今回は、HG 1/144 MSJ-121 デミトレーナーのレビューをご紹介します!
HG デミトレーナーは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場するMS『MSJ-121 デミトレーナー』の1/144スケールモデルキットです。学園内で使用されるMSの特徴的な機体形状を新規パーツを用いて再現。後ハメ構造による組み易さを実現した他、肩部引き出しギミックによる腕部可動域拡大、前腕部のロール可動といったギミックが搭載されたキットになっています。2タイプの形状が再現できる頭部パーツ、サブマシンガンやシールド、スティックが付属。価格は1,320円(税込み)です。
ブリオン社製の学園内訓練用MSで、アスティカシア高等専門学園の様々なカリキュラムにおいて運用されているMS『MSJ-121 デミトレーナー』がHGでキット化。2022年11月に発売されたHG デミトレーナー(チュチュ専用機)をベースに、決闘用のスタッフアンテナや膝部、踵部装甲、サーベルスティック、ビームガン、シールドが新規造形で再現されています。
成型色はグリーン気味のホワイトとライトグリーンをベースに、頭部センサーにクリアグリーンを配色。関節や内部パーツ、武装類はグレー成型色での再現となっています。全体的にマットな質感のパーツでリアルな実機感が表現されているのがいいですね。
シールは胸部やビームガンのセンサーと腹部コックピットハッチ上部を補うくらいでわずか。コックピットハッチ上部のシールはレッドの他、ブルー、パープル、イエロー、ピンクの中から選択可能です。
マットな質感のパーツにはKPSっぽい素材が使用されています。ABSは不使用。
ポリキャップは不使用。関節強度は高めで、負荷のかかるような装備もなく自立は安定しています。先日レビューした同型の『HG デミトレーナー YOASOBIコラボVer. 』は経年劣化も見られず、関節強度は高いままでした。
シールド、ビームガン、サーベルスティック、スティック用ジョイントパーツ、スタッフアンテナが付属。
各部をベースのHG デミトレーナー(チュチュ専用機)(以下、チュチュ専用機)と比較しながら各部を見ていきます。
頭部をチュチュ専用機と並べて。デミトレーナー(以下、通常版)はドーム状のシルエットは同じですが、額のアンテナがなく、前面のセンサーも1つ目ではなくクリアグリーンのバイザーでの再現となっています。上部フックはそのままですが、こめかみにビームバルカンはありません。
上部のフック(フレーム)は展開可能。クリアグリーンのバイザーはブラックライトで照らすと発光します。YOASOBI版は発光が弱めでしたが、こちらは鮮やかに発光しますね。
センサー内部は1つ目などのモールドはないですが、適度なメカモールドが造形。
頭頂部にスタッフアンテナを組み付けることで、決闘時の仕様を再現することができます。
胸部形状はモールドは少なめながらも、左右の丸型スラスター部や腹部などもパーツで細かく色分けされています。チュチュ専用機とは全く同じ形状ですが、ライトグリーンを基調としたカラーリングにはいかにも訓練機らしさが出ていますし、その分コックピットハッチ上部の赤が目を引きます。
胸部・腹部内部フレーム。胸部の横長センサーはグリーンのシールを貼って色分けします。
肩(腕の付け根)はボールジョイント接続で、前方や上方に幅広く展開させることが可能。首はボールジョイント接続で頭部がフレキシブルに可動します。
腰部は前後ともフラットな形状で軽装。チュチュ専用機とも同形状です。胸部とは異なり、グリーン気味のホワイト成型色で再現されているのが特徴的。
腰アーマー裏に裏打ちパーツは造形されていませんが、内側には簡易的ながらもデザインされたモールドが入っています。
他のデミトレーナー系(チュチュ機、YOASOBI版)と同様、腰部には可動ギミックがあり、リアアーマーのロックを外すことでリアアーマーと腰部を展開させることができます。
リアアーマーの組み合わせ位置を変えてロック固定することで、上半身の角度を変更することが可能。腰アーマーは前後とも幅広く展開させることができます。
腕部をチュチュ専用機の左腕部(シールドを外した状態)と並べて。ショルダーアーマー上部のシールド用ジョイントパーツがない以外、各部とも形状はほぼ同じです。
肘関節は組み立てやすいヒンジ接続のFine to build構造。パチンと組み合わせられますし、関節強度も高めです。ハンドパーツは3本指タイプ。劇中で組み替えていた4連装ミサイル・ランチャーは同日発売の拡張セットの方に付属しています。
前腕はロール可能。
手首はボールジョイント接続。少し引き出すことで少し上下などに可動させることができます。前腕側もメカニカルなモールドがデザインされていて見た目にこだわりが感じられます。
ショルダーアーマーは軽装で簡易的な2個パーツ構成。前後の組み合わせで合わせ目は端でモールド化されています。前後の丸モールドはグレーに塗り分けが必要。
脚部をチュチュ専用機と並べて。大腿部や膝関節、膝下などの基部形状は同じですが、膝装甲がデミトレーナー用に新造され、側面のフレキシブルブースターや足首の延長パーツもありません。
より軽装になり、足の長さも短くなっています。
膝関節は腕部と同様、ヒンジ接続のFine to build構造で組み立てやすくなっています。カバーパーツを被せるのでヒンジ組み合わせ箇所も露出しません。
大腿部、膝から下ともに筒型パーツの組み合わせで合わせ目はなし。膝関節の丸モールド内部はグレーに塗り分けが必要です。
膝を曲げることで膝装甲に余裕ができ、上下にスイングさせることができます。
ソール部をチュチュ専用機と並べて。つま先に2爪が造形されるなど、デミトレーナー特有の重機的なデザイン。後部はチュチュ専用機はウィルダッシュプラスのローラーですが、通常のデミトレーナーはフック(フレーム)状の装備に変更されています。
足裏中央にはバーニアが造形されていますが、それ以外の箇所は大部分が肉抜き穴。ですがある程度デザインされているので、このままでもありといえばありかと。足首の肉抜き穴も少し気になるかなという程度です。
つま先側はボールジョイント接続でロールなどフレキシブルに可動。かかとも幅広くロールさせることができます。
背部をチュチュ専用機と並べて。チュチュ専用機では大型ビームライフル用のエネルギータンクを装備していますが、デミトレーナーはコンパクトなボックスタイプのバックパックになっています。側面に3.0mm穴があるので、何かしらカスタマイズもできそうですね。
デミトレーナー本体とはシンプルな2ダボ接続で、HG水星の魔女シリーズやHGUCなどのバックパックと交換可能。下部バーニアはバックパックと一体成形で可動ギミックはありませんが、タルさもなくしっかりとした作りになっています。
背部形状がチュチュ専用機と同じなので、大型ライフルも問題なく装備可能です。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。陸ジムとは頭半個分ほど小柄。訓練機らしく小型でまとまりのある、無駄のない機体形状が再現されています。デミトレーナーの全高は16.2mです。
HG デミトレーナー(チュチュ専用機)と並べて。チュチュ専用機は各部にカスタマイズが施されていますが、通常のデミトレーナーはベーシックな機体形状が特徴的。拡張セット(別売り)を交えつつ、劇中でのカスタマイズを試してみたいところです。
HGデミトレーナーYOASOBIコラボVer.と並べて。YOASOBIコラボVer.はデザインが独特。それに比べて通常のデミトレーナーはシンプルです。
同シリーズのHGガンダムエアリアルとも並べて。劇中でこの2機が対決をすることはないと思いますが、全機が出動するような総力戦シーンがあっても面白いかもですね。
各部可動域はチュチュ専用機とほぼ同じ。頭部はボールジョイント接続で、少し浮かせることで上下に可動します。左右へはラクにスイング可能。
腕はY字程度まで上げることが可能。肘はヒンジの1重関節で90度程度曲がります。
腰は干渉なく360度回転可能。膝はヒンジ2重関節で、装甲が干渉するまで深く曲げることができます。
左右への開脚も水平程度まで幅広く展開可能。足首も広めに角度変更ができる他、前屈も適度に可能です。
総括としては、頭部の上下がやや制限される以外は全体的にまずまず動きますし、腰の回転や左右への開脚などは幅広く可動させることができます。教習シーンを再現するには十分過ぎるくらいの可動域ですね。
ビームガン。小型の携行火器になります。学園で使用するモビルスーツの銃火器類はすべて弱装出力に調整されていて、このビームガンのマガジンも同様、学園指定の規格品とのことです。デミトレーナー用の新規武装ですが、YOASOBI版には同型の武装が付属しています。
モナカ割の簡易的な作りですが、上下の合わせ目は段落ちや段差などでモールド化されています。シンプルな武装ですが、見た目的な落ち度もありません。上部センサーはグリーンのシールでの色分け。
銃口もしっかりと開口されています。
シールド。前腕部に接続する中型の盾になります。シンプルな構造で、耐ビーム、耐衝撃をはじめとした標準的な防御性能を備えているとのこと。こちらも3個パーツ構成で簡易的ですが、表面は別パーツで色分けされ、点やラインモールドなども入っていてチープな感じはないですね。
裏面もモールドがデザインされていますし、グリップはヒンジ接続ながらも上下にスイングします。
サーベルスティック。棒状の携行装備で取り回しが良く、非常に扱いやすい武装になっているとのこと。対モビルスーツ格闘術の基礎訓練に適した武装になります。1個パーツ構成ですが、適度に段差が入っていて何気に作りは細かいです。
付属のジョイントパーツを使用することで腰部にマウント可能。スティックがカチッとはまり込むので、抜け落ちることはありません。
一通り武装して。
ビームガンは前腕をロールさせて前腕のダボ穴を上向きに。そしてグリップをハンドパーツに差し込んで前腕にダボ固定します。1箇所で固定するので、かなりしっかりとした保持が可能。
シールドはグリップを握らせて前腕にダボ固定します。こちらも2箇所で固定するのでしっかりとした保持が可能。
サーベルスティックもハンドパーツに隙間なくしっかりと収まります。スルッと抜け落ちることもなく、安定した取り扱いが可能。
関節強度が高いのでポージングが定まりますし、一旦ポーズを取らせたら形状が崩れることがないのでかなり取り扱いやすいです。
胸部のラインを貼り替えるとだいぶ雰囲気が違ってきます。所属の寮によって色が違うんですかね。
学園内で大量のデミトレーナーが歩き回るというのはなかなか新鮮でしたが、あの世界ではごく自然な風景なんでしょうね。小型訓練機のデミトレーナーですが、アオリ視点を跨いでいく姿は迫力が感じられるものでした。
チュチュ専用機(別売り)から大型ビームライフルを拝借して。通常のデミトレーナーも大型ビームライフルのような遠距離攻撃武装を構えると様になりますね。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。軽装ながらもライトグリーンベースのカラーリングには訓練用MSらしい落ち着きがありますし、重機感と未来感を持ち合わせた機体形状がうまく再現されていると思います。合わせ目は殆どなく、関節も質の良いFine to build構造で関節強度が高く、取り扱いやすいキットになっています。可動域も広いのでポージングの自由度も高いですね。
気になる点は殆どなく、足首関節と脚裏の肉抜き穴が少し気になるかなという程度。量産機を立体化するお手本のような完成度の高いキットになっています。今後のガンプラがこの質で再現されると思うと楽しみしかないですね。
チュチュ専用機、YOASOBIコラボVer.ともに関節強度が落ちないので、このデミトレーナーも長期に渡って安定して取り扱えると思いますし、カスタマイズ性も高いので別売りの拡張セットと組み合わせるなどすれば幅も広がります。胸部シールの色味を変えることで雰囲気もかなり違ってきますし、戦闘用としても作業用としても楽しめる、プレイバリューの高いキットになっているのがいいですね。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。薄刃ですが強度が高く長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら