今回は、2017年3月に発売されたHG 1/144 ガンダムバエルのレビューをご紹介します!
HG ガンダムバエルは、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場するMS『ガンダムバエル』の1/144スケールモデルキットです。ガンダムバエル特有の機体形状に加え、全身各部のディテールを再現。背部スラスターウイングの展開など、全身の可動構造を活かした迫力あるポージングが可能なキットになっています。2本のバエル・ソードも付属。価格は1,540円(税込み)です。
ギャラルホルンの創始者『アグニカ・カイエル』の魂が宿るとされる、ガンダムフレームを採用したマクギリス・ファリド搭乗機『ガンダムバエル』がHGでキット化。HGガンダムバルバトス第6形態などに使用されている『ガンダムフレーム4』を使用し、特徴的な外装形状が新規造形で再現されています。
成型色はホワイトとブルーを基調とした清潔感のあるカラーリングになっています。その他、胸部エアインテークにイエロー、背部ブレードホルダーや内部フレームなどにダークグレー、バエルソード刃にゴールドを配色。シールは各部モールドや左肩の角笛を補いますが少なめです。
ポリキャップはPC-002を使用し、関節などはKPSで構成されています。肘や膝はKPSパーツの組み合わせで関節強度はまずまず。背部に大型のスラスターウイングやブレードホルダーを装備し、多少後方に比重がかかりますが、自立は安定させることができます。
キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。(一度切りです。) ⇒ヌルっと切れる片刃ニッパー
フレームのみの状態で全身から。内部に完全なガンダムフレームは再現されておらず、簡易的なフレーム構造になっています。なので、腰部や脚部は外装を組み付けないと、各部が分離してしまいます。
上半身はエイハブ・リアクターやシリンダーシャフト、腕部の動力パイプなど細かい内部フレームが造形。
脚部は前側の装甲を被せることで足首が連結されています。大腿部やヒザから下の裏面は動力パイプなどの簡易的なフレームが造形されています。
頭部。マスクにへの字スリットはなく、横長のアンテナと丸みを帯びた装甲が特徴的なデザインになっています。メット部は左右挟み込みタイプですが、後頭部の合わせ目は段差モールド化。アンテナの先端は青いシールでの色分けです。首はポリキャップパーツ。
胴体部。ガンダムタイプ特有のフィン状エアインテークやシンプルな腰部アーマー、むき出しの腹部シャフトシリンダーが印象的なデザイン。エアインテークはイエロー成型色パーツ、胸部や腹部の小さいモールドは黒いシールでの色分けとなっています。腰部中央のマークはモールドにシールを貼っての色分け。フロントアーマー下部のダクトはグレーに塗り分けが必要です。
腰アーマー裏は各部とも簡易的で、裏打ちパーツやモールド造形はありません。股間部は少しロール可動するタイプ。
腕部。内部フレームの露出は控えめで、前腕にはしっかりとした装甲が造形。表面には適度なモールドが入っていてディテールの細かさが伺えます。
前腕はコの字型で前側を覆い隠すタイプ。裏面には動力パイプが造形されています。前腕は左右挟み込みタイプですが、前後とも合わせ目が段差などでモールド化。合わせ目消しや後ハメ加工が必要ない造りになっています。
ショルダーアーマーも挟み込みタイプですが、上部の合わせ目は段差モールド化。側面のダクトはイエロー成型色パーツでの色分けです。側面装甲のマークはピンクのシールを貼っての色分けですが、内部パーツにモールドが造形されているので塗装でも表現することができます。左腕部には角笛のシールを貼ります。
側面の装甲は少し引き出すことで上部に展開が可能。裏面の作りは簡易的です。
脚部。細身ながらも曲状でまとまりのあるデザインになっています。膝の青い装甲下にあるモールドはグレーに塗り分けが必要ですが、その下の小さいモールド左右はシールでの色分けです。その他後部装甲は青いシールでの色分け。
大腿部は前後挟み込みタイプですが、側面の合わせ目は段差モールド化。膝裏にはシャフト、アキレスには動力パイプが露出するなどメカニカルさも表現されています。
ソール部はつま先に厚みのあるタイプ。各部とも簡易的な作りで、かかとの内側や足裏のつま先に肉抜き穴があります。足裏はつま先、かかとともにグレーに塗り分けが必要。
脚甲のガードは前後に可動します。
つま先は伸ばす事が可能。反らすことも可能です。
背部は中央にバックパック、左右には大型の特徴的なスラスターウイングを装備。
バックパックは前後2個パーツ構成の簡易的な作りで、中央のモールドをグレーに塗り分けが必要です。
背部はフレームを隠すように別途装甲が造形。バックパックとは2ダボ接続で、他キットと共通幅なのでバックパックの交換が可能です。
スラスターウイング。細長いウイングを持つ翼状スラスターになります。青い装甲部分のダクトは上下ともシールでの色分け。設定では電磁砲も装備していますが、黄色と黒シール部分に電磁砲のモールドは造形されていません。
ウイングは合わせ目が出来ない構造になっていて、見た目も良く仕上がっています。
スラスターウイングのアームは左右の組み合わせで合わせ目は端でモールド化。アームのウイング側接続部はパーツによる組み合わせでロール可動します。手前の接続基部はポリキャップ穴で、こちらも上下やロールなどフレキシブルに可動。
アーム上部の小羽根内部は簡易的で肉抜き穴があります。
スラスターウイング下部の細長い翼と黒い3枚羽はそれぞれ展開が可能。
細長い翼は内側が肉抜きで簡易的な作り。4本の節目が入っていますが気休め程度です。
スラスターウイングは基部ポリキャップの可動によって左右にスイングします。
アームとウイングの接続部を回転させることで、上部にも展開が可能。
アームだけでなくウイング側も可動するので、
スラスターウイングを上部に幅広く展開させることができます。逆にコンパクトに折りたたむことも可能。上部の小羽根は左右にスイングが可能です。可動ギミックが豊富で、スラスターウイングを自在に可動させることができるのがいいですね。
リアアーマーにはブレードホルダーを装備。左右のホルダーには2本のバエル・ソードを装備しています。固定強度はまずまずあり、ポーズをとっても外れることはなさそうです。
ブレードホルダーのアームは左右に展開が可能。画像では見えにくいですが、アームは1個パーツ構成なので内側がごっそり肉抜き穴になっています。
リアアーマーとの接続部も可動し、ブレードホルダーを少しスイングさせることができます。
ホルダーはボールジョイント接続で回転や少し左右に傾ける事が可能。ブレードホルダー基部の裏も肉抜き穴になっています。
バエル・ソード。シンプルな2個パーツ構成で、刃の付け根モールドをグレーに塗り分けが必要です。刃先は安全対策か、曲状に仕上げてあります。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。HGキットのなかではまずまず大きめで、同シリーズのルプスレクスとは同じくらいの大きさになります。ガンダムバエルの全高は18.0mですが、ややオーバースケールになっているようです。
その他のHG鉄血のオルフェンズシリーズキット(HGガンダムバルバトス、HGガンダムグシオンリベイク)
(HG グレイズ(一般機/指揮官機)、HGガンダムキマリストルーパー)と並べて。カラーリング、造形ともに特殊な機体が多いですが、バエルは純白のカラーリングと背部の大型スラスターウイングが特徴的。
頭部は広めに上下可動させることができますし、左右へも水平以上に余裕を持ってスイングさせることが可能です。
腕は肩のポリキャップが引き出せ、Y字程度まで上げることが可能。肩側面の装甲は展開しておく必要があります。肘はV字程度にまで曲げることが可能です。
肩は前後とも同じくらいにスイングさせることができます。
フレームや腰部ボールジョイントの可動により、上半身は広めに前後スイングさせることができます。背部にスラスターウイングやブレードホルダーを装備すると干渉して可動域が制限されるので注意が必要。
腰部は360度回転が可能。背部にスラスターウイングやブレードホルダーを装備すると干渉しますが、なんとか回転させることはできます。アクションベースやスタンドへは、通常通り3.0mm軸を差し込んでのディスプレイとなります。
フロントアーマーの可動があまり広くないので、前方への開脚は水平以下。後方はリアアーマーを交わすようにすれば広く展開させることができます。
膝は深くまで曲げることが可能。膝関節の合わせ目は段差モールド化されています。膝の青い装甲裏には肉抜き穴あり。
足首の可動は、前後へのスイングはまずまず。左右へは180度角度を変えることが可能です。
左右への開脚は水平以上に展開が可能。
内股は大腿部と股間部が干渉するので45度程度まで。がに股は幅広く展開が可能です。
脚部関節の配置バランスにより、立膝をきれいな姿勢でこなすのは難しいようでした。
可動域の総括としては、HG鉄血のオルフェンズシリーズのフォーマットで各部とも幅広く可動させることができます。立膝こそきれいな姿勢での再現は難しかったですが、幅広い可動域を活かした柔軟なポーズが再現できそうです。
そこまで派手な出で立ちではないですが、造形的な良さがあってシンプルに飛行するポーズでもかっこよく映ります。
平手が付属すると、手を広げるようなポーズが再現できてよかったですね。
四肢各部の可動が柔軟でブレードホルダーも可動するので、抜刀するようなポーズもラクに再現することができます。
斬りかかるようなポーズもかなり様になりますね。バエル・ソードは、グリップとハンドパーツとの隙間はあまりないですが、ダボ固定ではないため、向きによってはスルッと抜け落ちることがあるので注意が必要です。
背後からのビューも完璧。
元々銃タイプの武装を持たない機体なので、ポージングは素の状態かバエル・ソードを使ったポーズのみ。ですが2刀で振り下ろすシーン演出などもできますし、造形的にいろんなビューから見ても映えるのでポージングは十分に楽しめそうです。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。ホワイトとブルーの清潔感あるカラーリングに加え、バエル本体や背部スラスターウイングなどの造形の良さから、簡単にかっこいいポーズを取らせることができます。各部の可動域が広く、柔らかい表情を付けることができますし、自然なポージングを楽しむことができるのも魅力的。四肢各部の外装パーツの組み合わせもよく、合わせ目が出来ない組み合わせになっているのも良いですね。
気になる点としては、ブレードホルダーの内側などに肉抜き穴がありますが、見えにくいところなのでそれほど気にする必要はないのかなと。それと、HG鉄血のオルフェンズシリーズのフォーマットでよく動くぶん、関節強度があまり高くないので経年劣化などでヘナっとなりそうですね。
武装類は設定通りのバエル・ソードのみですが、抜刀姿勢や斬りかかるポーズなどはバエルならではの造形美を感じさせます。背部スラスターウイングを含め、映えるポージングを再現するために計算された、デザイン性の高さが伺えるキットなのがいいですね。
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