今回は、2007年10月に発売されたHGUC 1/144 MSN-03 ヤクト・ドーガ(ギュネイ・ガス専用機)のレビューをご紹介します!
HGUC ヤクト・ドーガ(ギュネイ・ガス専用機)は、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場するMS『ヤクト・ドーガ(ギュネイ・ガス専用機)』の1/144スケールモデルキットです。ヤクト・ドーガ特有の機体形状を新規造形で再現。肩バインダーのファンネルは着脱可能。付属エフェクトパーツによる射出シーンも再現可能なキットになっています。価格は2,420円(税込み)です。
ギラ・ドーガをベースとしたニュータイプ専用機で、ギュネイ・ガスが搭乗するネオ・ジオン軍の試作型モビルスーツ『ヤクト・ドーガ(ギュネイ・ガス専用機)』がHGUCでキット化。個性的な頭部や肩部バインダー(ファンネル・ポート・シールド)、厚みのある胴体部・脚部装甲などが新規造形で再現されています。
成型色は特徴的なブルーグリーンをベースに、各部にゴールド(イエロー)を配色。その他腹部にはレッド、内部、関節パーツにはメタリック調のダークグレー成型色パーツが使用されています。
シールは頭部とシールドのネオ・ジオンエンブレムを補うくらいでわずか。各部スラスター内部を赤や黒に塗り分ける必要がありますが、素組みでも十分なくらいの色分けが再現されています。
関節、内部パーツに一部にABSが使用されています。その他はPS素材による構成でKPSは不使用。
ポリキャップはPC-123プラスを全身各部に使用し、関節強度はかなり高め。特別負荷のかかる装備はなく、足底も広めで自立は安定しています。
ビーム・アサルトライフル、シールド、ビームサーベル刃(長、短)、ヒートナイフ刃、武器持ち手(右)、展開状態のファンネル✕6、
ファンネル展開用の軟式クリア棒✕2が付属。
頭部。ヤクト・ドーガ特有の個性的なデザインで造形されています。メット部は前後の組み合わせで合わせ目はなし。
モノアイスリット上部の目はシールでの再現です。モールドは入っていません。ギュネイ専用機なので頭頂部には指揮官機用のアンテナが造形されています。
表面の装甲を外すことでモノアイを左右に可動させることができます。ヤクト・ドーガの場合中央に装甲があってモノアイが隠れてしまうので、左右どちらかに配置しておくといいですね。
胸部・腹部はシンプルな厚みのある装甲で造形。適度にパーツで色分けされています。首元や腹部にはジオン系機らしい動力パイプが造形。
腰部もプレーンな装甲の組み合わせで造形されています。フロントアーマー中央はパーツによる色分けを再現。
リアアーマーは下部のスラスター内部を黒に、ふちを赤に塗り分けが必要です。
サイドアーマーの装甲は脱着可能。内部にはヒート・ナイフ付ビーム・サーベルが格納されています。下部のバーニア内部は赤く塗り分けが必要。
腰アーマー裏に裏打ちパーツはありませんが、各部にモールドが造形されるなど、見た目もよく仕上がっています。
腕部。部分的に動力パイプが露出するなど、メカニカルに造形されています。肩部バインダー(ファンネル・ポート・シールド)も印象的に造形。
腕部は肩部まで全体的にフレームが造形されています。
二の腕以下は内部フレームに外装を被せるような構造で合わせ目はありません。比較的細身。
ショルダーアーマーをバインダーを外した状態で。こちらも内部フレームに外装を被せる仕様で合わせ目はなし。前面のスラスターは内部を赤く塗り分ける必要があります。
肩部バインダー(ファンネル・ポート・シールド)。表裏の2枚パーツ構成ですが、裏面にはメカニカルなモールドが入っています。裏面のミサイル脱着ギミックはなし。バインダーのダクトはふちを赤く塗り分ける必要があります。
ファンネルは3基が連結しているため、個別に分離することはできません。前面のモールドを黒く塗り分ける必要があります。
脚部。ヤクト・ドーガ特有の曲状で起伏のあるデザインで造形されています。
脚部は大腿部の途中まで簡易的な内部フーレムが造形。
大腿部は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目はモールドっぽい組み合わせ。膝から下はグリーンの装甲が左右の組み合わせで膝に合わせ目ができます。後部の合わせ目は段落ちモールド化。各部の合わせ目を消す場合は後ハメなど複雑な改修が必要そうです。
ソール部もつま先にスラスターが造形されるなど個性的で厚みのあるデザイン。基部は左右の組み合わせで合わせ目ができます。ポリキャップ接続で少し上下に可動。
脚部スカート内部には1基のバーニアや裏面モールドが造形されています。バーニア内部は赤く塗り分けが必要。足裏はメカニカルなモールドが造形されています。肉抜き穴はなし。
バックパックはギラ・ドーガのものを継承したようなコンパクトなタイプ。
本体部は前後の組み合わせで上下に合わせ目ができます。上下のバーニア内部は赤く塗り分けが必要。
バックパックはポリキャップによる2ダボ接続。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。大型機の多い『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』登場機なのでキットも大型。ルプスレクスよりも大きめです。ヤクト・ドーガの全高は21.0m。
作品で戦闘を繰り広げたHGUC νガンダムと並べて。発売時期が近いこともあってデザイン的に組み合わせても全く違和感はないですね。
HGUCジェガンと並べて。こちらも発売時期が1年ほどしか違わないので特に違和感はなさそうです。
RG νガンダムと並べて。RGが緻密でメカニカルにデザインされているため、プレーンなヤクト・ドーガと並べると少し違和感がありそうです。
頭部の可動は、顎引きは殆どできませんが、首が可動するので幅広く見上げる動きが可能です。左右へは襟が干渉しやすいですが、うまく交わすことで一応水平までスイングが可能です。
腕は肩のバインダーが干渉するため、上げる角度は45度程度まで。肘は90度程度曲げることが可能です。
肩は少し前後にスイングします。
上半身はわずかに前後する程度なので画像は省きました。
腰は干渉なく360度回転可能。股間部のカバーパーツを外してポリキャップ穴を露出。3.0mm軸を差し込んでのディスプレイとなります。
前後開脚は、フロントアーマーが広く展開するので、前方へは広めに展開します。後方はリアアーマーが可動しないのでそれなり。
膝はくの字程度まで曲げることができます。膝の構造もしっかりとした作り。
脚部スカートアーマーが干渉するため、足首の可動は前後左右ともそれなりです。
左右への開脚はハの字程度まで。これ以上にも開きますが、重量で垂れることがあります。
内股、がに股は共に45度程度まで展開。
脚部スカートアーマーが幅広く、接地が不安定なため立膝は難しいようでした。画像も省いています。
可動域の総括としては、各部装甲の干渉などによって可動が制限されやすく、全体的な可動域としてはやや狭め。なのでダイナミックなポージングは難しいところがありますね。ただ、造形美があるので素立ちでも十分様になりますし、それなりのポーズでも演出はできそうです。
ビーム・アサルトライフル。ギュネイ機専用のビームライフルになります。突撃銃としての能力を持たせ、威力は標準的ながらも軽量かつ取り回しに優れるとのこと。銃身上部のセンサー横にはグレネード・ランチャーが造形されています。
本体部分は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。マガジンの脱着ギミックはありません。
上部や銃口下部のセンサー内部は赤く塗り分けが必要。後部のフックは可動式です。
シールド。円形のラウンドシールド型の実体盾になります。メガ粒子砲内蔵タイプ。表面にはネオ・ジオンのエンブレムがモールド化され、シールを貼っての色分けです。表面の4基メガ粒子砲口は赤く塗り分けが必要。
展開状態のファンネル。小さいながらも羽の展開状態などが細かく造形されています。砲口を黒く塗り分けが必要。
軟式クリア棒。透明なプラ素材の筒型棒になります。説明書では3等分にカットし、適度に曲げて使用するようになっています。1本が20cmなので、1本あたり6.6cm程度にカットすると3等分できるかと。
バインダー(ファンネル・ポート・シールド)のファンネルを取り外し、軟式クリア棒と展開状態のファンネルを組み付けることで、ファンネル射出状態を再現することができます。
一通り武装して。
ライフルの後部が長いので、前腕の干渉を避けつつ脇に抱えるように保持します。
肩のバインダーが干渉しやすく、腕を上げる角度は制限されますが、射撃ポーズなどは割りと柔軟に対応してくれます。腰がしっかりと回せるのは大きいですね。
シールドは前腕にダボ固定しますが、固定強度があまり高くなく、外れやすいので注意が必要です。肩のバインダーとも干渉しやすいので、うまく避けるように配置させます。
ヒート・ナイフ付ビーム・サーベルにヒートナイフの刀身のみを組み付けて。
握り手でグリップを挟んで保持させますが、ダボ固定ではなく少し隙間があるので若干ふらつくところがあります。ですが特に抜け落ちることはないので問題はないかと。ストレスもありません。
ビームサーベル刃は長短でチョイスが可能。クリアイエロー成型色の平型タイプです。(一部画像ではコの字パーツを使ってディスプレイさせていますがご了承くださいm(_ _)m)
肩のバインダーに軟式クリア棒と展開状態を組み付けてファンネル射出状態に。
軟式クリア棒、ファンネル共にしっかりと固定されるので、特にポロリなどのストレスはありません。
市販されているスタンドなど使ってファンネルの展開を表現したいところですが、ファンネルが3.0mm軸に対応していないので手持ちのスタンドは使用できないようでした。
適当に何枚かどうぞ。
重厚感あるシルエットで造形美が感じられますね。
以上です。ヤクト・ドーガ特有の機体形状がうまく再現されていますし、重厚感あるフォルムながらもプロポーションバランスも良く仕上がっています。造形美が感じられるデザインで素立ちですらかっこよく見えますし、発売から15年経ちながらも色褪せない味や良さがありますね。
気になる点は、シールドがやや外れやすいのと、肩のバインダーと干渉しやすいので注意が必要です。
武装類は程よく付属していてポージングバリエーションも豊富ですし、ポージングの幅は制限されるものの、ファンネルの射出状態も再現可能です。劇中シーンの再現性も高いですし、レトロな雰囲気も併せ持つ、懐かしさや感慨深さといった様々な思いを感じさせてくれるキットなのがいいですね。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。(一度切りです。)切れ味はもちろん優秀。薄刃ですが強度が高く長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら