今回は、MG 1/100 ウイングガンダムゼロEW Ver.Kaのレビューをご紹介します!
MG ウイングガンダムゼロEW Ver.Kaは、 『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』に登場するMS『ウイングガンダムゼロ』のカトキハジメ氏完全監修版1/100スケールモデルキットです。生物的な羽を持つ特徴的な機体形状を完全新規造形で再現。関節機構や変形機構の徹底的な検証により、可動域の拡大やネオバード形態へのスムーズな変形を実現したキットになっています。価格は6,050円(税込み)です。
主人公『ヒイロ・ユイ』が搭乗し、天使を髣髴とさせる特徴的なウイングを持つ機体『ウイングガンダムゼロEW』がVer.Kaでキット化。MGでは2004年10月に発売されたMGウイングガンダムゼロ(エンドレスワルツ版)(以下、MG版)以来、16年ぶりの立体化となっています。(プレバンを除く。)
成型色はメタリック感のあるブルー2色と清潔感あるつや消しホワイトをメインに、部分的にレッドやイエローを配色。内部、関節パーツ類はグレー成型色でまとめられ、クールでヒロイックなカラーリングが再現されています。シールは各部センサーを補うのみ。塗装もほぼ必要がなく、素組みで十分な仕上がりになっています。
各部外装や背部ウイングなどのパーツにはアンダーゲートが採用されていて、極力ゲート跡が目立たないようにしてあります。
ポリキャップは不使用。強度が必要な箇所にはABSが使用され、関節や内部パーツにはKPSが使用されています。関節強度はまずまず高め。背部に特有のウイングを装備しているため後方に比重がかかりますが、ウイングをバランスよく配置すれば自立は可能です。
シールド、ツインバスターライフル、ビームサーベル刃☓2、大気圏突入モード用ジョイントパーツ、ネオバード形態用ジョイントパーツ、ディスプレイ用ジョイントパーツ2種、指パーツ(平手用:左右、武器持ち手用:左右、握り手用:左右)、ヒイロ・ユイフィギュアが付属。
ダークグレー成型色のスライドロック式アクションベースが付属します。
余剰パーツがいくつか付属します。
水転写デカールが付属。塗装派には嬉しい配慮ですね。特別専用のエンブレムなどはないですが、コーションタイプのマーキングが多数付属しています。
MGウイングガンダムゼロEW(手持ちのプレバンから発売されたMG ウイングガンダムゼロ EW&ドライツバーク[スペシャルコーティング]、以下、MG版)と比較しながら各部を見ていきます。
頭部をMG版と比較。一見するとそれほど大きな違いはないですが、各部のモールドが深くなって洗練された印象。メット部は左右挟み込みタイプですが、後頭部の合わせ目は段落ちモールド化されています。
ツインアイやとさか前後のセンサーはクリアーパーツにシールを貼っての色分けです。
側面のウイングはゼロシステム用に展開が可能です。別パーツで細かく色分けされるなどメリハリのある作りになっています。
胴体部。かなり細かいパーツ構成になっていて、エアインテークの装甲や胸板のアンテナなども別パーツで色分けされています。リアアーマーを含め、MG版と比べても造形的な密度感が違っています。
胸部内部フレーム。左右の装甲は外装パーツによる構成なので、内部フレームは簡易的なものになっています。サーチアイはグリーンのシールを貼り、その上からドーム状のクリアーパーツを被せる仕様。
肩部の装甲は開閉が可能。展開することで内部のマシンキャノンが露出します。マシンキャノンは手前にグッと引き出せますし、上部に向けることも可能です。
コックピットハッチは手前に開閉が可能。内部にはタンクトップ姿のヒイロ・ユイフィギュアが格納されています。
胸部装甲はスライド展開が可能。腕の可動域が広がり、ツインバスターライフルの両手持ちなどではより自然なポーズを再現することができます。
サイドアーマーはネオバード形態変形ように、アームによって幅広く展開が可能。
股間部は前後にスライドし、脚部の可動域が広がるようになっています。
腰アーマー裏は各部とも裏打ちパーツが造形。細部まで丁寧に作られています。
腕部をMG版と並べて比較。こちらもフォルムに大きな変化はないですが、モールドが細かく造形され、ショルダーアーマーや前腕装甲などもパーツによってリアルに色分けされています。
腕部内部フレーム。
二の腕は筒型で合わせ目はなし。前腕も白、青装甲共に左右挟み込みタイプですが、合わせ目は段落ちなどでモールド化されています。ハンドパーツは親指のみ可動し、残りの4指は組み換え式。
前腕はロール可動します。
前腕の装甲をスライドさせることで、ツインバスターライフルを安定して保持するためのジョイント部が露出。ただし前腕をロールさせていると展開しないので注意が必要です。側面の赤いウイングも収納が可能。センサーはクリアーパーツにグリーンのシールを貼っての色分けです。
ショルダーアーマーもモールドが入ったメカニカルな作りになっています。3枚の装甲もパーツによって色分けされ、展開収納が可能となっています。内部パーツの側面に合わせ目ができるのがちょっと気になるところです。
ショルダーアーマー内部フレーム。
脚部。細身ですが、各部装甲が細かくパーツ分けされるなどメカニカルな作りになっています。各部のモールドも内部パーツとの兼ね合いによる色分けが再現されています。
脚部内部フレーム。ランナータグには『MG 1/100 ウイングガンダムゼロVer.Ka』と印字されているので、内部フレームの流用は特に考えられていないのかも。
大腿部は前後挟み込みタイプですが、膝を曲げると展開する構造なので合わせ目という概念ではありません。ふくらはぎ左右の装甲やアキレス部分の装甲が展開可能。こだわりのある作りになっています。
膝を曲げると大腿部や膝の装甲も合わせて展開。ふくらはぎの装甲を展開させることで、膝を完全に曲げることが出来るようになっています。
ソール部もメカニカルな作りに。後部の装甲は展開が可能です。
つま先は変形用に伸ばし切ることができ、つま先も反らせることが可能です。
ウイングは特有の生物的な形状を再現。本体とのバランスも良いようです。
大羽根をMG版と並べて比較。フォルム自体はそれほど変わらない印象ですが、裏面の情報量もアップしています。MG版では小羽がゴム素材でぽろりしやすく、外れるとどこの羽かわからなくなってしまいましたが、こちらははKPSパーツ構成で全く外れることはありません。組み合わせ強度が高いので、仮組みなどで後に分解する場合は予め分解させやすくしておいたほうが良さそうです。
小羽根は付け根がボールジョイント接続でフレキシブルに可動。様々な向きに展開させることができます。
上部の羽は中央でギア構造になっているので、片側を展開させると一方も合わせて展開します。
内側にはバスターライフルマウント用のアームが造形。
大羽根用のアームは複数パーツの組み合わせで、ボールジョイントによる接続やスイング可動によってフレキシブルに可動します。
後部の羽根は全体がKPS素材。左右挟み込みタイプで全体的に合わせ目ができます。アンダーゲート仕様なので、カットし忘れて合わせ目に隙間が出来てしまわないように注意が必要です。
内部のウイングは展開が可能。
アームは左右挟み込みタイプですが、合わせ目は段落ちなどでモールド化されています。ウイングの基部にはサーベルホルダーが造形。手前に展開し、取り出しやすくなっています。
バックパックはシンプルなボックスタイプ。ウイングのアーム接続用のハードポイントが造形されているくらいです。変形機構があるためアームによる展開が可能。リアアーマーにマウントさせることができます。
MG ウイングガンダムゼロ EW&ドライツバーク[スペシャルコーティング])と並べて全身を比較。プロポーションにそこまで大きな違いはないですが、各部の作りや細部の情報量がかなり違っています。MG版の方はだいぶヘタれてきてウイングの配置が不安定でした。ゴム素材の小翼もぽろり頻度が高いです。
ウイングを外した状態でも比較。サイズが少し違っているようで、Ver.Kaのほうが少し大きめに作られているようです。ちなみに基部形状が若干違っているので、ウイングを交換したりして組み換えることはできないようでした。
ハイレゾのウイングガンダムゼロEWとも並べて。ハイレゾの方はかなりのアレンジが加えられています。Ver.Kaのオーソドックスさがよく分かりますね。
頭部の上下可動はそれなり。あまり広くは可動しないようです。左右へは干渉なくスイングさせることができます。
腕は水平まで上げることができます。肘は完全に折り曲げることが可能。
肩は前方に引き出せ、幅広くスイングさせることができます。
腹部が可動し、上半身を前屈させることができますが、後方へはほとんど可動せず、上半身を反らせることはできないようです。
リアアーマーの中央部が干渉するので、腰の回転は45度程度まで。アクションベースやスタンドへは、リアアーマーのスラスターパーツを外し、ジョイントパーツを取り付けてのディスプレイとなります。ジョイントパーツに3.0mm軸などの接続部がないので、ディスプレイさせるスタンドはアクションベースなどに制限されそうです。
前後開脚はどちらも幅広く展開が可能。腰アーマーがぽろりすることもありません。
足首はアキレスの装甲を展開することで多少余裕ができますが、それでもほとんど前後スイングできないようです。左右へのスイングはまずまず。
左右への開脚は水平まではいきませんが、ある程度広めに展開させることができます。
股間部に可動ギミックが追加されているため、脚をクロスさせるような動きが可能です。
大腿部と股間部が干渉しやすいですが、脚の付け根を干渉させないようにすれば内股がに股共に幅広くスイングさせることができます。
立膝はラクに再現することができました。
可動域の総括としては、これだけの精密感がありながら、各部の可動域も十分に確保されているので、様々なポーズが演出できそうです。関節強度も高くぽろりもないので、安心してポージングを楽しむことができるかと。ただ、股間部の構造が複雑なので、グリグリ動かしすぎて破損させてしまうのは避けたいところです。
MG版と並べて可動域を比較。MG版も可動域は広めですが、左右への開脚幅などが大きく違っています。
ツインバスターライフル。バスターライフル2本で構成され、平行連結させることが可能な2連装型バスターライフルです。
各部とも段落ちなどでモールド化され、合わせ目が出来ない構造になっています。センサーはグリーンのシールを貼っての色分け。クリアーパーツは使用されていません。
後部には前腕にマウントさせるためのジョイントが造形され、向きを変えて収納されています。ツインバスターライフルで両手持ちさせる場合、前腕にマウントさせるためクルッと下向きにし、ジョイント部を展開させて前腕に固定します。
グリップは収納可能で、側面の装甲も連結用に展開が可能です。
連結させてツインバスターライフルに。連結強度はまずまずで、普通に装備させるぶんには問題ないかと。
側面の装甲を展開し、砲身を折りたたむことで収納形態に。センサーや動力パイプも合わせて可動します。展開した側面の装甲ももとに戻しておきます。
バスターライフルは中央から折りたたむことでウイング内に格納することができます。砲身部分をアームで固定しますが、あまり固定強度が高くありません。ですが砲口部分も少し固定されているので、特に外れることはなさそうです。
シールド。各部ともパーツで細かく色分けされるなど、メカニカルな作りになっています。
左右のウイングは展開が可能。センサーはクリアーパーツにグリーンのシールを貼っての色分けです。
中央のアームや接続部など、変形用に各部が展開可能です。
前腕にスライド固定しますが、固定強度はあまり高くはないようで、腕の角度によってはスルッと後部から抜け落ちることもあるので注意が必要です。シールドを装備した状態でも前腕はロール可能でした。
ヒイロ・ユイフィギュア。新機動戦記ガンダムWのOPでのポーズ、タンクトップ姿で造形されています。
一通り武装して。
ウイングに存在感があるので、ちょっとしたポーズでもダイナミックさを感じることができます。
バスターライフルの保持強度が高くなく、保持に少し不安定さがあります。グリップと指パーツはダボ固定ですが固定強度が甘いので、親指の強度で保持できている状態。なので親指がヘタれるとバスターライフルの保持が難しくなってきそうです。1本保持の場合でも前腕にジョイントしてしまえば問題なく保持はできるかと。
スタンドへのジョイントパーツが角型なので、キットを微妙に角度変化させたい場合はアクションベースなどに付属しているジョイントパーツを使う必要があります。
ツインバスターライフルは前腕に固定できるので、ガッチリとした保持が可能です。肩がスライドするので、劇中シーンのようなラストシューティングシーンもらくらくと再現が可能。まさに本編を見ているかのような再現性の高いポーズが楽しめます。
ビームサーベル刃はクリアーグリーン成型色。グリップとはダボ固定なのでしっかりとした保持が可能です。関節各部の強度が高いので、意外とグリグリ動かしてもぽろりなどがなくポージングさせやすいです。
大気圏突入モードは、ショルダーアーマーを外側に引き出して下げておきます。そしてフロントアーマーにジョイントパーツを取り付け。
大きい羽根は前方に展開してジョイントパーツに接続。つま先は伸ばしておきます。
背部のウイングを左右に開いたら、大気圏突入モードへの変形完了です。
生物的な羽根で包まれ、個性的なフォルムに変化します。重量がありますが、特に関節などを動かすわけでもないので、ディスプレイは比較的安定しています。
続いてネオバード形態(大気圏外モード)への変形です。脚部を逆S字に配置し、つま先を伸ばしておきます。腕部は角度を変え、前腕の装甲をスライドして上げておきます。
①バックパックを下げてリアアーマーに固定。②サイドアーマーを展開して後方に配置し、③ウイングのアームは角度を変えます。
フロントアーマーにジョイントパーツを組み付け、ウイングを脇から前面に展開してジョイントパーツと接続します。
腕を内側に戻して後部のウイングを左右に展開します。
シールドは内部のアームや左右のジョイント部などを展開します。
背部にシールドを取り付け、左右にバスターライフルを取り付けたらネオバード形態(大気圏外モード)への変形完了です。
ネオバード形態(大気圏外モード)。シャープなフライト形態に変形します。関節など各部の強度が高いので、特に形状を崩すことなくディスプレイさせることができます。ショルダーアーマーにロック機構がなく、角度が変わりやすいので注意が必要です。
ネオバード形態をいろんな角度から。かなりのサイズになるので、ディスプレイさせる場合はある程度のスペース確保が必要です。
MGジム・コマンド(コロニー戦仕様)と並べてもこのサイズ差。
重量があるので支柱にもストレスがかかりますが、ジョイントパーツの強度がまずまずあるので斜めにしても落下せずにディスプレイさせることができます。
ネオバード形態(大気圏内モード)への変形はウイングの配置を変更するだけです。大きい羽根は上部左右に展開。
大気圏外モードに比べて生物的なウイングが上面に配置されたことで、より異質で個性のあるスタイルに変化。
適当に何枚かどうぞ。
マシンキャノンを展開。
以上です。MG版では脚長な印象がありましたが、Ver.Kaではウイングゼロの特徴を活かしつつ、プロポーションバランスの良いキットに仕上がっていると思います。MG版のようなぽろりや武器保持の難しさといった不満点は少ないですし、細かいパーツ構成によって情報量も多くなるなど高い完成度を持ったキットに進化しています。
気になる点としては、若干バスターライフルの保持に不安定さがあるので、できれば固定式の武器持ち手が付属していると良かったですね。複雑な変形機構ではあるものの、ネオバード形態の迫力や存在感は実物でこそ味わえるならではの良さがありました。
関節強度が高いので、ポーズも取りやすいですし取り扱いもしやすいです。比較的キット化に恵まれているウイングゼロですが、立体化されたキットの中でもトップレベルの完成度になっているので、ぜひ入手してそのバランスや造形の良さを味わってもらいたいですね。
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2 件のコメントがあります。
ManjinYoshimitsu
on 2020年12月3日 at 15:58 -
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nori
on 2020年12月8日 at 17:55 -
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