今回は、MG 1/100 FA-010A FAZZ Ver.Kaのレビューをご紹介します!
MG FAZZ Ver.Kaは、『ガンダムセンチネル』より、「FA-010A FAZZ(ファッツ)」の1/100スケールモデルキットです。カトキハジメ氏監修のもと、ハイパー・メガ・カノンやダブル・ビーム・ライフルといった武装、各部追加装甲を新規解釈で構成。重厚感を維持しつつも、鈍重にならないプロポーションが追求されたキットになっています。各部装甲の手動ハッチ展開により、内蔵されたミサイル発射状態でのディスプレイも可能。価格は12,100円(税込み)です。
ZZガンダム用フルアーマー・システムの評価を行うために試験的に開発された機体で、劇中ではニューディサイズに対する恫喝を目的としてα任務部隊に配備された機体「FA-010A FAZZ」がMGのVer.Kaでキット化。
2017年9月に発売されたMGダブルゼータガンダムVer.Kaや2017年12月に発売された強化型拡張パーツを流用しつつ、FAZZの特徴的な各部形状や重厚な増加装甲、ハイパー・メガ・カノン、ダブル・ビーム・ライフルといった武装類が新規パーツを用いて再現されています。
成型色は増加装甲が純粋なホワイト、内部の強化型ZZガンダム本体はライトグレーという無機質なカラーリング。各部装甲やソールはブルー、新規バックパックはネイビーブルー、増加装甲の弾頭はレッド、ハイパー・メガ・カノンはミッドナイトブルー成形色での再現となっています。
その他、各部動力パイプは艶ありのブラック成形色、強化型ZZガンダムの内部・関節パーツはダークグレー成形色での再現です。ホイルシールは各部センサーを補うもののみが付属。塗装も殆ど必要がなく、素組みで十分な色分けが再現されています。
外装は一部がアンダーゲート仕様でゲート跡が露出しにくい作りになっています。ポリキャップはPC-211を使用。ダークグレーや一部のダークブルー成形色パーツはKPSとなっています。ABSは使用されていないので、塗装する場合もあまり破損を気にする必要はなさそうです。
ハイパー・メガ・カノン、ダブル・ビーム・ライフルといった重量級の武装を装備していますが、関節強度がまずまず高めでしっかりと自立してくれます。ですがMGダブルゼータガンダムVer.Kaは経年などで関節が弱くなってヘタレやすくなっているので、このキットも経年によって自立が難しくなる可能性はありそうです。
ハイパー・メガ・カノンとダブル・ビーム・ライフルを外した状態を全身から。重厚ながらも左右対称でバランスよく造形されています。
■付属品
武器保持用の指パーツ(右手用)、ディスプレイ用ジョイントパーツが付属します。
MGダブルゼータガンダムVer.Kaや強化型拡張パーツ用の余剰パーツが大量に付属します。バックパックパーツなどがないので完全なMGダブルゼータガンダムVer.Kaとして組むことはできませんが、各部を組み換えることでそれらしい形状にすることは可能です。コア・ファイターやクリアーのランディングギアパーツも予備パーツとして付属しています。
専用の水転写デカールが付属します。α任務部隊に投入された3機用のナンバーデカールも付属。
■FAZZの各部形状
まずは増加装甲を装備したFAZZの状態で各部を見ていきます。頭部などそのまま露出している箇所はFAZZとして見ていきますが、強化型ZZガンダムのそれ以外の各部は記事の後半に記載しています。先にご覧になりたい場合は以下のリンクからどうぞ。
■頭部
頭部は強化型ZZガンダムの頭部がそのまま露出。通常のダブルゼータとシルエットは似ていますが、各部形状が細かく違っています。額にあるダミーのハイメガカノン内部もパーツによる細かな色分けを再現。
FAZZの旧キットが手元にないので、MGフルアーマーダブルゼータガンダム(FAダブルゼータ)(画像左)やMGダブルゼータガンダムVer.Ka(ZZ Ver.Ka)(画像右)の頭部と並べて比較。通常のZZに比べ、強化型ZZは前後に長くヒトクセあるデザインになっています。
後部にはスリットダクトが造形されるなど特徴的。メット部は左右の組み合わせですが、後頭部の合わせ目は段落ちモールド化されています。
■胴体部
首の付け根はZZ Ver.Kaとは異なり、FAZZ用の新規パーツでの再現。可動ギミックが追加されています。
胸部増加装甲は表面のハッチが開閉可能。内部にはメカニカルなミサイルが造形されています。弾頭部分が赤いパーツでの色分けでかなり見応えのある造りになっています。中央のセンサーやメカもディテールが細かいです。
ツインアイや胸部中央のセンサー類はクリアーパーツによる再現で塗装にも配慮がされています。通常は表面にグリーンのシールを貼って色分けします。
腰部増加装甲には艶のある動力パイプが造形。ナイロンチューブのような特徴的なデザインになっています。動力パイプはリアアーマーに接続。リアアーマーにはハイパー・メガ・カノンのエネルギーケーブル接続部も造形されています。
サイドアーマーはZZ Ver.Kaのサイドアーマーに増加装甲を被せるかたちで造形されています。裏面にもモールド入りの裏打ちパーツが造形。
■腕部
腕部増加装甲は肩と前腕を包むように装備されています。肩側面の装甲は展開が可能。
前腕の増加装甲は合わせ目ができないパーツ構成。右前腕にはダブル・ビーム・ライフルマウント用のハードポイントが造形されています。
左の前腕はハッチが開閉可能。展開することで内部のミサイルランチャーが露出します。ミサイルランチャーも赤いパーツできっちりと色分けされています。
■脚部
脚部増加装甲は強化型ZZの脚部の前面と側面に配置。膝や外側のダクトなど細部はダークブルーのパーツによって細かな色分けが再現されています。
側面の装甲には裏打ちパーツもきっちりと造形。強化型ZZにはZZVer.Ka用の変形機構が残されていますが、増加装甲によってかっちりと固定されるようになっています。なのでヘタレても自然に分解しにくくなっています。
■武装類
ハイパー・メガ・カノン。とにかくボリューム感の凄い大型ビームキャノンになります。多数パーツの組み合わせで各部がメカニカルに造形。合わせ目はありません。パーツによる色分けも細かく、細部までこだわりを感じる作りになっています。
砲口周り。上下の動力パイプは艶ありパーツで再現。側面のモールドも黄色いパーツで細かく色分けされています。下部中央の合わせ目も段落ちモールド化。
側面の白い装甲部分もラインモールドがパーツで細かく色分けされ、フックのような箇所も可動します。上部のセンサーはクリアーパーツにグリーンのシールを貼っての色分けです。
反対側も動力パイプが造形されるなど、メカニカルな構造に。
下部も艶ありの動力パイプが造形。ハッチを開くことでグリップを展開することができます。
上部のアンテナや白い装甲は少し可動します。
上部中央にできる合わせ目もきっちりと段落ちモールド化。
後部のアームは前後、左右、回転などフレキシブルに可動します。複数パーツの組み合わせでしっかりとした作りになっています。
ハイパー・メガ・カノンは背部のミサイルランチャーを外して取り付けます。少し斜めにしたりしながら引き抜き・差し込みを行いますが、脱着はカンタン。
エネルギー供給用のケーブルはMGガンダムヘビーアームズなどに付属しているものと同じです。リボンケーブルに同型パーツを複数通すことで造形されています。接続部が抜けやすいので注意です。
ダブル・ビーム・ライフル。MGダブルゼータガンダムVer.Kaの基部をベースに、MGディープストライカーの改良型ビーム・カノンに似た形状の砲身が新規パーツで構成されています。
MGダブルゼータガンダムVer.Kaのダブル・ビーム・ライフルと並べて比較。砲身のサイズ感が違います。
変形時に頭部を格納するスペースはパーツを埋め込んで塞ぐようになっています。このあたりは見た目が配慮されていて良いですね。
キャノピーは展開しますが、内部にパイロットフィギュアはありません。グリップは展開可能。
センサーは収納可能で、手前の装甲も変形機構の名残で展開収納が可能です。
砲身は左右挟み込みタイプですが、上下にできる合わせ目は段落ちモールド化されています。
砲身は後方に向けることはできますが、干渉するので折りたたむことはできません。
■他キットとの比較
MG FAZZ(旧キット)が手元にないので、MGフルアーマーダブルゼータガンダムと並べて比較。プロポーションが多少異なるのと、発売時期の関係や通常のMG、Ver.Kaの違いなどから各部の情報量がかなり違っています。
同シリーズのMG Sガンダム(2019年4月発売のMG Ex-Sガンダム)と並べて。どちらも大型キット。モールドの情報量に差はないので、並べてもそんなに違和感はなさそうです。
■FAZZの各部可動域
頭部は少し上下可動させることができます。左右へはスムーズに可動します。
ショルダーアーマーが干渉しやすいですが、腕は水平程度にまで上げることができます。肘も割と深くまで曲げることが可能。
肩は若干後方にスイングが可能です。
上半身はわずかに前後スイングさせることができますが、バックパックに重量があるので反らせてもすぐに戻ってしまいます。MGダブルゼータガンダムがコア・ファイター内蔵ということもあり、腰の回転もできないようになっています。(画像は用意しませんでした。)
前後開脚はある程度開きますが、干渉しやすく、ぎこちない感じがあります。
左右への開脚はハの字程度まで展開が可能。
可動域の総括としては、そこそこ動いてはくれますが、装甲が大きく干渉しやすいです。なのでおとなしめのポージングで済ませておいたほうが良いのかなと思います。
設定では増加装甲は脱着できないようになっていますが、このキットでは各部増加装甲が一応脱着可能です。(説明書にパージの記載はありません。)装甲の脱着自体は容易ですが、各部とも本体部にしっかりと組み付けられますし、固定強度が高くバラけにくい構造になっています。
増加装甲をパージ、強化型ZZガンダムの状態で全身から。
ヒロイックなZZガンダムとは対称的に、量産機らしい全身グレーの地味なカラーリング。
部分的に変形させることはできますが、一部に強化型拡張パーツが組み付けてあるため、Gフォートレスへの変形はできないようになっています。
■強化型ZZガンダムの各部形状
各部をMG強化型ダブルゼータガンダムVer.Ka(MGダブルゼータガンダムVer.Ka+強化型拡張パーツ)と比較しながら各部を見ていきます。
■強化型ZZガンダム胴体部
胸部。胸板のアンテナがオミットされ、フロントアーマー中央ランディングギアハッチの形状なども変更されています。なので、増加装甲を被せてフルアーマーダブルゼータガンダムを再現したい場合は、一部パーツを組み換える必要がありそうです。
サイドアーマーも装甲を被せる仕様になっているため、一部形状が異なります。
リアアーマーも動力パイプが接続できるよう、新規パーツに変更されています。
サイドアーマーは基部以外はMGダブルゼータガンダムVer.Kaと同じ。なので翼が前後に可動します。
フロントアーマーは左右に広く展開可能。中央部はランディングギアを含め、装甲も展開が可能です。
フロントアーマー、リアアーマーともに裏打ちパーツが造形されています。
説明書に記載はありませんが、上半身をパージすることでコア・ファイターが脱着可能です。
■コアファイター
コア・ファイター。MGダブルゼータガンダムVer.Kaに付属のものと同じですが、グレー主体の地味なカラーリングに。余剰のランディングギアパーツ(クリアー成型色)を使うことで駐機状態でのディスプレイが可能です。
キャノピーは開閉可能。コックピットにはパイロットフィギュアが造形されています。変形時、ちょっとわかりにくいかもですが、変形に応じてコックピットの位置を回転させることができます。
下部に3.0mmジョイント穴が空いているので、アクションベースなどへのディスプレイもカンタン。
■強化型ZZガンダム腕部
腕部をMG強化型ダブルゼータガンダムVer.Kaと比較して。シールドがありなしで大きな違いがありますが、前腕も変形がオミットされたものが新造されています。肩前後にはハッチ(赤◯)が造形されていますが、増加装甲の取り付けには使用しません。
腕部は簡単な内部フレームが造形されています。前腕に変形機構はなく、シンプルなパーツ構成に。
上腕などはダブルゼータガンダムと同じですが、新造された前腕は付け根がロール可動するようになっています。ハンドパーツはダブルゼータと同じで、親指のみ可動し、のこり4指を組み換えるタイプです。
ショルダーアーマーの装甲は強化型ダブルゼータガンダムVer.Kaと同じロングサイズのものが使用されています。ただ、基部が新規パーツになっていて、増加装甲を取り付けられるようになっています。
■強化型ZZガンダム脚部
脚部は強化型ダブルゼータガンダムVer.Kaとほぼ同じ。違いは膝左右の角型ダクトパーツが小型化されているくらいです。複数パーツの組み合わせて、メカニカルな肉厚装甲が造形されています。
脚部内部フレーム。変形機構もそのまま残されています。
膝やスネの各部装甲はそれぞれ可動します。
後部の装甲も上下にスライド可能。
スネ左右の装甲も少し広げることができます。
膝のランディングギアも展開可能。
ふくらはぎ左右のハッチを展開し、増加装甲を取り付けるようになります。
ソール部は強化型ダブルゼータガンダムVer.Kaと全く同じ形状です。ダブルゼータガンダムに比べてつま先が延長されたタイプ。
足裏はモールド入りのパーツで色分けされ、踵は内側に収納可能です。
■強化型ZZガンダムバックパック
バックパックを強化型ダブルゼータガンダムVer.Kaと並べて比較。一部に強化型ダブルゼータガンダムVer.Kaのパーツを使用しつつ、大部分が新規パーツで再現されています。強化型ダブルゼータガンダムに比べるとだいぶ小型でコンパクト。
スラスターカバーは少し可動します。
側面のウイングは広く展開が可能。
上部のミサイルランチャーはハッチが展開可能。内部ミサイルが露出します。ミサイルは赤いパーツでの色分けとなっています。
側面のビームカノン。形状自体はMG Sガンダムとほとんど同じですが構造は異なります。
下部の装甲は左右に可動します。
付け根がボールジョイント接続で、左右への可動や回転などが可能です。
下部スラスターは強化型ダブルゼータガンダムVer.Kaと同形状。内部は青いパーツでの色分けです。
バックパック接続用のアームは通常のMGダブルゼータガンダムVer.Kaと同じです。
■強化型ZZガンダムを他キットと比較
MG強化型ダブルゼータガンダムVer.Kaと並べて。頭部や腕部、バックパックの形状が違っているだけでなく、カラーリングも異なるのでだいぶ印象が違っています。
各部可動域はMGダブルゼータガンダムVer.Kaと大体同じなので、可動域の詳細は以下のリンクから、MGダブルゼータガンダムVer.Kaのレビューをご参考くださいm(_ _)m
■強化型ZZガンダムでポージング
武器保持用の指パーツを使うことで、ダブル・ビーム・ライフルが保持可能です。
余剰の平手を使うことで表現力も少し高まります。
強化型ZZガンダムだと軽装なので、ある程度ガシガシと動かせます。
■FAZZでポージング
増加装甲を取り付け、ハイパー・メガ・カノンを背負ったFAZZ状態で。自立がそこそこ安定するので、接地状態でのポージングもストレスなく楽しむことができます。
浮かせてディスプレイさせる場合、ハイパー・メガ・カノンを背負わせた状態だと片側(右側)に負荷がかかって落下しやすいので注意です。
胸や前腕のハッチを開いてミサイルランチャーを露出させると、よりダイナミックで迫力ある射撃ポーズを演出することができます。
ハイパー・メガ・カノンを外してアクションベースでディスプレイさせると安定しますね。
ハイパー・メガ・カノンはグリップを握らせて保持することで、より迫力のある演出ができます。
以上です。武装モリモリで存在感が際立つキットになっています。大型のハイパー・メガ・カノンやダブル・ビーム・ライフルを装備しながらも、しっかりと自立してくれているのには感動しました。干渉しやすいため、派手なポーズを演出するのは難しいですが、関節やパーツの固定強度が高く、ある程度動かしても耐えてくれるのがいいですね。
気になる点は、浮かせてディスプレイさせる場合、肩にハイパー・メガ・カノンを装備しているとどうしても負荷がかかって傾きやすいです。最悪落下して破損してしまうこともあるので注意が必要です。浮かせたい場合はハイパー・メガ・カノンを外すなど、バランスを調整しながらディスプレイさせたほうが良さそうです。
普通にハイパー・メガ・カノンを構えたり、簡単にミサイルのハッチを展開するだけでも十分な迫力が出せますし、少し動きをつけてディスプレイしておくだけで楽しめるキットになっていると思います。機体は「ハリボテ』」と揶揄されることもありますが、キットはしっかりとしていて頼もしいです。MG強化型ダブルゼータガンダムVer.Ka(別売り)に増加装甲を装備すればフルアーマーダブルゼータガンダムも再現できそう。独特の重武装感が味わえるキットとしても楽しめそうですね。
⇒アマゾンでMG FAZZ Ver.Kaを探す
⇒あみあみでMG FAZZ Ver.Kaを探す
⇒DMM.comでMG FAZZ Ver.Kaを探す
⇒駿河屋でMG FAZZ Ver.Kaを探す
⇒楽天でMG FAZZ Ver.Kaを探す
⇒ヤフーショッピングでMG FAZZ Ver.Kaを探す
4 件のコメントがあります。
ken
on 2020年2月15日 at 11:53 -
充实的套件 可玩性超高😄
匿名
on 2020年2月16日 at 02:37 -
早く、フルアーマーダブルゼータガンダムが欲しいっ!ww
レビューお疲れ様です、今日出て今日組み上げるとは見上げたものですっ!!
nori
on 2020年3月7日 at 09:50 -
コメントありがとうございます!
レビューをご覧いただき感謝ですm(_ _)m
組み立て頑張りました^^;
匿名
on 2021年7月1日 at 17:48 -
肝心な頭部が無いのがつらいっ!w
部品注文確定だなっ!!(笑)