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HG レイダーガンダム レビュー

今回は、2012年1月に発売されたHG 1/144 R10 GAT-X370 レイダーガンダムのレビューをご紹介します!

HG レイダーガンダムは、『機動戦士ガンダムSEED 』に登場するMS『GAT-X370 レイダーガンダム』の1/144スケールモデルキットです。高出力エネルギー砲を持つ頭部やウイング付きバックパックといった特徴的な機体形状を新規造形で再現。背部ウイングの展開により、飛行形態への変形が可能なキットになっています。破砕球『ミョルニル』や2連装52mm超高初速防盾砲といった武装類も付属。価格は1,650円(税込み)です。

地球連合軍が開発した後期GAT-Xシリーズの1機で、クロト・ブエルが搭乗し、オーブ解放作戦からカラミティ、フォビドゥンと共に実戦投入された機体『レイダーガンダム』がHG SEEDでキット化。「レイダー」は英語で「襲撃者・侵入者」という意味。

2003年11月に発売されたHG レイダーガンダム(旧版)をベースに、成型色が変更され、専用のマーキングシールが付属したリニューアル版になります。旧版にはなかったアクションベースを使用してのディスプレイも可能となっています。

成型色は全身のブラックをベースに、肩部や脚部バーニア、背部のMA機首やウイングなどにレッドを配色。その他頭部アンテナや胸部エアインテークにはイエローが配色されています。関節や内部パーツなどはメタリックグレー成型色での再現。機動戦士ガンダムSEEDのHDリマスター版に合わせたカラーリングで再現されています。

シールは頭部ツインアイやとさか、センサー、肩部装甲、背部ウイングを補いますが多くはありません。大きさがあるのでその分、広範囲を色分けするようになります。

メタリックグレー成型色の関節や内部パーツにはABSが使用されています。KPSは不使用。

ポリキャップはPC-123プラスを関節各部に使用し、関節強度はまずまず高め。背部にMA形態用の機首やウイングを持つバックパックを装備していますが、後方への負荷は少なく、自立は安定しています。

破砕球「ミョルニル」(リード線、ジョイントパーツ付き)、2連装52mm超高初速防盾砲、M2M3 76mm機関砲パーツ(左右)が付属。

リニューアル版フォビドゥン、カラミティと共通のマーキングシールが付属。地球連合軍のマークやフェイズシフト装甲、第8機動艦隊アークエンジェル、ストライクガンダム(X105)、カラミティ(X131)、フォビドゥン(X252)、レイダー(X370)の形式番号などが収録されています。

頭部。左右に伸びる4本アンテナや口元の100mmエネルギー砲「ツォーン」といったヒール感あるデザインで造形されています。ツォーンは『怒り』という意味のドイツ語で、近距離用射撃のエネルギービーム砲になります。中央をグレーに塗り分けが必要。額のセンサーはグリーンのシールでの色分けです。

メット部は前後の組み合わせで頭頂部から側頭部にかけて合わせ目ができます。消す場合は後ハメが必要。とさかの装甲は赤いシールでの色分け。

胸部はエアインテークや腹部などが色分けされた比較的ベーシックなガンダムタイプですが、エアインテークは1枚スリットで黄色いパーツでの色分けとなっています。襟や腹部などもパーツで細かく色分けされています。

腰部もそれほど派手なデザインではないですが、中央上部やフロントアーマー下部の丸ダクトはふちを赤に塗り分ける必要があります。黒成型色でムラができやすいので、塗り分け時は下地塗装したほうが良さそうですね。

腰アーマー裏にモールドはなし。表面の形状に合わせたプレーンなデザインで裏打ちパーツが自作しやすそうです。

両サイドアーマーには大型クローユニットを装備。基部やアーム、クローの爪各部がパーツで細かく色分けされています。このあたりも、ヒール感が感じられるデザインになっていますね。

アームの各部が細かく可動し、大型クローを前方に展開可能。

アームは各部とも左右の組み合わせで合わせ目ができます。同一成型色なので、合わせ目を消してから塗装すればいいので処理はラクそう。黒成型色の基部は合わせ目ができない組み合わせです。

大型クローの中央には短距離プラズマ砲「アフラマズダ」が造形。ビーム口が1本の簡易的な作りですが、攻撃シーンを演出するには十分です。

爪はモナカ割で合わせ目ができますが、爪だけ分解できるので合わせ目消しはラクそうです。

大型クローは上下に開閉可能。表情を変化させることができます。

クローとアームとの接続部は上下へのスイングやロールが可能。ただし無理にロールさせると左右で挟み込むアームパーツが開きやすく、クロー部分が抜けやすいので注意です。

腕部。二の腕以下はHG SEEDでよく見られるエッジの効いたベーシックデザインですが、ショルダーアーマーは幅広の装甲が再現されています。

二の腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。肘から分離するので、合わせ目消しはラクそうです。

ショルダーアーマーは前後の組み合わせで上部に合わせ目ができます。肩内部の合わせ目消しはラクですが、ショルダーアーマー自体は肩内部パーツを挟むので後ハメなどが必要そうです。ショルダーマー前面の凸装甲は赤いシールでの色分け。後面は赤く塗り分ける必要があります。

ショルダーアーマーには裏打ちパーツが造形。右左肩共に形状は殆ど同じですが、左肩はMA形態時に2連装52mm超高初速防盾砲をマウントするため、ポリキャップが埋め込まれています。

脚部。派手さはないですが、曲状の装甲や下部の大型バーニアが目を引きます。

大腿部、膝から下共に左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。膝が分離しないので、合わせ目を消す場合は高度な後ハメをするか、シンプルに段落ちモールド化することになりそうです。

下部のバーニアは特に可動ギミックはなし。内部を黒く塗り分ける必要があります。

ソール部。コンパクトですが、各部ともシャープでエッジの効いたデザイン。基部はポリキャップを挟んでのモナカ割なので中央に合わせ目ができます。分解可能で合わせ目消しはラク。

足裏はつま先側にモールド入りの裏打ちパーツが造形されています。MA形態時に見える部分なので、肉抜き穴がないのはいいですね。つま先は変形用に角度変更が可能です。

背部にはMA形態時の機首やウイングとして機能するバックパックを装備。レッドとブラックのカラーリングで存在感があります。

機首部分は各部がパーツで細かく色分けされています。

黒い装甲を展開すると内部からM417 80mm機関砲が露出。M417 80mm機関砲は上下に可動し、射撃時にちょっとした表情を付けることができます。

ウイングは各部とも2枚で挟み込む構造で側面に合わせ目ができます。ただし赤い装甲部分をシールで色分けするため、合わせ目は隠れます。

内側は角型ダクトの連なりで、合わせ目は端でモールド化。

ウイングはMA形態用に展開可能。少し引き出してから、赤◯が水平になる位置まで展開します。内部のストッパーが薄いため、強引に引き出すと抜けてしまう場合があるので注意です。

後部バーニアは適度に凸のスリットモールドが造形。内部を黒く塗り分ける必要があります。バーニア内部を塗り分けるだけでも後面からの見え方が変わってきます。

バックパックは大小3本軸での接続で他キットとのバックパック交換はできません。固定強度はそこまで強くはないので脱着は難しくありません。

ウイング基部はヒンジ接続で90度程度角度変更が可能。

HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。ショルダーアーマーや背部ウイングに存在感がありますが、並べると陸ジムよりも小柄です。レイダーガンダムの全高は17.94m。

HGカラミティガンダムHGフォビドゥンガンダムと並べて。HG SEEDはブーステッドマンの3機が揃っているので、組み合わせてディスプレイさせるなどの楽しみがあるのが良いですね。

HGCEフリーダムガンダムと並べて。大きさに頭一つ分の差がありますが、プロポーションや細部の作り、構造などがかなり違っています。

ついでにレイダーガンダムに引導を渡したHGデュエルガンダムアサルトシュラウドHGバスターガンダムとも並べて。

頭部の可動は、顎引きは干渉して殆どできませんが、45度程度見上げることができます。左右へも襟と顎が干渉しますが、少し浮かせることで水平にまでスイング可能。アンテナが背部の機首部分と干渉しやすいので注意です。

腕はショルダーアーマーの可動に関係なく水平程度まで上がります。肘は1重関節で90度程度曲がります。

肩側からの軸接続で可動ギミックはなく、肩の前後スイングはありません。画像は省きました。胸部や腹部に可動ギミックがないため、上半身の前後スイングもありません。こちらも画像は省いています。

背部のウイングや大型クローが干渉するため、腰の回転は45度程度まで。アクションベースやスタンドへは、縦長ダボのジョイントパーツを使用してのディスプレイとなります。

前後開脚は、フロントアーマーが広く可動するので水平程度まで展開可能。後方はリアアーマーが可動しないので干渉してそれなりです。

膝は2重関節ですが、外装が干渉するので90度程度まで。膝関節パーツは合わせ目ができないパーツ構成です。

足首は前後に幅広くスイング可能。

股間部がボールジョイント接続なので、左右への開脚はハの字程度まで。

内股、がに股共に45度程度までとなります。

立膝は深くまで曲がりますが、背部ウイングが突っ張るのできれいな姿勢で再現するのは少し難しいようでした。

可動域の総括としては、HG SEEDのフォーマットなりに各部ともまずまず可動します。なので後は背部ウイングや大柄クローの干渉を受けずにどれくらい動かせるかってところかと。少し腰のひねりが制限されるのは気になりますが、ある程度のポーズは取れるのかなと思います。

2連装52mm超高初速防盾砲。優れた速射性能を持つ2連装砲とシールドが一体となった複合武装です。合わせ目のできないパーツ構成。センサーをグリーンに塗り分ける以外、特に色分けは不要ですが、ダークグレーに塗装すると重厚感が出そうです。

2門の銃口は開口。

前腕にポリキャップ接続することで装備可能です。接続時はダボが前後に移動しやすいため、うまくポリキャップ穴に合わせて差し込む必要があります。

裏面のグリップを展開することで、ハンドパーツで保持させることができます。その際に前腕のダボも内部に収納されます。

破砕球「ミョルニル」。近接戦闘用のスパイク付き鉄球で、高分子ワイヤーを使用し、敵機に向かって投げ放ってぶつけることで攻撃する武装になります。鉄球とグリップがリード線とジョイントパーツによって接続された状態。

鉄球は内部にポリキャップやジョイントパーツを挟んで組み合わせる構造で側面に合わせ目ができます。

グリップは1個パーツ構成で、リード線を交えたジョイントパーツに接続。

鉄球とグリップのみを組み合わせることで、ワイヤーを巻き取った形態での保持が可能です。

MA形態時に携行できるよう、腰部にマウント可能となっています。

一通り武装して。

2連装52mm超高初速防盾砲は前腕にマウントしているため、特にポロリなどなくポーズを取らせることができます。多少ショルダーアーマーとシールド部分が干渉し易いですが、ポージングにそれほど不自由さはないですね。

シールドも兼ねているので、レイダーガンダムの半身を覆う程度の防御シーンを再現することができます。干渉箇所が多いため、どうしてもぎこちないところがありますが、背部ウイングや武装類によってある程度ポーズに迫力は出ますね。

グリップを展開してハンドパーツで保持。ハンドパーツを分解しなくても、そのままグリップを差し込むだけで保持ができます。遊びがあって少しふらつきますが、落ち着く箇所があるので、その位置でうまく構えさせることができます。

ミョルニルはグリップを分解してハンドパーツに握らせます。少し隙間がありますが、角度が変わることなく保持させることができます。

リード線を組み付けて、鉄球の射出シーンを再現。鉄球に重量があるので、リード線の強度だけでディスプレイさせるのは難しいですが、腰部への接続ダボにアクションベースなどのジョイントパーツを組み合わせることで、単体でのディスプレイが可能です。

大型クローを展開した状態での攻撃シーンを再現。特に劇中では再現されておらず、説明書に記載もないですが、展開することでなかなか迫力のある攻撃シーンを演出することができます。(書籍ではこれを展開したイラストが見られたとのこと。)

MA形態への変形は、ショルダーアーマーを下げてウイングを展開。頭部を45度上向きにします。展開したウイングは後方に向けて干渉しないようにしておきます。

大型クローを前方に展開し、脚部をS字に。つま先も伸ばしておきます。

両肩の前方にM2M3 76mm機関砲パーツを組み付けます。

そしてウイングを元の位置に戻し、左のショルダーアーマーに2連装52mm超高初速防盾砲、腰部にミョルニルを組み付けたらMA形態への変形完了です。

MA形態。大気圏内での飛行を想定した姿で、大型の主翼を持つ猛禽型の飛行形態になります。もちろん宇宙空間での戦闘も可能。

MA形態をいろんな角度から。各部とも特にロック機構はありませんが、関節強度が高いので形状の維持は可能です。ただし大柄クローの強度あまり高くないので、手が当たると角度が変わりやすいので注意です。

浮かせてディスプレイさせる場合はMS形態と同様、股間部に縦長ダボのジョイントパーツを組み付けてのディスプレイとなります。しっかりと固定され、角度が変わることもありません。

ふくろうや鷹などの猛禽類に似た独特の容姿で、独特の頭部がそのまま露出しているため、ヒール感の強いスタイルになっています。

機首先端の装甲を展開し、M417 80mm機関砲を露出。両肩のM2M3 76mm機関砲と合わせて攻撃を繰り出します。特にビームを発射するだけではないので目立ちにくいですが、わずかながらも表情を変化させることができます。

大型クローを前方に向けることで、襲いかかるようなシーンを再現することが可能。こちらはかなりの迫力で、迫り来るようなシーン演出を楽しむことができます。

HGカラミティガンダムを搭乗させて劇中のような移動シーンを再現。画像のように直接載せることはできますが、バランスよく配置しないとキットが落下するので注意です。レイダーの股間部ジョイントパーツも抜けやすいので、ディスプレイさせる際は個別にアクションベースやスタンドで固定したほうが良さそうですね。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。以上です。黒いカラーリング、独特の頭部形状や備え付けられている大型クローなどによってヒール感の強い、独特のスタイルを楽しむことができます。武装類が豊富でポージングバリエーションも多彩。演出力の高いキットになっていますね。

気になる点は、HG SEEDで多少武器の保持や可動などに古さを感じるところがあり、ポージングがぎこちなかったりする箇所がありますね。キットを弄る際に背部バーニアを押さえてしまい、バーニアが外れることもあるので注意です。

MA形態も猛禽類をイメージしたような容姿で個性的。劇中ではフリーダムやジャスティスらを存分に苦しめた、忘れようのない機体ですが、ガンプラでもその存在感が十二分に味わえるキットになっているのがいいですね。

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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。薄刃ですが強度が高く、長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら

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2 件のコメントがあります。

  1. 774

    on 2023年12月5日 at 23:55 - 返信

    再販されているので、今更ですが一応…
    >ABSやKPSは不使用。殆どのパーツはPS素材で構成されています。
    パーツリストを見るとメタリック成形のCランナーがABSのようですね

    • nori

      on 2023年12月6日 at 10:02 - 返信

      コメントありがとうございます!
      ご指摘感謝ですm(_ _)m
      記事を修正しておきました;

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