今回は、2016年1月に発売されたHG 1/144 EB-06/tc2 流星号(グレイズ改弐)のレビューをご紹介します!
HG 流星号(グレイズ改弐)は、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場するMS『EB-06/tc2 流星号(グレイズ改弐)』の1/144スケールモデルキットです。流星号特有のピンクカラーを成型色で、グレイズ改弐の特徴的な機体形状を新規造形パーツを用いて再現。ライフルやバトルアックスに加え、新規造形のショートバレルライフルが付属するキットになっています。価格は1,320円(税込み)です。
鹵獲し、改修したグレイズ改を更に改修した機体で、ドルトコロニー群での戦闘にてシュヴァルベ・グレイズ等と交戦したノルバ・シノ搭乗機『EB-06/tc2 流星号(グレイズ改弐)』がHGでキット化。
2015年11月に発売されたHGグレイズ改(以下、グレイズ改)※をベースに、ピンクを基調としたカラーリングを成型色で、特徴的な頭部や肩部、リアアーマーといった各部外装、ショートバレルライフルが新規造形で再現されています。HGクタン参型(別売り)と組み合わせが可能なジョイントパーツも付属。※大元はHGグレイズ(一般機/指揮官機)。
成型色はピンクを基調とした流星号カラー。その他、肩部や上腕などがワインレッド、腹部動力パイプや背部リアクターがライトグレー、関節や内部パーツ、武装類にはグレー成型色パーツでの再現となっています。
シールは頭部ノーズアートや球体センサー、アンテナ先端、胸部、背部リアクター、肩部モールドなどを補いますが多くはありません。塗装は一部モールドとバトルアックスの刃を塗り分けるくらいでわずか。素組みで十分な色分けが再現されています。
シルエットはグレイズ改とよく似ていますが、頭部ノーズアートや後頭部のアンテナ、肩部装甲などが印象的に造形されています。関節や内部、武装類などのグレー成型色パーツにはKPSが使用されています。ABSは不使用。
グレイズ改と同様、ポリキャップはPC-002を肩部や腰部、股間部、足首などに使用します。ソールがハイヒール状で接地面が小さいですが、背部ブースターは軽量で負荷はかからず、関節強度も高いので自立は安定します。
120mm25口径ライフル、ショートライフル、9.8mバトルアックス、HGクタン参型(別売り)と組み合わせるためのジョイントパーツ✕2が付属。
HGグレイズ改用のパーツがいくつか余剰で付属。パーツが一通り揃っているので、余剰パーツと組み替えればHGグレイズ改として組むことができます。
内部フレームを全身から。全身各部にメカニカルな内部フレームが造形。グレイズ改と同じく全身はほぼグレイズフレームで、頭部だけグレイズ改で新造されたものになります。
頭部と胴体部の内部フレーム。胴体部には1基のエイハブ・リアクターと平型のケーブルがメカニカルに造形。どちらもライトグレーのパーツで見栄え良く色分けされています。
腕部はHGグレイズ(一般機/指揮官機)から変わらずで細身のフレームが造形。
脚部内部フレームもHGグレイズ(一般機/指揮官機)と同じ。肉抜き箇所は外装パーツでほぼ隠れるため、膝関節などの部分のみがデザインされています。
部分的にHGグレイズ改と比較しながら各部を見ていきます。
頭部をグレイズ改と並べて。形状自体は殆ど同じですが、上部の装甲パーツは後頭部アンテナの長いものが新造。その他、『目』をイメージした流星号特有のノーズアートもシールで再現されています。アンテナ先端も白いシールでの色分けです。
他のグレイズ系と同様、上部装甲を組み替えることで展開状態が再現可能です。内部には球体センサーが造形。手前のセンサーや球体センサーはシールを貼っての色分けですが、モールドが入っているので塗り分けはしやすそうです。
胸部の形状はグレイズ改と同じ。ですが成型色が他の部分と同様、ピンク成型色になっているので全体を見たときの統一感がありますね。フレームの黄色いラインはシールでの色分けです。
胸部は他のグレイズと同じ構造で肩がブロックごと前方に展開します。
腰部をグレイズ改と並べて。フロントアーマーやサイドアーマーの形状は同じですが、リアアーマーは縦に長いものが流星号(グレイズ改弐)用に新造。表面にも丸モールドが細かく造形されています。フロントアーマー中央下部の角型モールドやリアアーマーの丸モールドはグレーに塗り分けが必要。
腰アーマー裏は簡易的な作り。特に新造されたリアアーマーの中央裏はガッツリ肉抜き穴で、表面からも見えてしまうのがちょっと気になるところです。リアアーマー中央の装甲は45度ほど展開可能。
腕部をグレイズ改と比較して。上腕以下はグレイズから変わらずですが、ショルダーアーマーは幅のある装甲が新造。少しワイルドさが強調されています。
上腕は内部フレームにコの字パーツを被せる構造、前腕は筒型パーツを組み込む構造で合わせ目はありません。ワインレッドとピンクのカラーリングで少し雰囲気が変わっています。
手首の装甲はロール可能。
ショルダーアーマーは前後の組み合わせで上部中央に合わせ目ができます。内部のフレームパーツを挟む構造ですが、そのまま合わせ目を消しても問題はなさそうです。側面のバーニアはパーツでの色分けを再現。アーマーの裾や表面三角モールドはシールでの色分けです。
ショルダーアーマーはヒンジ接続で展開可能。
脚部はグレイズ(一般機/指揮官機)から変わらず。西洋騎士のような鎧風の連なる外装を持つ機体形状が再現されています。
大腿部は前面から外装を被せる構造で合わせ目はなし。膝から下は外装を前後で組み合わせるため側面に合わせ目ができます。内部フレームを挟むため、合わせ目消しは難しめ。素直に段落ちモールド化するのが手っ取り早いですね。
大腿部の付け根はロール可能。鉤型ダボを差し込んで回すため、無理に引き抜くと破損につながる場合がありますが、抜けない構造になっているので取り扱いがラクです。膝を曲げると内部のメカニカルなフレームが露出。
ソールもグレイズから変わらずのハイヒールタイプ。簡易的な構造ですが、高貴な雰囲気を感じさせるデザインになっています。足裏はかかとに肉抜き穴があります。
背部にはグレイズ改と同じブースターを装備。こちらもグレイズ改では白成型色でしたが、流星号では他の外装と同じピンクカラーになっています。細かいパーツ構成で合わせ目はなし。
基部は上部に展開可能。内側は肉抜き穴ですが、大きく跳ね上げない限り見えるほどではないかなと。
ブースター先端のバーニアはボールジョイントで適度に向きを変えることができます。バーニアの内側からボールジョイントが見えるので、塗り分けたりすると見た目にも変化が出そうですね。
ブースターは他のHG鉄血のオルフェンズシリーズと同じ幅の2ダボ接続。なので他キットのバックパック(バルバトスなど)との交換が可能です。中央のリアクター表面は黄色いシールでの色分け。
HGグレイズ改と並べて。グレイズ改はミリタリー調のグリーンと改修された箇所のホワイトでメカニカルさが強く出ていますが、流星号(グレイズ改弐)はピンクのカラーリングで奇抜さが感じられますね。
HGグレイズ(一般機/指揮官機)とも並べて。グレイズ、グレイズ改、そして流星号(グレイズ改弐)と言う流れで徐々に形状が変化していますが、改修される度にデザインの質が高まっているような気がします。
HG イオフレーム獅電改(流星号)とも並べて。同じノルバ・シノ搭乗機なのでどちらもピンクのカラーリングが印象的。ピンクの色味は若干ですが違っているようです。
可動域はほぼグレイズ改とほぼ同じ。頭部は適度に上下しますし、腰部BJや内部フレームの可動ギミックで上半身も反らすことができます。腕はY字程度まで上げられ、肘は1重関節で90度程度まで曲げることができます。
腰は干渉するのでわずかに撚る程度。膝は2重関節で深くまで曲がりますが、リアアーマーがサイズアップしているため、干渉して立膝が若干難しくなっています。
左右への開脚も広めに展開可能。足首が深く曲がるので、接地状態でのポーズもある程度安定します。
可動域は通常のグレイズともだいたい同じなので、詳細については以下のリンクからHGグレイズ(一般機/指揮官機)のレビューをご参考くださいm(_ _)m
120mm25口径ライフル。グレイズ(一般機/指揮官機)から付属しているものと同じ武装になります。携行式の速射砲で、高い集弾性を持ち、メインウェポンとしてはもちろん支援武器としても有効とのこと。
本体部分はモナカ割で上下に合わせ目ができます。砲身などは凹凸が細かいので、合わせ目消しは細かく処理する必要がありそうです。下部装甲と側面のマガジンは取り外しが可能。マガジン裏は肉抜き穴で造りが簡易的。
フォアグリップは左右にスイングが可能。
ショートライフル。新造された武装ですが、形状的には120mm25口径ライフルのロングバレルを取り外した状態になります。なので120mm25口径ライフルの後部と形状は全く同じ。片腕でも保持しやすくなる代わりに有効射程や集弾性が落ちるとのこと。
こちらも下部装甲とマガジンは脱着が可能です。
フォアグリップは左右にスイング可能。基部は左右のモナカ割なので上下に合わせ目ができます。こちらは凹凸が少ないので合わせ目消しは比較的ラクかと。
9.8mバトルアックス。こちらもグレイズ(一般機/指揮官機)から付属しているものと同じものになります。1個パーツ構成ですがバランス良く造形。
側面のダボでサイドアーマーにマウント可能。しっかりと深くまで差し込めるので簡単には外れません。
リアアーマーにダボがあるので、HG百錬に付属する片刃式ブレードなどをマウントさせることができます。
その他、HG MSオプションセット2&CGS モビルワーカー(宇宙用)に付属する輪胴式グレネードランチャーや四連式ロケットランチャーなどもマウントすることができます。これらの武装を使用すれば多彩な攻撃ポーズを再現することも可能。
更にクタン参型(HGガンダムバルバトス&長距離輸送ブースター クタン参型)へのマウントが可能なジョイントパーツが付属し、膝の装甲を組み替えることでクタン参型と組み合わせることができます。手元にクタン参型がないので、入手したら画像を加えておきたいと思いますm(_ _)m
一通り武装して。
120mm25口径ライフルを保持する場合はグリップをハンドパーツに差し込み、下部装甲を前腕に組み付けて固定します。2箇所で固定されるので、ポロリなどなくしっかりと保持させることができます。多少肩のボールジョイントが外れやすいですが、気になるのはそのくらい。
両手持ちは少し干渉してぎこちない感じがありますが、肩にスイングギミックがあるのでその分保持はラクです。頭部ボールジョイントも少し緩めなので、うまく顔の向きを調整したりしてかっこいいポーズを取らせたいですね。
バトルアックスはグリップが若干細身で、クルッと角度が変わることがありますが頻度としては少なめ。動きが気になる場合はグリップを太らせるか、詰め物などをするとストレスなく取り扱えそうです。肘が深く曲がるので、担ぐようなポーズは難なく可能。
ショートライフルも120mm25口径ライフルと保持方法は同じ。グリップをハンドパーツに差し込み、下部装甲を前腕に組み付けて固定します。
120mm25口径ライフルよりも小回りが効くので取り扱いはラクですね。
アクションベースやスタンドを使って浮かせる場合は通常通り、股間部に3.0mm軸を差し込んでディスプレイさせます。
頭部装甲を展開し、球体センサーを露出させて索敵シーンを演出。ノーズアートだと生物的で独特のクセが感じられますが、球体センサーを露出させると1つ目の禍々しい雰囲気に変化。親しみやすさから一転、抵抗感を感じるようになるのが面白いですね。
余剰パーツと組み替えてピンクのグレイズ改に。成型色が統一されているため、通常のグレイズ改に比べるとまとまりすぎている感じがありますね。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。目立つピンクカラーで流星号らしさが強く表現されていますし、新造された頭部や肩部、リアアーマーなどによって他のグレイズ系よりもデザインバランスが良くなっています。グレイズやグレイズ改などで感じていた違和感もなくなり、よりかっこよさを感じるグレイズ改になっているのがいいですね。
気になる点は、他のグレイズ系と同様、肩のボールジョイントがやや抜けやすいのと、首のボールジョイントも若干緩め。抜けるほどではないものの、手が当たると頭部の向きが変わったりし易いので注意です。それと新造されたリアアーマー裏の肉抜き穴が表面から見えるので、その点は埋めるなどしてきれいに見せたいですね。
頭部ノーズアートもノルバ・シノの搭乗機らしい親しみやすさを感じますし、ショートライフルが付属しているぶんポージングにも幅が出ます。奇抜なカラーリングでインパクトも十分。ただそれだけでなく、グレイズ系の中でも優れた造形の良さを感じさせてくれるキットになっているのがいいですね。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。切れ味はもちろん優秀。薄刃ですが強度が高く、長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら