今回は、2006年10月に発売されたHGUC 1/144 MS-14S シャア専用ゲルググのレビューをご紹介します!
HGUC シャア専用ゲルググは、『機動戦士ガンダム』に登場するMS『MS-14S シャア専用ゲルググ』の1/144スケールモデルキットです。ゲルググの特徴的な機体形状を新規造形で実現。腹部ブロックの可動や腰部スカートのパーツ分割などにより、多彩なアクションが再現可能なキットになっています。頭部モノアイの左右可動やアニメ版デザインの頭部アンテナも再現。価格は税込み1,650円です。
ザクⅡの後継機として開発され、近距離戦闘、長距離戦闘共に対応。テキサス・コロニーにてRX-78-2ガンダムと戦闘を繰り広げたシャア・アズナブル専用機『MS-14S シャア専用ゲルググ』がHGUCでキット化。シャア専用機特有の赤いカラーリングに加え、ブレードアンテナを持つ頭部やプレーンな装甲、ジオン系機特有のスカートアーマーといった特徴的な機体形状が再現されています。
成型色はサーモンピンクと濃いめのレッドをベースにしたシャア専用機カラー。その他、膝部やソール部にダークブルー、ビームナギナタやシールドにイエローを配色。関節や内部パーツ、ビームライフル、シールドといった武装類はグレー成型色での再現となっています。
シールは頭部モノアイを補うのみ。コックピットハッチやビームライフルのセンサー、シールド裏面などを塗り分ける必要がありますが、大部分がパーツで色分けされているため、組み立てるだけで十分な仕上がりになります。
ABS素材の使用はありません。ABSだったグレー成型色パーツは近年KPSに変更されています。ABSは塗装による影響が大きく、破損する場合もあるので、KPSに変わったことで塗装しやすくなったのは嬉しい配慮ですね。
ポリキャップはPC-116を全身各部の関節に使用し、関節強度はまずまず高め。特に負荷のかかる装備はなく、足底が広く接地性も高いため自立は安定しています。
ビーム・ナギナタ(ビーム刃付き)、シールド、ビーム・ライフル、武器持ち手(右)、平手(左)ビームナギナタ用ジョイントパーツが付属。
頭部。ゲルググ特有の突き出た口ダクトや後部のとさかが印象的に造形。ザクのような動力パイプはなく、額のブレードアンテナにも存在感があります。
メット部は上部から被せる構造で合わせ目はモールド化。後頭部のとさかパーツがやや外れやすいので注意です。
モノアイは別パーツ化され、上部のつまみで左右にロールさせることができます。表面に貼るシールはモノアイのみと、モノアイレールとモノアイが一体になったものがチョイス可能。頻繁にモノアイを弄る場合は、メット部が外しやすいよう、一部のダボを少しだけ切り欠いておくと良いかもですね。
胸部・腹部はエッジの効いた装甲やスリットダクトが特徴的に造形。腹部中央のコックピットハッチは別パーツによる色分けが再現されています。腹部コックピットハッチは淡いピンクに塗り分けが必要。
肩には可動ギミックがあり、前後にスイング可能。首もボールジョイントパーツとポリキャップの組み合わせで適度に可動します。
背部にバックパックはなく軽装。武器マウント用のジョイントのみが造形されています。
背部のジョイントパーツを取り外すことでポリキャップの1ダボ穴が露出。HGUC量産型ゲルググ/ゲルググキャノンのビーム・キャノン・パックを装備することができます。
腰部はジオン系機特有のスカートアーマーを装備。ゲルググ特有のスリットダクトや縫い目のようなスリットモールドもデザインされています。
左右のサイドスカートはボールジョイント接続でフレキシブルに可動します。腰部内部にはメカニカルなモールドが造形。スカート裏は簡単なモールドが入っているので、塗り分けてみても面白そうですね。
リアスカートには3基のバーニアが造形。こちらも基部などがメカニカルに作られています。バーニアが別パーツ化されているので、塗り分けるなどすると見栄えがしそう。
腕部。モールドのないフラットな装甲ですが、棘感のあるショルダーアーマーや前腕装甲が印象的に造形。
上腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は前後の組み合わせで内側に合わせ目ができます。肘から分離しないので、合わせ目を消す場合は後ハメなどが必要です。
前腕の装甲は内外パーツで前後ダクトが細かく色分けされています。取り外すとジョイント穴が露出。
このジョイント穴にもHGUC量産型ゲルググ/ゲルググキャノンの3連ミサイルランチャーやバックラーシールドを装備させることができます。カスタマイズするにも良いですね。
ショルダーアーマーは前後の組み合わせで上下に合わせ目ができます。消す場合は内側パーツの後ハメが必要。
適度に展開でき、腕部を広く可動させることができます。球状の肩内部も合わせ目あり。
脚部。適度に厚みがあり、膝から下はゲルググ特有のスカートアーマーが幅広く造形。膝の台形モールドはパーツによる色分けです。
大腿部は前後の組み合わせで側面に合わせ目ができます。膝から下も前面と左右の組み合わせで、後部に合わせ目あり。膝から分離しないので、合わせ目を消す場合は後ハメなどが必要です。後部の合わせ目は角なので目立ちにくいですが、大腿部側面は段落ちなどで処理したほうがいいかもですね。
脚部内側には3基のスラスターが造形。ポリキャップ接続でフレキシブルに可動します。リアアーマーと同様、バーニアが別パーツ化されているので塗り分けてみても良さそう。脚部装甲裏にもフレーム状のモールドが造形されています。
ソール部は山型でシンプルな無駄のないデザイン。簡単なパーツ構成ですが、足裏はスラスターなど細かなモールド入りのパーツでフタがされているので肉抜き穴はありません。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。陸ジムよりも頭一つ分ほど大きめ。ルプスレクスとは同サイズ程度で、HGとしては少し大きめです。シャア専用ゲルググの全高は19.6m。
HG量産型ゲルググ/ゲルググキャノンの量産型ゲルググと並べて。額のアンテナの有無だけでその他の形状は全く同じです。シャア専用ゲルググは赤いので映えますね。
HGゲルググ・マリーネと並べて。ゲルググマリーネは海兵上陸部隊仕様に改修された機体でデザインがかなり変化しています。フォーマットが違いますが、プロポーションはそんなに違いはないようです。
MGシャア専用ゲルググが手元にないので、同形状のMGアナベル・ガトー専用ゲルググとサイズを合わせて比較。それほど大きな違いではないですが、MGのほうが頭部や胴体部がスリムでスタイリッシュです。
首が短いため、頭部は干渉して僅かに上下する程度です。左右へは顎が少し干渉しますが、水平までラクにスイング可能です。
腕はショルダーマーが広く展開できるため、水平以上に上げることができます。肘は1重関節で90度程度まで。
肩の前後スイングは、後方へは殆どスイングしませんが、前方へは適度にスイング可能です。
腹部ブロックと胸部とのつなぎ目ボールジョイントにより、上半身を適度に前後させることができます。左右へも適度にスイング可能。
腰は干渉なく360度回転可能。アクションベースやスタンドへは、股間部のカバーパーツを外し、縦長ダボのジョイントパーツを組み付けてのディスプレイです。
前後開脚は、サイドスカートが広く可動するので前方へは広く展開可能。後方はリアアーマーが干渉するのでやや制限されます。
膝は2重関節で深くまで曲げることができます。膝関節は左右の組み合わせで中央に合わせ目あり。膝装甲裏には簡単な丸モールドが入っています。
足首は前後左右とも適度に可動します。
左右への開脚はハの字程度まで。サイドスカートは特に干渉しません。
内股、ガニ股共に45度程度までとなります。
立膝をきれいな姿勢で再現するのは難しいようでした。
可動域の総括としては、外装に厚みがありますが、腕上げや肩のスイング、腰部の回転など見た目によらず広く動く印象。ポーズを付けるには十分なくらいに可動するので、劇中のアクションシーンも適度に再現できそうです。
ビームライフル。ゲルググ専用の武装で、公国軍が初めて量産に成功したMS用のビーム・ライフルになります。ガンダムが装備するものに勝るとも劣らない性能を持つとのこと。後部に細身のストックを持つミリタリー調の武装になっています。
基部は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。
センサーは別パーツ化されていますが、表面をピンクに塗り分ける必要があります。
シールド。ゲルググ系が装備する標準的な楕円型シールドになります。表面は簡単な2枚パーツ構成ですが、のぞき窓もしっかりと造形されています。裏面もメカニカルなモールドが造形。裏面は全体をグレーに塗り分ける必要があります。
ジョイント部分はボールジョイント接続で適度に可動。太めのダボを前腕に差し込んで固定します。
ジョイントの角度を90度変えることで背部にマウントできるようになっています。
ビーム・ナギナタ。柄の両端からビーム刃を発振する両刃型のビームサーベルになります。ゲルググが装備するビームサーベルのうち、A型やS型には「ナギナタ」状のビーム刃を両端で生成するツインエミッターが採用されているとのこと。
ビーム刃はクリアイエロー成型色での再現で、少し湾曲したS字型のビーム刃になっています。ブラックライトで照らしても発光はせず。
付属のジョイントパーツを使用することで、ナギナタ柄をシールド裏や背部にマウントすることができます。どちらもしっかりと固定されて簡単には外れません。
一通り武装して。
ビームライフルは付属の武器持ち手で保持します。ダボ固定ではないため、多少遊びがあって角度が変わることがありますが、少し調整するだけで良いのでストレスは殆どありません。
シールドは太めのダボで前腕にしっかりと固定できるので、ポロリなどもなく、不自由さを感じることなくポーズを取らせることができます。大柄ですが、ショルダーアーマーが可動して避けられるので、ゲルググとの干渉もありません。
グワッと開いたような平手が付属するので、大部隊を指揮するようなポーズも再現することができます。ただ、ビームライフルに手を添えるようなポーズでは少し力強さが勝ってしまうので、もう少し柔らかい表情でも良かったかも。
ビーム・ナギナタは柄がダボ固定ではなく、細身なので、クルッと角度が変わったりハンドパーツからスルッと移動したりします。引っかかって止まることはありますが、思った向きや位置に留まってくれない場合があるので注意です。
両手持ちは若干のぎこちなさはありますが、突っ張る感じもなくラクな姿勢で保持させることができます。
切り裂くようなポーズもいい表情が付きますね。脚底の接地性が高く、関節強度も程よいので片足立ちが問題なく再現可能。
エコプラを塗装したHGUC RX-78-2ガンダム(021)、HGUC RX-78-2 ガンダム(REVIVE)と並べて。REVIVEは可動は十分ですが、少し細身なのでゲルググと組み合わせる場合は021のほうがしっくりきますね。
適当に何枚かどうぞ。
ENTORY GRADEのRX-78-2ガンダムと組み合わせると丁度いい感じ。
以上です。サーモンピンクとワインレッドの成型色がゲルググの機体形状とよく合っていていいですね。これぞシャア専用機といったカラーリングで華やかさが出ていますし存在感があります。プロポーションには多少の古さを感じさせますが、パーツのポロリなどもほとんどなく、ストレスなくディスプレイできるのも魅力。
気になる点は、ビーム・ナギナタの保持でやや遊びが多く、刃の角度なども変わりやすいので注意です。ポーズを付ける際は毎度角度変更や細かな調整が必要なのでその点が少し面倒でした。股間部のジョイントが少し弱いですが、こちらはまぁ気になる程ではなかったです。
見た目によらず可動が柔軟ですし、平手や武装類が一通り付属するので劇中ポーズも難なく再現可能。リメイクされると嬉しいですが、この年季を感じさせるフォーマット、プロポーションも十分にゲルググの格好良さや魅力が味わえるので、うまくRX-78-2ガンダムと組み合わせるなどして楽しみたいですね。
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