今回は、2002年6月に発売されたHG 1/144 AMX-107 バウ(量産型)のレビューをご紹介します!
HGUC バウ(量産型)は、『機動戦士ガンダムZZ』に登場するMS「AMX-107 バウ(量産型)」の1/144スケールモデルキットです。バウ(量産型)のカラーリングを成形色で再現。最大の特徴であるMA形態への合体・分離・変形が、MS時のプロポーション、可動を損なうことなく再現可能となっています。価格は1,540円(税込み)です。
ネオ・ジオン軍が開発したバウの量産仕様可変機で、劇中ではアリアス・モマ、ダナ・キライなどが搭乗。サイコガンダムMk-Ⅱ輸送任務中にアーガマと遭遇し襲撃した他、プル搭乗のガンダムMk-Ⅱを戦闘不能に陥らせるなど活躍を見せた機体「AMX-107 バウ(量産型)」がHGUCでキット化。
2000年9月に発売されたHGUC バウのカラバリで、グリーンを基調とした量産型特有のカラーリングが再現されています。「バウ・アタッカー」と「バウ・ナッター」への合体・分離変形も可能。
成形色ややや明るめのグリーンを基調に、胴体部やバックパック、ソール部にダークグリーン、頭部や胴体部、ビーム・サーベルなどにイエローを配色。その他、内部や関節、一部外装や武装類などがグレー成形色での再現となっています。
ホイルシールが付属しますが、モノアイとモノアイレールを補うくらいでわずか。各部ダクトやモールド、スラスター、武装類の一部など細かく塗り分ける必要がありますが、素組みでも違和感はないくらいの色分けが再現されています。
グレー成形色パーツの一部、強度の必要な部分にはABS素材のパーツが使用されています。ABSはエナメル系など一部の塗料で塗装すると破損やひび割れを起こしやすいので注意が必要。その他は殆どがPS素材で塗装に対応しています。
ポリキャップはPC-123プラスを使用し、全身各部に組み込みます。肘や膝はポリキャップとPS素材のパーツで関節強度はまずまず高め。足首があまり稼働せず足底の外側が少し浮きやすいですが、バックパックに重量はなく、負荷もないので自立は問題なく可能です。
ビーム・ライフル、シールド、ビームサーベル、武器持ち手(右)が付属。
『龍飛』のマーキングシールが付属。HGUCバウのシールがそのまま流用されています。
■各部形状
各部を通常のバウ(HGUCバウ)と比較しながら各部を見ていきます。
■頭部
頭部を通常版と比較して。山型のシャープな装甲と後頭部の長いとさか状アンテナが特徴的に造形。バウらしい威厳を感じさせるデザインになっています。モノアイは通常のバウはグリーンですが、この量産型はピンクでの再現。
グリーンの頭部装甲は簡単な左右の組み合わせ。顎の部分は段落ちモールド化されていますが、ひさし上部などに合わせ目ができます。黄色いとさかを挟むため、合わせ目を消す場合は後ハメなどの加工が必要。
頭部にモノアイの可動ギミックはなく、モノアイレールにもモールドはありません。なのでモールドの可動はシールの選択によって表現します。中央と左右のモノアイ可動をホイルシールで表現。動力パイプはパーツできっちりと色分けされています。
できれば黒いモノアイシールとピンクのモノアイシールが分かれていると良かったですが、まだそこまでの配慮がない時代のキットですかね。。
■胴体部
胸部・腹部。胸部はエアインテークを持つゼータ系可変機のようなデザインで造形。それでいてシャープな襟装甲が造形されるなど、ネオ・ジオン所属機らしい荒い雰囲気も併せ持っています。黄色いダクト内部はグレーに塗り分けが必要。
首はボールジョイントですが可動ギミックはありません。肩も前後への可動はなく上下にスイングするくらいです。
腹部は胸部装甲から引き抜きが可能。胸部側の後部装甲を展開させ、腹部を引き抜くことで上半身と下半身に分離させることができます。
腹部(バウ・ナッターの機首部分)は左右、腰部は前後の組み合わせでどちらも合わせ目ができます。腰部上部の丸型ダクトは凹凸が深いので、合わせ目を消す場合は少し処理が難しそうです。
腰部や各部とも縦長でシャープな装甲が造形。高貴さと荒々しさを併せ持つデザインになっています。フロントアーマー裾のダクト、サイドアーマー基部の2口丸モールドはイエローに塗り分けが必要。
腰アーマー裏は各部ともモールドなどはなく造りが簡易的。ただしリアアーマーには簡単なスラスターが造形されていて雰囲気が出ています。バーニアは浅めに造形されているので彫り込んで深みを出してみても良いかも。サイドアーマーはポリキャップ接続で幅広く可動します。
■腕部
腕部。エッジの効いた装甲と尖ったショルダーアーマーが特徴的に造形。前腕は動力パイプも造形されるなど、メカニカルさも感じさせるデザインになっています。
上腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせですが、手首付近の前後にできる中央の合わせ目は段落ちモールド化されているようです。前腕のダクトはふちをイエロー、内部をグレーに塗り分けが必要。グレネード・ランチャーの射出やハッチ展開ギミックなどはありません。
ショルダーアーマーは前後の組み合わせですが、合わせ目は端でモールド化されています。尖った装甲裏もスリットモールドがきっちりと造形されていてチープさを感じさせない造りになっています。内側はグレーに塗り分けると更に雰囲気が良くなりそうですね。
肩内部には合わせ目ができるので、気になる場合は処理しておくと良さそう。ショルダーマーの固定強度がやや弱く、角度が変わりやすいので注意です。(個体差かも。)
■脚部
脚部。派手さはないですが、丸みとシャープさを併せ持つネオ・ジオン所属機らしいデザインで造形されています。大腿部は前後で微妙に形状が違っているので組み間違えないように注意。
大腿部は左右の組み合わせですが、中央の合わせ目は段落ちモールド化。膝から下も左右の組み合わせですが、前面などは別パーツ化されていて造りが良いです。ただしスネと後部に少し合わせ目ができます。合わせ目を消す場合は後ハメなどの加工が必要そう。
側面下部の円形モールドと後部の台形型スラスターは、内部をグレー、ふちをイエローに塗り分けが必要。台形型スラスターの内部にスリットモールドはなく簡易的です。
ソール部は3個パーツという少ないパーツ構成であっさりとした造り。ですがややボリューム感があり、バウの脚部の重厚感を表現する役割を担っています。
足裏には肉抜き穴がありモールドも簡易的。
つま先は変形用に角度変更が可能です。足首はボールジョイント接続で可動が独特。アンクルアーマーはヒンジ接続で可動しますが、強度が弱くプラプラするのである程度補強したほうが良いかも。
■バックパック
背部にはスラスターやプロペラントタンク、フレキシブル・ウイング・バインダーを備えた複合型のバックパックを装備。高い機動性能を感じさせるデザインになっています。
フレキシブルウイングバインダーは簡単なパーツ構成で上翼基部の内側は肉抜き穴。内側なのでそこまで目立たないですが、気になる場合はパテなどで埋めると良さそうです。
フレキシブルウイングバインダーのパイロンには3基のミサイルが造形。1軸接続でロールが可能です。1基は別パーツ化されているので塗り分けたりしてみても面白そうですね。
左右に配するスラスターユニット。簡単な3個パーツ構成で上下にガッツリ合わせ目ができます。後ハメなどは不要ですが、適度に凹凸があるので合わせ目消しは少し手間かも。後部の円形スラスター口はふちをイエロー、内部をグレーに塗り分けが必要です。
中央プロペラントタンクも簡単な2枚パーツ構成ですがメカニカルに造形。特に塗り分けは不要です。モールドがタルめなので、ヤスッたりスジボリなどをしてモールドやエッジを際立たせても良いかと。
フレキシブルウイングバインダーは接続部がボールジョイントで前後にロールしますし、下翼は変形用に左右に展開することができます。
バックパック本体もポリキャップと1軸接続で上下へのスイングや、
ロールさせて表情を変えることができます。干渉も避けられるので取り扱いやすいですね。
■他キットとの比較
グレミー・トトが搭乗した赤いバウ(HGUC バウ:通常版)と並べて比較。成形色が異なるだけですが、赤とグリーンでは対象的なカラーリングでまた違った雰囲気があります。赤いほうは定番で馴染みがありますが、グリーンも新鮮味があって良いですね。
劇中で戦闘を繰り広げたMk-Ⅱ(リバイブ版、HGUCスーパーガンダム)と並べて。リバイブ版は映画版なのでマッシブ感があり、違和感を感じる人もいるかも。ZZをリアルタイムで見ていたファンにとっては旧版(スーパーガンダム)のほうが馴染みがあって良いかもですね。
劇中で関連のあったHGUCダブルゼータガンダム、HGUCサイコガンダムMk-Ⅱと並べて。ダブルゼータと組み合わせても特に違和感はなさそうですね。サイコMk-Ⅱは近年発売されたばかりですが、バウのクォリティが高いので組み合わせてもそんなに問題はなさそうです。サイコMk-Ⅱ、デカい~・・・;
■各部可動域
形状が通常のバウと全く同じなため、可動域も全く同じ。頭部は少し上下する程度です。左右へも襟が干渉して可動が制限されます。腕は水平まで上げることが可能。肘は1重関節で90度まで曲げることができます。
分離合体機構があるため腹部に可動ギミックは備わっておらず、上半身の前後スイングはできないようになっています。
腰の回転もなし。膝は2重関節で深くまで曲げることができますが、リアアーマーが干渉しやすいため、後方に開脚する場合は少し注意が必要です。立膝をきれいな姿勢で再現するのは難しいようでした。
左右への開脚は水平まではいきませんが、ある程度広く展開させることができます。足首の可動は制限されるため、接地時はあまり派手なポーズはできないようですね。
可動域の詳細は以下のリンクから、ベースのHGUCバウのレビューをご参考ください。
■武装類
ビームライフル。専用に開発された携行式のビーム砲です。変形時の空力特性や取り回しを機体特性に併せて設計されているとのこと。
表面には適度なモールドが造形されているため、物足りない感じはありません。動力パイプが別パーツ化されておらず少しチープかなという程度。グレー一色なので、後部動力パイプをレッドに塗り分ける必要があります。
本体部分は簡単なモナカ割で上下など各部に合わせ目ができます。砲口部分に組み合わせダボがないため、微妙ですが隙間ができるのがちょっとだけ気になるかも。
センサーは別パーツ化されているので塗り分けがラク。センサー先端はフラットで全くモールドがないので、レンズパーツなどでカスタマイズしても良いかも。一応センサー表面はグリーンに塗り分けが必要です。
シールド。実体式の盾です。表面にはネオ・ジオン軍の紋章のレリーフモールドが造形。中間部には5門のメガ粒子砲が造形されていますが、内部は詰まった状態で造形的にはあっさりめ。内部は黒、ふちはレッド、レリーフはイエローに塗り分けが必要です。塗り分けるとかなり雰囲気が良くなりそう。
裏面の造りは簡易的ですが、一応モールドが造形されています。
ジョイント部分はポリキャップとボールジョイントでロールなど柔軟に可動します。
一通り武装して。
ビームライフルは付属の武器持ち手で保持します。トリガーに指添えタイプなのは見た目的に良いですが、ライフルのグリップが細身でダボ固定などもないため、左右にふらつきやすいので注意です。ティッシュなど何か詰め物をして固定すると良いかと。
ビームライフルは後部ストックが長めで上腕と干渉しやすいので、ストックを脇に抱えるようにすると構えるのがラク。ポーズが格好良くなります。
シールドはジョイントパーツを前腕にカチッと組み付けて固定します。しっかりはまり込むため、ポロリなど無く取り回しがラク。ジョイントパーツもボールジョイントとポリキャップで柔軟に可動するため、腕部との干渉を避けることができます。
腰を捻れないのはポージング的には不利ですが、それを差し引いても十分くらいに格好良いポーズを取らせることができます。
古いキットなため、股間部に3.0mm穴などはなく、浮かせてディスプレイできるようにはなっていません。なので浮かせた状態でディスプレイさせたい場合は(THE シンプルスタンド×3【フィギュア&模型用】)のアームを使うなど少し工夫が必要です。
少し足の付根の強度が弱いので、自立させてのポーズは股が開いたりしやすいかも。上手くバランスを調整しつつポーズを取らせるようにします。
ビーム・サーベルは柄がハンドパーツにしっかりと収まるので、全く抜け落ちることなく保持することができます。ストレスがなくポージングに注力できるので良いですね。成形色がイエロー一色なので、柄の部分をグリーンに塗り分ける必要があります。
手元にZ版のベースジャバーがないのでUC版でディスプレイ。ジョイントパーツで固定することができないため、ベースジャバーへは軽く乗せているだけです。甲板が広いので、上手くバランスを調整すれば立膝をついた状態での搭乗が可能でした。
劇中では常に大気圏内戦闘でベースジャバーを使っていたので、バウ量産型を楽しむにはベースジャバーは必須かと。傾けるとキットが落下しやすいので注意です。
■MA形態(バウ・アタッカー、バウ・ナッター)
MA形態(バウ・アタッカー、バウ・ナッター)への変形は、まず背部バックパックを後方に展開し、バインダーの下側を左右に展開。背部の装甲を展開して下半身を引き抜きます。
上半身は頭部を押し込み、腹部を展開して機首とします。そして腕部を下げて下部に配置。
バインダーのミサイルを前方に向け、底面にビームライフルとシールドを組み付けたらバウ・アタッカーへの変形完了です。
ビームライフルもシールドも底面のジョイント(赤◯)にかっちりと組み付けることができます。
バウ・アタッカーを上下から。機首や左右ウイングなど、戦闘機らしいシャープなシルエットで造形。各部ともロック機構はないですが、特別複雑な構造でもないため、形状が崩れるようなことは少ないです。
バウ・アタッカーも浮かせてディスプレイできるようになっていないので、アクションベースに付属のコの字パーツに乗せているだけです。不安定なのであまりおすすめはできませんが、MA形態の飛行ポーズは様になりますね。
バウ・ナッターはサイドアーマーを広げて90度ロールさせ、股をハの字に開いてつま先とアンクルアーマーを伸ばすだけです。
こちらも特にロック機構はないですが、簡易的な変形なので崩れてもすぐに元に戻せます。
バウ・ナッターも浮かせてディスプレイできるようになっていないので、THE シンプルスタンドのアームで引っ掛けているだけです。
バウ・アタッカーとバウ・ナッターを組み合わせて飛行シーンを再現。劇中では一切変形していないので、キットでは思う存分に変形やバウ量産型のMA形態を楽しみたいですね。
バウ・ナッターを大型ミサイルとして撃ち出すというバウ・ナッター特攻も再現可能。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。2002年06月発売という20年以上も前のキットですが、変形ギミックはかなり秀逸。特に上半身と下半身の分離用胴体構造は再現度が高く、緻密に造形されていて見応えがあります。合体変形ギミックを持ちつつもプロポーションバランスが良く、素立ちだけで十分に格好良いですね。
気になる点は、HGの中でも比較的初期のキットなのでどうしても各部に合わせ目ができます。なので少し処理には手間が掛かりそうですね。ですが制作技術の向上にもつながるので楽しみながら対応してみると良いのかなと思います。それと成形色のグリーンが若干明るめな気もしますがまぁ許容範囲かと。ショルダーアーマーは強度がやや甘めで垂れやすいので注意。
浮かせてディスプレイできないのは残念ですが、どちらでポーズを取らせても様になりますし、他のキットとの組み合わせも違和感なく楽しめます。ベースジャバーとの組み合わせも劇中を再現したい場合は必須。量産型バウもZ版ベースジャバーも現状、入手しにくいのが難点ですが、手にすればその魅力を十分に味わえるのが良いですね。
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