今回は、HG 1/144 MSJ-R122 デミバーディングのレビューをご紹介します!
HG デミバーディングは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場するMS『MSJ-R122 デミバーディング』の1/144スケールモデルキットです。着脱可能な背部バックパックの他、前方に展開可能な脚部スラスター、補助グリップが展開可能なビームライフルといった特徴的な武装が再現されたキットになっています。価格は2,090円(税込み)です。
ブリオン社製デミシリーズの新型コンセプトモデルで、ノレアによる学園破壊から切り抜けるため、チュアチュリー・パンランチが搭乗した機体『MSJ-R122 デミバーディング』がHGでキット化。
2022年11月に発売されたHGデミトレーナー(チュチュ専用機)をベースに、頭部や肩部、前腕部、脚部、背部バックパック(バオリパック)、ビームライフルプラスなどが新規造形で再現されています。『バーディング』とは英語で『馬鎧』という意味。
成型色はマットな質感のイエローとホワイトをベースに、腹部や下腿部、背部バックパックなどにグレーを配色。頭部センサーはクリアグリーン成型色での再現となっています。
シールは胸部アポジや肩部、武器センサーなどを補いますが多くはありません。肩部動力パイプや前腕ハードポイントなどを塗装する必要がありますが、塗装箇所も少なく、組み立てるだけで十分な仕上がりになります。
グレー成型色パーツにはKPSが使用されています。ABSは不使用。
ポリキャップも不使用。背部に大柄なバオリパックを装備しているため、やや後方に負荷がかかりますが、関節強度が高いので自立は安定します。
ビームライフルプラス、ビームサーベル刃✕2、バオリパック用のワイヤーパーツが付属。
HGデミトレーナー用(チュチュ専用機と共通)の余剰パーツがいくつか付属します。
背部バックパック(バオリパック)を外した状態で。バックパックを外すと劇中でブリオン寮から受領した際の形態になります。結局劇中ではバオリパックは使用されませんでしたね;
各部をHGデミトレーナー(チュチュ専用機)と比較しながら見ていきます。
頭部をチュチュ専用機と並べて比較。頭部は小型のものがデミバーディング用に新造。ドーム状のシルエットで、前面には六角形の大型センサー、頭頂部にはブレードアンテナが造形されるなど表情も変化しています。六角形センサーや頭部を一周するモールドはクリアグリーンパーツでの再現。
メット部は上からパーツを重ね合わせる構造で合わせ目はありません。
胸部をチュチュ専用機と並べて比較。胸部はサンドブラウンの外装がデミバーディング用に新造。厚みのある肩部装甲が再現されています。中央のグリーンセンサーやアポジはシールでの色分け。
胸部内部フレーム。チュチュ専用機ではパーツで色分けされていたアポジ部分は外装パーツで隠れます。
肩はボールジョイント接続で前方と上部に幅広く展開可能。
腰部はチュチュ専用機と全く同じ。訓練機らしい簡素な機体形状がそのまま残されています。
腰部にはロック機構があり、リアアーマーを展開してロック位置を組み替えることで、上半身の角度を変えることができます。
腰アーマー裏は簡易的ではありますが、フレーム状のモールドが造形。塗り分けるなどすると雰囲気が変わってきそうです。
腕部をチュチュ専用機と並べて比較。上腕部はチュチュ専用機と同じですが、メカニカルなショルダーアーマーや厚みのある前腕がデミバーディング用に新造。より重厚感あるシルエットに変化しています。
手甲パーツもフィストバルカンのモールド入りのものが新造。フィストバルカンはあくまで牽制用としての補助装置で、それ以上の使用法は想定されていないとのこと。
上腕は前後の組み合わせですが、合わせ目は後部の端でモールド化。前腕も左右の組み合わせですが、前後の合わせ目は段落ちモールド化されています。チュチュ専用機は前腕がロールしましたが、こちらは前腕パーツとの兼ね合いでロールできないようになっています。
肘はヒンジ接続ですが、外装パーツを被せるため、比較的ヘタれや劣化を抑えられています。
ショルダーアーマーは厚みのある装甲がデミバーディング用に新造。動力パイプや側面のスラスターなどもパーツで色分けされています。動力パイプの一部は白く塗り分けが必要。チュチュ専用機は肩部左右で形状が違っていますが、こちらは左右同形状です。
外装は前後の組み合わせですが、各面にできる合わせ目は段落ちモールド化。アポジはモールドにシールを貼っての色分けです。上部の装甲もシールでの色分けですが、できればパーツで色分けされていると良かったですね。
脚部。基部形状はチュチュ専用機と同じですが、側面のフレキシブルスラスターや膝装甲、アンクルアーマーなどが新造。メカニカルで厚みのある装甲になっています。
大腿部、膝から下共に筒型パーツの組み合わせで合わせ目はなし。
膝関節もヒンジ接続部にカバーを被せる構造で強度が保たれますが、隙間から肉抜き穴が見えるのがちょっと気になるかも。
側面のフレキシブルスラスターは表面モールドが細かく造形。上下にスライドし、後方に展開することができます。スラスター口はフラットでモールドなどはありませんが、中央のバーニアも別パーツ化されるなど造りはしっかりとしています。
上部にはサーベルホルダーが造形され、柄が脱着可能。
ソール部をチュチュ専用機と並べて。構造自体は同じですが、白い脚甲パーツのみ流用されています。その他はやや厚みのある装甲が新造。
脚部への接続部はボールジョイントに変更。ローラーも新規パーツですがそのまま残されています。駆動力を倍増させたウィルダッシュプラスのヒール部分に推進機を増設することで、更に速度強化が図られているという設定でした。
足裏は大部分が肉抜き。チュチュ専用機と同様、つま先、かかと共に基部をロールさせることができます。
背部には大柄で特徴的なバックパック、『バオリパック』を装備。
バオリパックとはフライトユニット機能を備えた専用の背面装備で、2門の可動式ビームキャノンを装備。本体との分離機能を有し、単独での運用も可能とのことです。上部のデミトレーナー頭部風のセンサーが印象的。流用パーツはなく、全て新規造形での再現です。・・・・二人羽織・・・?
バックパックはシンプルな2ダボ接続で、一部のHGUCや他のHG水星の魔女シリーズと互換性があります。
なのでチュチュ専用機のバックパックも装備可能。
腰部にジョイント穴が残されているので、大型ビームライフルをマウントすることも出来ます。
上部センサーはロール可能。グリーンのセンサー部分は白いパーツにシールを貼っての色分けです。余剰のデミトレーナー用頭部パーツとの互換性はありません。どことなくスター・ウォーズのR2-D2みたいな雰囲気も・・・・。
ビームキャノンは砲身部分が左右の組み合わせですが、合わせ目はきっちりと段落ちモールド化。
一部が角度変更可能です。
側面のスラスターも基部が簡単な2個パーツ構成ですが、合わせ目は各部とも段落ちモールド化されています。
側面のスラスターはボールジョイント接続で柔軟に可動します。
なので、スラスターとビームキャノンそれぞれを上下に幅広く可動させることができます。
前方に向けてキャノン砲のように使用することも可能。
付属のワイヤーパーツを両背面に組み付ければ、バオリパックを分離させ、単独運用するシーンも再現することができます。ワイヤーパーツのリード線はお好みの長さに切って下さいとのこと。ジョイントパーツに深くまで差し込めるので簡単には抜けません。
別売りの水星の魔女 ウェポンディスプレイベースにも対応しています。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。見た目によらず小柄で、陸ジムと同サイズ程度になります。肩幅があり、背部バオリパックを装備しているため、その分少しボリュームがある感じ。デミバーディングの頭頂高は16.9m。
HGデミトレーナー(チュチュ専用機)(大型ライフルなし)と並べて。全体的に重厚感は増していますが、何気に全高はチュチュ専用機よりも低くなっています。成型色も少し濃くなってミリタリー感が増しました。
通常のHGデミトレーナーとも並べて。基部形状は同じですが、デミバーディングはかなりのカスタマイズが施されています。
Figure-rise Standard チュアチュリー・パンランチと並べて。劇中ではチュチュが搭乗して学園内で交戦。そんなに活躍シーンが多かったわけではないですが、フェルシーとの共闘シーンは胸熱でした。
可動域もチュチュ専用機と比較しながら見ていきます。頭部は少し引き伸ばすことで少し見上げる動きが可能。ショルダーアーマーが変わっていますが、腕を上げる角度はだいたい同じ。Y字程度まで上げることができます。肘は1重関節で90度より少し深いくらい。
デミトレーナーは頭部が自由に回転しますが、デミバーディングは肩部装甲が干渉するため、45度程度までとなっています。
腹部や腰周り、膝部などはデミトレーナーと同じなので、上半身の前後スイングや腰の回転なども同じ。腰は360度回転するなど可動域は広めです。膝も1重関節ですがV字程度まで深く曲げることができます。
左右への開脚も水平まで幅広く展開させることができますが、足首はボールジョイントになったことで若干柔軟になっている感じがします。頭部以外の可動域はチュチュ専用機とほぼ同じ。全体的に可動域が広く、ポージングの自由度も高そうです。
ビームライフルプラス。ブリオン社製の新型携行火器になります。上部にバッテリーマガジンを装填する脱着式で、サイドグリップが組み込まれたセンサースコープユニットが特徴とのこと。派手ではないですが、実用的なスタイルの武装になっています。
センサースコープユニットは一応分解できますが、ダボ穴が目立ちますし設定では分離しないかも。
ビームライフル本体は簡単なモナカ割。ですが合わせ目は各部とも段落ちなどでモールド化されています。
センサースコープユニットも簡単な左右の組み合わせですが、こちらも各部合わせ目は段落ちモールド化。細かい部分ですがしっかりと配慮されています。
上下のセンサーはモールドにシールを貼っての色分け。サイドグリップは少し上下に可動します。
ビームライフルプラスを装備して。
ビームライフルプラスはハンドパーツにグリップを差し込み、ストックのダボを前腕に差し込んで固定します。2箇所でしっかりと固定できるので安定した保持が可能です。
重厚感ある機体形状なので、接地状態でのポーズにどっしり感が出ていいですね。
それでいて滑走するような軽快なポーズも再現できるという演出力の高さも魅力。ミリタリー風のカラーリングも映えますし、チュチュ専用機以上に実機感の強いキットになっています。
浮かせてディスプレイさせる場合は通常のキットと同じく、股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。背部に大柄なバオリパックを装備していますが、重たい感じはなくラクにディスプレイできます。
肩が広くスイングするので、ビームライフルプラスの両手持ちもラクに再現することができます。特に突っ張る感じもありません。
ビームキャノンを前方に展開して射撃シーンを再現。攻撃バリエーションが多彩に演出できるのがいいですね。
ビームキャノンは脇からも展開可能。ただしキャノンが左右に可動しないため、腰部などと干渉しないようにゆっくり展開します。
チュチュ専用機などに付属している平手とは互換性があるので、手甲パーツを組み替えれば砲身に手を添えるようなポーズも再現することができます。
ビームサーベルはクリアピンク成型色での再現。特にブラックライトで照らしても発光はしません。柄が細身で凹凸もないため、ハンドパーツから少し抜けやすいので注意です。
頭部のクリアグリーンパーツはブラックライトで照らすと鮮やかに発光します。
背部バオリパックを射出しての単独運用シーンを再現。有線ですが、このような本機から独立したユニットとしての攻撃パターンを演出できるのは面白いですね。劇中で使用されなかったのが残念。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。チュチュ専用機よりもミリタリー色が強く、重厚な容姿でポージングが決まりやすいです。肩部装甲や脚部のフレキシブルスラスターもメカニカルでディテールは十分。イエロー成型色にも深みがありますし、マットな質感のホワイト成型色と相まって実機感が感じられる渋いキットになっています。
気になる点は殆どないですが、できれば肩部のアポジやモールドもパーツで色分けされていると完璧でした。この部分はコスト的な要因もあるのかも。
バオリパックはキャノン砲として使用するとまた違った格好良さが感じられますし、射出・単独運用シーンなどポージングバリエーションが多彩に演出できます。ビームライフルプラスも劇中同様、チュチュお得意の打撃武装としても演出できるなど、デミ系のコンセプトモデルとして幅広い楽しみ方ができるキットになっているのがいいですね。
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