今回は、2002年12月に発売されたHGUC 1/144 PMX-003 ジ・オ(THE-O)のレビューをご紹介します!
HGUC ジ・オは、『機動戦士Zガンダム』に登場するMS「PMX-003 ジ・オ(THE-O)」の1/144スケールモデルキットです。重MSとしてのボリューム感を忠実に再現。脚部内部フレームや各所のメカニカルなディテールに加え、フロントアーマー裏の特徴的な“隠し腕”などが再現されたキットになっています。バックパック裏のディテールも細かく再現。価格は2,640円(税込み)です。
パプテマス・シロッコが自らの専用機として独自に設計・開発したティターンズ所属の重MSで、劇中ではパラス・アテネ、ボリノーク・サマーンと共に出撃。ゼータガンダムや百式、キュベレイなどと激戦を繰り広げた機体「PMX-003 ジ・オ(THE-O)」がHGUCでキット化。重厚感ある特徴的な機体形状が新規造形で再現されています。
成型色はイエローを基調に、関節類や各部の小型スラスター(アポジモーター)などにダークブルーを配色。その他、各部動力パイプがレッド、腰部メガ粒子砲がグリーン成型色での再現となっています。
ホイルシールは脚甲を色分けするのみでわずか。各所の小型スラスター内部などを塗装で塗り分ける必要がありますが、グレーのダクトやモールドはパーツで細かく色分けされているため、素組みでも十分なくらいに仕上がります。
ポリキャップ以外のパーツはPS素材構成。KPSは不使用です。ABSは使用されていないため、塗装やスミ入れをする場合も破損を気にせず安心して取り組めそうです。
比較的大柄なパーツが多く構造が簡易的な部分もありますが、細部にはモールドが造形されるなどディテールはしっかりとしています。
ポリキャップはPC-116を使用。主に1/100シリーズによく使われるポリキャップですが、HGでもたまに使用される個数の多いものが各部に使用されています。関節強度はまずまず高め。特に負荷のかかるような装備はなく、足底も大きくしっかりと接地できるため、自立は安定しています。
■付属品
大型ビーム・ライフル、ビームサーベル刃✕4、武器持ち手(右)が付属。
■各部形状
HGUCジ・オの各部を見ていきます。
■頭部
頭部。全体的にモールドは少なめですが、縦長なシルエットが特徴的に造形。モノアイはパーツによって細かく色分けされているため、塗装する場合もラクに塗り分けられます。モノアイの左右への可動ギミックはありません。頭頂部ダクト(センサー?)はグレーに塗り分けが必要。
メット部は簡単な左右の組み合わせで、上部や後部に合わせ目ができます。合わせ目を消す場合はフェイスパーツの後ハメが必要。首は胴体部と一体のボールジョイント接続で可動ギミックはありません。
■胴体部
胴体部。丸みのある肉厚な装甲が造形。各部モールドやダクト、腹部動力パイプなどはパーツで細かく色分けされていて完成度は高めです。胸の左右の小型スラスターは内部をグリーンに塗り分けが必要です。
フロントアーマーの先端には、小型メガ粒子砲や角型のスラスターがパーツで丁寧に色分けされています。メガ粒子砲の円形砲口はグレーに、スラスター内部はグリーンに塗り分けが必要です。
サイドアーマー内部にはビームサーベル柄が2本ずつ内蔵されていて脱着が可能。固定強度が高めなので、塗装する場合は脱着時の塗装剥げなどに注意が必要です。
リアアーマーは丸みのあるデザイン。こちらも裾のダクトはパーツで丁寧に色分けされています。下部の三角型スリットダクト内部はグリーンに塗り分けが必要。
フロントアーマー、リアアーマーともに適度に展開が可能。
腰アーマー裏は各部ともメカニカルなモールドが造形。サイドアーマー裏のみパーツでの色分けです。フロントとリア裏は塗り分けるとかなり見栄えが良くなりそう。サイドアーマー裏には肉抜き穴があります。
フロントアーマー裏には隠し腕が内蔵され、付け根やアームはポリキャップによってフレキシブルに可動します。アームの指は特に可動ギミックはなく固定式。裏面の動力パイプは赤く塗り分けが必要です。
隠し腕は前方に展開可能。手首はロールします。
■腕部
腕部。他と同様、重厚なスタイルで造形されています。特に肩部は多数のアーマーが折り重なるような構造で特徴的。肩部ダクトや前腕の動力パイプなどもパーツで細かく色分けされています。
上腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせで前後とも中央に合わせ目ができます。肘から分離できますが、動力パイプパーツなどを挟むので合わせ目を消したい場合は後ハメなどの作業が必要かと。
ショルダーアーマー。一部が前後の組み合わせで中央から側面にかけて合わせ目ができます。ダークブルーの各部角型ダクトはパーツでの色分け。内部をグリーンに塗り分けが必要です。
側面のスラスターや装甲は可動式。上部の小型メガ粒子砲は付け根がポリキャップ接続でそのまま見える状態なので黄色く塗装する必要があります。ポリキャップを塗装する場合はマルチプライマーなど密着剤を使うと剥げが防げます。
小型メガ粒子砲をロールさせるとポリキャップから少し抜けてしまうのでちょっと微妙な感じも;
小型メガ粒子砲の砲口内部もグリーンなどに塗り分けが必要です。下部の装甲裏はモールドがなく簡易的な造り。
■脚部
脚部。重厚なシルエットとは裏腹に、内部フレームに大柄な装甲を被せただけの簡易的な構造。ですがその分、内部フレームはメカニカル且つ緻密に造形されています。各部動力パイプは赤いパーツでの色分け。前装甲の縦型モールドはグレーに塗り分けが必要です。
内部フレーム。基部は左右の組み合わせで中央に合わせ目ができます。
くるぶしから伸びる動力パイプは足首の動きに合わせて上下にスライド。
アンクルアーマーは前後ともポリキャップ接続で少し可動します。
大腿部は左右の組み合わせで中央に合わせ目ができます。膝から下は前後から装甲パーツを被せるようになっていて、合わせ目はできない構造になっています。
ソール部。組み合わせ自体はシンプルでパーツ数もそれほど多くはありません。脚甲の赤いラインはシールでの色分けです。側面のダクト各種はパーツで細かく色分けされていて緻密。ダクト内部はグリーンに塗り分けが必要です。足裏はモールドの入ったパーツで蓋をするようになっているため、肉抜き穴は全くありません。
■バックパック
バックパック。大型の加速用スラスターやウイングを持つ特殊な装備ユニットになっています。スラスター推力はMAにも匹敵するとのこと。
後部や側面の角型スラスターは内部に細かなスリットモールドが造形。内部はグレーやグリーンに塗り分けが必要です。
バックパックは胴体部と一体型で脱着できるようになっていません。ですがバックパック裏にはメカニカルなモールドが造形されていて見応えがあります。
■他キットとの比較
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べて。MGよりは小さいですが、HGの中では比較的大型のキットです。ジ・オの全高は28.4m。
REVIVE版の百式やキュベレイが手元にないので、HGUC百式(旧キット)やHGUCキュベレイMk-Ⅱ(旧キット)と並べてみました。発売時期が2、3年くらいしか差がないので、組み合わせても特に違和感はなさそうですね。
REVIVE版HGUCゼータガンダムと並べて。発売時期はだいぶ違いますが、こちらも並べてもそんなに違和感はなさそう。劇中の激しい戦闘シーンが思う存分に再現できそうです。
■各部可動域
頭部はそこそこ見上げることができます。左右へは、頬が干渉するため、真横にまでは移動できないようです。
腕は肩の付け根が動かず、ショルダーアーマー内で45度程度に可動するのみです。肘は90度程度まで可動します。肩はショルダーアーマー側から伸びる固定式の太軸接続で、胴体側のポリキャップも前後スイング用なので、上向きの可動はありません。
上半身の前後スイングもできないので画像は省きました。
腰は少し浮かせることで、45度程度まで回転させることができます。アクションベースやスタンドを使ってのディスプレイは、股間部にジョイント穴がないので、大きめのコの字パーツを挟んでディスプレイさせるようになります。
フロントアーマーが肉厚で展開幅も広くなく、リアアーマーも少し広がる程度なので、前後への開脚もあまり広くはできないようです。
ちょっとわかりにくいかもですが、膝はくの字程度にまで曲げることができます。膝は内部フレームがそのまま露出した状態で合わせ目が確認できます。
足首は脚部装甲内で適度に前後可動します。左右へもある程度可動。
左右へ開脚はハの字程度までの可動となります。
内股、ガニ股はともに45度程度まで展開が可能。
ある程度腰を落とすことはできますが、肉厚な装甲が干渉することもあり、満足な立て膝をすることができないようです。
可動域の総括としては、構造の関係上、各部とも可動域はかなり制限されていて、躍動感のあるポーズを取るのは難しそうですね。サイズ感があるので、主にその容姿などを楽しむのが良さそうです。
■武装類
大型ビーム・ライフル。ジ・O専用に開発された出力2.6MWのビーム・ライフルです。出力変更により、メガ・ランチャーに匹敵する高出力ビームが連射可能とのこと。
本体部分は動力パイプを挟んでの簡単な左右の組み合わせで上下などに合わせ目ができます。合わせ目を消す場合は後ハメ加工などが必要。
特に可動する箇所はありません。砲口は別パーツ化されているので塗り分けると見栄えがしそうですね。
■ポージング
大型ビーム・ライフルを装備して。
大型ビーム・ライフルは付属の武器持ち手でグリップを挟んで保持します。少し遊びはありますが、手甲パーツも外れにくくポロリなどはありません。後部のストックが長いので、上腕や前腕と干渉しやすいので注意です。
浮かせた状態でディスプレイ。重量のあるキットなので、支柱の細いスタンドだと耐えられるヘナっと倒れてしまうかも。ある程度しっかりとしたスタンドでディスプレイしたほうが良いかもです。
可動に柔軟性はないですが、サイズ感があるので簡単なポーズにしておくだけでも十分な迫力です。
隠し腕を展開。フロントアーマーは重量があるので垂れやすいですが、隠し腕は可動ギミックで展開できるので、ある程度振り回すような動きは再現することができます。
ビーム・サーベルはグリップが細いため、ハンドパーツに差し込んでもクルッと反転してしまうことも。ポージング時に向きが変わることもあるので、サーベル刃の向きには少し注意が必要です。ビームサーベル刃はクリアイエロー成形色での再現。ブラックライトで照らしても反応はしませんでした。
ビーム刃、サーベル柄共に4本付属しているので、4腕を使ってビームサーベルを振り回すような迫力あるポーズが楽しめるのが良いですね。
適当に何枚かどうぞ。
ビーム・サーベルはTV版がイエロー、劇場版がピンクです。
以上です。可動はあまり期待できないですが、大型で存在感のあるシルエットや肉厚で愛嬌を感じるフォルムはなかなか魅力的です。造形が大味な割に、ディテールなどはしっかりとしていて見た目もいいですね。
欠点的には、肩と大腿部、脚部内部フレームに合わせ目ができるので、その点はもったいないところかと。肩も胴体との接続軸が可動する構造になっていると、もっとポージングに幅が出て良かったですね。
隠し腕を展開するとまた違った迫力が出ますし、可動域は広くなくとも大型の四肢を少し動かすだけで十分なポージングが楽しめるなど、ラスボスとしての存在感もスゴイです。機動戦士Zガンダム登場機の中でもぜひ確保しておきたいキットの一つですね。
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3 件のコメントがあります。
逆シャア好きだけど(名前変えようか迷う)
on 2020年8月11日 at 09:16 -
私はZの機体の中でジ・Oが1番好きです。大きな機体ながら全身のバーニアで宇宙空間での高い機動力思っている。ビームライフルはジ・O専用で高威力のビームを連発できる。サブアームでのビームサーベル四刀流と好きになる要素しかない!!
しかし、noriさんの言うとうり買うのを先延ばしにしてしまいがちです。合わせ目消しはまだ400番から2000番までのを買ってあるのでできるのですがグリーンが主にたりてないキットなのでなかなか購入に踏み切ることができません。
少し質問なのですが機体の装甲のイエロー(ベージュに近い?)なのですが説明書の作成例と比べて違和感を感じますか?(noriさんの視点、感覚から見てで結構です)レビューの写真を見るのと実際に実物を見るのとでは違うかと思ったので質問させていただきます。
nori
on 2020年8月13日 at 15:19 -
コメントありがとうございます!
重装甲で隠し腕などもあり、機動性もあるジ・オは良いですよね~♪
キットの成型色に関しては、説明書と比べても特に違和感はないですね。
劇中のジ・オと比べてもそんなに気にはならない色かなぁと。
説明書に比べると若干黄色が弱いですけど、劇中のジ・オに近いほうがいいならもっとベージュ系などで渋めにしてもいいですね。
ムーンガンダムアニメ化してほしい(名前変えました)
on 2020年8月13日 at 18:11 -
シァアザクも含めて返信ありがとうございます^_^
アドバイスして頂いたとうりにポージィングしたいと思います。
ジ・Oの成形色についても今後に活かしたいと思います。ジ・Oに関してはバーニアのグリーンは必須ですね。装甲のイエローも前腕部のレッドの動力パイプの一部塗装しないとなのでいっそのことイエロー全部塗装もいいかもですね(劇中のようなイエローを自分が作れるかは別ですが)
RG化やリバイブは基本なさそうですね。オーヴェロンがキット化すればワンチャン出るかな、という感じですかね。オーヴェロンもあと2、3年くらい後になりそうな予感。オーヴェロンのRG又はMGはヴァーチェのように換装できる感じだといいですね。コスト、価格を考えなければ簡単に作れそうな気がします。
欲を言うとZZのリバイブ、RG化して欲しいですね。でもMGバージョンka化されているので無理ですかね。
noriさんのRGサザビーの制作レビューを見返していて自分でも塗装、改修したいと思いました。金銭的に余裕ができたら(そんな日が来るのかわかりませんが)2個目を買って作りたいです。