今回は、HGAC 1/144 XXXG-01S2 アルトロンガンダムのレビューをご紹介します!
HG アルトロンガンダムは、『新機動戦記ガンダムW』に登場するMS「XXXG-01S2 アルトロンガンダム」の1/144スケールモデルキットです。背部にウイングやビームキャノンを持つ特徴的な機体形状を新規造形で再現。ツインビームトライデント、ドラゴンハングといった武装、幅広い可動により、劇中をイメージしたアクションポーズが可能となっています。価格は2,640円(税込み)です。
中破状態のシェンロンガンダムを極秘に強化改修した機体で、劇中では張五飛が搭乗。デスサイズヘルと共に新型のビルゴ部隊を多数撃破した他、トレーズのトールギスⅡと対決するなど活躍を見せた「XXXG-01S2 アルトロンガンダム」がHGACでキット化。
一部にHGACシェンロンガンダム※のパーツを流用しつつ、アルトロンガンダム用の全身各部や背部ウイング、ビームキャノン、ツインビームトライデント、ドラゴンハングなどが新規造形で再現されています。※大元はHGACガンダムサンドロック。
成形色はホワイトとグリーンを基調に、各部にイエローやレッドを配色。内部や関節、武装類の一部はグレー成型色での再現となっています。
ホイルシールは頭部センサーや胸部、ドラゴンハングのモールドなどを補いますが多くはありません。細部モールドまでパーツで細かく色分けされているため、塗装はほとんど必要なし。一部ダクトやモールドを塗り分けるくらいです。
内部や関節、武装類のグレー成型色パーツだけでなく、外装のホワイトやグリーン、イエロー、レッド成形色パーツもほぼKPS素材で構成されているようでした。ABSは不使用。なので塗装時は破損をあまり気にせずに取り組めそうです。
ポリキャップはPC-002を各部に使用します。肘はKPS、膝はKPSとポリキャップ接続で関節強度はまずまず高め。背部に薄型のウイングやビームキャノンを装備していますが、軽量で特に負荷はかからず、自立は安定しています。
■付属品
ツインビームトライデント(展開状態、収納状態)、ドラゴンハング伸長状態再現用パーツ✕4、ハンドパーツ(平手:左右、手首に角度のついた持ち手:左右)が付属。
HGACシェンロンガンダム、アルトロンガンダムなどのパーツが余剰で付属します。
■各部形状
HGACシェンロンガンダムと比較しながら、HGアルトロンガンダムの各部を見ていきます。
■頭部
頭部。アンテナの形状やシルエットにそれほどど大きな違いはないですが、頬が牙のような装甲に変化。左右の装甲もグリーンに配色されるなど、全体的に厳つい雰囲気を感じさせるデザインになっています。アンテナ中央やとさかセンサーはグリーンのシールでの色分け。小さいので紛失に注意です。左右のダクト内部はグレーに塗り分けが必要です。
メット部は上から被せるタイプで合わせ目ができないパーツ構成。とさかもシェンロンガンダムに比べてトゲ感が強くなっています。
■胴体部
胸部・腹部。胸部にはシェンロンガンダムと同じ丸みのある装甲を装備。装甲のふちや襟のラインも黄色いパーツでの色分けでどことなく拳法着を思わせるデザインになっています。中央の三角モールドはグリーンのシールでの色分け。
首はポリキャップ接続で柔軟に可動。肩のポリキャップにはスライドギミックがあり、少し引き出すことができます。これによって干渉が少なく腕部を動かすことが可能。シェンロンガンダムと同じ可動ギミックになります。
腹部もシェンロンガンダムと同様の可動ギミックが内蔵されていて、前後スイングに合わせて腹部前面のコックピットブロックもスライド。干渉が避けられるようになっています。
左右へも幅広くスイング可能。
腰部をシェンロンガンダムと並べて。腰部はカラーリングが異なるくらいで形状はほぼ同じです。フロントアーマーのダクトもパーツできっちりと色分けされています。
腰アーマーは簡易的な構造ながら、裏面にはメカニカルなモールドがデザインされていて造りが丁寧です。リアアーマーは幅広く展開可能。
腰部構造はシェンロンガンダムやその他のHGACガンダムタイプと同じ。リアアーマーとともに腰部が跳ね上がるため、上半身を広めに可動させることができます。股間部にはスライドギミックがあり、脚部の可動域を広げることが可能。KPSが柔らかめのパーツなので、パーツの組み合わせがゆるく、ヘタれやすいところがあるので注意です。
■腕部
右腕部をシェンロンガンダムと並べて比較。構造はほぼ同じながら、ショルダアーマーの形状やモールド、ドラゴンハングの形状などが細かく違っています。上腕以下の内部フレームはシェンロンガンダムと同じ。
上腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせで中央に合わせ目ができます。肘から分離しないので、合わせ目を消す場合は後ハメなどの加工が必要。掘って段落ちモールド化したほうが良いかもです。
ショルダーアーマーは厚みがあり、内部にはドラゴンハング展開用のアームが格納されています。合わせ目ができないパーツ構成。前面のモールドはパーツできっちりと色分けされていて造りが丁寧です。
アームは収納時は付け根の部分(赤◯)でロックされる構造になっているため、自然に垂れてしまうようなことはありません。
アームの構造自体はシェンロンガンダムと同じ。接続部も鍵型ダボで抜けない仕様になっていますが、白い装甲のモールド形状が少し違っています。
アームは一旦バラし、各節節に付属の伸縮用ジョイントを組み付けることで、アームを更に長く展開させることができます。各部とも鍵型ダボ接続なので脱着時は破損させないように注意です。
アームは延長時、非延長時共に可動箇所が多く、ロールや上下など柔軟に可動します。
ドラゴンハングをシェンロンガンダムのものと並べて比較。ややコンパクトで縦長になり、先端のクローも小型になっています。センサー(目)部分はモールドの上からシールを貼っての色分け。
先端のクローや口の部分は上下に可動。クローの付け根は黄色いシールで色分けします。口内部にもメカニカルなモールドが造形。
ドラゴンハングは前腕とはヒンジパーツ接続で前方に展開可能。内側のスリットダクトはグレーに塗分が必要です。
左腕部をシェンロンガンダムと並べて。シェンロンガンダムは右腕はシンプルな装甲ですが、アルトロンガンダムは右腕部と同様、ドラゴンハングを備えています。それとショルダアーマー先端にはシールドマウント用のハードポイントが増設されています。
シールドはシェンロンガンダムと同形状。ですが各部ともパーツで色分けされていて造りが良いです。中央の丸モールドは黒いシールでの色分け。側面のダクトはグレーに塗り分けが必要です。裏面にはメカニカルなモールドが造形。ハードポイントは上下に可動。
■脚部
脚部をシェンロンガンダムを並べて比較。シェンロンガンダムは比較的シンプルな装甲でまとめられていますが、アルトロンガンダムは竜の爪のような膝脛装甲、側面に角型スラスターが増設されるなどマッシブ感があります。
大腿部は筒型パーツ構成で合わせ目はなし。膝から下は前面と左右の組み合わせですが、後部中央の合わせ目は段落ちモールド化されています。脹脛上部の三角モールドはグレーに塗分が必要。
後部スラスターは上下に可動。
すねの装甲は別パーツ化されているため、足首の可動で干渉せずより広く可動するようになっています。
ソール部はシェンロンガンダムと同形状。まとまりのあるシンプルなデザインですが、足甲の左右に棘状のモールドがあって少しクセがあります。足甲前面のダクトはグレーに塗分が必要。
足裏はつま先側に肉抜き穴が多め。つま先は角度変更が可能です。
■バックパック
背部には左右にウイング、中央にビームキャノンを持つバックパックを装備。ウイングにより、アルトロンガンダムのシルエットがコンパクトなシェンロンガンダムから大幅に変化しています。
バックパック基部は表面にメカニカルなモールドが造形。
上部にはアルトロンガンダム特有のビームキャノンを装備しています。
ビームキャノンは生物的なアームでの接続。アームは左右の組み合わせですが、合わせ目は段落ちなどでしっかりとモールド化されていて造りが丁寧です。先端のビームキャノンもひし形モールドがパーツで色分けされるなど良い作り。
アームは基部がロールしますし、2箇所の可動で上下に可動。なので前方に向けることもできます。
ウイングはシンプルなデザインですが、湾曲したシルエットがやや特徴的。側面のダクトは別パーツ化されています。
左右の組み合わせですが、合わせ目はきっちりと段落ちモールド化されています。
ウイングは中間部が展開可能。
ウイング基部は前後に可動する他、ロールし、角度を変更することができます。
バックパックは取り外すことでシェンロンガンダムと同型のバックパックが露出。シェンロンガンダムと同型のバックパックは、一部のHGUCやHG SEED FREEDOMシリーズ、HG水星の魔女シリーズなどと同じく2ダボ接続で背部に固定。他キットのバックパックと交換したりカスタマイズを楽しむことができます。
バーニアは別パーツ造形で内部もスリットモールドがデザインされています。
■他キットとの比較
HGUC RX-78-2ガンダム(リバイブ版)、HGUCνガンダム(ファンネルなし)と並べて大きさを確認。HGとしては比較的小柄ですが、装甲に厚みがあるため、やや大きく見えます。
改修前の機体であるHGACシェンロンガンダムと並べて。アルトロンはシェンロンを強化改修した機体なので似た箇所は多いです。どちらもどことなく拳法着を思わせるデザインで五飛搭乗機であることがよく分かりますね。
HGBDガンダムジーエンアルトロンと並べて。ジーエンアルトロンはランナータグに「アルトロン」とあるため、そちらが流用されるのかとも思いましたが、別でキット化されたのは少し気になりますね。
同作品後半に登場した5機のガンダム(HGACガンダムウイングゼロ、HGACガンダムデスサイズヘル、HGACガンダムヘビーアームズ改、HGACガンダムサンドロック)と並べて。ついに5体が揃ったのはとても喜ばしいところ。後はエピオン、トールギス系をぜひ。
■各部可動域
可動域をHGACシェンロンガンダムと並べて比較。頭部は適度に上下に可動。腕は水平程度まで上げることができます。肘は外装が干渉するため、シェンロンガンダムに比べてやや可動が制限されています。
腰は干渉なく360度回転可能。膝はシェンロンガンダムと同様、2重関節である程度深くまで曲げることができます。立膝もきれいな姿勢で再現可能。
左右への開脚も水平まで幅広く展開可能。足首も45度程度まで角度変更が可能です。
全体的な形状は違っていますが、フォーマットはシェンロンガンダムと同じなので可動域もそれほど大きな差はありません。全体的に可動が柔軟なので、好みに応じたポージングに対応してくれそうです。
■武装類
ツインビームトライデント。グリップの両端から三叉のビーム刃を発振する接近戦用のビーム兵装になります。
ビーム刃は蛍光クリアグリーン成形色での再現。ブラックライトで照らすと鮮やかに発光します。
グレーの基部は左右の組み合わせですが、側面の合わせ目はモールド化。
収納状態のものも付属し、左ウイングの内側にマウント可能。こちらも基部の合わせ目はモールド化されています。
■ポージング
ツインビームトライデントを装備して。
ツインビームトライデントは一旦手甲パーツをバラしてハンドパーツで握らせます。柄の細い部分だとクルッと反転したりしますが、太い部分を握らせることでしっかりと保持できます。
機体形状が重厚なため、造形美が感じられてポーズが決まりやすく、簡単に格好良く演出できるのが良いですね。平手が付属するので、柄に手を添えたり、前に出して柔らかい自然なポーズを演出することも可能。
背部にウイングを装備するので、飛行するポーズも様になります。ツインビームトライデントはビーム刃を外した状態でも使用可能です。
浮かせてディスプレイさせる場合は股間部に3.0mm軸を差し込みますが、パーツの組み合わせ部分に隙間が空きやすく、固定が甘くなってキットがクルッと反転する場合があるので注意です。
手首に角度のついた持ち手が付属するので、ビームトライデントで突くようなポーズも自然なカタチで再現することができます。両手持ちも不自由なく再現することができました。
ただし手首に角度のついた持ち手は親指の付け根に肉抜き穴があり、気になる場合は埋めるなど処理をする必要があります。
ビームキャノンを前方に展開して。
ドラゴンハングを展開して。シェンロンガンダムにも備わっていた武装ですが、展開することで迫力あるポージングを楽しむことができます。足首が深く曲がるので、接地状態のポーズでも自立はしやすいです。
アルトロンガンダムは両腕2基のドラゴンハングが展開できるのが特徴。両ドラゴンハングを展開することで、劇中のようなワイルドな攻撃シーンを演出することができます。2本を前面に突き出しても、バランスを調整すれば自立は可能。アームにはまずまずの強度があるため、垂れるようなことはありませんでした。
ドラゴンハングの竜頭のようなデザインが特徴的ですし、アームの可動が柔軟なので表情がつけやすくて良いですね。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。ジーエンアルトロンの流用でキット化されるのかと思いましたが、結果的にシェンロンガンダムのフォーマットで正解でしたね。近年のガンプラの技術がそのまま反映されているため完成度が高く、色分け、造形、プロポーション共にほぼ完璧。可動も柔軟でポージングの自由度が高く、より自然なポーズを楽しむことができます。
気になる点はあまりないですが、KPSパーツの組み合わせで少し強度が弱い感じがあり、経年によるヘタレが発生しそうですね。特に腰部周りは可動ギミックの弊害でヘタレやすそうですし、股間部3.0mm穴も隙間ができやすく、浮かせてディスプレイする際に多少の不安があります。
ただそれでも、ウイングやドラゴンハングの造りの質は高いですし、頭部造形の緻密さも関心させられるものがあります。造形物としては一級品。シールドの造りも良いですし、ポージングしやすいという、ツッコミどころのない洗練されたキットになっているのが良いですね。
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2 件のコメントがあります。
Mr.8
on 2024年12月7日 at 16:54 -
ジーエンアルトロンからの流用がなかったのは悲しい😢
共通部分が胸部・腰部・足首あたり・シールド・バックパックの一部だけだからアルトロンからジーエンアルトロンのミキシング結構難しい…
匿名
on 2024年12月7日 at 22:05 -
シェンロンから引き継いだ(自分にとっての)欠点ですが。
Vアンテナは竜のツノを模した=Σな段差がカッコ良いのに、HGACはそれを分厚く埋めてしまい段差を付けるのが困難です。
なので旧1/144シェンロンの物をリスクを取って加工して流用・接着しました。
肩のファイティングサイトは色分けされてシェンロンよりずっと良いけどレンズ・カメラっぽさが薄いので、六角形を正確にではなく大体で良いので赤シールを切り貼ると光が出て、安っぽくなる反面でそれらしくなります。
シェンロンで爽やかな色合いの白・青に対して濃過ぎて浮いた感じの赤もそのまま、ただ緑との兼ね合いで違和感は薄くなっています。