今回は、HG 1/144 MD-0032 ディランザ(一般機/ラウダ専用機)のレビューをご紹介します!
HG ディランザ(一般機/ラウダ専用機)は、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場するMS『ディランザ(一般機/ラウダ専用機)』の1/144スケールモデルキットです。一般機とラウダ専用機が選択式で組み立て可能。ラウダ専用機の特徴的なアンテナや肩装甲、巨大なアックスを新規造形で再現。肩装甲へのビームトーチ格納やリアアーマーの開閉ギミックなどが再現されたキットになっています。価格は1,760円(税込み)です。
ベネリットグループ御三家の一つであるジェターク社が開発・製造し、テストやアスティカシア高等専門学園ジェターク寮の生徒たちの操縦などに使用されるMS『ディランザ』がHGでキット化。2022年10月に発売されたHG ディランザ (グエル専用機)をベースに、一般機とラウダ専用機の頭部、肩シールド、リアアーマーとバックパックの一部、大型ヒートアックスが新造。選択式で一般機とラウダ専用機が組み立て可能なキットになっています。
まずは一般機から。一般機は一本アンテナと左肩の小型シールドを装備した仕様になります。成型色はくすみのあるグリーンとダークグレーのツートンカラー。頭部にパープル、胸部にホワイトのパーツが使用されていますが、大部分は前述した成型色パーツで構成されています。
シールは頭部と肩シールドの一部、ビームライフルのセンサーを補うくらいで少なめ。大型ヒートアックス刃は好みでイエローに塗り分けます。それ以外に塗装が必要な箇所はなく、素組みで十分な色分けが再現されています。
ダークグレー成型色パーツにはKPSが使用されています。ABSは不使用。
ポリキャップも不使用。関節強度は高めです。脚底円形で特殊。ですが接地はしっかりとしていますし、負荷のかかるような装備もなく自立は安定しています。
大型ヒートアックス、ビームライフル、ビームトーチ(ビームトーチ刃、トーチ柄)が付属。
ラウダ専用機用の組み替え用パーツ(頭部アンテナ、肩部シールドパーツ(左右)、バックパック用のフィンパーツ)が付属します。
ラウダ専用機に組み替えて。ラウダ専用機は2又のアンテナと両肩の大型シールドを装備した仕様。両肩のシールドによって一般機よりも重厚なシルエットになっています。
一般機/ラウダ専用機の新造された箇所をグエル専用機と比較しながら各部を見ていきます。
一般機/ラウダ専用機の頭部をグエル専用機と比較して。グエル専用機はかなり華やかなアンテナになっていますが、一般機は最小限の1本アンテナ、ラウダ機は適度に強調された2又のアンテナになっています。
頭部ツインアイはパープルのパーツにシールを貼っての再現。メット部は上下の組み合わせで合わせ目はモールド化されています。裏面にはモールドが造形。
胸部の形状は一般機/ラウダ専用機、グエル専用機共に同じ。成型色は一般機/ラウダ専用機用に両肩の装甲がホワイト、腹部の装甲がパープル成型色になっています。胸元には2基のビームバルカンも造形。
肩パーツはボールジョイント接続で前方に幅広く展開させることができます。
腰部も前側は一般機/ラウダ専用機、グエル専用機共に同じです。ダクトモールドの入った厚みのある装甲が再現されています。
リアアーマーは左右の装甲が一般機/ラウダ専用機用に新造。グエル専用機に比べて軽装で下部のフィンがないタイプになります。
フロントアーマー、リアアーマー共に展開可能。
リアアーマーはグエル専用機と同様、左右装甲は角度が変更でき、脚部との干渉が避けられるようになっています。
腰アーマー裏はリアアーマー中央に裏打ちパーツが造形されていますがそれ以外は肉抜き。ですが脚部が太いのでリアアーマーの肉抜き穴はあまり見えないですし、深みがあるので裏打ちパーツは自作しやすそうです。
一般機/ラウダ専用機の右腕部をグエル専用機と並べて比較。二の腕以下の形状は各種とも同じですが、一般機の肩は非武装、ラウダ専用機は大型の円形シールド、グエル専用機はゴツゴツとしたスパイクシールドを装備しています。
二の腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化されています。軽装ながら程よいバランスで造形。
肘はヒンジ接続。パチンと組み合わせてパーツを被せる構造になっています。
肩アーマーの形状は一般機/ラウダ専用機、グエル専用機共に同じですが、一般機はシールドをマウントする箇所がマルイチモールドの新規パーツで蓋されています。側面のマウント部はロール可能。肩アーマー自体も上部に展開することができます。
ラウダ専用機の円形シールド。表面の装甲は1個パーツ構成で簡易的。表面のモールドも少なめです。ラインモールドは黒いシールでの色分け。裏面には付属のビームライフルやマガジン、ビームトーチがマウントできるホルダーが造形。
基部がパーツの組み合わせによってフレキシブルに可動するので、円形シールドを上下や前後、スイングなど自由に可動させることができます。
一般機/ラウダ専用機の左腕部をグエル専用機と並べて比較。一般機はコンパクトな縦長シールド、ラウダ専用機は右肩と同じ円形シールド、グエル専用機も右肩と同じくゴツみのあるスパイクシールドを装備しています。
一般機用のシールドは表面のモールドは少なめ。裏面の接続基部は円形シールドやグエル専用機のスパイクシールドと同じです。武器ホルダーも兼ねているのでビームトーチ柄やビームライフル、マガジンも収納することができます。
アームによって幅広く可動するのはラウダ専用機の円形シールドと同じ。
脚部形状は一般機/ラウダ専用機、グエル専用機各種とも同じ。肉厚でマッシブ感あるデザインで造形されています。
大腿部、膝から下共に前後の2個パーツ構成で側面に合わせ目ができます。膝がヒンジ接続で分離するため、合わせ目消しはラク。膝から下は後からバーニアパーツなどを組み合わせる構造で組み立てがかなりラクです。膝から下は側面の形状が左右脚で異なるので組み間違いに注意。(赤◯のモールドが外側に来ます。)
脚の付け根や足首の付け根は後からポコっとパーツをはめ込むタイプです。
ソール部も各種とも形状が同じ。円筒状の可愛らしいデザインになっています。足首は左右にスイングが可能。肉抜き穴は少し気になりますが、 脚部の装甲に隠れるのであまり目立ちません。
脚裏もモールド入りの裏打ちパーツで肉抜き穴などはありません。中央のバーニアに存在感がありますし全体的に丁寧な作りになっています。つま先も少し角度変更が可能。表情付けできるようになっています。
一般機/ラウダ専用機のバックパックをグエル専用機と並べて。基部形状は同じですが、一般機はシンプルなボックスタイプ、ラウダ専用機は1枚フィン、グエル専用機は大型の2枚フィンそう装備しています。
バックパック中央のスラスターはパープル成型色パーツでの色分けで、向こう側が開口しているのでパーツの脱着がラク。塗装派も安心です。
バックパックはHG水星の魔女シリーズ共通の2ダボ接続で、HGUCなど他キットのバックパックとの交換が可能です。バックパックは簡易的な構造で内側は肉抜き穴。ですがディランザ本体と組み合わせると肉抜き穴の殆どは隠れます。
一般機をHG ディランザ (グエル専用機)と並べて。グエル専用機は両肩の厚みのあるスパイクシールドや頭部の羽飾りで華やかさが強調されています。
ラウダ専用機をHG ディランザ (グエル専用機)と並べて。大まかな部分は同じですが、グエル専用機はラウダ専用機各部の存在感をより際立たせた感じになっています。
ラウダ専用機で他のHG水星の魔女シリーズキット(HGガンダムエアリアル、HGベギルベウ)とも並べて。カラーリングは比較的地味。大きさはどれも同じくらいです。
各部の可動域は以前レビューしたHGディランザ(グエル専用機)と全く同じ。腕はY字程度まで上げることができ、肘は2重関節で深くまで曲げることができます。肩にシールドを装備しても腕の可動域は同じです。
腰もどちらも360度回転出来ますし、膝も2重関節で装甲が干渉するまで深く曲げることができます。ただ、一般機/ラウダ専用機の方がリアアーマーが小柄ぶん、干渉することなく動かせるようでした。
左右への開脚幅も同じ。大腿部装甲が干渉するため、ハの字程度までの展開となります。足首が深くまで曲がるので接地は安定します。全体的に肉厚ですが、各部とも不自由が無いくらいに可動するのでポージングの自由度は高め。打突系のポーズなども問題なく再現できそうです。
可動域の詳細は以下のリンクからグエル専用機のレビューをご参考くださいm(_ _)m
ビームライフル。ジェターク社製のモビルスーツ用に開発された共通規格の携行火器になります。バースト射撃以外にも複数の射撃モードに対応しているとのこと。グエル専用機に付属しているものと同じです。成型色も同じ。
本体部分は簡易的なモナカ割で上下に合わせ目ができます。センサーはグリーンのシールでの色分け。
下部のマガジンは脱着が可能。マガジンは1個パーツ構成で合わせ目はありません。
一般機用の縦長シールド、ラウダ専用機の円形シールド共に裏面の武器ホルダーが同型なので、それぞれビームライフルとマガジンをマウントさせることができます。
大型ヒートアックス。ディランザのオプション兵装の一つで、ラウダが愛用する溶断兵器になります。重厚で巨大な刃はシールドとしても転用可能とのこと。この一般機/ラウダ専用機で新造された武装になります。攻撃時の上体を再現する場合、刃の部分は黄色く塗り分ける必要があります。
刃の表面には程よいデザインのモールドが造形。
簡易的なモナカ割ですが、合わせ目は刃の片側にできるようになっています。そのままモールドとしておいても良さそうではありますね。
柄の部分はシンプルな1個パーツ構成です。
ビームトーチ。ディランザ共通の近接装備で、幅広のビーム刃を形成する武装になります。こちらもグエル専用機に付属しているものと同じ。
柄の部分は1個パーツ構成でビーム刃は取り外し可能。
柄の部分は一般機用のシールド、グエル専用機の円形シールド裏にそれぞれ収納することができます。
一般機で簡単に武装して。
ビームライフルはグリップをそのままハンドパーツに差し込みます。トリガーに指を添えるようなタイプではないですが、ハンドパーツに隙間なく収まるのでふらつきもなく安定した保持が可能。向きが変わったり抜け落ちたりすることもありません。
可動が柔軟なので躍動感あるポーズも思いのまま。見た目によらずグリグリと動いてくれます。
足首が深くまで曲がるので、腰を落とした状態でのポーズも決まりやすいですし、接地が安定しているのでしっかりと自立させることができます。
ビームトーチもビームライフルと同様、ハンドパーツに隙間なく収まります。軽武装なので取り扱いもラク。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。
ビームトーチ刃はブラックライトで照らすと発光します。
ラウダ専用機で武装して。
大型ヒートアックスはただ構えるだけでもかなりの迫力。肩に可動ギミックがあるので、両手持ちもラクに保持させることができます。
柄が細身でハンドパーツとの間に少し隙間があるため、片手保持だとクルッと角度が変わりやすいです。重量があるので引っかかってスルッと移動したりすることは少ないですが、ポージング時に多少向きを調整する必要はありそうです。
ポロリなども殆どなく、劇中シーンもラクに再現可能。
両肩に円形のシールドを装備してるため、一般機とは違った重厚感を味わうことができます。左右両側のシールドに武器がマウント可能なのも、戦闘時の有利さが感じられていいですね。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。グエル機同様、ディランザ特有の肉厚な装甲によってポージングを派手に演出することができます。ただそれだけでなく、ミリタリー調のグリーンカラーで実戦的なスタイルになっているのがいいですね。一般機とラウダ専用機が再現できるのもお得感がありますし、どちらの形態も独自のかっこよさがあって楽しみが多いです。
気になる点はあまりないですが、大型ヒートアックスが片手保持だとクルッと角度が変わりやすかったりするので注意です。何かしら詰め物をして保持しやすくしておくのも手かと。
一般機は無駄のない機体形状で取り扱いやすいですし、ラウダ専用機は2又アンテナや肩の円形シールドによってポーズに重厚感を感じることができます。肉厚ながらも可動が柔軟なので思ったようなポーズが取りやすいですし、ドムのようなどっしりとした容姿が魅力的。劇中シーンの再現性も高く、ガンダムファラクトとの決闘シーンにも柔軟に対応できるキットになっているのがいいですね。
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