今回は、HG 1/144 MD-0032G ディランザ (グエル専用機)のレビューをご紹介します!
HG ディランザ (グエル専用機)は、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場するMS『ディランザ(グエル専用機)』の1/144スケールモデルキットです。ディランザ特有の肉厚な装甲を新規造形で再現。頭部や胴体部、肩部など随所に可動軸を採用し、大胆なアクションポーズが再現可能なキットになっています。ビームパルチザンやビームトーチ、ビームライフルといった武装類が付属。価格は1,760円(税込み)です。
ジェターク社が開発したMS『ディランザ』を、御曹司「グエル・ジェターク」向けにチューニングした仕様機『ディランザ(グエル専用機)』がHGでキット化。マゼンタを基調としたカラーリングやマッシブなプロポーション、特徴的な羽飾り付きブレードアンテナなどが再現されています。
成型色はマゼンタ(ワインレッド)をベースに、ブレードアンテナの羽根や胸部装甲の一部をホワイト、腹部装甲やバーニアなどにブルーグリーンを配色。その他関節や内部パーツにはダークグレー成型色のKPSが使用されています。
シールは頭部カメラアイと武器センサーのみが付属。それ以外の部分はほぼパーツで色分けされているため、細かな塗り分けも必要ありません。素組みで十分な色分けが再現されています。
キットは組立てやすさを追求したファインビルド構造。ランナーもHGリーオーなどと同様、パーツが左右対称に配置されるなど探しやすく、肘膝関節もヒンジ接続の組み立てやすい構造になっています。
ポリキャップは不使用。全てパーツで構成されています。関節強度は高め。負荷のかかる装備はなく、自立は安定しています。
ビームライフル、ビームパルチザン(柄、ビーム刃)、ビームトーチ(柄、ビーム刃)が付属。
頭部は昆虫のような丸みを帯びた装甲や額の6又ほどに分かれた厳ついブレードアンテナが印象的。ブレードアンテナは決闘にてエアリアルに切り落とされましたが、後部には白い羽飾りも再現されています。羽飾りはフワッと感を表現したモールドも造形。コンテナ収容時の折りたたみのギミックなどはありません。
メット部は上下の組み合わせで一部の合わせ目はモールド化。メインカメラのグリーンはモールドにシールを貼っての再現で、シールを使用しない場合はモールドに沿って塗り分けます。
胸部はダークグレー成型色パーツをベースに構成されたメカニカル感漂うデザイン。ホワイトやブルーグリーンの装甲は各部ともパーツによる色分けが再現されています。胸部中央には劇中でエアリアルに発射したビームバルカンも造形。
腕部の接続部は展開可能。
腰部はフロントアーマーに幅と厚みのある装甲を装備していますが、サイドアーマーはありません。フロントアーマーにはどことなくグシオン味を感じますね。
フロントアーマー、リアアーマー共に展開可能。リアアーマーは中央と左右装甲に分割され、左右の装甲は展開可能。ヒンジ接続の組み立てやすい構造になっています。
フロントアーマー裏にモールドはなし。リアアーマーの中央の装甲にはモールド入りの裏打ちパーツが造形されていますが、左右の装甲裏は肉抜き穴で簡易的。
腕部自体は軽装ですが、両肩には大型で存在感のある曲状のスパイクシールドを装備。
二の腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は前後の組み合わせですが、こちらも側面の合わせ目は段落ちモールド化されています。
肘はファインビルド構造のヒンジ接続。部位ごとにパチンと組み合わせるだけの組み立てやすい構造になっています。
肩部は前後と側面ジョイントの組み合わせですが、上部の合わせ目は端で段差モールド化。
肩のスパイクシールドは表面が1枚パーツ構成。裏面には簡易的な裏打ちパーツが造形されています。裏打ちパーツには武器がマウント可能なホルダーが造形され、左肩にビームトーチ、右肩にビームライフルとマガジン(Eパック)を収納しておくことができます。
スパイクシールドは基部がフレキシブルに可動する構造で、前後やロール、上下などに柔軟に可動させることができます。
脚部は各部とも肉厚で重量感あるデザインで再現されています。
大腿部、膝から下共に前後の2枚パーツモナカで側面に合わせ目ができます。後部のスラスターはダークグレー成型色パーツによる色分けを再現。内側が開口しているので、仮組み時も分解しやすくなっています。
膝関節はファインビルドのヒンジ接続で、大腿部と膝から下の部分を組み立ててから膝関節パーツを組み合わせる後ハメタイプになっています。
足首の関節パーツも挟み込むのではなく、膝下の装甲パーツを組み合わせた後からはめ込む組み立てやすい構造になっています。ただ組み立てやすいだけでなく、塗装する場合も後ハメ加工などが必要なくなっているのがいいですね。
ソールは楕円状でかなり個性的。重厚感がありつつも、どことなくズゴックっぽさ、可愛らしさのあるデザインになっています。
足裏は全体にモールド入りの裏打ちパーツが造形。肉抜き穴などはありません。つま先は少し角度変更が可能です。
バックパックは軽装で簡易的ながらも、小型のアポジが造形されるなどメカニカル。中央のバーニアもブルーグリーンパーツでの色分けが再現されています。こちらも内側が開口しているので、仮組みでも分解しやすくなっています。
背面上部には個性的でシャープな2本のブレードを装備。特に武器としての用途はなく、シンプルな飾りのようです。
バックパックは1個パーツ構成で内側はガッツリ肉抜き穴。2ダボ接続の共通構造なので、HGUCキットのバックパックやガンダムエアリアルなど同シリーズキットのバックパックも装備させることができます。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。外装が肉厚なので大きく見えますが、実際は陸ジムと同程度の大きさです。肩部や背部の装甲によって全高は少し増しています。
第1話にて決闘で対峙したガンダムエアリアルのガンプラ、HGガンダムエアリアルと並べて。組み合わせることで、劇中の凄まじい決闘シーンを再現することができます。
同シリーズのHGガンダムルブリス、HGベギルベウとも並べて。どれも所属の異なる機体で形状が個性的。今後はこれらの派生機も多数登場しそうです。
頭部の可動は、顎は割りと深くまで引けますが、後頭部が干渉するので見上げる動きはやや制限されます。左右へは干渉なくスムーズにスイング可能。
腕はY字程度まで幅広く展開することができます。ただしスパイクアーマーが干渉しやすいので注意。肘も2重関節で深くまで曲げることができます。
肩は適度に前後させることが可能。前方へは引き出しギミックがあるのでその分広めにスイングします。
上半身は少し前後にスイング可能。腰を少し引き伸ばすことで、左右へも適度にスイングさせることができます。
腰は干渉なく360度回転可能。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。
前後開脚は、腰アーマーを外側に避けるようにすれば、前後とも幅広く展開させることができます。
膝は2重関節でくの字程度まで曲げることが可能。
足首の可動は、前後はそれなりですが、左右は広めに可動します。
左右への開脚は、腰部と大腿部が干渉するのでハの字程度まで。
内股は水平程度まで、がに股は45度程度まで展開可能です。
立膝はまずまずきれいな姿勢で再現することができました。ずんぐりむっくり感があっていいですね。
可動域の総括としては、装甲は肉厚ですが、腕部、脚部とも十分な可動域があるのでポージングでは柔軟に対応してくれそうです。特に不満もないですね。
ビームライフル。ジェターク社製MS用に開発された共通規格の携行火器になります。バースト射撃以外にも、複数の射撃モードに対応しているとのこと。
本体はシンプルなモナカ割で上下に合わせ目ができます。センサーはグリーンのシールでの色分け。銃身下部のマガジン(Eパック)は脱着可能です。マガジン(Eパック)は1個パーツ構成で合わせ目はなし。
銃口は浅いモールドで開口はされていません。
分解して肩スパイクシールド内側のホルダーに収納することができます。
ビームパルチザン。ディランザのオプション近接装備になります。先端部から収束率の高いビーム刃を発生させることが可能で、格闘用ながら広範囲の攻撃効果を生み出すとのこと。
十字に発生するビーム刃が特徴的に造形されています。ビーム刃は脱着可能。
柄部分は3個パーツ構成で、各部とも組み合わせ強度が高いです。組み合わせる際に折ったりして破損させないように注意が必要。一部に肉抜き穴があります。
ビームトーチ。ディランザ共通の近接装備になります。幅広のビーム刃を形成。柄は簡易的な棒状の1個パーツ構成で合わせ目などはなし。
ビームトーチも肩スパイクシールドのホルダーに収納可能。ビーム刃を外して組み付けます。
一通り武装して。
ビームパルチザンはハンドパーツにそのまま差し込むことは出来ないので、一旦手甲パーツをバラして保持させます。
両手持ちも問題なく可能です。腕の可動が柔軟なので、槍先を引く、突くなどの動きが表現し易いです。首や腰も干渉なく回るので、それらの可動を生かした躍動感あるポーズを再現することができます。
ビームパルチザンを使ってポージングする際、腕部などの関節強度が高いのため、比較的固定強度の弱い手甲に負荷がかかるので外れやすいです。なのでビームパルチザンの向きを変えたりする時は手甲パーツに注意しながら取り扱うと良さそうです。
肩部アーマーがフレキシブルに可動するので、上部に展開するなどするとダイナミックで躍動感あるポーズを取らせることができます。かっこいいですね。
そのままでも十分に表情を付けることはできますが、手首に角度の付いたハンドパーツが付属すると、もっと表現の幅が広がって良かったでしょうね。
ビームライフルはグリップをハンドパーツに差し込むだけで保持が可能。隙間なく保持できてふらつきもありません。後部ストックが若干前腕と干渉しますが大したことはありません。軽量武装なのでポーズも取らせやすいです。
今回はスタンドを使ってディスプレイさせていますが、足首が広く可動するので、接地状態でのディスプレイも安定します。
ビームトーチもグリップがハンドパーツに隙間なく収まるので保持しやすいです。
ビームパルチザンやトーチ用のビーム刃はブラックライトで照らすと発光します。
ガンダムエアリアルやガンダムルブリスなどと同様、首、肩、手首、股間部が共通の組み合わせ構造になっているため、他のキットと組み替えて自分好みの機体を再現することができます。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。後ハメを多用したファインビルド構造で組み立てやすくなっていますし、塗装する場合も後ハメなどが不要。組立時のパーツ挟み忘れによる分解や組み直す作業が必要なかったりと、よりユーザーに配慮された優しい作りのキットになっているのがいいですね。それでいて関節各部の可動が柔軟なので、マッシブな図体ながらも人間らしい柔らかい動きを表現することができます。
気になる点はそれほどないですが、ビームパルチザンを使ってポーズを取らせていると、やや手甲パーツがバラけやすいかなと。ある程度の強度はありますが、他の関節により強度があるので手甲に負荷がかかりやすいです。
武装類も豊富でポージングに幅が出ますし、肉厚なキットでポージングに重厚感が出るため、ポーズを取らせるとかっこ良さが引き立ちます。肩のスパイクシールドもフレキシブルに可動するので、腕の動きにも迫力が出るなど演出力も申し分なし。組立てやすさや遊びやすさがとことん追求されたキットになっているのがいいですね。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。薄刃ですが強度が高く長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら