今回は、2012年5月に発売されたMG 1/100 RMS-108 マラサイのレビューをご紹介します!
MG マラサイは、『機動戦士Zガンダム』に登場するMS『RMS-108 マラサイ』の1/100スケールモデルキットです。装甲の隙間から見える後頭部のディテールやコックピットハッチの開閉、モノアイ可動ギミックといった各部を細部に渡って再現。付属のラウンドフォーミングジョイントを使用することで、自由なイメージでのディスプレイも再現可能なキットになっています。価格は4,400円(税込み)です。
主にジェリド・メサらが搭乗し、ガンダムMk-IIなどのエゥーゴ側MSと交戦したティターンズ所属量産型MS『RMS-108 マラサイ』がMGでキット化。右肩のラッチ付きシールドや左肩のスパイクアーマーなど、ジオン系に似た外観を持つ特徴的な機体形状が新規造形で再現されています。
成型色はオレンジとワインレッドをベースに、頭部、腹部、バックパックなどの動力パイプにグリーンを配色。その他内部・関節パーツはグレー、頭部モノアイやバックパック、武器センサーはクリア成型色での再現となっています。
ホイルシールは付属せず。バックパックのセンサー内部やバーニア内部などを塗装する必要がありますが、大部分がパーツで色分けされているので素組みでも十分な仕上がりになります。
グレー成型色の内部、関節パーツにはKPSが使用されています。
各部動力パイプは個別にパイプパーツを通すようになっていてリアル。ですがその分パーツが小さく細かい作業が必要になるため、パーツの紛失には注意が必要です。パイプパーツに予備はありません。
ポリキャップはPC-200を全身各部に使用します。肘、膝関節はKPSパーツ構成で関節強度は高め。バックパックも負荷はかからないですし、脚底が広く接地もしっかりとしているので自立は安定します。
ビームライフル、ビームサーベル刃✕2、ティターンズパイロットフィギュア、握り手指パーツ(左右)、武器持ち手指パーツ(左右)、可動手(左右)、ディスプレイ用ジョイントパーツ、
ラウンドフォーミングジョイント、バリュートパック用のジョイントパーツ3種が付属します。スパイク1本は余剰。
専用のマーキングシール、擦って転写するガンダムデカールが付属。ティターンズのエンブレムなどが収録されています。
全身各部に内部フレームが造形されています。ほぼ大部分がKPSなので軽量。
頭部は基部のみフレームで、オレンジの部分は内部装甲のような形になります。バイザーはクリアパーツでの再現。
胴体部はフレームのままだとコックピットがそのまま露出した状態。腹部の動力パイプは外装なしでも組み付けられるようになっています。
腕部はザクVer.2.0に似たフレーム構造が再現されていますが、前腕は若干肉厚になっています。肘裏には動力パイプも造形。
脚部はマラサイ脚部の裾太シルエットに沿ったフレームが造形。
ソール部も簡易的ながらシリンダーシャフトが造形されたフレームが再現されています。
バックパックも簡単な内部フレームが造形。動力パイプは外装なしでも組み付けられます。
頭部は兜の錣(しころ)のような幅広い装甲と、ジオン系指揮官機に見られる大型ブレードアンテナ、ザクの系譜を感じさせる口ダクトや動力パイプが印象的に造形。特に合わせ目などもありません。
幅広いメットの裏面には適度なモールドが造形。細部まで丁寧に再現されています。
モノアイはクリアパーツにグリーンのマーキングシールを貼っての再現。LEDの発光を活かす場合はシールを貼らないでおくのもありかと。
アンテナ周りの装甲を外すことでモノアイ可動用のレバーが露出。このレバーを撚る(ひねる)ことでモノアイを左右に振ることができます。全体をバラさずとも簡単にモノアイ可動を表現できるのがいいですね。
胸部は前面の3本モールド以外はシンプルな作り。ですが装甲がパーツで色分けされていますし、立体感のある作りになっています。
襟元から頭部を外してLEDユニットを組み込むことで、モノアイの発光演出が可能。画像だとモノアイ周りがぼやけた感じになっていますが、実物はモノアイの円形がくっきりとしていてかなり鮮やかです。
肩は複数パーツの組み合わせでメカニカルに造形。適度に引出しが可能で、腕を前方に展開することができます。胸部が可動し、上半身を少し反らすことが可能。
コックピットハッチは開閉可能。中央の装甲を引出して展開することで内部が露出します。ですが隙間が小さいので、外側から内部を確認することは殆ど出来ません。
コックピット内部には簡単なシートとティターンズパイロットフィギュアが内蔵されています。パイロットはジェリド・・・・?カクリコン・・・・?
腰部は前後ともプレーンで丸みのある装甲を装備。ザクの系譜を思わせる腹部動力パイプもメカニカルに再現されています。
腰アーマーは各面とも適度にモールドがデザインされた裏打ちパーツが造形。各面とも表裏の2枚パーツ構成で作りはシンプルです。ポリキャップ接続の股間部に可動ギミックはありません。
右腕部の肩には大柄なシールドを装備。上腕以下はジオン系機を思わせる、丸みのある機体形状が再現されています。シールド以外は各部とも内部フレームに外装を被せていく構造。
上腕は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目はモールドっぽく造形。前腕は多数パーツの組み合わせで合わせ目はモールド化されています。ハンドパーツは親指のみ可動し、残り4指は組み換えの簡易組み換え式。
肩の大型シールドは上下2枚のシールドで構成されています。
下部シールドの内側にはサーベルホルダーが造形。別パーツできっちりと色分けされ、柄の固定強度も高めです。柄は取り外してビームサーベルとして使用可能。
シールドは2枚パーツの組み合わせで側面に合わせ目ができます。
2枚のシールドは中央基部を中心に折りたたみが可能。パーツ同士の組み合わせですが、組み合わせ強度が高いのでヘタることなく取り扱うことができます。
シールドの接続部はボールジョイントで上下にスイングが可能。シールドは角度変更やロールなどフレキシブルに可動します。
左肩にはスパイクアーマーを装備。球状の装甲と3本のシャープなスパイクが印象的に造形されています。スパイクは別パーツ化されているので塗り分けたりすると雰囲気が変わりそうですね。上腕以下は右腕部と同じ。
脚部は全体的に丸みのある装甲。膝から下は裾広がりのマラサイらしいデザインで造形されています。
ふくらはぎの外装は簡単に外せるので、内部フレームがむき出しのメンテンナンス状態でディスプレイしておくのも良さそうですね。
脚部も腕部同様、内部フレームに外装を被せていく構造。ただし取り外しが可能な外装後部は組み合わせが簡易的で隙間ができやすいので注意です。
大腿部は前後の組み合わせで側面に合わせ目が出来ますが、消すのが難しいので段落ちなどでモールド化したほうが良さそうです。膝から下は各部に外装を被せていく構造で合わせ目はモールド化されています。
側面スラスター上部の小型カバーはボールジョイントでフレキシブルに可動。外側2口と内側1口のスラスターも内部がパーツで細かく色分けされています。2口スラスターの最内は黒く塗り分けが必要。アンクルガードも上下に可動します。
ソール部はシンプルな装甲の組み合わせで特別派手な感じはありません。
足裏は全体に深みのあるモールドが造形。
つま先は少し角度変更が可能です。画像に隙間が出来たので肘を曲げた画像も追加。
バックパックは円筒状のコンフォーマルタンクや中央センサー、動力パイプなどがメカニカルに造形。センサーはクリアパーツでの再現で、内部はグリーンに塗り分けが必要です。
バックパックは横長ダボ接続で固定強度はまずまず高め。
下部も数基のバーニアが別パーツで細かく造形されています。バーニア内部は赤に塗り分けが必要。左右のバーニアはボールジョイント接続ですが特に可動はしないようです。
MGジム・コマンド(コロニー戦仕様)、MG強化型ダブルゼータガンダムVer.Kaと並べてサイズを比較。ジム・コマンドなどと同等サイズで小柄。ですが装甲に少し厚みがあるため、一回りほど大きく見えます。
HGUCマラサイとサイズを合わせて比較。全体的にプロポーションが少し違っているようです。MGのほうが少しマッシブな印象。
頭部は少し上下する程度。左右も後部装甲が干渉しやすいですが、左に振る場合は干渉しないので広めにスイングさせることができます。
腕は水平まで上げることが可能。左腕はスパイクアーマーが干渉して少し制限されます。肘は2重関節で深くまで曲げることができます。
肩の前後スイングは、後方へはボールジョイントなり。前方は引出しギミックで広めに展開することができます。
腹部と腰部の可動ギミックで上半身を適度に前後させることができます。
腰は干渉してわずかに撚る程度。アクションベースやスタンドへは、股間部にジョイントパーツを組み付けてのディスプレイです。
前後開脚は広めに展開可能。脚部が重量で垂れてしまうので接地状態で確認しています。
膝は2重関節でくの字程度まで曲がります。膝周りは装甲の裏打ちパーツや隙間を埋める装甲などがきっちりと造形。膝関節の合わせ目も段落ちモールド化されています。
足首も前後左右で少し可動する程度。
左右への開脚は水平まで幅広く展開させることができます。こちらも重量で垂れやすいので注意。
足の付け根がロールするので、内股、ガニ股共に広く展開させることができます。
立膝は少しぎこちないですが、まずまずきれいな姿勢で再現することができました。
可動域の総括としては、全体的に少しぎこちない感じはありますが、ぎこちないなりに動きを表現することはできそうです。頭部や腰の可動がやや物足りないので、その辺りを腕や脚などの動きでカバーしつつポーズを取らせていくといった感じかと。
ビームライフル。ハイザックと共用のボウワ社製で、出力が2.2メガワットという大火力で連射可能という優れた性能を持つとのこと。センサーはクリアパーツでの再現です。
本体部分は左右の組み合わせですが、下部の部分的に合わせ目ができるくらい。銃身下部のエネルギーパックは合わせ目が段落ちモールド化されています。
側面のフォアグリップは前後にスイングが可能です。エネルギーパックは脱着が可能。ただし特に組み換えギミックなどはありません。
ティターンズパイロットフィギュア。説明書には特にどの人物かの記載はありません。胸のマークなど細かいモールドが入っています。
ビームライフルを装備して。
ビームライフルは武器保持用の指パーツに組み替えて保持します。指パーツがグリップにしっかりと固定されるわけではないので、親指をしっかりと配置させてふらつきを抑えつつ保持させます。
両手持ちはラクに再現可能。握り手用の指パーツに組み替えてフォアグリップを握らせます。フォアグリップをしっかり握ってくれるので、片手よりもビームライフルの保持がラクで安定します。
指の第2、第3関節が可動する可動手が付属。すべての指に可動ギミックがあるので、より自然な表情付けをすることができます。
ピースなどの表情を付けることも可能。ただしこのハンドパーツで武器を保持することは出来ないようでした。
左の武器保持用指パーツが付属するので、ビームライフルを左手に持たせることもできます。
ビームサーベルはしっかりと保持させることができます。スルッと移動することもなく取り扱えるので安心。ポージングに専念することができます。
LEDユニットを使ってモノアイを発光。モノアイが発光しているとMSが起動している雰囲気が強くなっていいですね。
脚部側面のカバーパーツを外してジョイントパーツを組み付けることでバリュートパックも装着可能。バリュートパックが手元にないので、また入手したら画像を追加しておきたいと思います。
付属のラウンドフォーミングジョイント。フレーム状のディスプレイ用パーツで、使用することで、バリュートパックを付けて降下するシーンなどを再現することができます。
ラウンドフォーミングジョイントの組付けは、バックパックの左右装甲を展開し、露出したジョイント穴に差し込みます。ラウンドフォーミングジョイントは画像のようにバックパックに直接組み付けることもできますし、バリュートパックを装備して組み付けることも可能です。
ラウンドフォーミングジョイントの基部は上下にスライド可能。角度を調整することができます。
ラウンドフォーミングジョイントを使ってディスプレイ。ラウンドフォーミングジョイントはバックパックにしっかりと差し込めますし、バックパック上下でも支えるので不安定さは全くありません。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。ちょっとした古さは感じるものの、モノアイの可動ギミックやLEDによる発光表現、内部フレームなどがMGらしく緻密に再現されていますし、何よりマラサイらしいどっしりとしたプロポーションが再現されていていいですね。頭部装甲など外装の内側にも細かいモールドがしっかりと造形されていますし、動力パイプも個別のパイプでリアルに再現されています。
気になる点は、ビームライフルが指パーツでしっかりと固定されるわけではないので、保持が不安定でふらつきやすいです。ポージングでは向きやポロリを気にしながらになるのでその点は面倒ですね。それと、股間部と脚の付け根のポリキャップ強度が徐々に弱くなってくるため、簡単に開脚したり脚が重量で垂れたりしやすくなってくるので注意です。
コックピットハッチの開閉やシールドの可動といったギミックも再現性は十分。可動手は指すべてが可動するなどの表現力も高いですし、劇中の印象的なシーンを再現するためのラウンドフォーミングジョイントなども付属。現在でも十分に楽しめる要素を持ったキットになっているのがいいですね。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。切れ味はもちろん優秀。薄刃ですが強度が高く、長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら
1件のコメントがあります。
名無し
on 2023年3月16日 at 02:14 -
マラサイはやっぱりイケメンフェイスでナイスなキットなんですが、自分も一度作成した事ありますが……ビームライフルの保持がユルユルで右手ごと接着剤で固定しちゃいましたね(笑)