今回は、HG 1/144 MSM-04G ジュアッグ(Ver.MSV)のレビューをご紹介します!
HG ジュアッグ(Ver.MSV)は、『機動戦士ガンダム MSV』より、MS「MSM-04G ジュアッグ」のMSV版1/144スケールモデルキットです。アッガイを意識したベーシックなカラーリングを成形色で再現。ゾゴックタイプの右腕の他、ヒート・ナイフが付属し、ダイナミックなアクションポーズが再現可能なキットになっています。MSV特有の階級マークやナンバーが入ったマーキングも付属。価格は1,870円(税込み)。プレミアムバンダイ限定の商品です。
ジオン公国軍が開発した試作型MS「アッグ」、「アッグガイ」、「ゾゴック」らジャブロー攻略用の特務機「アッグシリーズ」の1機で、3機の後衛役として砲撃性能を重視。高い火力を持つ機体「MSM-04G ジュアッグ」のMSV版がHGUCでキット化。
2012年3月に発売されたHGUC ジュアッグ(ユニコーンVer.)(以下、ユニコーンVer.)をベースに、アッガイを意識したカラーリングを成形色で、MSVの設定画に存在した容姿と同じゾゴックタイプの右腕、平手、ヒート・ナイフなどが新規造形で再現されています。
成形色はブラウンとライトグレーのわずか2色。ですがそれを感じさせないくらいにバランスよく色分けされた物足りなさのないカラーリングになっています。
シールは頭部モノアイと頭部中央の排熱ダクト、胸部ビーム砲(メガ粒子砲)、3連装ロケットランチャーの一部モールドを補いますが多くありません。ヒート・ナイフや3連装ロケットランチャーの砲口などを塗り分ける必要がありますが、素組みでも十分なくらいの色分けが再現されています。
特にABSやKPSは使用されていません。ほとんどのパーツは通常のPS素材となっています。
ポリキャップはPC-132とPC-7の殆どを使用し、各部に組み込みます。肘はPSパーツで構成されていますが、膝に関節はなし。足首はボールジョイント&ポリキャップ接続で各部の関節強度はまずまず高め。バックパックは小型で特に負荷はかからないですし、足底も平らでしっかりと接地できるため、自立は安定しています。
■付属品
平手(右)、ヒート・ナイフが付属。
専用のマーキングシールが付属。階級マークやナンバーといったMSV版特有のマーキングが収録されています。
■頭部
頭部ヘッドユニットは平らで異型なデザイン。フレームラインはライトグレーのパーツできっちりと色分けされています。
メット部は簡単な上下の組み合わせなため、側面に合わせ目ができますが、さほど目立つ感じもないのでそのままモールドとしておいても良いのかなと。
バイザー部分にはクリアシート(PET素材)を使ったモノアイシールドが再現されています。クリアシートはHGUCジュアッグ(ユニコーンVer.)のものがそのまま流用されていました。
モノアイは特に別パーツ化されていませんが、メカニカルなモノアイレールがデザインされるなど細部のディテールがしっかりとしています。
モノアイはモールドにピンクのシールを貼っての色分け。
頭部底面のレバーを左右に動かすことで、モノアイを左右に可動させることができます。モノアイシールドの目盛りによってモノアイがどのくらい移動しているのか確認できるのが面白いですね。
口元には象の鼻を思わせる独特の排熱ダクトを装備。
排熱ダクトは節々が細かくパーツ分割され、太めのリード線が組み込まれているため、かなり深くまで反らすことができます。
排熱ダクトの先端部分も少し角度変更が可能。ダクト内部は段差モールドにグレーのシールを貼って色分けします。左右の丸モールド部分はグレーに塗り分けが必要。
首はアッガイのような水陸両用機を思わせる蛇腹状の関節が造形。簡単な左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。ポリキャップによる接続で適度に上下します。
■胴体部
胴体部も水陸両用機らしい寸胴スタイル。胸部、腹部共に円形のビーム砲(メガ粒子砲)が造形されています。メガ粒子砲はスリットモールドの上から赤いシールを貼っての色分けで、中央はシルバーに塗り分けが必要です。
胴体内部にはメカニカルなモールドが造形。ダクトや腹部のメガ粒子砲は中央が別パーツ化されているので、塗装で塗り分ける場合もしやすくなっています。このあたりは塗装派にはとてもありがたい配慮ですね。
肩には可動ギミックがあり、前方に適度に展開させることができます。後部の3基スラスター部分はフチと内部のバーニアがそれぞれ別パーツ化されているので、細かく塗り分けるとリアルな雰囲気が出そうです。
股間部はボールジョイント軸とポリキャップとの接続で柔軟に可動。
■腕部
右腕部をベースであるユニコーンVer.と並べて。ユニコーンVer.が3連装320mmロケット砲を装備しているのに対し、このMSV版では人型の腕部(マニピュレーター)に変更されています。肩部は同じものですが、上腕以下はMSV版用に新造。
肩部、上腕部、前腕部とも中央に合わせ目ができる構造。処理する場合は後ハメなどで細かく処理していく必要がありそうです。
公式ホームページでは「近接戦闘用にゾゴックタイプの腕に換装され・・・」とありますが、ゾゴックタイプになっているのはマニピュレーター部分のみなようですね。
左腕部はユニコーンVer.と殆ど同じ。3連装320mmロケット砲になっています。一部モールドはグレーのシールでの色分け。
ただしユニコーンVer.ではビーム口だった砲口部分が、このMSV版ではロケット弾タイプのものに変更されています。ロケット弾は弾頭こそ別パーツ化されていませんが、ちょっとした変化が楽しめて良いですね。砲口内部はグレーに塗り分けが必要です。
3基ロケット砲の基部は個別に上下スイングが可能。
その他、ボールジョイント型ポリキャップとの接続部分を少し引き伸ばすことで、3基ロケット砲を四方に展開することができます。ただしポリキャップが抜けてしまうと再度組み付けるのがちょっと面倒なので注意。
■脚部
脚部は幼児がズック(上履き)を履いたような愛らしいデザイン。水陸両用機の蛇腹状の脚部や角型ソールなどが印象的に造形されています。
蛇腹部分は簡単なモナカ割で側面に合わせ目ができます。段差モールドになっているので、合わせ目を消す場合は角を落とさないように注意が必要。
ソールは蛇腹部との接続部分にも細かなモールドがデザインされています。足裏も同様、メカニカルなモールドが入った裏打ちパーツが造形されているため、肉抜き穴はありません。中央のファン部分はグレーに塗り分けが必要。
■バックパック
バックパックは左右の動力パイプや下部のスリットダクトなどがメカニカルに造形。特に塗装の必要はないようですが、動力パイプなどを塗り分けるとガラッと雰囲気が変わってきそうです。
本体部分は簡単な2枚重ねで側面に合わせ目ができます。上部フックと下部スリットダクトは別パーツ化。
バックパックは縦長の2軸接続でこの仕様はHGUCアッガイと同じ。なのでアッガイのバックパックを装備させることができます。逆にアッガイは背部の組み付け枠が小さいため、ジュアッグのバックパックを装備させることは出来ませんでした。
■他キットとの比較
HGUC陸戦型ジムと並べて大きさを比較。見た目によらず小柄で陸ジムよりも若干小さめ。ジュアッグの全高は17.4mです。
ベースキットであるHGUCジュアッグ(ユニコーンVer.)と並べて。カラーリングだけでなく右腕部の形状や武装類も違っているので、どちらも手にしたいという気分になりますね。
HGUCアッガイと並べて。アッガイと成形色はほぼ同じ。以外にもアッガイの方が全高が高いです。この2体はデザインにマスコット的な雰囲気が強いので、並べると何かのキャラクターグッズにしか見えません(笑)
■可動域
続いて各部可動域をユニコーンVer.と比較しながら簡単に見ていきます。
右腕部が新造されていますが、新造されているのは上腕以下のみなので肩の可動域に大きな差はありません。水平程度まで上げることができます。
肘はどちらも30度程度までしか曲がりません。
その他の可動域はユニコーンVer.と同じ。腰はわずかに捻る程度で、前後への開脚は適度に展開可能。膝に可動ギミックがないのでバタバタした感じのポーズになります。
左右への開脚は広くハの字程度まで展開可能。足首は少し角度変更ができる程度です。
可動域の詳細は以下のリンクから、HGUCジュアッグ(ユニコーンVer.)のレビューをご参考くださいm(_ _)m
■武装
ヒート・ナイフ。ゾゴック(ユニコーンVer.)に付属しているヒート・ソードと似た形状のものですが、こちらは特に赤熱化した刃などは付属せず、刃の組み換えギミックもありません。全体をグレーに塗り分けが必要。
ヒートナイフはゾゴックタイプの握り手を分解し、グリップを握らせて保持します。特にダボなどで固定せずそのまま挟むだけ。少し角度がつきますが、隙間なく保持できるので角度が変わったりということはありません。
■ポージング
軽武装なので、特に取り扱いで不自由な感じはないですね。ハンドパーツは太めの1ダボでしっかりと組み付いているため、バラす際にダボを折ってしまわないように注意です。
逆向きに保持することも可能。この状態でも特にスカスカした感じはありません。肘こそあまり曲がりませんが、肩が柔軟に可動するので切り裂くようなポーズも再現しやすいです。
浮かせてディスプレイさせる場合は股間部に3.0mm軸を差し込みます。KPSパーツを使用しない重量キットなので、細い支柱だとやや傾きやすいかも。
右手のヒート・ナイフ、左手の3連装ロケットランチャーという異なる武装によってポージングの幅が広がります。モノアイも左右に幅広く可動するため、ギロリと睨むような表情が演出できるのも良いですね。モノアイシールドの目盛りも良い味を出しています。
ちょこんと座ったポーズを演出すれば、キモカワなマスコットキャラクターとしても楽しめそうですね(笑)
平手に組み替えれば、また違った表情を楽しむことができます。平手は指の内側が肉抜き穴。そこそこ目立つので、技術があれば処理するなどしてディテールを良くしたいところです。
さほど動けるキットではないですが、容姿が個性的なのでポーズを付けるのが楽しいですね。膝が曲がらないため、脚を開いての自立ポーズだと前方に倒れやすい傾向にあるので注意です。
水陸両用機であるアッガイと並べて。共にジャブロー攻略用の特務機なので、基地に攻め込むようなシーンを再現してみてもいいですね。ただ、並べ方によっては漫才コンビのような感じにもなりそうな・・・;
適当に何枚かどうぞ。
以上です。ユニコーンVer.と同様、個性的な容姿で面白みがあって良いですね。ヒトクセあるので好みは分かれそうですが、水陸両用機の特質を考えると理にかなっているのかなと思いますし、アッガイと同じカラーリングで渋みもあります。右腕が人型になったことでユニコーンVer.とは違ったポージングが楽しめたり、専用のマーキングシールを貼ることでよりミリタリーに、よりメカニカルに演出できるのも良いですね。
気になる点は、全体的に合わせ目が多く、キレイに塗装・制作する場合は処理に手間がかかるのと、ヒート・ナイフを保持する際、ハンドパーツがしっかりと組み付いているので、分解時は破損させないように注意が必要です。
見慣れると徐々に格好良く見えてきますし、頭部の目盛りやモノアイ、排熱ダクトなどの可動ギミックがあって表情が付きやすいです。3連装ロケットランチャーも砲口が新造されるなど、ユニコーンVer.との差別化もしっかりとされた、MSV版ならではのジュアッグが楽しめるのが良いですね。
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