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HG 高機動型ザク 地上用 (サンホ機) レビュー

今回は、HG 1/144 高機動型ザク 地上用 (サンホ機)のレビューをご紹介します!

HG 高機動型ザク 地上用 (サンホ機)は、『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』に登場するMS「高機動型ザク 地上用 (サンホ機)」の1/144スケールモデルキットです。高機動型ザク 地上用の特徴的な機体形状を再現。成形色と水転写デカールにより、塗装なしでサンホ機の迷彩パターンが再現可能なキットになっています。中距離~遠距離戦闘に特化した武装類も付属。価格は2,750円(税込み)。プレミアムバンダイ限定の商品です。

サザンクロス隊に配備された陸戦用高機動型仕様のザクで、劇中ではユン・サンホが搭乗。モロッコ戦線では地球連邦軍と戦闘を行い、アレグランサ島の地下施設にてRX78-2ガンダムに撃破された機体『MS-06GD 高機動型ザク 地上用(サンホ機)』がHGでキット化。

2023年4月に発売されたHG 高機動型ザク 地上用(エグバ機)(以下、エクバ機)をベースに、ブレードアンテナのない一般機仕様の頭部、サンホ機の特徴的な迷彩パターンが成形色と水転写デカールで再現されています。ザク・マシンガンをバックパックにマウントするためのジョイントパーツのみ新規造形での再現。

2023年8月に発売されたウォルド機セルマ機と形状は全く同じですが、カラーリングや迷彩のパターン、武装類の種類が違っています。(詳細は後述)

成型色は他のHG高機動型ザク 地上用(エクバ機、ウォルド機、セルマ機)と同様、サンドブラウン、ブラウン、オリーブグリーンを基調としたミリタリーカラー。関節や内部、武装類はグレー成型色での再現です。ホイルシールは付属せず。サザンクロス隊特有のダックハント迷彩を再現する場合は付属の水転写デカールを使用します。一部モールドはグレーに塗り分けが必要。

グレーの内部・関節パーツにはKPSが使用されています。ABSは不使用。

大元はHGオリジン版ザクのフォーマットですが、肩部装備や腰部装甲、ホバーユニットを持つ脚部などが高機動型ザク地上用のパーツで構成されています。

ポリキャップはPC-001を肩部や脚の付け根、足首など各部に使用します。肘・膝関節はKPSパーツ構成で関節強度はまずまず高め。特別負荷のかかるような装備はなく、脚底の接地面も広いため自立は安定しています。

ザク・マシンガン、ザク・マシンガン用予備マガジン、ザク・マシンガン用ジョイントパーツ、銃剣(ヒート・ダガー)、ヒートダガー用ジョイントパーツ、武器持ち手(右)、平手(左)、ディスプレイ用ジョイントパーツが付属。

ちなみにウォルド機には対艦ライフルと対艦ライフル・ショーティー、ヒートホーク(展開型、収納型)が付属し、セルマ機にはバズーカB2型、銃剣(ヒート・ダガー)が付属しています。(ジョイントパーツなどの小物類は除く)

オリジン版ザク用の脚部内部パーツや動力パイプパーツ、ザク・マシンガンのセンサーパーツが余剰で付属します。

専用の水転写デカールが付属します。サンホ機用の迷彩柄の他、サザンクロス隊のエンブレムやナンバーデカールも収録。サザンクロス隊のエンブレムは右上の星が塗りつぶされたサンホ機仕様です。

頭部。オリジン版ザクと同形状でモールドが微妙に異なるくらいですが、額にアンテナのない一般機仕様。左右の動力パイプはグレー成型色での再現となっています。

モノアイレールは上下2枚パーツ構成で、各部にスリットモールドが入るなどメカニカルに造形。中央にはモノアイのモールドも細かく造形されています。ホイルシールやマーキングシールは付属していないので、モノアイのピンクを再現する場合は水転写デカールを貼る必要があります。

下部のレバーを左右に動かすことで、モノアイを左右に振ることができます。ただしモノアイに色が付いていないので、素組みのみだと表情の変化が確認しにくいところがあります。

胸部・腹部。こちらもオリジン版ザクとほぼ同型で、中央のT字型装甲や腹部動力パイプといったお馴染みのデザインで造形されています。ブラウンを基調としたミリタリー調のカラーリングが印象的。

胸部装甲は左右にスイング可能。こちらもオリジン版フォーマットの定番ギミックですが、肩の可動域を広げることができます。

首はヒンジと2箇所のボールジョイントで幅広く可動。肩もポリキャップを交えた構造で前方にスイングさせることができます。

腰部には高機動型ザク地上用で新造されたホバーユニットで構成されています。ユニット(アーマー)は幅のある装甲で、裾にはフィン状のダクトがメカニカルに造形。

腰アーマー裏は各面ともにメカニカルな裏打ちパーツが造形されて見栄えの良い仕上がりに。組み合わせのダボさえもマルイチモールドにデザインされるなど、細部まで無駄のない作りになっています。

股間部にはスイングギミックがあり、脚部の可動域を広げることができます。特にロック機構がないので脚部を動かすと自然に移動しますが、逆にポーズが付けやすくて良いかも。

右腕部。ザク系特有のL字シールドを装備。ただし高機動型ザク地上用ということで、シールドの角には特徴的な1スパイクが造形されていいます。表面にはジョイント穴がありますが、今回のサンホ機にはマウントするようなマガジンはありません。

腕部内部にはKPSによる内部フレームが造形。

上腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は一部が左右の組み合わせですが、前面の合わせ目は段落ちモールド化されています。

L字シールドはパーツの2枚重ねですが、裏面にはメカニカルなモールドが造形。ジョイント部分もポリキャップを交えた構造で前後へのスイングやロールなどが可能。見た目によらず凝った作りになっています。

右肩にもザク特有のスパイクアーマーを装備。アーマー自体は前後の組み合わせで側面や上部に合わせ目ができますが、1部のスパイクアーマーは別パーツ化されているため、合わせ目消しでモールドが埋まるようなことはありません。

肩基部とはパーツとの組み合わせで幅広く展開可能。

脚部。大部分が高機動型ザク地上用で新造された箇所で、膝から下にはメカニカルなホバーユニットを装備。ホバーユニットはフィン状のダクトや幅のある装甲で構成されています。

大腿部は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化。膝から下も各部が細かくパーツ分割されていて合わせ目はありません。

膝にはスライドギミックがあり、引き伸ばすことで膝の可動域を広げることができます。こちらも特にロック機構はないため、膝の曲げる角度に合わせて自然にスライドするようになっています。

各部装甲内部のダクトも、スリットモールドやフィンでメカニカルに造形。隙間から見えてもチープな感じが全くない作りになっています。

ソール部も地上をホバー移動するために厚みが出してあります。足首の接続部分は上下に可動。

足裏はモールド入りの裏打ちパーツできっちりと造形。肉抜き穴は全くなく、丁寧なモールドがデザインされています。脚部装甲の内側も抜けておらずチープさはありません。

バックパックはオリジン版ザクと同型。上部のアポジもモールドがあるのみで特に別パーツ化などはされていません。

腹部とは動力パイプで接続。動力パイプは角度を付けるための切り欠きがあってチープな感じがするので、このあたりはもう少し新素材などで見栄えを追求したいところです。下部のバーニアはボールジョイント型ポリキャップで適度に向きが変えられます。

HG高機動型ザク 地上用(エグバ機)と並べて。エグバ機は指揮官機なので頭部にアンテナがあります。カラーリングはサンホ機とは胸部装甲とふんどし部分などが違っています。

HG高機動型ザク地上用(ウォルド機)(画像左)、セルマ機(画像右)と並べて。水転写デカールを貼らない状態だと違いが分かりにくいですが、サンホ機は頭部や前腕、バックパック、ふんどし部分など割と違っている箇所が多いので識別はできそうですね。

続いてHG高機動型ザク地上用の各部を比較しつつ、カラーリングの異なる部分を細かく見ていきます。

まずは頭部を並べて比較。エグバ機は指揮官機なので額にアンテナがありますが、サンホ機、ウォルド機、セルマ機はアンテナのない一般期仕様。ただしサンホ機はエグバ機と同じ濃いめのブラウンカラーになっています。

胸部・腹部を並べて比較。エグバ機は胸部中央の装甲の配色が異なりますが、他の3機は同じサンドブラウンカラー。ただしサンホ機は腹部装甲がエグバ機と同じオリーブブラウンになっています。

腰部を並べて比較。どの機体もほぼ同じですが、サンホ機だけ中央のふんどし部分が濃い目のブラウンカラーになっています。後方は各種とも全く同じ形状、同じカラーリングなので画像は省きました。

右腕部を並べて比較。こちらは前腕のカラーリングが異なり、サンホ機とエグバ機はサンドブラウンとオリーブブラウンを交えたカラーリング、ウォルド機とセルマ機は濃い目のブラウンカラーのみでの再現となっています。左肩のスパイクアーマーは各種とも同じなので画像は省いています。

脚部を並べて比較。どの機体も殆ど同じ配色ですが、膝左右の丸モールドがサンホ機とエグバ機はオリーブブラウン、ウォルド機とセルマ機が濃い目のブラウンカラーになっています。それとエグバ機のみ、脚甲のカラーリングが異なります。

バックパックはサンホ機とエグバ機がオリーブブラウン、ウォルド機とセルマ機が濃いめのブラウンカラーでの再現です。全体的にみるとサンホ機はエグバ機に近いカラーリングですが、並べて見ると細かく違っているのがよく分かりますね。

ついでに各機に付属している水転写デカールも比較して。模様のかたちと色味はどれも同じですが、模様があるものとないものが細かく分けられています。その中でもエグバ機は一番迷彩模様が多く色分けが細かいです。

同作品のHGドアン専用ザク、フォーマットの大元であるHGザクⅡ C型/C-5型と並べて。

各部可動域はどの高機動型ザク地上用も同じ。頭部は適度に上下させることができます。腕は水平まで上げることが可能。L字シールドやスパイクアーマーをうまく交わす必要がありますが、肩には適度な可動域があります。肘は2重関節でV字程度まで曲げることが可能。

腰は干渉が殆どないので360度回転させることができます。腰アーマーが広く可動し、膝も深くまで曲がるので立膝はきれいな姿勢で再現することができます。

左右への開脚も幅広く展開可能。サイドアーマーが広く可動するので干渉はほぼありません。このボリューム感ある機体形状ながら、全体的な可動域は広め。劇中のような激しい地上戦も十分に再現できるくらいの可動域がありますね。

ザク・マシンガン。ドラムマガジンを採用したMS用マシンガンになります。オリジン版ザクからの流用ですが、センサー部分のみ高機動型ザク地上用の大きめのセンサーに変更されています。

基部や砲身部分は簡単な左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。

フォアグリップは左右にスイング可能。センサーも上下にスイング可能です。センサー前面は付属の水転写デカールで色分けするようになっています。上部のドラムマガジンは脱着が可能。

予備マガジン共々サイドアーマーやリアアーマーにマウントすることができます。

ザク・マシンガンは新造されたジョイントパーツによってバックパック側面にマウント可能。ジョイントパーツは簡単な2個パーツ構成ですが、肉抜き部分が細かくモールド化されていて見た目が良いです。ザク・マシンガンもしっかりと固定させることができ、フレキシブルに可動するので腕部などとの干渉も避けることができます。

銃剣(ヒート・ダガー)。短剣タイプのヒート武器になります。エグバ機、セルマ機に付属しているものと同じ。動力パイプのほか、グリップや刃の背の部分には細かなモールドが造形されるなど作りがかなりリアル。

銃剣も付属のジョイントパーツを使用することで、サイドアーマーなどにマウントすることができます。適度な固定強度があるので、少々の干渉では外れ落ちたりすることはありません。

ちなみにエグバ機は銃剣をザク・マシンガンに組み付けることができましたが、このサンホ機はザク・マシンガンの形状が異なるため、組み付けることはできません。

一通り武装して。

ザク・マシンガンは付属の武器持ち手をグリップに組み付けて保持しますが、エグバ機のものとは形状が異なるため、後部のストックが前腕とかなり干渉しやすいです。

そのため、肘を曲げるなど干渉を避ける必要がありますが、武器持ち手のボールジョイント接続部が長めで角度が付いているので、射撃ポーズを取らせることは可能です。他のオリジン版ザクと同じですね。

フォアグリップが広く可動し、肩や肘なども柔軟に可動するため、ザク・マシンガンの両手持ちもラクに再現することができます。

腰回りや膝などの可動域が広いので、深く腰を曲げた状態でのポーズもラクに再現できますし様になりますね。特に膝のスライドギミックが優秀なので、細身のシンプルなオリジン版ザク以上に動きを付けることができます。

銃剣(ヒート・ダガー)は通常の握りてでグリップを挟んで保持します。特にダボ固定ではないですが、隙間なく収まるのでふらついたりということはありません。軽装なので干渉などもなくポージングしやすいです。

逆向きに保持することも可能。平手を添えて近接戦闘をイメージしたポーズを取らせても良いですね。

ただ、左手用の武器持ち手が付属しないため、劇中で見せた右手にヒート・ダガー、左手にザク・マシンガンの状態でのポージングが再現できないのはちょっと残念ですね。

浮かせてディスプレイさせる場合は付属のジョイントパーツを股間部に組み付けます。このジョイントパーツは初期のオリジン版ザクから変わらないため、キットを斜めにしたりすると股間部から外れやすいです。何度も外れて組み直すのが手間だったので、このあたりもそろそろ新しい構造にして貰いたいですね。

エフェクトパーツを使ってホバー移動するシーンを再現。

ルッグンから降下するポーズを再現。ルッグンが手元になく画像の絵柄がシュールなので、機会があればEXモデルのルッグンを購入するなどして、劇中シーンをうまく再現したいところです。

サザンクロス隊を集結させて。やはり迷彩デカールを貼らない状態だと組み合わせたときに違いがわからないかも。全て迷彩柄にしたサザンクロス隊を再現するのはある意味夢でもありますね。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。他の高機動型ザク地上用と同形状で新鮮味は薄いですが、ホバーユニットなども裏打ちパーツなどがきっちりと再現されるなどキット自体の完成度はかなり高いです。ポロリなどのストレスがほぼななく取り扱いやすいのもメリット。パーツによる配色が良く、迷彩デカールを貼らない状態でも違和感がないのも良いですね。

気になる点は、初期のHGオリジン版ザクからずっとですが、ディスプレイ用ジョイントパーツが股間部から外れやすいです。浮かせた状態でキットをいじったり、斜めに傾けたりすると外れて落下したりするので、このあたりはそろそろ考えてほしいですね。

迷彩デカールを貼らない状態だとサザンクロス隊の複数と組み合わせたときに違いが分かりにくい感じはありますが、5機並べると感慨深いものはありますし、劇中シーンもより良く楽しめると思います。5体に迷彩デカールを貼って完成させるのはある意味夢でもありますし、その満足感を味わうためにも、このサンホ機はぜひ手にしておきたい一体ですね。

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