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HGUC RX-93 νガンダム レビュー

今回は、2008年3月に発売されたHGUC 1/144 RX-93 νガンダムのレビューをご紹介します!

HGUC RX-93 νガンダムは、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場するMS『RX-93 νガンダム』の1/144スケールモデルキットです。合わせ目ができなり本体パーツ構成により、組み上がり状態の完成度が向上。バーニア、アポジモーター等のメカディテールが精密に再現されたキットになっています。ビーム・ライフル、シールド、ニュー・ハイパーバズーカといった武装類も付属。価格は2,700円(税込み)です。

アムロ・レイが直接設計に関与した専用機がキット化。6枚の遠隔操作式ビーム砲「フィン・ファンネル」を装備したアンシンメトリーなフォルムが特徴的なキットになっています。

成型色はネイビーに近いダークグレーに、ガンダム定番のホワイトの組み合わせ。関節類はメタリックダークブラウン成型色のABSパーツでプレミア感がありますね。ダクト類のイエローはパーツによって色分けされていますが、ファンネルの一部やつま先など部分的にシールで補います。

ポリキャップはPC-132Aを使用し、すべて使い切ります。全体に多数のポリキャップを使うので、各部関節の強度は安定しています。背面に連結したフィン・ファンネルを装備しているので若干後方に倒れやすいですが、1/144サイズで軽量なこともあってそこまで負担はなく、自立は可能です。

ファンネルを外した状態で各部を見ていきます。まずは外した状態で全身から。全体的にモールドは少なめ。きれいにまとまっています。

頭部。シャープな4本アンテナを装備した、かなりのイケメンフェイス。シンプルな色分けになっています。バルカンや頬のダクトなどは塗り分けが必要です。

とさか前後のセンサーはシールでの色分け。頭部はフェイスとメットパーツの組み合わせで、合わせ目が出来ない構造になっています。

胸部、腹部。MGのVer.Kaに比べて若干ボリューム感がある感じ。エアインテークやコックピットハッチ、白い部分など細かくパーツで色分けされています。左胸のセンサーはグリーンのシールでの色分け。胸部や腹部は側面の合わせ目は段落ちモールド化されています。

腰部。比較的モールドが少なめでプレーンな造形。中央は赤いパーツで色分けされていますが、V字は黄色いシールでの色分けです。リアアーマーもパーツで色分けされています。リアやサイドアーマーのダクトは黄色く塗り分けが必要です。

腰アーマー裏に裏打ちパーツはないですが、モールドが造形されています。股間部はボールジョイント接続。股間部はパーツを外すことでポリキャップ穴が露出。アクションベースにディスプレイが可能です。

腕部。モールドは少なくシンプルですが、部分的にきっちりとパーツで色分けされています。

二の腕は筒型、前腕は左右挟み込みタイプですが、合わせ目は端でモールド化されています。特別合わせ目が出るような構造にはなっていないので、素組みでも十分な仕上がり。ハンドパーツは穴のない通常の握り手が付属しています。前腕側面のアポジモールドは塗り分けが必要です。

右の前腕にはサーベルホルダーが造形されていて、適度にパーツで色分けされています。

装甲をスライドさせ、サーベル柄を浮かせることで脱着が可能。HGでもしっかりとしたギミックを持っています。

ショルダーアーマーは挟み込みタイプですが、合わせ目は端でモールド化されています。側面の黄色いダクト周りにちょっとした合わせ目が出るくらい。ダクトも別パーツでの色分けで、内部は黒く塗り分けが必要です。

脚部。スリムでモールドも少なめに造形されています。ふくらはぎ全面のダクトは黄色く塗り分けが必要です。

内部はフレームっぽい造形もあり、他のキットとは違った少し特殊な構造になっています。

パーツの組み合わせが秀逸で、ほぼ合わせ目ができないような構造。大腿部や膝下の側面に合わせ目はできますが、モールドとしても問題ないかも。

後部のカバーはポリキャップ接続で適度に可動します。内部のバーニアも縦型のスリットモールド入り。

ソール部もなかなかの作り。爪先は黄色いシールでの色分けです。足裏も別パーツで蓋がされ、細かなモールドが入っています。つま先とかかとに若干の肉抜き穴があります。爪の可動ギミックはありませんでした。

くるぶしのユニットはポリキャップ接続で少し可動します。

バックパックは左右2ラインでの造形。複数パーツの組み合わせで合わせ目はモールド化されています。

バックパックは2ダボ+角型ラインダボ接続。固定強度はかなり高めなので、脱着は少し力が必要です。破損にはご注意を。

上部は左にフィン・ファンネルマウント基部、右にサーベルホルダーが造形されています。バックパック中央のニューハイパー・バズーカストックは適度に可動します。下部のバーニアは別パーツでの色分けで、可動ギミックはありません。内側には縦型のスリットモールドあり。

サーベル柄は鍔の部分が展開。ビームサーベル刃の取り付けが可能です。グリップエンドのビーム刃も付属。

フィン・ファンネル。HGですが精巧に作られています。色分けもまずまず。ファンネル同士の組み合わせ強度は高く、簡単にポロリしたり、外れたりすることは一切ありません。バラすときに破損しそうなくらいしっかりと組み合わさっています。

中央のダクトなどはパーツによる色分けですが、接続部付近のイエローはシールでの色分けです。

裏面には特徴的な網目状のモールドもきっちりと入っています。

左右に爪があり、内部に収納されているマウント口を展開させることで他のフィン・ファンネルとの連結が可能になっています。

裏面には中央に2ラインダボ、上下に2ラインダボ穴があるので、折り曲げたときにしっかりと固定されるようになっています。側面にも縦長のダボがあり、他のフィン・ファンネルとの連結強度も高くなるようにしてあります。

さらにファンネルは裏面に2枚ずつ1線、2線、3線のモールドが造形されていて、何番目のファンネルかわかりやすいようになっています。組み間違いがなくなるのでいいですね。

そしてさらにさらに、ファンネルをバックパックと接続するときは、縦に差し込んで下部にスライド固定させるので、保持力も高くなるように配慮されています。この小さいスケールキットのファンネルに、ギミックが分だんに盛り込まれています。

HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べて。νガンダムが大型なので、だいぶ頭頂高や全高に差があります。ちなみにνガンダムの頭頂高は22m、全高は24.2mです。フィン・ファンネルを装備した高さは確認できませんでした。

HGUCサザビーが手元にないので、RGサザビーと並べてみました。合わなくもないかもしれませんが、さすがに情報密度が違うのでRGνガンダムと組み合わせるのがいいでしょうね。

MGνガンダムVer.Ka(HWSのνガンダム)とサイズを合わせて比較。情報密度は全く違いますが、Ver.Kaはファンネルがポロポロと外れやすいのが玉に瑕。ファンネル位置も安定しにくいので、少したるんだようになっています。

頭部はかなり広くまで可動します。ここまで広いガンプラはあまりないですね。頬の装甲が襟と干渉するので、左右への可動は少し浮き気味になります。

腕は真上にまで上げることができます。ショルダーアーマーの干渉もほとんどありません。肘は90度より少し曲がる程度。

肩は前後とも同じくらいのスイング幅。あまり広くはないようです。

腹部があまり可動しないので、上半身の前後スイングはわずかに反らせる程度。

腰は少し浮かせるようにすれば360度回転が可能です。ポリキャップ接続なので、アクションベースへのディスプレイは安定しています。

フロントアーマーの広い可動により、前方への開脚は広めに展開可能です。リアアーマーは動きませんが、後方へも適度に開脚可能です。

膝は「くの字」よりも少し深めに曲がります。膝パーツには可動しないシャフトシリンダーが造形されています。お好みで塗り分けてもいいですね。

足首はまずまず広めに前後可動します。左右へはあまり広く可動せず、脚部装甲なりの可動となります。

股間部がボールジョイント接続なので、左右への開脚はハの字程度まで。

内股、ガニ股は共に45度程度まで可動。

立膝も安定した姿勢での再現は難しいようです。

可動域の総括としては、さすがに現代のキットの可動域に比べると物足りなさはありますが、頭部や肩部の上下可動などは広いですし、全体的にポリキャップが効いているからか取り扱いやすいです。サクサクポージングができるキットですね。

シールド、ニュー・ハイパー・バズーカ、ビーム・ライフル、シールドマウントパーツ、ビームサーベル刃(曲刀状刃、末端刃)、予備ビームサーベル刃、武器持ち手(右)、平手(左)、握り手(穴あり:右)が付属。

フィン・ファンネルマウント基部が余剰で付属。このキットを2体用意すれば、ダブルフィンファンネルとして装備が可能です。アムロ・レイのパーソナルマークがマーキングシールで付属します。

シールド。シンプルな造形ですが、裏面にはモールドがありますし、先端のミサイルは別パーツで色分けされています。

ニュー・ハイパー・バズーカ。砲身など、全体的に左右挟み込みタイプで合わせ目ができます。

砲口周りやセンサーなどは塗り分けが必要です。後部の弾頭は赤いパーツでの色分け。

グリップは可動式。砲身の伸縮ギミックはありません。

ニュー・ハイパー・バズーカはバックパック中央部にマウント可能。スライド固定されるので、外れてポロリすることはありません。マウント部が可動するので、取り付けたバズーカを可動させることができます。

ビーム・ライフル。白い部分はモナカ割ですが、上部にグレーパーツを取り付けるので、合わせ目は下部だけになっています。

一通り武装して。かなりの重武装になります。ファンネルもあって多少後方に倒れやすくはありますが、自立は出来ています。

ビーム・ライフルは武器持ち手にしっかりとダボ固定されるので保持は安定。特に前腕との干渉もないですね。

シールドはマウントパーツを前腕にカチッと固定しての保持。マウントパーツも特別外れやすくはないですね。シールドがファンネルと干渉しやすいので、ポージング時は注意です。

首がしっかりと起こせるので、飛行ポーズも前を向いたようなスタイルでのディスプレイが可能です。

各部ともそれほど柔軟に可動するわけではないですが、アシンメトリーのファンネルなどがいい味を出していますし、ちょっとしたポーズでもかっこよさを感じます。

ニュー・ハイパー・バズーカもグリップにダボがあるので、持ち手でしっかりと保持が可能です。後部のマガジンラックがバックパックや肩と干渉しやすいので、構えるときは少し気を使いそうです。あと、砲身の伸縮ギミックがあると迫力がでてよかったなぁと。バズーカを脇に抱えるのは難しいようでした。

ビームサーベルはダボ固定ではないので、少しふらつくことがあります。柄とハンドパーツとの隙間がそれほどないので、抜け落ちることはないかと。

予備ビームサーベルもダボ固定ではないですが、抜け落ちることはなかったです。左の持ち手(穴あき)がないので、両ビームサーベルとも両手持ちはできないですね。平手を添える程度になりそうです。

ファンネルは3.0mmなどの穴がないため、ディスプレイには不向きです。ですがコの字パーツで挟んだりすると、なんとか射出状態の再現ができそうです。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。最新のνガンダムに比べるとどうしてもプロポーションや造形には若干の古さを感じるところもあるかもしれませんが、合わせ目が出来ない各部構造や組み合わせ構造などはかなり優秀で申し分ない出来だと思います。特にファンネルが素晴らしく、当時の開発に対する熱意が感じられますね。

関節強度も高めでファンネルを装備してもヘタれることがないですし、ファンネルも固定強度が高く安心してキットを取り扱うことができます。関節がメタリック成型色になっているのもいいですね。

何気ないアシンメトリーがνガンダムの特徴でもありますし、それがいい味を出しています。かっこよさでも間違いのないキットで、全ガンダム大投票でも第1位を獲得した機体としてふさわしい、完成度の高いガンプラとして楽しめますね。

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