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HG ガンダムルブリスアノクタ レビュー

今回は、HG 1/144 ガンダムルブリスアノクタのレビューをご紹介します!

HG ガンダムルブリスアノクタは、公式外伝コミック『機動戦士ガンダム 水星の魔女 ヴァナディースハート』より、MS『ガンダムルブリスアノクタ』の1/144スケールモデルキットです。特徴的な機体外装を忠実に再現。導雷ブレード型ガンビット「ナルカミ」の他、放電エフェクトや付属の台座によって多彩な演出が可能なキットになっています。価格は2,090円(税込み)です。

ルブリスの派生機の一つで、「刀を操り雷を導く、青い機体」という伝えに準じた柔靭な動きを持つとされる機体『ガンダムルブリスアノクタ』がHGでキット化。

2022年8月に発売されたHGガンダムルブリスの外装パーツ、内部フレームパーツを流用しつつ、ガンダムルブリスアノクタの特徴的な武装や機体形状が再現されています。ちなみに「アノクタ」の由来は、不動明王の眷属である8人の童子の1人「阿耨多(あのくた)」とのこと。

成型色はブルーとライトグレーを基調に、内部や武装類などにブラックを配色。その他、各部シェルユニットがクリアブラック、頭部がオレンジ成型色での再現となっています。武装類やバックパックはダークグレー、エフェクトパーツやスタンドはクリアブルー成型色での再現。

シールは頭部センサーや腹部丸モールド、各部シェルユニットなどを補いますが多くはありません。一部モールドをオレンジなどに塗り分ける必要がありますが、素組みでも十分なくらいの色分けが再現されています。シェルユニットのシールは発光と非発光状態を選択することができます。

クリアパーツ以外はマットな質感のKPSっぽい素材が使用されています。

ポリキャップは不使用。全てパーツで構成され、関節強度はまずまず高め。背部に2基のビームガンとバックパックを装備していますが、軽量で特に負荷はかからず、自立は安定しています。

導雷ブレード型ガンビット「ナルカミ」✕2、帯電状態のナルカミ用エフェクトパーツ✕2、グレンゲ、放電エフェクト、ディスプレイ用スタンド、平手(左右)が付属。

HGガンダムルブリスとスタンドの余剰パーツがいくつか付属します。パーツが足りないのでガンダムルブリスとして組むことはできません。

ガンダムルブリスと比較しながら各部を見ていきます。

頭部をガンダムルブリスと並べて。丸みのある装甲など、似たところはありますが、全てルブリスアノクタ用に新造。少し厳つい雰囲気になっています。大小のアンテナやモールドの入ったマスクなども緻密に造形されています。

メット部は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は段差などでモールド化。ツインアイ、とさか前後のセンサー共にパーツで色分けされているため、今回はシェルユニット以外のシールは貼っていません。比較的小さいパーツが多いので、組み立て時は紛失に注意です。

額のシェルユニットにはスリット状のモールドが造形。シールを選択することで発光・非発光を表現することができます。画像右が非発光状態。

胸部・腹部をガンダムルブリスと並べて。どちらも丸型のモールドはありますが、上部シェルユニットや外装の形状が別物に変化。上部シェルユニットに数基のフィンが造形されるなど、少し荒い感じも表現されています。

胸部・腹部の内部フレームはガンダムルブリスと同じ。

首はボールジョイントで前後や左右に可動。肩もボールジョイント接続で、前方に広めに展開させることができます。

シェルユニットはシールの上からクリアブラックパーツを被せての再現ですが、モールドも造形されているため、塗装での色分けもできるようになっています。黒いシールを貼れば非発光状態も再現が可能。

腰部をガンダムルブリスと並べて。どちらもアーマーが小さく軽装。ただし基部パーツのみ流用で、外装類は全てルブリスアノクタ用に新造されています。

後部には縦長のリアアーマーを装備。

腰アーマー裏は表面モールドに沿った形と思いますが、見えても不自然さがないくらいのものになっています。

腕部をガンダムルブリスと並べて。上腕以下は同形状ですが、ショルダーアーマーが前面にシェルユニットがある装甲が新造。カラーリングも相まって少し別物感が出ています。

上腕、前腕ともに合わせ目ができないパーツ構成。

ショルダーアーマーも合わせ目ができないパーツ構成です。シェルユニットを含め、デザイン的に近未来的な雰囲気も。

前面のシェルユニットは胸部と同様、シールを貼っての再現ですが、モールドが造形されているので塗装での色分けも可能です。

ヒンジ接続で展開可能。

脚部をガンダムルブリスと並べて。青と黒の装甲部分はガンダムルブリスと同じですが、脚の付け根や膝装甲がルブリスアノクタ用に新造。膝は手前に突き出た装甲でワイルドさがあります。

脚部にはガンダムルブリスと同じ内部フレームが造形。新造された脚の付け根部分はデザイン性の高い作り。

大腿部は前後の組み合わせで側面に合わせ目ができます。内部フレームに外装を被せる仕様なので、合わせ目を消す場合は緻密な作業が必要。段落ちモールドを掘ったほうが良さそうです。膝から下は左右の組み合わせですが、後部の合わせ目は段落ちモールド化。

膝はヒンジ接続で、大腿部、膝下それぞれを組んでから組み合わせるという組立てやすさが考慮された構造になっています。

大腿部裏、膝ともにバーニアは簡単な1個パーツ構成。モールドも簡単なスリットのみがデザインされています。

ソール部は足首のブレーム部分のみガンダムルブリスからの流用で、その他は全て新造。かかとには円筒状のホバーユニットを装備するなどボリューム感があります。ホバーユニットは前後の組み合わせで側面に合わせ目ができますが、目立つところにあるのでちょっと気になるかも。

足裏はつま先側はモールド入りの裏打ちパーツがきっちりと造形されていますし、かかともファンのモールドがリアルにデザインされています。

つま先はボールジョイント接続でフレキシブルに可動。かかと側は1軸接続で幅広くロールさせることができます。

背部は左右にビームガンを持つバックパックが新造。

バックパック本体は簡単な前後の2個パーツ構成ですが、スリット状のスラスターが造形されるなどまとまりのあるデザインになっています。

アームは簡単な1個パーツ構成ですが、バックパック側、ビームガン側共にボールジョイント接続で可動が柔軟。

ビームガン。バックパックに接続されたビーム火器になります。ビーム・ライフルなどの携行火器が設定されていない本機にあって、通常の射撃武装として使用されるとのこと。携行しないぶん腕が自由に使えるのがメリット。

簡単なモナカ割で各面に合わせ目ができます。

ビームガンはアームによって上下から銃口を前方に向けることができます。銃口は少し浅めの開口なので、気になるならピンバイスでくり抜いて表面をビットで整えるなどすると良いかと。

バックパックはシンプルな2ダボ接続で幅はHGUCやHG水星の魔女シリーズと同じ。なので他キットのバックパックと交換するなどカスタマイズを楽しむことができます。ちなみにガンダムルブリスのバックパックは背部形状が異なるため装備することはできませんでした。

逆にガンダムルブリスにはルブリスアノクタのバックパックを装備させることができます。

HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。陸ジムとルプスレクスの中間くらいで特別大きくも小さくもありません。ルブリスアノクタの全高は18.2m。

HGガンダムルブリスと並べて。部分的に同じ形状の箇所はあるものの、各部が新造されたことでシルエットやカラーリングなどが細かく変化。別機体と思えるほどに違って見えます。

HGガンダムルブリスジウとも並べて。同作品の機体なので、この2体がどのように関わっていくのが気になりますね。

各部可動域をガンダムルブリスと比較して。頭部はガンダムルブリスよりも広く上下させることができます。左右へは少し干渉しますが、水平にまでスイング可能。

ショルダーアーマーの干渉が少ない分、腕はより高くまで上げることができますが、腹部の可動が制限されるため、上半身を反らす動きはガンダムルブリスよりも制限されます。肘は共にV字まで深く曲げることができます。

腰は干渉なく360度回転可能。膝は2重関節で深くまで曲げることができます。ソール部の形状が異なるため、少し干渉しますが、膝の曲げる角度は同じです。

足の付根が干渉するため、左右への開脚は制限されますが、それでも広めに開脚させることができます。足首は幅広く可動。つま先はガンダムルブリスよりも広く可動するため、接地性は十分に高いです。

可動域の総括としては、各部とも広く可動するので、ポージングの自由度はかなり高そうです。若干干渉するところはありますが、躍動感あるポーズも問題なく再現できそうので思ったようなポージングが楽しめそうですね。

導雷ブレード型ガンビット「ナルカミ」。導雷ブレード型ガンビットになります。「遠隔操作中の本装備と起電マニピュレーター間で断続的な放電現象を発生させる。機体各所から発生させるミストダクトから空気の誘電率を高める霧(ダイエレクトリックミストを周辺に放射すれば、電撃破壊効果をさらに工場させることが可能」とのこと。

刀身、鍔、柄の3個パーツ構成なので、塗り分けるとまた違った雰囲気になりそうです。

刀身部分は付属のエフェクトパーツに組み換え可能。放電されているような激しい刀身に変化し、刀身自体もクリアブルーで鮮やかに演出されています。

グレンゲ。ナルカミをマウントする防御兵装になります。ナルカミの抜刀時やマウントしたまま直接攻撃を行う際には基部の回転機能を使用するとのこと。簡単な2個パーツ構成ですが、モールドが細かく肉抜き穴などもないしっかりとした作りになっています。

グレンゲの内側には2本のナルカミを収納することができます。

グレンゲを装備して。

ナルカミは手甲パーツをバラしてハンドパーツに組み付けます。グリップとハンドパーツとの間に隙間はないので、ふらつくことなくしっかりと保持させることができます。手甲パーツも簡単にはバラけません。

可動が柔軟なのでかなり躍動感ある動きを付けることができます。

足裏のホバーユニットに存在感があるので、足裏を見せるようなポーズを取らせると印象的で良いですね。アクションベースはスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。

ナルカミの刀身を導電エフェクトに組み替えて。触れるだけでもスタンしそうですし、斬りつけると電流が流れそうな、攻撃的な雰囲気を持った武装なのが良いですね。

足首が深くまで曲がるので、深く腰を落とした状態でも自立させることができます。

グレンゲは1ダボで前腕に固定。適度な固定強度があるので簡単には外れません。

グレンゲを反転させることで、ナルカミをマウントしたまま、クローのように攻撃することも可能。

平手は手のひらに穴の空いたものが付属。付属の放電エフェクトが組み付け可能で、ナルカミの導雷状態を再現することができます。

放電エフェクトパーツの先端には導電エフェクト状態のナルカミを組み付けます。

放電エフェクトパーツはその名の通り、放電しているような刺々しいエフェクトになっています。クリアブルー成型色パーツはブラックライトで照らしても発光はしませんでした。

スタンドはHGのキットなどで偶に見られる円形底板のものが付属。放電エフェクトなどの軽量なものであれば、倒れることなくディスプレイさせることができます。

放電エフェクトは付属のスタンドを使用してディスプレイさせるようになっていますが、スタンドなしでも導雷状態を再現することができます。少しふらつく程度。

バックパックのビームガンを展開して。

腕に武器を持たせたまま射撃できるという効率のよい攻撃態勢を取ることができます。ボールジョイント接続で向きも適度に変えられるので表情がつきやすくて良いですね。

シェルユニットを非発光状態にして。静的な雰囲気が出ていい感じ。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。ブルーとライトグレーのカラーリングは落ち着きがありながらも、棘感のあるデザインで荒い雰囲気も併せ持つ粋なキットになっていますね。プロポーションも良いですし、かかとにはホバーユニットが造形されるなど、フットワークが軽そうな雰囲気もあって魅力的。

気になる点はほとんどないですが、ガンダムルブリスに比べて若干ですが固定強度が弱い気がしました。あくまでちょっとしたところなので、簡単にポーズを取らせて飾っておくには問題ないかと。

導雷・放電エフェクトによって特殊なポーズも楽しめますし、背部のビームガンも腕を塞ぐことなく攻撃できるという理にかなった構造。可動も柔軟でポージングの自由度が高いですし、完成度の高い水星の魔女シリーズらしい安定したキットになっていると思います。効率の良い攻撃ができるタイプとしても、個性的な武装を持った機体としても、ディスプレイシーンの演出で重宝しそうなキットなのが良いですね。

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