今回は、2017年4月に発売されたHGUC 1/144 MSZ-006 ゼータガンダム【GUNPLA EVOLUTION PROJECT】のレビューをご紹介します!
HGUC ゼータガンダムは、『機動戦士Zガンダム』に登場する主役機『MSZ-006 ゼータガンダム』の1/144スケールモデルキットです。ガンプラ40周年に向けた新プロジェクト『GUNPLA EVOLUTION PROJECT』により、HG史上最高レベルの可動を実現。ハイパー・メガ・ランチャーなどの多彩な武装が付属する他、差し替えによるウェイブライダー形態への変形も可能なキットになっています。価格は1,980円(税込み)です。
Ζ計画によって開発されたエゥーゴの可変MSで、主人公『カミーユ・ビダン』他が搭乗。バウンド・ドックやジ・オと交戦するなど、グリプス戦役の戦場を駆け抜けた『MSZ-006 ゼータガンダム』がHGUCでキット化。
HGUCとしては2003年10月にMSZ-006ゼータガンダム(No.041)がキット化されていますが、それから15年後に発売されたREVIVE版(No.203)のゼータガンダムになります。特に流用などはなく完全新規造形での再現。
成型色はホワイト、ブルー、レッド、イエロー(オレンジ)をメインにしたガンダムカラー。その他背部バインダーやスタビライザーがブラック、内部・関節パーツ、ウェイブライダー形態用の組み換えパーツなどはグレー成型色での再現となっています。
シールは頭部センサーや肩部ダクト、背部フライングアーマーの一部装甲を補うなど量としてはまずまず多め。シールなしだとバインダーなどに物足りなさが出ますが、シールを貼ることで設定により近い色分けを再現することができます。
グレー成型色の内部・関節、ウェイブライダー形態用の組み換えパーツなどにはKPSが使用されています。ABSは不使用。
ポリキャップはPC-002を全身各部に使用します。肘はKPS、膝はPSとKPSパーツの組み合わせで関節強度はまずまず。背部のフライングアーマーに重量があるため、少し腹部が反る場合がありますが、足底の接地性は高いので自立は問題なく可能です。
ハイパー・メガ・ランチャー、ビームライフル、シールド、ビーム・サーベル(ビームサーベル刃☓2、柄☓2)、オプションマガジン☓2、ランディングギア3種、ウェイブライダー形態用の組み換えパーツ3種、ウェイブライダー形態時のディスプレイ用ジョイントパーツが付属します。
頭部。ゼータ特有の4本アンテナやへの時スリットの無いマスクがシャープに造形。面長でもないバランスの取れたデザインでの再現となっています。とさか前後のセンサーはブルーのシールでの色分け。左右のダクトはグレーに塗り分けが必要です。別パーツ化されているので塗り分けはラクそう。アンテナはやや外れやすいので注意です。
メット部は左右の組み合わせですが、後頭部の合わせ目は段落ちモールド化。
ツインアイは画像のような通常のシールと、内側にシルバーのシールを貼ってクリアーグリーンパーツを活かす仕様の2パターンが選べます。ただしクリアパーツを活かす場合はクマドリを黒に塗装が必要。クリアグリーンパーツはブラックライトで照らすと発光します。
胸部・腹部。モールドは少なくプレーンですが、腹部装甲や襟、エアインテークなどはパーツで細かく色分けされています。
首はパーツによる再現で前後に可動。襟の内側にはメカニカルなモールドが造形されています。
肩は変形用に外側へのスライドギミックがあり、その可動によって肩を広く前後スイングできますし、上部にも幅広く展開できるようになっています。このあたりがHG史上最高レベルの可動を謳う所以。
腰部。シャープなデザインですが、各面とも僅かなモールドのみでプレーン。ですがリアアーマー下部のバーニアは5基とも別パーツでの色分けとなっています。
フロント、リアアーマーともに幅広く展開させることができます。裏面はリアアーマーのみ、スリット状のダクトモールドが造形。
腕部。細身ですが適度に起伏があり、エッジの効いたシャープでメカニカルなデザインになっています。前腕前側には動力パイプのようなモールドもデザインされていてリアル。
上腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は青い装甲が左右の組み合わせですが、合わせ目は段差モールド化されるなど作りはしっかりとしています。前腕のモールドはオレンジのシールでの色分け。
前腕には付属のオプションマガジンが組み付け可能。前腕手前のハッチを展開することで、内部のグレネードランチャーが露出します。
弾頭はハッチを開くと露出する先端部のみが簡単に造形されています。オプションマガジンは簡単な1個パーツ構成で内側は肉抜き穴。
ショルダーアーマーもまとまりのあるデザイン。側面のダクトはオレンジのパーツでの色分けですが、その他の細かなダクトやモールドはオレンジのシールでの色分けです。
側面の装甲は変形用に収納可能。側面下部の装甲も適度に上下します。
脚部。大腿部から裾に従って広がりを見せる、ゼータガンダム特有の脚部デザインが再現されています。膝周りの青い装甲はパーツによる設定通りの色分けを再現。
大腿部は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化。膝から下は左右の組み合わせがメインですが、白いパーツ、青いパーツ共に合わせ目は端でモールド化されています。
後部スラスター内部のバーニアはグレーパーツでの色分け。側面下部のスラスターはオレンジのパーツでの色分けですが、その上のモールドはオレンジのシールで色分けします。アンクルガードと後部装甲は可動式。
ソール部。他の箇所と同様に装甲はプレーンですが、ハイヒール状でバランスの取れたデザインになっています。
足裏はつま先、かかと共にメカニカルなモールドが造形。肉抜き穴はありません。
つま先は変形用に深く収納することができます。
背部は左右に大型のフライングアーマー、中央にはロングサイズのスタビライザーを装備。黒を基調としたゼータ特有の存在感ある背部ユニットになっています。
左右のフライングアーマー。上下に幅のある大柄の装甲になっています。ウェイブライダー形態時は主翼として機能する他、大気圏突入時には衝撃波と高熱から機体を保護。機体の進行方向や落下速度を調整する事が出来るとのこと。赤い装甲部分はシールでの色分けです。
上下パーツの組み合わせで側面に合わせ目ができますが、赤いシールを貼ることで合わせ目は隠すことができます。
側面のバインダーやウイングはウェイブライダー形態用に展開可能。ウイングも赤い装甲部分はシールでの色分けです。
バインダー基部はL字パーツでの組み合わせ。中央スタビライザーが干渉するので上下へは可動しませんが、前後へのスイングは適度に可能です。
中央のスタビライザー。質量移動による方向転換や姿勢制御と同時に、ブースターによる機動も行うとのこと。背部から広く展開させることができます。
スタビライザー先端部は白や赤の装甲部分はパーツで細かく色分けされています。裏面も適度なスリットダクトが造形。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。陸ジムよりも頭一つ分ほど高さがあり、HGとしては比較的大きめ。ゼータガンダムの全高は19.85mです。
経年で色が変色してしまっていますが、旧HGUCのゼータガンダム(No.41)と並べて。さすがに人気なゼータガンダムなので、昔のキットでもプロポーションに抜かりはないですね。ですがREVIVEの本作は更にプロポーションが整っていますし、細部の完成度が高いです。
塗装していますがRGゼータガンダムとも並べて。RGのほうが情報量や密度感はありますが、プロポーションや安定度はHGUC(REVIVE)のほうが上。弄り倒すならHGUCのほうが取り扱いやすくて丈夫です。
劇中で戦闘を繰り広げたHGUCバウンド・ドックやHGUCジ・オと並べて。どちらとも対峙したくなくなるくらいのサイズ差がありますね;
頭部は少し襟が干渉しやすいですが、適度に上下させることができます。左右への可動も干渉しやすいですが、襟を交わすように顎を上げることで水平程度までスイングさせることができます。
腕は水平程度まで上げることができます。肘は2重関節で深くまで曲げることが可能。
肩の前後スイングは、後方はボールジョイントのみでわずかにスイングする程度。前方は引き出しギミックによって広く展開させることができます。
腹部や腰部のボールジョイントによって上半身を前方に適度に展開させることができます。後方はバインダーが干渉するので制限されます。
腰は少し干渉しますが、90度程度まで回転させることができます。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。
フロントアーマー、リアアーマーともに広く可動するので、前後開脚は幅広く展開可能。背部フライングアーマーが干渉するので避けるように展開します。
膝は2重関節で、くの字程度まで深く曲げることができます。
足首は少し前後する程度ですが、つま先が伸ばせるので表現力は高いです。左右へは適度に可動。
左右への開脚は水平程度まで幅広く展開させることができます。
内股は干渉で殆ど可動しませんが、がに股は干渉がないので幅広く展開させることができます。
立膝もきれいな姿勢で再現することができました。
可動域の総括としては、少し頭部が干渉するくらいで全体的な可動域は広め。なのでポージングの自由度は高そうです。変形が組み換え式なため、変形機構を意識することなく、MS形態の可動のみに注力して開発できるのはメリットですね。
ビームライフル。ゼータガンダムの主兵装になります。側面のオレンジモールドはシールでの色分け。銃口はグレーのパーツでの色分けですが、後部Eパックはグレーに塗り分けが必要です。Eパックの脱着ギミックはありません。
本体部分は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。
バレルは伸縮可能。側面のモールドはオレンジに色分けします。
グリップや後部ジョイントはウェイブライダー形態用に展開・収納可能。センサーの収納ギミックはありません。
上部や銃口下部のセンサーはグリーンのシールでの色分けです。
ビーム・ライフルは前腕にマウントすることができます。
旧HGUC(041)のビームライフルと並べて比較。大きさはあまり変わりないですが、旧HGUCの方は色分けに物足りなさがあり、後部ジョイントもそのままダボとして一体成型されています。
シールド。防御用の兵装になります。シールドとしての機能だけでなく、ウェイブライダー形態時には機首を構成する多目的装備になっています。側面のオレンジモールドや表面中央の赤い装甲部分はシールでの色分け。
シールドは組み替えることで伸縮が再現可能。
裏面のミサイルは別パーツでの色分けとなっています。弾頭部分も適度に造形。
旧HGUCのシールドと並べて比較。こちらも旧HGUCのものは作りが簡素で伸縮ギミックなどはありません。
ハイパー・メガ・ランチャー。ゼータガンダム用のオプション兵装になります。小型のジェネレーターによって発射時に外部からのエネルギー供給を必要とせず、ウェイブライダー形態時は下部に装着することで、推力アシストも行うことができます。
本体部分は簡単な左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。
砲口はグレーパーツでの再現。砲身は伸縮が可能です。
後部の左右と下部の装甲は展開可能。内部からグリップが露出します。グリップはそれぞれ可動し、バランス良く保持させることができます。装甲の付け根はグレーに塗り分けが必要です。
旧HGUC(041)ゼータガンダムのハイパー・メガ・ランチャーと比較して。旧HGUCのものよりも一回りほどサイズが大きくなっているようです。造形も少しシャープな感じがしますね。
一通り武装して。
ビーム・ライフルはグリップをハンドパーツに差し込むだけで保持が可能。特にトリガーに指を添えるタイプではないですが、ハンドパーツを分解する必要がないのでラクに保持させることができます。上部センサーの展開ギミックはありません。
肩が広く可動するので、ビーム・ライフルでの射撃ポーズも難なく再現可能。足回りもよく動くので、ポージングではかなり自由度の高いポーズを再現することができます。ただし襟と頭部が干渉しやすく、左右を向く動きが難しいのが難点。
シールドは付属のジョイントパーツを前腕に組み付けて装備します。どちらもしっかりと固定できるので、ポロリなどなく安定した保持が可能。小型なので干渉も少ないです。
ミサイルを射出するポーズも再現することができます。
ビームサーベル刃はクリアピンク成型色での再現。柄をハンドパーツに差し込むだけで保持させることができます。柄をしっかりと差し込むことでしっかりと保持できるので、ハンドパーツの角度を変えてもポロリはしません。
前腕にビーム・ライフルをマウントさせると、背部バインダーと干渉しやすく、腕の可動が制限されるので注意です。
ハイパー・メガ・ランチャーを装備して。肩が前方に広くスイングするので、ハイパー・メガ・ランチャーの両手持ちも難なく再現可能。重量があるので片手保持だと肘が重量で負けることがありますが、両手で構えるポーズはラクに再現することができます。
脇に構えるポーズも可能でした。
腕部のグレネードランチャーを射出するポーズを再現。腕に手を添えられるよう、平手などが付属すると良かったですね。
ビーム・ライフルやハイパー・メガ・ランチャーの先端にはビームサーベル刃が組付け可能。形態の異なる武装として使用することができます。こちらも平手が付属していると、ランチャーを支えるポーズを自然に再現できてよかったかと。
HGUC MS-06 ザクII(No.241)の頭部と組み替えることでゼータザクが再現可能。旧HGUC量産型ザク(No.040)の頭部を組み付けることもできます。
ウェイブライダー形態への変形は、付属のジョイントパーツ3種を使用して組み替えます。
まずは四肢と胸部・腹部装甲を分解しておきます。
残った胴体部も背部装甲やフライングアーマー、スタビライザー、リア、サイドアーマーを分解しておきます。
腕部はショルダーアーマーの装甲を収納。そして腕部をウェイブライダー形態用の組み換えパーツに組み付けます。その他の組み換え用パーツも前腕を固定するように組付け。
組み合わせたパーツを反転させ、上部に分解した胸部周りの装甲を組み付けます。そして更にサイドアーマーやリアアーマーを組付け。
脚部は膝裏のパーツを取り外し、膝をS字に。つま先を閉じておきます。
そしてソール部を脚部内に収納。ソール部の収納に合わせて後部装甲がスライドし、グレーのバーニアが露出します。
変形させた脚部をウェイブライダー形態本体部に組付け。スタビライザーも伸ばした状態で組み付けます。
背部フライングアーマーとシールドはウイングなどを展開してウェイブライダー形態の底面に組付け。これでウェイブライダー形態への変形は完了となります。
ウェイブライダー形態。宇宙・大気圏内問わず運用が可能なゼータガンダムの巡航形態になります。戦闘機のようなシャープなシルエットが特徴的。
ウェイブライダー形態を前後から。各部ともダボでしっかりと固定されるため、形状が崩れることはありません。ヘタれると若干ソールやスタビライザー、ウイングの形状が変わることがありますが、簡単に修正するだけで良いので取り扱いはラクです。
旧HGUCのゼータガンダムウェイブライダー形態と並べて比較。REVIVE版は薄型ですが、ウイングが後方に幅広く展開したことで重厚感が増していますし、より設定画に近いデザインになっています。
ウェイブライダー形態で浮かせてディスプレイさせる場合は、付属のジョイントパーツを股間部に組み付けます。
ジョイントパーツを使用することでかっちりと固定できるため、ラクにディスプレイさせることができます。特に形状を変化させる箇所もないので、キットを弄ることがなく、シンプルに角度を変えるだけでそのまま撮影しています。
プロポーションバランスが良いので、どんな角度からでもウェイブライダー形態の格好良さを味わうことができます。ほぼ決定版とも言えるくらいの造形の良さですね。後はシールではなく、パーツのみで色分けできたら完璧・・・・。
スタビライザーにはビーム・ライフル、シールド下部にはハイパー・メガ・ランチャーが組み付け可能。ウェイブライダー形態がより重厚感あるシルエットに変化しました。
ハイパー・メガ・ランチャーの前方と側面にランディングギアを組み付けることでウェイブライダー形態での駐機状態を再現することができます。ランディングギアが中央に集中していますが、接地は安定しているので左右に傾いたりということはありません。
ハイパー・メガ・ランチャー、ビーム・ライフルを装備した状態でフライトシーンを再現。ある程度の重量にはなりますが、細い支柱でもそれほど負荷がかかるようなことはなかったです。なので特に問題なくディスプレイできました。
ビーム・ライフルのジョイントが少し不安定で、ウェイブライダー形態で斜めにすると、ビーム・ライフルも少し斜めに垂れる感じがありましたが気になるのはそのくらいでした。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。MS形態、ウェイブライダー形態共にとにかくプロポーションが良く、配色などから造形美も感じられる格好良いキットに仕上がっています。それでいて可動域も広く柔軟。惚れ惚れするようなポージングが再現できるのも良いですね。
気になる点は、構造やパーツの組み合わせ強度が少し弱めなので、全体的にヘナっとなりやすい印象でした。肩などは強度があるので腕が垂れたりということはないですが、肩の装甲や腰回り、ソール部などは少し手が当たると簡単にポーズが変わったりするので注意です。頭部アンテナなど、干渉でポロリしやすいところもあるので注意です。
ハイパー・メガ・ランチャーの両手持ちもラクに再現できますし、ウェイブライダー形態への組み替え変形もサクッとこなせます。楽しめる要素は満載で、劇中のポージングも忠実に再現できるという、ほぼ決定版とも言えるくらいにゼータの魅力が詰まったキットになっているのが良いですね。
⇒あみあみでHGUC ゼータガンダムを探す
⇒DMM.comでHGUC ゼータガンダムを探す
⇒駿河屋でHGUC ゼータガンダムを探す
⇒楽天でHG UC ゼータガンダムを探す
⇒ヤフーショッピングでHGUC ゼータガンダムを探す