今回は、2005年1月に発売されたHGUC 1/144 RMS-108 マラサイのレビューをご紹介します!
HGUC マラサイは、『機動戦士Zガンダム』に登場するMS「RMS-108 マラサイ」の1/144スケールモデルキットです。マラサイの特徴的な機体形状を新規造形で再現。肩部にL字型の関節を使用するなど、可動範囲が大幅に拡大されたキットになっています。ビーム・ライフルやビームサーベルといった武装類も付属。価格は1,760円(税込み)です。
AE社がハイザックの生産性と操作性を継承しつつ、ガンダムMk-Ⅱのムーバブルフレーム技術とガンダリウムγを組み合わせて設計、開発した攻撃用MSで、劇中ではジェリド・メサやカクリコン・カクーラーなどが搭乗。カミーユのガンダムMk-Ⅱと交戦し、撃破された機体「RMS-108 マラサイ」がHGUCでキット化。
頭部に縦長のアンテナや傘状のメット部、肩部に2枚の防御板を持つシールド、サイズ感のあるバックパックを持ちつつ、ジオン系機特有の丸みのある機体形状が新規造形で再現されています。
成型色はややくすみのあるレッドとオレンジをベースに、頭部や腰部、膝部などの動力パイプにグリーンを配色。その他、内部や関節、ビームライフルはグレー成形色での再現となっています。
ホイルシールが付属しますが、頭部モノアイとバックパックのセンサーを補うくらいでわずか。足甲やビームライフルなど一部に塗装が必要ですが、素組みでも十分なくらいの色分けが再現されています。
パーツはほぼPS素材でKPSやABSは使用されていません。ABSは塗装やスミ入れで破損、ひび割れを起こすことがありますが、このキットではそういった心配はなさそうです。
ポリキャップはPC-123プラスを使用し全身各部に組み込みます。肘や膝はポリキャップとPSパーツ構成で関節強度は高め。肘や膝が分離可能な構造になっていて脚底も広いため自立は安定しています。
■付属品
ビーム・ライフル、武器持ち手(右)、クリアーイエローのビーム・サーベル刃×2が付属。
■各部形状
HGUCマラサイの各部を見ていきます。
■頭部
頭部。ザクの面影を残しつつも、額にロングサイズのアンテナを装備。幅のある独特なメット部が印象的にデザインされています。両側面の丸型パーツは別パーツでの色分け。アンテナは細く長いので破損に注意が必要です。動力パイプはグリーンの軟式素材での色分け。
フェイスパーツは左右の組み合わせで中央にガッツリ合わせ目ができます。口が突き出ているため、口周りの合わせ目消しが少し難しいかもですね。メット裏はモールドのないシンプルな造り。
口内にはスリットモールドが細かく造形。モノアイはパーツに黒いシールを貼り、その上からモノアイシールを貼るタイプです。なのでモノアイを左右に振る場合はシールの貼る位置を変更する必要があります。モノアイは丸型(ア)と一部が欠けた形(イ)の2種シールがお好みでチョイス可能です。
■胴体部
胸部、腹部。腹部動力パイプを含め、各部装甲がパーツで細かく色分けされています。丸みのある装甲とエッジの効いた装甲が組み合わさったメカニカルなデザイン。胸部の赤装甲、腹部オレンジ装甲共に前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化されています。
腰部。フロント、リアアーマー共にモールドが少なめのシンプルな造形。サイドアーマーの付け根グレーはオレンジに塗装する必要があります。こちらの動力パイプもグリーンの軟式素材。
腰アーマーの裏は各部ともモールドがなくシンプル。脚部の付け根はボールジョイント型です。
■腕部
腕部。肩のエッジのある装甲や上腕以下の丸みのある装甲など、各部がハイザック由来のデザインで造形されています。左肩のシールド接続部は1ダボ型、右肩(スパイクアーマー)の接続はボールジョイント型になります。
肩は前後の組み合わせで合わせ目あり。上腕は筒型で合わせ目はありません。前腕は左右の組み合わせで中央に合わせ目が出来ます。前腕には幅と丸みのあるアーマーを装備。
ハンドパーツは指が組み換えられるタイプ。通常とは違った表現が楽しめますが、通常の握り手が付属していないのはちょっと残念かも。画像は平手(左用)で、右は武器持ち手になっています。
シールド。ハイザックよりも大型化されており、シールドジョイントを介して2枚の防御板がポジションを変えるなどフレキシブルな運用が可能とのこと。上下の防御板は共に表裏の2枚パーツ構成。合わせ目は内側でラインモールド化されています。
裏面のサーベル柄は脱着可能。シールドはつなぎ目部分の可動により、上下2枚をコンパクトに折りたたむことができます。
左肩部のスパイクアーマーは長めのスパイクが造形。ハイザックよりも荒々しい雰囲気が表現されています。アーマー部分は前後の組み合わせで上部や側面に合わせ目ができます。3本のスパイクは別パーツ化されているので塗り分けても面白そう。
■脚部
脚部。モールドはやや少なめですが、マラサイ特有の丸みのある肉厚な装甲が造形されています。大腿部は左右の組み合わせですが、前後の合わせ目は段落ちモールド化されています。スネにできる合わせ目も段落ちモールド化。
大腿部は組み合わせが悪いのか、少し隙間が出来てしまうようでした。(個体差があるかもです。)膝から下は左右の組み合わせですが、合わせ目は曲状でモールド化されています。側面のバーニアも羽は別パーツで細かく造形されていて見栄えがします。
足首から下の部分。シンプルな造形でパーツ数も少なめ。ですが足裏は別パーツで蓋をするようになっていて肉抜き穴はなく、モールドもしっかりとしたものになっています。足裏は塗り分けが必要です。
■バックパック
バックパック。大容量のコンフォーマルタンクと2基のメインスラスター、3基のサブスラスターを備えるスラスターポッドで構成されています。高機動型ザクII一機分に相当する推力を持つとのこと。本体部分は前後の組み合わせですが、動力パイプやバーニアなどが別パーツ化されていてなかなか凝った作りになっています。中央のセンサーはシールによる色分け。
バックパックは2ダボ接続ですが、ダボ間隔が少し狭く、一部のHGUCやHG水星の魔女、HG SEED FREEDOMシリーズのような標準的な間隔のバックパックを装備することは出来ませんでした。
底面のバーニアは、左右の2基は別パーツ化されていますが中央は基部と一体型。特に可動ギミックはありません。
■他キットとの比較
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと比べて。特別大きいキットというわけでもなく、HGとしては標準的な大きさです。ちなみにマラサイの全高は20.5m。
REVIVE版のHGUCガンダムMk-Ⅱ、HGUCガルバルディβと並べて。マラサイだけやや古めですが、造りが良いので並べてもそんなに違和感はないですね。
MGマラサイとサイズを合わせて比較。全体的にプロポーションが少し違っているようですが、どちらが良いかは好みの問題かなと。MGのほうが少しマッシブな印象。当然ですが細部もMGのほうがシャープですね。
■各部可動域
顎やメットの裾が干渉するので、頭部の上下可動はわずかになります。左右へは問題なく可動しますが、メット裾とスパイクアーマーが干渉しやすいので注意が必要です。
左腕部は水平にまで可動しますが、右腕部はスパイクアーマーが干渉して45度程度までとかなり低範囲の可動となっています。肘は90度程度の可動です。
肩は内部パーツが引き出し可能で、前側に広くスイングさせることができます。
上半身の前後スイング可動は全く出来ず、腰も動力パイプなどが干渉するのでごくわずかに回転させられる程度です。股間部にアクションベース用のマウント穴はなく、アクションベースに付属のU字型パーツを使用してディスプレイさせるようになります。U字パーツを取り付けると少し股間部の可動が制限されることがあります。
フロントアーマー、リアアーマー共に可動するため、前後開脚はかなり広めに可動させることができます。膝はほとんど曲げられず、くの字程度。膝内部パーツは1個パーツなので合わせ目はありません。
足首の前後可動はわずかです。前側のアンクルガードも可動しません。足首左右への可動は内側にのみ適度に可動します。
脚の付け根がボールジョイント型なので、左右への開脚はハの字程度。あまり開くと股間部のボールジョイントが外れるので注意が必要です。内股、ガニ股もそれなり。
立膝もなんとかできるという感じで不安定です。各部可動域は全体的に狭めでどの部分もそれなりというところです。
■武装類
BR-87A ビーム・ライフル。ハイザック用に開発されたものの同等品で、Eパック方式の携行射撃武装です。銃身下部から前方に伸びるEパックが特徴的なデザインになっています。モールドも細かく造形されていてチープな感じはありません。
本体、Eパック共に左右の組み合わせで上下に合わせ目ができますフォアグリップの可動ギミックはありません。
Eパックは脱着可能ですが、取り外して交換などのギミックはありません。
■ポージング
ビーム・ライフルを装備して。
ビームライフルはグリップにダボがあるのでハンドパーツにしっかりと固定できます。なので特にふらつくことなく安定した保持が可能でした。
ハンドパーツが平手状態なので、少し動かすだけで自然な表情が付けられるのが良いですね。
両手持ちも再現可能。フォアグリップにサクッと手を添えることができます。肩スイングの可動範囲がそこそこ広めなので、ビーム・ライフルの両手持ちもラクでした。
そんなに動くキットではないですが、全体的にマッシブ感があり、ポーズに重厚感が出るのが良いですね。ガンダム系とは違った格好良さがありますし、ハイザックとも異なるマラサイ独自の魅力があります。
ビーム・サーベルは持ち手を使って保持させます。ダボなどがなくスルスルして浮いたような形なので、ポージング時に移動しないよう、角度を気にしたりする必要があるかと。左は平手のみなので、ビーム・サーベルの両手持ちは出来ません。ビーム刃はブラックライトには反応しませんでした。
左手が平手のみなので、右手にビーム・ライフル、左手にビーム・サーベルといった具合に武器の両手持ちスタイルができないのはちょっと残念かも。古いキットであるがゆえの悩みかもですね。ビルダーズパーツ(ビルダーズパーツHDのMSハンド)などを使って手を加えても良いかと。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。部分的な合わせ目や可動域の狭さなど、近年のキットに比べるとさすがに不十分な点は多いと思います。ポージングもそれほど派手なものが出来なかったり、どうしても不満なところはありますね。
ですがその分造形や体型バランスを重視したようなスタイルになっているので作りは悪くないと思いますし、近年発売されたREVIVE版や他キットと並べてもそれほど遜色ない作りにはなっていると思います。
もしマラサイもREVIVE版が出るならそれは大歓迎ですし、通常のハンドパーツや広い可動域はマストですが、今のところはその予定もなさそうです。ですが十数年前に発売されたこのキットもなかなか優秀で、造形的にも満足できるキットでした。
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