今回は、2010年12月に発売されたHGAW 1/144 GX-9900-DV ガンダムXディバイダーのレビューをご紹介します!
HGAW ガンダムXディバイダーは、『機動新世紀ガンダムX』に登場するMS『ガンダムXディバイダー』の1/144スケールモデルキットです。ガンダムX改修機の特徴的な形状を新規パーツを用いて再現。2基のMS用スラスターと6基の多連装ビーム砲を持つシールド『ディバイダー』が新規造形で再現されたキットになっています。ビームマシンガンやハイパー・バズーカといった武装も付属。価格は1,980円(税込み)です。
ベルティゴに破壊されたガンダムXを改修し、多機能兵装を詰め込んだシールド「ディバイダー」やビームマシンガンを装備した機体「ガンダムXディバイダー』がHGでキット化。2010年4月に発売されたHGAWガンダムXをベースに、背部バックパックやソードホルダー、エネルギータンクの他、ディバイダー、ビームマシンガン、ハイパーバズーカといった武装が新規造形で再現されています。
成型色はホワイトをベースにブルー、レッド、イエローを配色したガンダムカラーで、部分的にパープルを配色。ビームマシンガンやハイパーバズーカ、ディバイダーといった武装類はダークブルー成型色で、内部、関節はグレー成型色での再現となっています。
シールは頭部センサーや胸部、三角モールド、ディバイダーの一部を補うくらいで多くはありません。腹部ブレストバルカンやダクト内部などを塗り分ける必要がありますが、素組みでも十分な色分けが再現されています。
肩や足首、ディバイダーのグリップなど、一部の関節や強度が必要な箇所にはABSのパーツが使用されています。KPSは不使用。
ポリキャップはPC-001を多数使用します。関節強度はまずまず高め。背部にソードホルダーやエネルギータンクを持つバックパックを装備していますが、負荷はかからず自立は安定しています。
ディバイダー、ビームマシンガン、ハイパーバズーカ、ビームソード刃✕2、武器持ち手(右)、平手(左)が付属。
バックパックを外した状態で。本体形状はガンダムXと全く同じ。背部サテライトキャノンやシールドバスターライフル、ショルダーバルカンが省かれています。その他ブルー成型色がHGAWガンダムXよりも濃くなっています。
頭部は太めの4本アンテナが印象的なガンダムX特有のデザイン。左右のダクトはグレーに塗り分けが必要です。後部の一部は肉抜き穴。後頭部のセンサーもグリーンのシールでの色分けとなっています。
メット部は1個パーツ構成で合わせ目はなし。ツインアイや額のセンサーは赤いパーツにシールを貼っての再現です。
胸部はエアインテークなどが造形された定番のガンダムタイプ。ですが腹部にはガイドレーザー受信部や4門のブレストバルカンが造形されるなど個性も感じられます。ブレストバルカンはグレーに塗り分けが必要。エアインテーク内部は黒いシールでの色分けです。
腹部のガイドレーザー受信部はシルバーのシールを貼り、その上からクリアグリーンパーツを被せての再現です。シルバーシールが下地になっているのでグリーンが鮮やかな色味になっています。
腰部。腰部は比較的シンプルなデザインですが、サイドアーマーのダークブルーのラインが印象的に造形。リアアーマー中央の三角モールドはシールでの色分けです。フロントアーマー中央下部のダクト内部はグレーに塗り分けが必要。
腰アーマー裏は軽装でモールドはほとんどありません。股間部はボールジョイント接続。
腕部。モールドは比較的少なめながら、曲状の二の腕以下や前腕のラインモールドが印象的に造形。ショルダーアーマーも幅のあるものになっています。
二の腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は前後の組み合わせで側面に合わせ目ができます。肘から分離しないので、合わせ目を消す場合は後ハメなどが必要。
ショルダアーマーは前後の組み合わせですが、上部の合わせ目の一部は段落ちモールド化。ダークブルーのパーツを挟んだりグレーのスリットダクトが別パーツ化されていたりと作りはしっかりとしています。
脚部も曲状にデザインされ、表面には適度にモールドが造形。膝下側面のラインモールドも印象的にデザインされています。膝の三角モールドはシールでの色分けです。
大腿部は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化。膝から下は左右と前の組み合わせで、ふくらはぎの合わせ目は段落ちですが、裾のほうは合わせ目ができます。膝から分離するので、合わせ目消しはラクそう。
ソールもシンプルな作り。ですが脚裏はモールド入りの裏打ちパーツが造形され、肉抜き穴などはありません。脚甲のモールドはグレーに塗り分けが必要。
背部はバックパックを中心に、上部に2基のソードホルダー、下部に2本のエネルギータンクがX字状に造形されています。
バックパックはシンプルなデザイン。中央にはディバイダー用のジョイント穴が造形されています。
表面の装甲をはずずとガンダムXのバックパックが露出。サテライトキャノンやリフレクターを装備していた4基のジョイント穴がそのまま残されています。上部のジョイントは表面の装甲を被せるためオミット。下部のジョイントはエネルギータンク接続部になっています。上下左右には角型のダクトが造形。
バックパックは角型ダボ接続。他キットと共通ではないので、ダブルエックスなどのバックパックと組み替えたりすることは出来ないようです。
ソードホルダーはメカニカルに造形。左右の組み合わせで一部に合わせ目ができます。
ホルダー後部の装甲はホバリングモード用に展開可能。内部からダクトが露出します。ダクトは黒いシールでの色分け。
ソードホルダーからはソード柄が脱着可能。付属のビーム刃を組み付けることで大型ビームソードとして使用可能です。ソード柄は2個パーツ構成で適度にモールドが造形。一部をグレーなどに塗り分けが必要です。
ビーム刃は根元が棘状でビームの強さを感じさせるデザイン。サテライトキャノン用のコンデンサーや増幅器を改修、修繕して組み込むことで、一般的な同等品よりも強力なビームソードを生成可能とのこと。
エネルギータンクは比較的シンプルな形状で簡単なモールドが造形されているだけです。特に色分けもなし。
簡単な最中割で上下に合わせ目ができます。
基部が1軸接続で上下に可動します。
バックパックのジョイント部が可動するので、エネルギータンクを前後にスイングさせることができます。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。小柄で陸ジムと同サイズ程度です。ガンダムXディバイダーの全高は17.1mですが、少しオーバースケール気味か。
HGAWガンダムXが手元にないので、手持ちなところでHGAWガンダムダブルエックスと並べて。サイズは同じですが、ダブルエックスのほうは肩部や背部に存在感があります。
同シリーズとしてHGAWガンダムエアマスターとも並べて。
頭部は首が長くないので、少し上下する程度。左右へは多少顎が干渉しますが、真横にまでスイング可能です。
腕は水平より上まで上げることができます。肘は1重関節で90度より少し深くまで可動します。
肩は適度に前後スイングが可能。前方へはポリキャップが引き出せるので広めにスイングします。
腹部と腰のボールジョイントにより、上半身を適度に前後させることができます。
腰は干渉なく360度回転可能。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。
前後開脚はまずまず。フロントアーマーが柔軟に可動するので、前方へは広く展開させることができます。
膝は干渉しやすく、可動域はくの字程度までとなっています。膝関節は合わせ目が出来ないパーツ構成。膝装甲裏も裏打ちパーツが造形されています。
足首の可動は前後左右ともそれなり。左右は内側に少し広めに可動するようになっています。
股間部がボールジョイントで、左右への開脚はハの字より少し広めに展開。
内股、がに股ともに45度程度まで。
立膝はまずまずきれいな姿勢で再現することができました。
可動域の総括としては、そこまで広範囲に可動するわけではないですが、全体的にやや広めに可動します。小柄で細身でもあるので、干渉がなくポージングも柔軟に対応してくれそうですね。
ディバイダー。MA用スラスター2基と3連砲ユニットを6基内装する多連装ビーム砲にシールドを組み合わせた新武装になります。サテライトキャノンに代わる武装としてキッドが開発した新ユニットで、バックパックの改修と合わせ、ガンダムXの専用武装兼機動装備として開発されたとのこと。
表面のモールドは赤いシールでの色分けです。
背面もメカニカルに造形。
側面のMA用スラスターはポリキャップ接続で90度角度変更が可能。スラスターは左右の組み合わせで合わせ目ができます。
表面の装甲はグレー、一部ダクトは赤いシールでの色分けです。
グレーの羽状のそうっこうは90度程度角度変更が可能。裏面にはスリットモールドが造形されています。
左右のMA用スラスターを90度角度変更することでロックが外れ、シールドの表面パーツを分解することができます。
そして角度を変え、グレーの羽部分を展開して組み付けることで、多連装ビーム砲展開状態を再現することが可能です。
多連装ビーム砲の3連砲ユニットもメカニカルに造形。内部はビーム砲各種をグレーに、周りをホワイトに塗り分ける必要があります。
後部はグリップが残されていますが、グリップを握らせるには一旦シールドを分解し、ハンドパーツを組み付けてからシールドを組み合わせるようになります。
展開したディバイダーをバックパックにマウントさせることでホバリングモードに。
ビームマシンガン。2門のマズルとツインセンサー、トリプルチャンバーを装備する特殊なビームライフルになります。複数のユニットの部材を組み合わせることで、チャージと射出のサイクルを短縮し、機関砲のようなビームの連射を可能としているとのこと。
本体部分は最中割で上下に合わせ目ができます。一部モールドはグレーに塗り分けが必要。
ツインセンサーはグリーンのシールを貼っての色分け。
マズルやトリプルチャンバーを別パーツ化。マズルは簡易的ながら開口されています。
ハイパーバズーカ。ティファに導かれてフリーデンが辿り着いた海岸で、海の戦闘武装集団オルクを率いるドーサー一味との戦闘において使用されました。各種弾頭を運用することも可能とのこと。
簡易的な最中割で上下など各面に合わせ目ができます。グリップの可動ギミックなどはなし。
砲口は開口されています。
一通り武装して。
ビームマシンガンは武器持ち手で保持させます。トリガーに指を添えるようになっているので見た目はいいですね。軽装なので保持に不自由さはありません。
そのままでも十分ではありますが、若干首が回りにくいのと、背部エネルギータンクがもう少し幅広く可動するともっとかっこいいポーズが取れたかも。
ディバイダーはハンドパーツでグリップを握らせますが、手甲パーツもポロリしにくく、ディバイダーも見た目によらず軽量なので保持はし易いです。腕の関節強度が高いので垂れることもありません。
重量感があるので、シンプルに構えるだけでも十部にかっこよく見えますね。
ハイパーバズーカは通常のハンドパーツで保持します。グリップが可動しないので保持が少し難しめ。その他グリップとハンドパーツとの間に隙間があるので少しふらつくのと、バズーカのマガジンとショルダーアーマーが干渉して位置がずれるので担がせるのが難しかったりします。
グリップが可動しないため、脇に抱えるようなポーズも難しいです。付属しているのはありがたいですしポージングバリエーションも豊かにはなりますが、おまけ的な装備といってもいいかも。
6連装ビーム砲(通称ハモニカ砲)展開状態で。このキットの醍醐味で、迫力のある攻撃シーンを再現することができます。特に保持の難しさは無いですが、多少手首ボールジョイントが抜けやすいので注意です。
展開したディバイダーをバックパックにマウントさせ、ソードホルダー後部を展開してホバリングモードに。
空中戦や長距離移動するシーンなどを演出することができます。平手が付属するので、ハイパーバズーカの砲身を支えるようなポーズも再現可能。
大型ビームソードは通常の握り手で保持します。多少グリップとハンドパーツとの間に隙間がありますが、抜け落ちることはないので保持はラク。ポージングもラクにこなせます。クリアグリーン成型色パーツはブラックライトで照らすと発光。
クリアグリーンのソード刃が色鮮やか。背部にマウントしているディバイダーは干渉するとたまに外れることがあるので注意です。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。ガンダムX自体は通常版と同じですが、背部ユニットやディバイダーなどが新造されたことで重量感のあるキットに変化しています。ガンダムX本体は変わらず出来がよく、可動が柔軟でポージングし易いですし、合わせ目も少なく完成度の高いキットになっていますね。
気になる点はあまりないですが、できればハイパーバズーカのグリップが可動式だと、肩に担ぐポーズ、脇に抱えるポーズなどが再現出来て良かったかと。あと、ハンドパーツの手首ボールジョイントが少し抜けやすいので注意です。
ディバイダーは展開ギミックやビーム砲などもリアルに再現されていますし、背部マウントによるホバリングモードなど多彩な演出が可能。大型シールドが付属しているキットは保持が難しいことがありますが、このディバイダーにはそういった不安もなく安心してポージングを楽しむことができます。劇中再現度も高いですし、武装類も豊富に付属。安定したかっこよさで、長きに渡って愛されるのがわかるくらいの良キットですね。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。薄刃ですが強度が高く長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら
5 件のコメントがあります。
Nei
on 2022年8月31日 at 16:24 -
finally, it got reissued after a long long time
匿名
on 2022年8月31日 at 16:35 -
バズーカの説明んとこ、暖冬になってるっす。
nori
on 2022年8月31日 at 22:40 -
コメントありがとうございます!
ご指摘感謝ですm(_ _)m
修正しておきます;
ななしさん
on 2022年8月31日 at 22:20 -
ディバイダーのビームはハニカムじゃなくハモニカ砲ですえ
ハーモニカっぽい砲
nori
on 2022年8月31日 at 22:39 -
コメントありがとうございます!
ご指摘感謝ですm(_ _)m
間違えてますね;すみません;
修正しておきます;