今回は、HG 1/144 MSJ-105CC デミトレーナー(チュチュ専用機)のレビューをご紹介します!
HG デミトレーナー(チュチュ専用機)は、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場するMS「MSJ-105CC デミトレーナー(チュチュ専用機)」の1/144スケールモデルキットです。チュチュ専用機特有の機体形状を再現。首部や腰部、肩部などの可動ギミックにより、幅広い可動を実現したキットになっています。特徴的な大型ビームライフルや表情豊かな平手も付属。価格は1,540円(税込み)です。
『プロジェクト・チュチュ』の発動により、ブリオン社製デミトレーナーを地球寮ニカ・ナナウラらがカスタムしたチュアチュリー・パンランチ専用機『デミトレーナー(チュチュ専用機)』がHGでキット化。
頭部の1つ目ゴーグルや特徴的なバックパック、大型ビームライフルなど、「一撃離脱戦法」を主体とするコンセプトで作られた特別仕様のデミトレーナーが新規造形で再現されています。
成型色はややくすみのあるイエローとホワイトを基調に、頭部や肩部、腹部、脚部といった全身各部、武装類などに茶系のグレーを配色。その他、頭部センサーはクリアグリーン成型色での再現となっています。
シールは胸のセンサーと大型ビームライフルのセンサーを補うくらいでわずか。一部に塗装は必要ですが、素組みでも十分な色分けが再現されています。
グレー成型色の関節や内部パーツにはKPSが使用されています。ABSは不使用。
ポリキャップは不使用。殆どの箇所がパーツで構成されています。関節強度はまずまず高め。前面に大型ビームライフルを装備していますが、比較的軽量で前方への負荷は小さいため、自立は安定しています。
平手(左右)が付属。
大型ビームライフルを外した状態で。ほぼ合わせ目がなく、見た目的にも落ち度のない仕上がりになっているのがいいですね。膝を曲げるなど、可動箇所も合わせ目が露出するようなところはありません。
頭部は特徴的なドーム型。上部にはブレードアンテナやフック、前面には1つ目のセンサーが造形されるなど、メカメカしい容姿が再現されています。標準的な複合センサーを独立タイプに変更し、大型ビームライフルに最適化。個々の精度を高めているとのこと。1つ目のセンサーはクリアグリーン、額のビームバルカンはグレー成型色パーツでの色分けです。
メット部は合わせ目ができないパーツ構成。
上部のフックは展開可能ですが、説明書に記載はなく、特に用途もないようです。1つ目のセンサーはブラックライトで照らすと発光します。
胸部・腹部には起伏のある装甲が造形。左右の丸モールド部分もパーツによる色分けが再現されています。中央の横ラインセンサーはグリーンのシールでの色分け。
胸部・腹部は簡易的な内部フレームが造形。
肩部はボールジョイント接続で展開が可能です。前方や上部など柔軟に可動。
腹部もボールジョイント接続で広めに前後させることが可能。そこまで複雑ではないながらもよく動きます。
腰部もエッジの効いたデザイン。フロントアーマー中央には大型ビームライフルマウント用の縦穴が造形されています。(大型ビームライフルは一旦取り外しています。)
フロントアーマー、リアアーマー共に内側に見栄えの良いモールドがデザインされています。アーマーが深いので裏打ちパーツを自作してもいいですが、その必要がない作りになっているのもいいですね。サイドアーマーは軽装ながらも3.0mm穴が造形され、他キットの装備をマウントさせるなどカスタマイズできるようになっています。
リアアーマーを展開して腰部の角度を変更。展開したリアアーマーの位置をずらしてロックさせることで、上半身の角度を変えることができます。フロントアーマー、リアアーマー共に幅広く展開させることも可能。簡単な可動だけで表情を変化させることができるのがいいですね。
右腕部。全体的にエッジの効いた教習用機らしい作りですが、前腕の円筒状の装甲に柔らかみが感じられるデザインになっています。肩のフックも教習用機らしさが出てますね。前腕には3.0mmのジョイント穴があるので、カスタマイズなどに使用しても良さそうです。
二の腕前後の組み合わせですが、合わせ目は後部でモールド化。前腕も合わせ目が出来ないパーツ構成で、全体的に見た目の良さにも配慮がされています。
腕部構造。他のHG水星の魔女シリーズと同じヒンジ軸の接続仕様で無駄のない作りになっています。
ハンドパーツは3指タイプでどことなく可愛らしさがありますね。前腕の円筒部分はロール可能。腕部の表情が付きやすくなっています。
右肩は內部フレームがむき出しの状態で上部には牽引用っぽいフックが造形されています。フック付きの装甲は上下に可動。
左腕部。二の腕以下の形状は同じですが、肩に腕の半分を覆うほどのシールドが造形されています。
左肩は右肩內部構造は同じですが、それを覆う黄色い装甲が造形されています。黄色い装甲は2個パーツ構成ながら合わせ目はモールド化。肩アーマーと上部のシールド用ジョイントパーツは共に上下に可動します。ジョイントパーツの肉抜き穴が少し気になりますね。
シールドは簡易的な1個パーツ構成ですが、裏面にはきっちりとモールドがデザインされています。ボールジョイントでフレキシブルに可動。表情付けもし易いです。
脚部。こちらもエッジの効いた重機的なデザインで、膝にはフックが造形されるなど、教習用機や作業用機らしさが感じられる作りになっています。
大腿部、膝から下共に筒型パーツの組み合わせで合わせ目はなし。
膝は腕部と同様ヒンジ接続で、表面から装甲を被せる構造。側面から見えるヒンジ穴は気になりますが、合わせ目は出来ない構造になっています。
膝のフックは上下にスイング可能。表情を変化させることができます。
膝側面にマウントされているフレキシブルブースターは內部にパーツを挟み込む構造で上下にスライド。上下ともスライド先でロックがかかります。ロールさせることでブースターを後部に向けることができます。上部ダクトやスラスター口も別パーツで色分けされるなど緻密。
ソール部もつま先の凹凸やエッジの効いた装甲など重機的なデザインで造形。踵にはウィルダッシュプラスというローラーを装備し、機動性を感じさせる作りに。ローラーの回転ギミックはありませんが、別パーツによる色分けが再現されています。
脚裏は肉抜き構造ながら、小柄のローラーモールドが造形されています。足首の肉抜き穴も少し気になりますが、つま先やアンクルアーマーがボールジョイント接続で適度に可動し、踵もロールさせることができます。可動が柔軟。
バックパックはエネルギータンクのような円柱状にデザインされています。
上部にはアポジのような装備、下部には六角形のスラスターが造形。可動用のレールも見受けられますが、スラスターの可動ギミックはありません。4個パーツ構成で合わせ目は段落ちなどでモールド化。
2ダボ接続でHG水星の魔女シリーズのキットと共通。なので他キットとのバックパック交換も可能です。
大型ビームライフル。既存の大型火器をデミトレーナー(チュチュ専用機)用にカスタムした専用武装になります。バックパックから直接宮給電を行うエネルギー直結式で、収束率の調整によりショートレンジからロングレンジまで対応した射撃が可能とのこと。
節目ごとにパーツ分割され、グリップやセンサー、動力パイプなど多数のパーツで緻密に造形されています。
本体部分、砲身部分共に左右の組み合わせですが、上下の合わせ目が段落ちなどでモールド化。
前後にグリップがありますが、前側のフォアグリップは左右にスイングが可能。後部のメイングリップは360度回転させることができます。
右側面のセンサーは前後2個パーツ構成で合わせ目は段落ちモールド化。センサー部分はグリーンのシールでの色分けです。
砲口は開口。説明書に記載はなく、用途もないかもしれませんが、砲身部分はロール可能です。
バックパックと大型ビームライフルとは白いリード線を使用したエネルギーケーブルで接続します。ライフル側、バックパック側共にジョイントが造形。
フロントアーマーへの接続用アームは多数パーツの組み合わせでフレキシブルに可動します。アームの内側は肉抜き穴で作りは簡易的。
ライフル側の接続部は前後にスイングが可能。ロールも可能です。
フロントアーマーへの接続部もロール可能。
アームがフレキシブルに可動し、それによって大型ライフルを縦にした状態に配置することも出来ますし、射撃用に脇に抱えるように配置することも可能です。エネルギーケーブルをうまく避けるようにして配置します。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。陸ジムと同サイズ程度でHGのキットの中では比較的小柄。デミトレーナーの頭頂高は17.4mに設定されています。前面に大型ビームライフルを装備しているとキット2体分ほどの横幅になります。
HGガンダムエアリアルと並べて。ガンダムエアリアルのほうが少し大きいのと、ガンダムカラーでかなりヒロイック。それに対し、デミトレーナーは作業用機っぽい落ち着いたカラーリングなのが良いですね。
Figure-rise Standard チュアチュリー・パンランチと並べて。チュチュはこのデミトレーナーの搭乗者なので、組み合わせて飾るなどすると、より劇中シーンが思い出されて良さそうです。
その他のHG水星の魔女シリーズキット(HGガンダムルブリス、HGディランザ(グエル専用機))とも並べて。全体的に近未来的なデザインで新鮮味がありますね。ディランザの大きさが目を引きます。
頭部の上下可動はなし。左右へは真横にまでスイングさせることができます。後頭部と肩アーマーが干渉することがあるので注意。
左右で肩形状が異なりますが、腕を上げる角度は左右とも同じ。共にY字程度まで上げることが可能です。肘はヒンジの1重関節で90度より少し深くまで曲げることができます。
肩の前後スイングも左右とも同じ。後方は僅かですが、前方へは引き出しギミックで広めに展開させることができます。
腹部の可動ギミックにより、上半身を適度に前後させることができます。
腰も干渉なく360度回転可能。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイとなります。
腰アーマーが広く可動するため、前後開脚は水平程度まで幅広く展開させることができます。後方に少し広めに展開します。
膝はヒンジの2重関節で深くまで曲げることができます。
足首の前後スイングはなく、つま先が少し上下する程度。つま先と踵がロールするので、左右へは幅広く可動させることができます。
左右への開脚も水平程度まで展開可能。
脚の付け根が干渉なくロールし、内股、ガニ股共に幅広く表現することができます。足首もロール可能。
立膝もきれいな姿勢で再現することができました。
可動域の総括としては、各部とも標準以上の可動域があって柔軟。関節強度も高めでポージングのし易さ、取り扱いやすさを感じることができます。ストレスなく動くので弄るのが楽しくなってきますね。
可動は柔軟ですが、メカらしくのっそりと歩くポーズなども様になりますね。
大型ビームライフルを装備して。
正面に向けて構えるポーズは再現しやすいですが、意外とアームの可動にぎこちなさがあり、砲口を上下に動かすのは難しかったりします。アームに上下可動する箇所があるともっとラクに構えられたかもですが、構えた際のポーズには迫力があっていいですね。
銃身を前方に突き出すようにしたほうが保持しやすいです。デミトレーナー本体やライフルのグリップは柔軟に可動するので、構えやすい方法を模索するのも楽しみがあっていいかもですね。
脚部にローラー(ウィルダッシュプラス)を装備しているので、滑走するシーンを再現するのもいいですね。
大型ライフルを外した状態で。劇中での試験シーンっぽく演出することができます。各部が柔軟に可動するので、チュチュが操作する際の無邪気なポーズも再現しやすいです。
平手が付属するので、より自然な動きを表現することができます。平手の手甲はグレー成型色なので、お好みで握り手の黄色い手甲と交換すると良いかと。3指にはマスコット的な雰囲気があっていいですね。
大型ビームライフルはガンダムエアリアルなどその他のキットに保持させることも可能。大型火器を持たないキットに装備させると、また違った攻撃パターンを演出することができます。
四肢の接続部はHG水星の魔女シリーズ共通のジョイントで、他キットの四肢と組み替えることができます。組み替えて自分好みのキットを作り上げるのもいいですね。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。一撃離脱戦法がコンセプトということで、ローラー(ウィルダッシュプラス)や大型ビームライフルなどに存在感を感じますし、それを活かすような特有の機体形状が再現されていてかっこいいですね。各部のフックや凹凸の装甲にはメカらしさも感じられますし、それでいてハンドパーツの3指やドーム状の頭部など、どことなく可愛らしい雰囲気も持ったキットになっています。
気になる点は、大型ライフルのアームに上下可動する箇所がないからか、構えるポーズを再現する際にちょっとしたぎこちなさがあります。少し模索しながら構えさせる必要があるので、その点はうまく調整したいところです。
腰アーマー裏にモールドが造形されるなど細部にも注力されていますし、ポリキャップレスの無駄のない構造で可動も柔軟。大型ライフルも存在感があります。デザイン的に泥臭さや渋さも感じられるなど、チュチュ専用機らしい魅力を持ったキットになっているのがいいですね。
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