今回は、 MG 1/100 ガンダムバルバトスルプスのレビューをご紹介します!
MG ガンダムバルバトスルプスは、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場するMS「ASW-G-08 ガンダムバルバトスルプス」の1/100スケールモデルキットです。バルバトスルプスの特徴的な機体形状を再現。ガンダムフレームの肩関節アップデートや腰部可動域の向上により、しなやかなポージングが可能となっています。ソードメイスやツインメイス、腕部200mm砲といった多彩な武装類も付属。価格は7,150円(税込み)です。
テイワズのMS工場にて、損傷が蓄積していたバルバトスにフルオーバーホールと全面改修を行った機体で、劇中では主人公「三日月・オーガス」が搭乗。阿頼耶識システムを搭載し、夜明けの地平線団やMAハシュマルなどと激しい戦闘を繰り広げた「ASW-G-08 ガンダムバルバトスルプス」がMGでキット化。
MGガンダムバルバトス(2019年12月発売)とMGガンダムヴィダール(2025年3月発売)のガンダム・フレームパーツを流用しつつ、バルバトスルプスに合わせたフレーム形状、接近戦を主体とする特徴的(マッシブ)な機体外装や武装類が新規造形で再現されています。
成形色はホワイトを基調に、胸部や腰部にブルー、頭部や肩部、ソール部などにレッドを配色。その他、頭部や各部ダクトがイエロー、内部フレームや武装類がダークグレー成形色での再現となっています。ツインアイや膝のモールドはクリアグリーンパーツ、フレームの一部はゴールド、各部のシャフトはメッキレベルのシルバー塗装での再現。
ホイルシールが付属しますが、ツインアイと膝モールドパーツの内側を補うくらいでわずか。塗装はごく細部のみで済みますし、各部ともパーツできっちりと色分けされているので素組みで十分な仕上がりになります。
ダークグレーの内部や関節パーツにはKPSが使用されています。ABSは不使用。一部パーツはアンダーゲート仕様です。
ポリキャップも不使用。肘や膝など関節各部はKPSパーツ構成で関節強度はまずまず高めです。背部バックパックはコンパクトで負荷はかからず、ソールがハイヒール状で多少バランス調整が難しめですが、うまく調整すれば問題なく自立が可能です。
■付属品
ソードメイス、ツインメイス✕2、腕部200mm砲✕2、武器用ジョイントパーツ✕2、指パーツ(平手用:左右、握り手用:左右)、ディスプレイ用ジョイントパーツ、三日月・オーガスフィギュアが付属。
MGガンダムバルバトスやルプス用の余剰パーツがいくつか付属します。
専用のマーキングシールが付属。貼り付けることが雰囲気がガラッと変化してよく見えるようになります。
■内部フレーム
内部にはメカニカルなガンダム・フレームが造形。MGガンダムバルバトスとMGガンダムヴィダールの内部パーツを流用しつつ、頭部、胴体や前腕の一部、ソール部が新規パーツで再現されています。細かいパーツが多いので組み立て時の紛失には少し注意が必要。
フレーム各部をMGガンダムバルバトスのものと並べて比較。まずは頭部内部フレーム。特にバルバトスからのパーツ流用はなく、ルプス用の頭部用内部フレームが新造されています。
胴体部は一見するとバルバトスと同じに見えますが、各部にアップデートが施されています。胸部左右には特徴的な円型のエイハブ・リアクターが造形。
肩部はMGガンダムヴィダールでアップデートされたものが採用されており、やや広めに前後するようになっています。そしてボールジョイント受け口だった部分も胴体側からの1軸に変更され、上下への可動ギミックが追加されています。
フレームの背骨基部も付け根に可動ギミックが追加され、上半身をより幅広く前後させられるようになっています。アップデートパーツは少し固めのKPSで適度な強度があります。
腰部の一部パーツもルプス用に新造。可動ギミックが追加されています。
腕部内部フレームをバルバトスと並べて比較。前腕の装甲がルプス用に新造。前腕部が延長されています。
肩部もMGガンダムヴィダールでアップデートされた構造で、ショルダーアーマーのジョイント基部がロール可能。腕部可動時の干渉が避けられるようになっています。
脚部内部フレーム。バルバトスのフレームが多く流用されていますが、膝やふくらはぎ周りがルプス用に新造。少し形状が変化しています。
足部はつま先など大部分のパーツがルプス用に新造。ハイヒール状のフレームに変化しています。アキレスのシリンダーシャフトはオミット。外装パーツを組み付けないとフレーム状態での自立は難しくなります。
■各部形状
続いて内部フレームに外装パーツを組み付けた状態を、MGガンダムバルバトス(以下、バルバトス)と比較しながら各部を見ていきます。
■頭部
頭部は額の青い楕円状装甲が特徴的に造形。アンテナも左右に幅広くなり、顎や頬の装甲にも厚みが出て力強さが増しています。鼻先のスリットはきっちりと開口されていますし、全体的にシャープでキリッとした表情になっているのも良いですね。
ツインアイはクリアグリーンパーツにグリーンのホイルシールを貼っての再現。パーツ分割で塗装がしやすい仕様になっています。クリアグリーンパーツは蛍光素材なのでブラックライト(UVライト)で照らすと鮮やかに発光します。
白いメット部は左右の組み合わせで後部に合わせ目ができます。ですが角にくるのでそんなに目立たないかも。ほかは多数パーツの組み合わせで合わせ目はありません。アンテナや装甲裏の肉抜きが少しだけ気になるかも。
頭部の付け根には可動ギミックがあり、前後に可動します。
■胴体部
胸部・腹部をバルバトスと並べて比較。バルバトスはモールドがそれなりといった感じですが、ルプスは各部装甲(特に白い装甲)に細かなモールドが造形。荒々しくメカニカルなデザインになっています。
エアインテークもイエローに配色されるなど、ガンダムタイプらしいカラーリングでヒロイック。腹部はガンダムフレームのシリンダーシャフトが露出した状態になっています。
首は前後にスイング可能。肩はシリンダーシャフトによる構造で前後にスイングさせることができます。襟周りの白い装甲も頭部可動時の干渉を避けるため柔軟に可動します。
胸部の青い装甲を手前にスライドさせることでコックピットが露出。内部にはパイロットスーツ姿の三日月・オーガスフィギュアが格納されています。コックピット狭い・・・;
腰部をバルバトスと並べて。バルバトスは各部アーマーが短めで野性味のあるデザインでしたが、ルプスは少し長くなり、細かなモールドも入って洗練された感じに。側面にはルプス特有のスラスターが造形されています。
腰アーマー裏はリアアーマーにのみ裏打ちパーツが造形。フロント裏はやや簡易的な造りです。股間部には上下へのスライドギミックがあり、脚部がより柔軟に可動するようになっています。
スラスターは内部パーツを左右から白いパーツで挟む仕様。表面のモールドや後部ダクトは内部パーツとの兼ね合いできっちりと色分けされています。
合わせ目は段落ちなどでモールド化。パーツによる色分け再現度も高く、造りに落ち度はありません。先端が二股に分かれているのもMG特有の解釈があって良いですね。
スラスターはロールや左右、前後など幅広く可動。ポーズに合わせて干渉が避けられますし、スラスターとしての動きをつけることができます。
■腕部
腕部をバルバトスと並べて。前腕が少し延長され、ワイルドな雰囲気が出ています。白装甲にはモールドが適度に入っていて緻密さがありますし、肩の赤装甲も存在感があって特徴的。
上腕、前腕共に内部フレームに外装を被せていく仕様。部分的に露出動力パイプによってメカメカしさが強調されています。前腕は左右の組み合わせで、上部に少しだけ合わせ目ができます。消す場合は後ハメなどの加工が必要。
手首は多数パーツ構成によって上下にスイング可能。手首にスナップを効かせることができます。ロールももちろん可能。ハンドパーツは最近のMGで多用されている構造で、親指のみ可動し、残り4指を組み替えるタイプです。
平手用の指パーツに組み替えて。第1関節部分がよりシャープで鋭い爪に進化。爪は白く塗り分けが必要です。
ショルダーアーマーはバルバトスと同様、丸みのあるデザインで造形。ただし側面にはルプス特有の赤い装甲を装備し、鉄華団マークやワンポイントのイエローモールドもパーツできっちりと色分けされています。
ショルダーアーマーはヒンジ接続で上方に展開できますし、赤い装甲は少し引き出すことで上下に可動。展開することで放熱状態を再現することができます。
■脚部
脚部をバルバトスと並べて比較。膝回りがバルバトスよりもサイズアップしてゴツみが増していますし、白い装甲は緻密なモールドで荒々しさが感じられるようになっています。膝のモールドもグリーンシールの上からクリアグリーンパーツを被せる仕様で色鮮やかに表現されています。
膝左右のスラスターも内部がスリットモールドが造形されるなどメカニカルさが強調されています。
大腿部、膝から下ともに内部フレームに外装を組み付けていく仕様で合わせ目はモールド化。足の付根はロールや上下など幅広く可動するタイプです。
スラスター上部の装甲は膝の可動に合わせてスライド可能。
ソール部はハイヒール型で造形。つま先の爪がよりシャープに造形されてワイルドさが増していますし、それでいて西洋騎士のような高貴な雰囲気も感じられるようになっています。
足裏は各部ともモールドが細かく造形されていて緻密。
足首は前後に幅広く可動しますし、アンクルアーマーも足首の可動に追随するように幅広く前後します。かかとも適度に前後可動し、表情を変化させることが可能。爪は左右個別に上下しますし、踵も前後にスイング可能。ソール部にもギミックが詰まっています。
■バックパック
バックパックをバルバトスと並べて。形状は似ていますが、ルプスのものは六角形で左右上部に黒い装甲が造形。白い装甲も他と同様、メカニカルなモールドがデザインされています。
バックパックは基部が上下に可動。
左右の白い下部装甲や中央のスラスターも跳ね上げることができ、表情を変化させることができます。
左右の装甲は展開可能。内部からアームが露出します。アームはバルバトスではシリンダーシャフト構造でしたが、抜けやすいこともあってか、全てKPSパーツによる厚みのあるアームに変化しています。アームは基部が上下にスライド可能。
一部もボールジョイント接続で左右など適度に可動します。アーム自体も各部可動ギミックによって柔軟に可動。程よい強度もあって取り扱いやすいですね。クローの部分もロール可能。
バックパックとルプス本体とは2ダボ接続。バルバトスやヴィダールと共通なのでバックパックを交換することもできます。
■他キットとの比較
HGUC RX-78-2ガンダム(リバイブ版)、HGUCνガンダム(ファンネルなし)と並べて大きさを確認。MGとしては結構大きめ。ダブルゼータにも匹敵するくらいの大きさになっています。ルプスの全高は19.0mという設定。
MGガンダムバルバトスと並べて比較。通常のガンダムバルバトスがやや野性味のあるデザインなのに対し、ルプスはマッシブながらも騎士感が強く、紳士的な雰囲気があります。ルプスはソールがハイヒール型なので全高も少し大きめ。
別画像ですが1/100 フルメカニクス ガンダムバルバトスルプスと並べて比較。フルメカニクスはHGを1/100サイズにしたようなディテールですが、MGはかなりモールドが多く緻密さと力強さが感じられるようになっています。
同シリーズのMGガンダムヴィダールとも並べて。次はルプスレクス?それともバエル?、はたまたグレイズ・・・?
HGガンダムバルトスルプスとサイズを合わせて比較。当然ながらMGのほうがエッジが効いていますし、細部モールドが細かく造形されていてリアルです。
■各部可動域
各部可動域をMGガンダムバルバトスと比較して。
頭部は適度に上下しますし、左右への襟との干渉なく水平まで可動します。腕はバルバトス以上に可動し、水平よりも高くまで上げることが可能。アップデートされた肩フレームによってより柔軟にも可動するようになっています。肘はV字程度まで曲げることが可能。
腰も接続部がアップデートされたことで、上半身が幅広く前後するようになっています。
左右へも柔軟に可動。
腰は干渉なく360度回転可能。膝は2重関節で、外装が干渉するまで深く曲げることができます。立膝はまずまずな姿勢で再現することが可能でした。
股間部や足の付根の可動により、左右への開脚は水平まで幅広く展開可能。足首も深くまで曲げることができます。
各部とも幅広く可動しますし、肩部や腰部などはバルバトス以上に幅広く可動します。なので外装に厚みがありますが干渉も避けられますし、躍動感あるポーズも十分に再現できそうです。
■武装類
ソードメイス。ルプスへの改修に合わせてテイワズが専用に開発した新型メイスです。刃の部分は太めの剣状になっており、腹の部分で打撃を行うことで粉砕攻撃も可能。
構成されるパーツ数は多くはないですが、鍔や末端部は別パーツによる再現となっています。
腹の部分も本体外装と同様、表面にメカニカルなモールドが造形されていて程よい情報量、凹凸による立体感があります。
刃と鍔の部分は左右の組み合わせで合わせ目ができますが殆ど目立ちません。
ツインメイス。ルプス専用の小型メイスです。乱戦に適した武装で、軽装で取り回しに優れるため連続攻撃に向いています。
メイス打突部は4枚パーツ構成。ですが合わせ目はモールド化されていて造りが良いです。装甲にもトゲ感があり、破壊力の高さが感じられるデザインになっています。
付属のジョイントパーツを使用することで、ソードメイス、ツインメイスともにバックパックにマウント可能。
腕部200mm砲。両腕部に装備可能な射撃武装です。高い連射性を持つ武装で、射撃時の反動は大きいものの、レールスライド構造で機体に与える影響を最小限に留めるとのこと。
砲身部分やロール基部は別パーツ化されており、塗装で塗り分けると映えやすい構造になっています。
腕部200mm砲は1ダボを前腕に組み付けるだけで装備可能。
砲身部分を反転させ、基部を前方にスライドさせることで射撃体勢を取ることができます。
三日月・オーガスフィギュア。定番の鉄華団の服装姿で造形されています。第1期で負傷し、右手を吊っている姿での再現。少し痛々しいですが、ルプス搭乗時の姿で造形されているのは演出の観点からも良いですね。
一通り武装して。
ソードメイスは握り手用の指パーツに組み換え、柄を握らせて保持します。柄の溝に指パーツを組み付けるため、ある程度しっかりとした保持が可能。柄がスルッと移動することもありません。
ガンダムフレームは細身で構造的にデリケートですが、それでも硬めのKPSが使用されていることでグリグリガシガシ動かしてもある程度耐えてくれます。このあたりの技術力の向上には本当に目を見張るものがありますね。腰をひねると腹部のシリンダーシャフトが干渉して外れることがあるのでその点だけ注意。
足首が深くまで曲がるので、大股で接地した状態でもしっかりとしたポーズを取らせることができます。大地を踏みしめるような躍動感あるポーズが再現できるのが良いですね。スタンドを使わずに自立させることもできますが、ソードメイスなど大きな武器を装備すると負荷がかかるのでスタンドでサポートしたほうが良いです。
腕部200mm砲を前方に向け、両手射撃するポーズを再現。浮かせてディスプレイさせる場合はバルバトスと同様、股間部にジョイントパーツを組み付けてディスプレイさせます。ジョイントパーツはスライド固定され、簡単には外れないのでディスプレイがラクです。
ツインメイスもソードメイスと同様、握り手用の指パーツに組み替えて保持します。柄の溝に組み付けるため、しっかりと保持できますし、軽量なのでソードメイスよりも保持がラク。ポージングに注力できるのでより躍動感あるポーズを取らせることができます。
バックパックのアームを展開して。説明書に記載はありませんが、アームのグリップにはツインメイスを持たせることができました。ただし可動が制限されるため、前方に展開して打突をサポートするのは少し難しいようでした。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。MGガンダムバルバトスの発売から6年、少し間は空きましたが、シリーズ10周年を記念してかバルバトスルプスがMG化されたのはシンプルに嬉しいですね。それもただ立体化されただけでなく、マッシブな容姿で重厚感がありますし、アップデートされたフレームによってより柔軟且つ躍動感あるポーズが取れるようになっています。全体に緻密なモールドが入っていてメカメカしさが強調されているのも良いですね。買って間違いないキットになっていると思います。
気になる点はあまりないですが、部分的に合わせ目ができるのはちょっとだけ残念かなと。それとMGバルバトスやヴィダールが経年でヘタれてきているように、このルプスもどうしても経年でヘタれてくると思います。なので長期で楽しみたかったり、ディスプレイ時にポーズを維持したい場合は関節などのメンテナンスが必要になりそうですね。
プロポーションバランスもよく、HGでは別売りだったツインメイスもきっちりと付属しています。欲を言えばヴァルキュリアバスターソードや大型レールガンも欲しかったですが、ルプス用の拡張パーツセットも発売され、バスターソードはそちらに付属するようです。眼光エフェクトを含め覚醒状態が再現できそうで楽しみですが、まずは前段階として、MG化された完成度の高いルプスをとことん楽しみ尽くしたいですね。
⇒メルカリでMG ガンダムバルバトスルプスを探す
⇒アマゾンでMG ガンダムバルバトスルプスを探す
⇒あみあみでMG ガンダムバルバトスルプスを探す
⇒DMM.comでMG ガンダムバルバトスルプスを探す
⇒駿河屋でMG ガンダムバルバトスルプスを探す
⇒楽天でMG ガンダムバルバトスルプスを探す
⇒ヤフーショッピングでMG ガンダムバルバトスルプスを探す

































































































































