HGUC アンクシャ レビュー

今回は、2012年5月に発売されたHG 1/144 RAS-96 アンクシャのレビューをご紹介します!

HGUC アンクシャは、『機動戦士ガンダムUC』に登場するMS「RAS-96 アンクシャ」の1/144スケールモデルキットです。可変MSアンクシャの特徴的な機体形状を再現。一部パーツの差し替えにより、MA形態への変形が可能となっています。他のMSを積載する「サブ・フライト・システム」としても使用可能。価格は3,080円(税込み)です。

AE社がアッシマーの後継機として開発した地球連邦軍の量産型可変MSで、劇中ではガルダや地上の重要拠点に配備され、ユニコーンガンダムなどと戦闘を繰り広げた機体「RAS-96 アンクシャ」がHGUCでキット化。

アッシマー後継機らしい各部半円柱装甲、両腕にムーバブル・シールド・バインダーを持つ特有の機体形状が新規造形で再現されています。機体名称「アンクシャ」はヒンドゥー教の神「ガネーシャ」が持つ杖の名に由来。

HGUCアッシマーを踏襲したフォーマットが採用されていますが、HGUCアッシマーのからのパーツ流用はありません。

成形色はグリーンとライトグリーンを基調に、頭部バイザーにクリアオレンジ、胸部中央にレッドを配色。その他、内部や関節、バックパックなどがグレー成型色での再現となっています。

ホイルシールが付属し、上腕や足甲、各部モールドやダクト、腹部V字脚部ウイングなどの色分けを補います。多数の箇所の色分けを補うため、シール量はやや多め。パーツだけだと少し物足りないですが、シールを貼ると細部まで色分けされるので見栄えがします。

KPSは不使用。内部や関節など、強度が必要な箇所にはABS素材のパーツが使用されています。なので塗装、スミ入れなどする場合は破損やひび割れに注意が必要です。

ポリキャップはPC-132を使用し、各部に多数のポリキャップを使用します。肘や膝はポリキャップとPSパーツ構成で関節強度はまずまず高め。背部ウイングユニットは軽装で特に負荷はかからないため、自立は安定しています。

■付属品

握り手(左右)、ビーム・サーベル(柄、ビーム刃)✕2、専用台座、ジョイントパーツ各種(変形用、MA形態ディスプレイ用、MS積載用)、MS積載用グリップパーツ✕2が付属。

■各部形状

HGUCアッシマーと比較しながら各部を見ていきます。

■頭部

頭部。アッシマーの流れを汲む半円柱のメット部が特徴的に造形されています。ただしアッシマーのような頭頂部アンテナはなくシンプルな曲状。フェイスはアッシマーとは異なり、3股モノアイではなくリゼルやジェガンを思わせるフェイスが採用されています。後頭部中央センサーはイエローとグレー2色のシールでの色分け。

バイザー内部にはモノアイ状のセンサーモールドが造形。細部もしっかりとデザインされています。バイザーはクリアオレンジパーツでの再現で、ブラックライト(UVライト)を当てると適度に発光します。

アッシマーと同様、頭部装甲は前後にスライド可能。アッシマーは内部が赤でしたが、こちらはグリーンで統一されています。

■胴体部

胸部・腹部。全体的にアッシマーに似たデザインですが、中央に赤い装甲を配すなどヒロイックさが感じられるようになっています。胸元のライトグリーンはシールでの色分け。

胸部表面の装甲はアッシマーと同様、MA形態への変形用に展開することができます。グレーのアームを手前に引き出し、装甲を左右に展開します。

首、肩共に少し前後します。

肩部は上下にも可動。

腰は1軸接続なため、特に上半身の前後スイングなどはありません。

腰部をアッシマーと並べて比較。アッシマーがシンプルな縦長装甲なのに対し、アンクシャはフロントアーマーに幅のある装甲が造形。中央にはリゼルなどのメタス系に見られる尖った装甲が造形されています。腰部中央のV字は黄色いシールでの色分け。

腰部中央の装甲はヒンジ接続で手前に展開可能。裏打ちパーツもきっちりと造形されています。フロントアーマー裏は特にモールドなどはなく簡易的。

■腕部

腕部をアッシマーと比較して。デザインは殆ど同じです。MA時に円形フォルムを形成するための半円柱装甲が肩部と前腕部に造形。ボリューム感ある容姿が再現されています。前腕のグレースリットモールドはシールでの色分け。

上腕は筒型パーツで合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせで後面に合わせ目ができます。肘がポリキャップ接続で分離するので、合わせ目を消すのはラクそう。上腕はアッシマーがパーツでの色分けだったのに対し、こちらはシールなのはちょっと残念かも。

アッシマーはハンドパーツ収納ギミックがありましたがアンクシャにはありません。MA形態への変形時はハンドパーツを取り外します。ハンドパーツは穴無しのものが付属。

ムーバブル・シールド・バインダー。両腕に装備する多目的装備です。シールドとしては勿論、MA形態時には整流板としても機能。先端のビームライフルと後部装甲はグレーのパーツでの色分け。ウイングの一部はシールでの色分けです。

内側にはメカニカルな裏打ちパーツが造形。中央のジョイントは上下にスライド可能。MA形態時にスライドさせます。

ビームライフル先端部は銃口が開口。別パーツ化されているため、塗り分けてみても面白そうです。片側の砲身はランナーに負荷がかかっていたため、少し反った状態でした;

肩装甲も前後の組み合わせで上面に合わせ目ができます。こちらはグレーのアームパーツを挟むため、合わせ目を消す場合は後ハメなどの加工が必要。アームは肩とヒンジ接続で幅広く展開します。

■脚部

脚部をアッシマーと並べて。似た雰囲気はありますが、アンクシャはより細身でスタイリッシュ。膝装甲や側面のウイングによってトゲ感も増しています。膝や下部のダクトふちは黒とイエローのシールでの色分け。各面ごとに1枚ずつ貼るため面倒ですが、そのぶん仕上がりはきれいになります。

大腿部は一部が左右の組み合わせで中央に合わせ目ができます。膝が分離しますが、内部にパーツを組み込むため、合わせ目を消す場合は後ハメなどの加工が必要です。膝から下も一部が左右の組み合わせでスネに合わせ目ができます。こちらの合わせ目消しはラクそう。

大腿部側面の装甲はボールジョイント接続で柔軟に可動。ライトグリーンのウイングも上下に可動します。

膝装甲(ニークラッシャー)や腰部中央の装甲はMA形態用に収納可能。ニークラッシャー内部にサーベル柄が収納されている設定ですが、特に脱着ギミックはありません。

足部はハイヒール状でかなりの高さがあります。足甲はライトブルーのシールでの色分け。踵は左右の組み合わせですが、中央の合わせ目は段落ちモールド化されています。

つま先側も簡単なモールド入りの裏値パーツで蓋がされています。肉抜き穴などはなくチープな感じもありません。

つま先はMA形態用に折りたたみが可能。

■バックパック

後部にはMA形態時に尾翼となる左右ウイングバインダー、中央にはコンパクトなスラスターを装備。アッシマーとは異なり、どことなくサブフライトシステム兼用を意識させるデザインで造形されています。

バックパック中央部。派手さはないですが、起伏のある装甲が造形。下部スラスターは上下に可動します。スラスター内部はイエローに塗り分けが必要。

左右のウイングバインダーはグレーの基部が左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。下部のライトグリーンのウイングはヒンジ接続で適度に可動。

ウイングバインダー基部はポリキャップと1軸接続で、変形用に上下に幅広く可動します。バックパック本体部もMA形態への変形用にごっそり展開可能。中央のジョイントも収納できます。

アンクシャ本体とバックパックとは細身の4ダボ接続。アッシマーと共通ではなく、元々分離が考慮されていないため、他のキットとの交換などもできません。

■他キットとの比較

HGUC RX-78-2ガンダム(リバイブ版)、HGUC νガンダム(ファンネルなし)と並べて大きさを確認。νガンダムよりも大型でボリューム感があります。HGとしてはなかなかの大型キット。アンクシャの全高は22.3mです。

HGUCアッシマーと並べて比較。後継機なのでシルエットはとてもよく似ています。ただしアンクシャは各部にウイングやトゲ感のある装甲が備わっているため、少し荒々しい感じがありますし、発展機らしく洗練された感じもあります。

HGUC ユニコーンガンダム(ユニコーンモード)と並べて。発売に3年ほどの差がありますが、組み合わせても特に不自然な感じはないですね。劇中シーンも違和感なく再現できそうです。

HGUC ジェガンHGUC リゼルと並べて。どちらかというとリゼルに近いですが、シルエットはかなり違っています。

■各部可動域

頭部は少し上下する程度。左右へはショルダーアーマーを避けることで幅広く可動します。

腕は水平程度まで上げることができます。肘は1重関節で90度程度まで曲げることが可能。

肩は少し前後する程度。

腰は干渉なく360度回転させることができます。浮かせてディスプレイさせる場合は、アクションベースやスタンドの3.0mm軸を股間部に差し込みます。

前後開脚は、前方への展開は干渉でやや制限されますが、後方はリアアーマーがないので幅広く展開します。

膝は2重関節ですが、曲げる角度はくの字程度まで。膝装甲は細身ですが、内側はパーツできっちりと塞がれています。

足首はやや広めに前後します。左右へはわずかに可動する程度。

股間部がボールジョイントで可動が制限されるため、左右への開脚は少し広がる程度です。

内股、ガニ股は共に少し可動する程度。

立膝は割ときれいな姿勢で再現することができました。

可動域の総括としては、多少股間部ボールジョイントの影響で足を開く動きが制限されますが、その他の可動部はまずまず可動します。なのである程度のポーズは取らせられるかなと。足は前後へは広めに可動するので、そのあたりで上手く補えそうです。

■専用台座

専用台座。一部のHGで見られる支柱組み換え式の台座です。支柱は組み付けてスライド固定させるスライドロック式。

角度のついた支柱が付属しているため、キットを寝かせて飛行するポーズでディスプレイさせることもできます。

上手く調整すれば2体分ディスプレイさせることも可能。

■ポージング

独特のデザインですが、ディスプレイさせると何故か格好良く見えます。各部にトゲトゲしい装甲があり、それらによって造形美が感じられるようにデザインされているのかなと。

ムーバブル・シールド・バインダーが前腕に備わっているため、ハンドパーツをバラして武器を持たせるなどの面倒さもありません。サクッと攻撃的ポーズ、守備的ポーズが再現できるのが良いですね。

大きめのキットですが、細い支柱でも強度を上げておけば特に垂れること無くディスプレイできます。

ムーバブル・シールド・バインダーとグリーンのカラーリングの関係か、どことなくギャプラン味もあるのが面白いところ。

腕を上げるとショルダーアーマーやムーバブル・シールド・バインダーが背部ウイングバインダーと干渉しますが、ショルダーアーマーなどは柔軟に可動し、干渉も避けられるのでストレスにはなりません。

ビーム・サーベルは穴開きのハンドパーツに組み替え、サーベル柄をハンドパーツ穴に差し込んで保持します。少し隙間があるため、スルッと抜け落ちることがあるので、上手くモールドを引っ掛けるようにして保持します。

ビーム刃はクリアピンクですがブラックライトには反応せず。

■MA形態

MA形態への変形は、まず上半身と下半身に分離し、ハンドパーツとムーバブル・シールド・バインダーを外しておきます。

上半身は胸部装甲を展開し、腰にMA形態用のジョイントパーツを組み付けます。中央の赤い装甲も取り外しておきます。

そして背部ウイングバインダーとバックパックを幅広く展開。バックパックとのジョイントも収納しておきます。

腕部はショルダーアーマーと前腕を組み合わせつつコンパクトに収納。各部にジョイント(赤◯)があるため、しっかりと組み付けることができます。頭部も90度角度を変えて押し込み、ジョイントを組み付けてロックします。

下半身は脚部を後方に展開してつま先を伸ばします。そしてフロントアーマーと腰部中央の装甲を展開。膝の装甲も閉じ、サイドアーマーのウイングも開いておきます。

上半身と下半身を組み合わせ、腕部にムーバブル・シールド・バインダーを組み付けたらMA形態への変形完了です。

MA形態をいろんな角度から。アッシマーの流れを汲む円盤状の装甲が特徴的に造形。大気圏内での高次な単独飛行が可能となっています。

HGUCアッシマーのMA形態と並べて。脚部が細身になり、MS形態と同様、後部ウイングバインダーや左右のムーバブル・シールド・バインダーによって洗練されたデザイン、シルエットになっています。

MA形態で浮かせてディスプレイ。円盤状の装甲部分は少し隙間ができますが、各部にロックがあるため大幅に形状が崩れることはありません。下半身は特にロック機構はないですが、こちらも各部に程よい強度があるのでそんなに形状が崩れることはないですね。

MA形態でディスプレイさせる場合は太めのダボを接続するため、アクションベース1やアクションベースに付属している角型ジョイントなどを使います。専用台座でディスプレイさせる場合は付属の角型ジョイントパーツを使用。

ムーバブル・シールド・バインダーが上下に幅広く、左右に少し可動するため、ビームライフルに角度をつけるなど適度に表情をつけることができます。

■サブ・フライト・システム

上部に積載用のジョイントパーツとグリップパーツを組み付けることで、サブ・フライト・システムとしてHGUCジェガンなどのMSを搭乗させることができます。

HGUCジェガンを搭乗させて。股間部にジョイントパーツが組み付けられるのと、足もアンクシャのウイングバインダーに載せられるのできっちりと搭乗させることができます。特に搭乗キットが落下したりすることもないようでした。

HG2体分で重量が増すため、画像のグッスマTHE シンプルスタンドのような細い支柱だと少し不安はありますが、一応ディスプレイできています。結構各部をちょこちょこ弄っても耐えられます。

HGUC νガンダムは股間部がジョイントパーツと干渉するため、組み付けることはできず。ジョイントパーツを使用せず、乗せるだけなら可能でした。

Figure-rise Standardも乗せるだけなら可能。やんちゃな飛行マシンとして楽しんでみても良いですね。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。変形機構を持ちつつも、全く各部がバラけたりMS形態の形状が崩れたりすることはないですし、程よい可動域があるのでポーズも付けやすいです。全体的にトゲ感があるため、そのぶんポーズに迫力も出ますし、ポーズを付けると造形美が感じられて格好良いですね。

気になる点はそんなに無いですが、多少合わせ目があるのとシールを細かく貼る必要があるため、少し手間かなと。ただその分ダクトなどの細部がきれいに色分けできるのは良いですね。

アッシマー譲りの変形機構は相変わらず秀逸でラクに可変ができますし、サブフライトシステム機能まで楽しめるというおまけ付き。ムーバブル・シールド・バインダーなどの装備により、MA形態でディスプレイさせるとスピード感が出ます。MS形態、MA形態共に完成度が高く、可変MSのならではの魅力が詰まったキットになっているのが良いですね。

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