今回は、2007年4月に発売されたHGUC 1/144 MSM-04 アッガイのレビューをご紹介します!
HGUC アッガイは、『機動戦士ガンダム』『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』他に登場するMS「MSM-04 アッガイ」の1/144スケールモデルキットです。水陸両用機の特徴的な機体形状を再現。パーツ差し替えによる腕部伸縮、爪の展開収納、レールに沿ったモノアイ可動といったギミックにより、水中MS特有のリアリティが追求されたキットになっています。価格は1,540円(税込み)です。
ジオン公国軍がズゴックに続いて開発した水陸両用量産型MSで、劇中ではアカハナ等が搭乗。ジャブローのジム工場を爆破すべく潜入し、RX-7-2ガンダムと戦闘を繰り広げた機体「MSM-04 アッガイ」がHGUCでキット化。
第08MS小隊の要素を取り入れた丸みのあるプロポーションに加え、頭部や腕部、脚部の内部メカディテールがリアルに再現されたキットになっています。
成型色は濃いめのレッドブラウンと淡めのウッドブラウンを基調に、爪やバックパックなどにブルーグレーを配色。その他、内部や関節がグレー成形色での再現となっています。
ホイルシールはモノアイの表面を補うもののみが付属。殆ど塗装の必要がなく、組み立てるだけで十分なくらいの色分けが再現されています。
殆どのパーツはPS素材ですが、内部や関節のグレー成型色パーツにはABSが使用されています。なので塗装やスミ入れをする場合は破損やひび割れに少し注意が必要です。
ポリキャップはPC-123プラスを使用し、首や四肢の付け根、手首、足首などに使用します。関節強度は程よく、経年などでもヘタレることなく強度を維持してくれそうです。胴長短足、足底も平らなので自立は極めて安定しています。
■付属品
腕部延長パーツ✕2、第08MS小隊版アッガイの腕部用カバーパーツ、爪を収納した状態、中央にバルカン砲口がある6連ミサイル・ランチャーのハンドパーツが付属。
■各部形状
HGUCアッガイの各部を見ていきます。
■頭部
頭部。水陸両用MSらしい生物的な機体形状が再現されています。額の4門105mmバルカン砲は内部パーツの兼ね合いによる色分けを再現。タコ口(ぐち)風のダクトパーツは外れやすいので注意です。
グレーの首パーツは左右の組み合わせで中央に合わせ目ができます。中央はボールジョイント部としてポリキャップが組み込まれているという特殊構造。
上部の外装パーツは左右2枚パーツ構成で取り外しが可能。外すとモノアイや内部を覆うようにクリアーカバーパーツが造形されています。
クリアパーツを外すと内部にはモノアイレールや内部フレームが造形。モノアイを可動させる場合は外装パーツとクリアカバーパーツを外して移動させます。外装パーツは組み合わせ強度が高いので破損させないように注意が必要です。
モノアイはクリアーパーツの表面にピンクのシールを貼っての色分け。3本のレールに沿って可動することができますし、
上部や側面、後部にまで自由に配置することができます。額の位置(赤◯部分)が少しスライドが固めなので注意です。(ゲート跡をきれいに処理すればスムーズにスライドするかも?)
■胴体部
胴体部は蛇腹状の腹部が印象的。別パーツで設定に忠実に色分けされています。コックピットハッチの開閉ギミックはありません。胴体部は前後の組み合わせで側面などに合わせ目ができます。胴体部は特に内部フレームは再現されていません。
■腕部
腕部。上腕と前腕の2部構成で、可愛らしいマスコット的な容姿が再現されています。前端のクローも印象的に造形。
腕部は全体に内部フレームが造形されています。内部フレームの上腕は前後の組み合わせ、前腕は左右の組み合わせで共に合わせ目ができます。
上腕、前腕共に筒型で合わせ目はありません。
肘は若干ですが伸縮が可能。伸ばすことで肘の可動域が広がります。
ハンドパーツは組み替えが可能。別途2種の爪先パーツが付属し、組み替えることで爪を収納した状態、中央にバルカン砲口がある6連ミサイル・ランチャー状態を選択することができます。
ハンドパーツはファースト(1st)仕様だと右に爪(アイアン・ネイル)、左に(中央にバルカン砲口のない)6連ミサイル・ランチャーを装備した状態になります。爪は6本ともグワッと展開が可能。
■脚部
脚部。こちらもクマ脚のようなマスコットっぽいデザインで可愛らしさがあります。外装は大腿部、膝から下共に筒型パーツの組み合わせで合わせ目はありません。ソールは左右の丸モールドがパーツによって色分けされています。
脚部も全体にメカニカルな内部フレームが造形。大腿部の内部フレームは前後、膝から下は左右の組み合わせですがどちらも合わせ目ができます。膝は分離はしませんが、同一成形色なので合わせ目消しはラクかと。
足首はボールジョイント接続。ソールの内側にはメカニカルなモールドが造形されています。見えないような部分まで注力してあるのは開発者のこだわりが感じられますね。
足裏はモールド入りのパーツで蓋がされているので肉抜き穴などはありません。ファンのような造形もされていてリアルです。
■バックパック
バックパックはシンプルなボックスタイプ。素朴ですが、上部にはスリッドダクト、下部にはバーニアが造形されるなど無駄のない造りになっています。
2ラインダボ接続。後に発売されたHGUCジュアッグとは共通ですが、アッガイ背部の凹みが干渉するため、ジュアッグのバックパックを装備することはできないようでした。
下部のバーニアは上下に可動。内側には多重のスリットモールドが造形されています。最奥にはファンのようなモールドもあって造りが細かいです。
腕部と脚部の内部フレームを露出させた状態で。メカニカルさが際立つので、この状態で飾っておくのもありだと思います。
■他キットとの比較
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べて。サイズ的にはそこそこ大きめ。アッガイの全高は19.2mです。(説明書に記載の数値で、設定値は様々。)
HGUC RX-78-2ガンダム、HGUC陸戦型ガンダムと並べて。どれも特別モールドが多いわけでもないので、組み合わせても特に違和感はなさそうですね。
同じ水陸両用機であるHGUCジュアッグ(Ver.MSV)と並べて。成形色はほぼ同じでした。大きさはアッガイの方が大きめ。この2体はデザインにマスコット的な雰囲気が強いので、並べるとキャラクターグッズにしか見えないですね;
ママッガイ(HG ベアッガイオハナ & アロハロ セット)と並べて。さすがにママッガイと並べるとアッガイの可愛らしさやキャラクター性が弱まるかも;ママッガイの存在感がありすぎます;
■各部可動域
頭部はまずまず上下可動します。見た目によらず、左右へも干渉なくスムーズに可動します。
どの方向に向いているのかちょっとわかりにくいですが、腕は水平以上に上げることができます。肘は45度程度までとわずか。肩の前後スイングは全くないので画像は省きました。
腰が可動しないので、一般的なキットのような上半身の前後スイングや腰の回転ギミックもありません。
アクションベースやスタンドへは、股間部もカバーパーツを外し、3.0mm軸を差し込んでのディスプレイとなります。
腰回りに干渉するものが全くないので、脚部は幅広く前後スイングさせることができます。可愛らしいですね(笑)
膝は二重関節によってかなり深くまで曲げることができます。膝内部パーツは左右挟み込みタイプで中央に合わせ目ができます。
足首は前後左右とも程よく可動します。
左右への開脚も水平程度にまで展開が可能。
内股、ガニ股は共に真横程度にまで展開が可能です。
立膝もきれいな姿勢でこなすことができます。
可動域の総括としては、胴体部が寸胴ということもあって可動箇所自体は少ないですが、見た目によらず各部が広く可動するようになっています。劇中でそんなにキビキビとした動きを見せていた印象はないですが、このキットは色んなポーズに対応してくれそうですね。
■ポージング
上腕と前腕の間に延長パーツを取り付けることで、腕が伸びた状態(フレキシブル・ベロウズ・リム)を再現することができます。
延長腕は各部が分解できるので、組み換えて1本の長い腕にすることも可能です。
可動が柔軟なので、劇中のような立膝を付くポーズもある程度再現することができます。ただしモノアイを動かすときに頭部を分解するのがちょっと手間なのと、口がポロリしやすいので注意です。首のポリキャップも抜けやすいので注意。
特別凝った武装類もないので1stの劇中シーンを簡単に演出してみました。
ジャブロー潜入作戦を演出。胴体はポロリもなくスムーズに可動させることができます。
■第08MS小隊仕様のアッガイ
右の上腕にカバーパーツを組み付け、左腕部に腕部延長パーツと爪(アイアン・ネイル)を伸ばしたハンドパーツを取り付けることで第08MS小隊仕様のアッガイにすることができます。
HGUC陸戦型ガンダムと組み合わせて第08MS小隊の劇中シーンを再現。この作品唯一のアッガイの活躍シーンですね;
カレン搭乗の陸戦型ガンダム頭部を破壊したシーンですが、エレドアとカレンの奮起や連携、お互いを思う気持ちが印象的でした。アッガイはモブ・・・?
適当に何枚かどうぞ。
以上です。そこまで古いキットなわけでもないですが、シンプルな機体形状のアッガイということで、どこかしら簡易的で雑な作りを想像していました。ですが実際のキットは内部フレームが造形されたり、モノアイがあらゆる角度に移動したりとかなりしっかりとした作りになっているのに驚きました。当時の開発者の熱意が感じられる作りになっていますね。
現在でも十分に通じるくらいの完成度がありますし、可動域も広く表現力が高いです。それでいて短足、動物のような愛らしさも持った優秀なキットになっていると思います。親しみやすさがあるので、ディスプレイアイテムとしてだけでなく、マスコット的な癒やしアイテムとしても、手元に一つ置いておきたいですね。
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