はHG軍警ザク(2025年4月発売)。

成形色は淡めのピンクを基調に、胴体部や上腕、大腿部、ソール部などにレッドを配色。その他、胴体部がワインレッド2色、内部や関節、ソール部などがダークグレー、武装類がグレー成形色での再現となっています。

ホイルシールは付属せず。腰回りや大腿部後部のスラスター内部、ザク・マシンガンやザク・バズーカの一部などを塗り分ける必要がありますが、素組みでも十分なくらいの色分けが再現されています。

グレーとダークグレーのパーツにはKPSが使用されています。ABSは不使用。その他のパーツもPS素材なので、塗装時の破損や割れなどは心配せずに済みそうです。

ポリキャップは不使用。関節各部はPSとKPSパーツ構成で関節強度はまずまず高めです。厚底の接地面が小さめですが、負荷のかかるような装備はないため自立は安定します。

■付属品

ザク・バズーカ、ヒート・ホーク、ザク・マシンガン、平手(左)が付属。ノーマルざく用のひさしパーツが余剰として付属。組み替えることでアンテナなしのシャアザクを再現することもできます。

専用のマーキングシールが付属します。

■各部形状

一部をHGザク(GQ)やHG軍警ザクと比較しながら各部を見ていきます。

■頭部

頭部をザク(GQ)と比較して。大部分の形状は同じですが、シャアザク(GQ)は指揮官機仕様なので額にシャープなアンテナを装備。その他、口のスリットダクトや口元から後頭部に伸びる動力パイプ、丸みのあるメット部などがGQ版ザクらしいデザインで造形されています。

頭部は多数パーツの組み合わせで合わせ目はモールド化。動力パイプは赤基調になっています。

ザク(GQ)はメット部がグリーンのツートンカラーでしたが、シャアザク(GQ)は前後が同色でまとめられています。

モノアイはモールドの上からピンクのシールを貼っての色分け。口内スリットは別パーツ化されているので塗り分けがラクです。

他のザク系と同様、モノアイには可動ギミックがあり、下部のレバーを可動させることでモノアイが左右にスライドします。

■胴体部

胴体部。全体的に赤基調ですが、各部が多数のパーツで細かく色分けされていてメカニカル。丸みと起伏を併せ持つデザインが特徴的ですし、腹部動力パイプ2本もこれまでのザクにはないデザインで新鮮味があります。

推進器が大腿部に配置されているため、背部にバックパックなどはなく軽装。下方のジェネレーターはダークグレーパーツでの色分けです。

首は前後に可動。肩部も前方に展開させることができます。

胸部左右の装甲板も内外にスイング可能。可動時の干渉が避けられるようになっています。

腰回りにアーマーはなく軽装。股間部に可動ギミックなどはありません。外装は前後の組み合わせですが、合わせ目は大部分が段落ちモールド化されています。股間部前後のバーニア内部は赤く塗り分けが必要。

■腕部

右腕部。こちらも赤基調のカラーリングですが、上腕と前腕各部の赤が目立つ配色になっています。L字シールドはGQ版特有のコンパクトな軽装スタイル。

上腕は筒型で合わせ目はなし。前腕も多数パーツ構成で色分け再現度が高く、前後中央の合わせ目も段落ちなどでモールド化されています。上腕パーツは左右腕部でモールドの形状が対称になっているので組み間違いや向きに注意。

肘は1軸接続でロールが可能です。

右肩のL字シールドをザク(GQ)、軍警ザクのものと並べて。シャアザク(GQ)はザク(GQ)と同じでシンプルなL字型。軍警ザクだけが表面モールドやパトランプが備わったものになっています。内側のジョイントは各種とも前後に可動。

左肩のスパイクアーマーをザク(GQ)、軍警ザクと並べて。こちらもザク(GQ)と同形状。軍警ザクだけがスパイクがオミットでパトランプが配されています。スパイクは3本とも細身に造形。前後の2箇所だけ別パーツ化されています。

スパイクアーマー裏はシンプルなボールジョイント受け口。肩側内部はL字シールドの1ダボ(右肩)、スパイクアーマーのボールジョイント(左肩)共に上下に可動。

■脚部

脚部。GQ版特有の大腿部に球状タンクを配したタイプで、こちらも腕部と同様、赤基調で大部分がピンクカラー。大腿部内側の赤が少し目立つ配色になっています。大腿部後部のバーニア内部は赤く塗り分けが必要。各部とも合わせ目は段落ちなどでモールド化されています。

大腿部周りをザク(GQ)、軍警ザクと並べて比較。シャアザク(GQ)は津城のザク(GQ)と同形状。タンクにモールドのないタイプで、軍警ザクのみ表面にモールドが入っています。後部の2基バーニアはボールジョイントで柔軟に可動します。

説明書に記載はないですが、フレームが可動するので球状タンクは一応取り外すことができます。タンクは2個パーツ構成で一部に合わせ目ができます。

ソール部はGQ版ザク特有のブーツタイプ。足裏もおおよそ兵器らしくない、靴底らしいデザインで親しみが感じられるようになっています。裏打ちパーツで蓋がされているため、肉抜き穴などはありません。

■他キットとの比較

HG ザク(GQ)と並べて。頭部のアンテナ部分以外の形状は同じ。1stから何度も見てきた並びですが、GQ版ザクだとまた違った印象で新鮮味がありますね。

HG シャア専用ザク(リメイク)、HGシャア専用ザク(032)と並べて。どれよりもメカニカルで個性的。一つだけ別世界の機体のようなデザインになっています。成形色はGQ版が少しピンク寄り。

HG赤いガンダムと並べて。成形色は全く同じ。ジークアクスの世界線のシャアはこの色味が好きなようですね(笑)(まぁ実際に塗装したのは整備班で、シャアの色指定があったかどうかは・・・;)

キット化されているGQ版ザクで、HG軍警ザクと並べて。カラーリングが真逆なのと、部分的に形状が違っています。GQ版ザクはポメラニアンズ仕様などバリエーション機がいくつかあるのでキット化が続くとよいですね。

■各部可動域

各部可動域をザク(GQ)、軍警ザクと比較して。フォーマット、形状共に殆ど同じなので、可動域も各種とも同じ。頭部は適度に上下しますし、腕はY字程度まで高く上げることができます。肘は1重関節ですがV字程度まで曲げることが可能。腹部も適度に反らせます。

腰は干渉なく360度回転可能。膝も2重関節で深くまで曲げることができます。立膝もラクに再現可能。劇中でコロニーのハッチを開いたポーズも忠実に再現できます。

足の付け根可動が少し特殊ですが、一応ハの字以上に広く展開させることができます。一般的なHGとは少し構造が違っていて可動にクセがあるので、破損させないように注意。足首もある程度深くまで曲げることができます。

可動域の詳細は以下のリンクから、HG 軍警ザクのレビューをご参考ください。

⇒HG 軍警ザク レビュー

■武装類

ザク・バズーカ。遠距離からの砲撃を可能とする武装で、ザクが使用する対艦用の実弾式無反動砲です。ザク(GQ)からの流用で、砲身部や基部にはヒトクセある網状モールドが造形。砲身の一部はライトグレーに塗り分けが必要です。

砲身部分は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。

センサーやグリップ前側のフォアグリップはヒンジ接続で左右にスイング可能。

グリップも上下に可動します。フォアグリップを左右に向けた状態でないと砲身と干渉するので、うまく調整するようにします。

砲口はやや浅め。抜けた状態を表現する場合は開口するか、黒く塗り分けるなど処理が必要です。後部4口は丁寧に造形されています。

ザク・マシンガン。ザク用に開発された実弾式の射撃兵装です。サイド7襲撃戦では連邦軍の新型であるガンタンクの破壊に使用されました。各部に細かなモールドが入っていてメカニカル。ドラムマガジン式ですが、シルエットが1stのザクなどとはだいぶ違っています。

本体部分は左右の組み合わせですが、上下の合わせ目は段落ちなどでモールド化。ドラムマガジンは1個パーツ構成で裏面には肉抜き穴があります。

フォアグリップは左右にスイング可能。

ヒートホーク。対モビルスーツ戦で使用した格闘兵器です。近接戦闘用の武装で、ザクの汎用性を更に高める装備の一つ。赤熱化するブレード部で敵装甲を焼き切ることが可能。簡単な1個パーツ構成ですが造りは十分。

■ポージング

一通り武装して。

ザク・マシンガンは通常の握り手でグリップを握らせて保持します。グリップが太くハンドパーツと合っているため、安定した保持が可能。モノアイが可動するので、マシンガンの銃口と視線が簡単に合わせられるのも良いですね。

フォアグリップが前後左右に可動しますし、肩や肘の可動域も広いため、両手持ちもラクに再現できます。脚部の動きにクセがありますが、上手く配置すれば格好良いポーズも十分に再現可能。各部パーツとも強度は高いですが、グリグリ弄りまくると股間軸に負荷がかかって折れる場合があるので注意です。(ザクGQで折れました;)

膝が深く曲がるので、劇中のガンダムへの乗り換えシーンも再現することができます。赤(ピンク)基調のカラーリングがシャア専用基らしくて良いですし、劇中のカラーリングがキットに上手く落とし込まれていると思います。

ザク・バズーカもザク・マシンガンと同様、グリップをハンドパーツで握らせて保持します。こちらもグリップやフォアグリップの融通性が高いので両手持ちがラクに再現できます。

少し干渉しますが、脇に抱えるポーズも再現できます。浮かせてディスプレイさせる場合は、他のHGと同様、股間部の3.0mm穴を利用します。

ヒートホークはグリップをハンドパーツ穴に差し込むだけで保持が可能。多少柄が細身なため、スルッと動くことがありますが、抜け落ちるほどではなかったです。気になるならマスキングテープを巻いて調整しても良いかと。

コロニーのハッチを開く際の指示用ハンドパーツが付属しても面白かったかも。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。成形色は赤いガンダムとほぼ同じでシャア専用ザクらしさが十分に表現されていますし、GQ版ザクの機体デザインも個性的で面白いですね。デブ感がありつつも、造形美があってポーズが決まりますし格好良く演出できます。配色も破綻しておらず、見栄えがよく上手くまとまっているのが良いですね。

気になる点は特にありません。可動域も広く、躍動感あるポーズや乗り換えシーンの立膝、動きのあるポーズも十分に再現できます。合わせ目も武器くらいで塗装、処理する場合も対応しやすいかと。

通常の緑ザクにはない存在感で、ザク(GQ)と組み合わせると劇中シーンの演出が映えますし、武装類各種を使ってポーズを取らせれば、主役レベルのポージングや演出が可能。GQ版ザクの上位種ですし、なにわともあれシャア専用機なので、ガンダムファンとして入手必須なレベルの一体ですね。

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