今回は、2016年11月に発売されたHGBF 1/144 GN-10000 トランジェントガンダムグレイシャーのレビューをご紹介します!
HGBF トランジェントガンダムグレイシャーは、公式外伝『ガンダムビルドファイターズ炎トライ』に登場するガンプラ「GN-10000 トランジェントガンダムグレイシャー」の1/144スケールモデルキットです。頭部や肩部など各部にクリアパーツを採用し、インパクトある機体デザインを忠実に再現。広い可動域により、躍動感あるポージングが可能となっています。開閉機構を持つGNパルチザンⅢも付属。価格は2,200円(税込み)です。
トランジェントガンダムを参考に作り上げられ、劇中ではアオガオオジ・リンジーが使用。各部のクリアパーツ内部にはプラフスキー粒子が絶対零度に近い温度で保管されており、「グレイシャー」の名の通り、冷凍系の攻撃を得意としているガンプラ「GN-10000 トランジェントガンダムグレイシャー」がHGBFでキット化。
2015年4月に発売されたHGBFトランジェントガンダムをベースに、トランジェントガンダムグレイシャー特有の頭部や胴体部、前腕部、各部の棘状装甲、背部デバイス、GNパルチザンⅢなどが新規パーツを交えて再現されています。
成形色はクリアパープルとダークブルーを基調に、各部にパープルやブルーを配色。どことなくヒール味を感じるカラーリングになっています。内部や関節はダークグレー成形色での再現。
ホイルシールが付属しますが、頭部センサー類や腹部周りを補うくらいでわずか。塗装もほぼ必要がなく、素組みで十分なくらいの色分けが再現されています。
ダークグレー成形色パーツにはKPSが使用されています。ABSは不使用。
ポリキャップはPC-002を使用し、全身各部に組み込みます。肘はKPS、膝はKPSとポリキャップ構造で関節強度はまずまず高め。クリアブラック成形色のランナーレス台座が付属し、画像のように浮かせてディスプレイさせることができます。つま先とかかとを展開することで接地した状態でも自立させることが可能。
■付属品
GNパルチザンⅡ✕2、手首に角度の付いた持ち手:左右、ランナーレス台座が付属(ランナーレス台座はキットのディスプレイに使用中)。
トランジェントガンダムの余剰パーツがいくつか付属。平手は手甲パーツが合わないため、使用できないようでした。ちょっともったいない感じはしますね。
■各部形状
ベースのHGBFトランジェントガンダムと比較しながら各部を見ていきます。
まずは接地した状態で全身から。足甲とアンクルアーマーが干渉で少し突っ張る感じがありますが、バランスを調整することで問題なく自立させることができます。背部に刺々しいウイング状のデバイスユニットを装備していますが負荷は少なめ。
■頭部
頭部をトランジェントガンダムと並べて。形状は似ていますが、ほぼすべてグレイシャー用に新造。アンテナは4本になって存在感が増し、全体的に奥行きが出てGNコンデンサーも楕円状に変化しています。
メット部は左右の組み合わせで後頭部に合わせ目ができます。簡単なモナカ割なので合わせ目消しはラク。側頭部のGNコンデンサーはクリアパーツをはめ込むと外しにくいので仮組み時は注意が必要です。
額のセンサーとツインアイはクリアパーツにシールを貼っての色分け。
■胴体部
胸部・腹部をトランジェントガンダムと並べて。シルエットは似ていますが、グレイシャーはよりトゲ感のあるシャープなデザイン装甲が新造。クリアパーツを交えつつ、少し禍々しい雰囲気が表現されています。腹部の台形モールドはダークブルーのシールでの色分け。
首はダブルボールジョイントのポリキャップで柔軟に可動。肩はトランジェントガンダム似た構造で少し奥にポリキャップが埋め込まれていますが、一応前後へのスイングやボールジョイントパーツによって柔軟に可動します。
腰部はボールジョイント型ポリキャップ接続で適度に前後します。
腰部をトランジェントガンダムと比較して。基部とサイドアーマーの形状は同じですが、フロントとリアアーマーはグレイシャー特有の形状に変化。フロントアーマーパーツは少し出っ張っているため、手でキットを握ると外れやすいので注意です。
リアアーマーにはトランジェントガンダムの膝周りのパーツが有効活用されています。パーツ内側のダボなどが見えるのは少し気になるかも。
■腕部
腕部をトランジェントガンダムと並べて比較。腕部は部分的にトランジェントガンダムのパーツを流用しつつ、グレイシャーのトゲ感ある装甲が新造。より荒々しい感じが表現されています。
上腕以下にはトランジェントガンダムと同じ内部フレームが造形。
上腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせで前後の手首側に少し合わせ目ができます。肘から分離しないので、合わせ目を消す場合は後ハメなどの加工が必要そう。ハンドパーツはトランジェントガンダムと同様、穴なしのものが付属しています。
前腕にはGNバルカンが造形されていますが、特にバルカン口などはありません。GNビームサーベルが展開できる設定もありますが、ビームサーベル刃を組み付けることはできないようでした。
ショルダーアーマー基部は前後の組み合わせで中央や側面に合わせ目ができます。合わせ目を消す場合は肩内部パーツの後ハメが必要。
■脚部
脚部をトランジェントガンダムと並べて比較。基礎部分の形状は同じですが、膝周りにはクリアパーツを用いたトゲ感ある装甲が新造。禍々しい雰囲気が強調されています。
大腿部は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目はモールドっぽく造形。膝から下は左右の組み合わせで後部に合わせ目ができます。膝から分離するので、合わせ目を消すのはラクかと。
脚の付け根はポリキャップを交えた構造で柔軟に可動します。
ソール部をトランジェントガンダムと並べて。こちらも大部分の形状は同じですが、脚甲がグレイシャー用に新造。クリアパーツによる爪のような装甲が追加されています。
足裏はつま先、踵共にメカニカルなモールドが造形。一部に肉抜き穴がありますが、あまり目立たない造りになっています。つま先、踵共に可動し、飛行状態をすることができます。
■バックパック
背部バックパックをトランジェントガンダムと比較して。トランジェントガンダムが3又の羽つき装甲を持つのに対し、グレイシャーは4つ又で刺々しい装甲を装備。ウイングのような幅のあるデバイスユニットになっています。
バックパック中央はトランジェントガンダムと同様、GNドライヴを持つ装甲が新造。左右のウイングは簡単なアームで接続されています。
グレイシャーとバックパックとは1横ダボと2ダボの3ダボ接続。他のキットとは形状が異なるため、無改造での交換やカスタマイズはできないようでした。
上部のウイングはトゲ感のある装甲が造形。基部にはトランジェントガンダムのショルダーアーマー、下部のクローのような装甲にはトランジェントガンダムのGNパルチザンパーツが流用されています。
ショルダーアーマーは簡単な前後の組み合わせで丈夫に合わせ目ができます。
クローの内側にはダボと溝がありますが、グレイシャーでは特に使用しません。
上部の刺々しいウイングは上下に可動。下部のクローのような装甲もヒンジ接続パーツによって上下に柔軟に可動します。
下部のウイングはやや簡易的な造り。基部は1個パーツ構成で内側がガッツリ肉抜き穴です。棘状の装甲は基部がトランジェントガンダムからの流用で中央に合わせ目ができます。
棘状の装甲は上下に可動。基部もボールジョイントでフレキシブルに可動します。
上下各部のウイングは前後にスイングが可能。各部可動部により、背部ユニットを自由な形態に変化させることができ、表情豊かに演出することができます。
■他キットとの比較
ベースのHGBFトランジェントガンダムと並べて比較。カラーリングはほぼ対照的で明暗がきっちりと分かれているようです。シルエット的にもかなり派手になり、ビルダーのキジマのトランジェントガンダムを上回りたいという意識が表現されているよう。
トランジェントガンダムのベースキットになっているHGガンダムエクシア、HGダブルオークアンタと並べて。トランジェントガンダムを通じてかなりカスタマイズされているため、殆ど面影はない感じですね。
■各部可動域
各部可動域をHGBFトランジェントガンダムと並べて比較。多少フォーマットが違っていますが、上半身の可動域は殆ど同じ。頭部が少し可動が柔軟かなという程度です。腕は水平程度まで可動。肘は2重関節で深くまで曲げることができます。
腰は少し干渉しますが、360度回転させることができます。膝は2重関節でV字程度まで曲げることが可能。トランジェントガンダムはフロントアーマーに幅があるため、干渉しやすいですが、グレイシャーは軽装なので割ときれいな姿勢で立て膝をさせることができます。
左右への開脚は水平まで幅広く展開可能。足首はボールジョイントでそれなりに可動します。
多少干渉でぎこちないところはあるものの、腰や足の付根などは広く可動します。なのである程度のポージングは楽しめそうかなと。トランジェントガンダムに比べて装甲が刺々しいので、そのあたりでどのくらい不自由さが出るかですね。
■武装類
GNパルチザンⅡ。トランジェントガンダムグレイシャーのメイン武装になります。格闘戦武器として使えるのはもちろん、粒子を圧縮して斬撃時に飛ばすことで遠距離攻撃も可能とのこと。柄の部分にトランジェントガンダムのGNパルチザンパーツを流用しつつ、ロングサイズの槍武装が再現されています。
前後の両刃部分はどちらも合わせ目ができないパーツ構成。特にトランジェントガンダムのような刃の展開ギミックはありません。
柄の部分は取り外しが可能。分離させて2本の武器として使用することができます。少し固定強度が弱く、抜けてしまうこともあるかと。ちなみに分離したGNパルチザンⅡはランスビットとしても使用可能とのことでした。
片側の槍は前腕にマウント可能。反対側の槍もマウントすることができます。
■ポージング
GNパルチザンⅡを装備して。
GNパルチザンは付属の手首に角度の付いた持ち手で保持します。角度が付いているため、自然な状態での保持ができるのと、突くようなポーズもラクに再現することができます。手甲パーツもダボが長いので、ポロリなど外れることはなかったです。
股間部が3.0mm穴なので、アクションベースや他社製のスタンドを使ってもディスプレイさせることができます。
ヒール味は強いですが、ダークパープルのカラーリングとと刺々しいシルエットが良いですね。干渉で動きは付けづらいものの、簡単なポーズでも格好良いですし迫力が出ます。
腰のボールジョイントが緩く、弄っていると動きやすいので少しだけ面倒なのと、リアアーマーと背部のデバイスが干渉しやすいので、うまく避けるようにして腰をひねる必要があります。
それと武装類が少ないので、ポージングのバリエーションは少し幅が限られるところも。ただ、ロングサイズのGNパルチザンⅡが大柄で存在感がありますし、分離ギミックなどもあるので良いかと。
GNパルチザンⅡを分離し、ランスビットとして使用。単体でディスプレイできるようにはなっていませんが、水星の魔女 ウェポンディスプレイベースを使用することでそれなりにでも演出することができます。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。各部に多数のクリアパーツが使用されているため、少し安っぽい感じがしなくもないですが、トランジェントガンダムからガラッと趣が変わってヒール感が強く、荒々しい容姿に変化しています。それが造形美と相まってポージングを格好良いものにしていますし、ポーズに迫力が出ているのが良いですね。
気になる点は、派手な容姿の弊害として各部が少し干渉するため、GNパルチザンⅡが動かしにくかったり、腰が回転させにくかったりします。なのでうまく避けつつポーズを取らせる必要がありそうです。
部分的にトランジェントガンダムのパーツが有効活用されているため、どことなくエコで無駄のない感じがあって良いですし、GNパルチザンⅡの分離ギミックも長槍や短刀などいくつかバリエーションを楽しむことができます。背部のデバイスユニットにも動きが付けられ、格好良く演出可能。何気に良い味と深い魅力を持ったキットになっているのが良いですね。
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3 件のコメントがあります。
匿名
on 2025年2月8日 at 06:25 -
レビューお疲れ様です。
いつも、レビューあげて下さり本当に助かっております。
数日前のレビューで言うのもあれなのですが、一点だけ来なる点がありまして、上腕の部分におきまして同じ説明文が重複している箇所がございます。
お時間ある時に修正頂けると読みやすくなるのでは無いかと思いますので、諫言させていただきますm(*_ _)m
nori
on 2025年2月9日 at 01:29 -
ですね;どこで間違えたのか・・・;
ご指摘ありがとうございますm(_ _)m
修正しておきました;
匿名
on 2025年2月9日 at 19:54 -
お忙しい中ありがとうございます
これからも新しいレビューを楽しみにしてます!^^♪