今回は、HG 1/144 MD-0064 ダリルバルデのレビューをご紹介します!
HG ダリルバルデは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場するMS『ダリルバルデ』の1/144スケールモデルキットです。赤い装甲の特徴的な機体形状を新規造形で再現。両腕部やバックパックのドローン脱着ギミックにより、特徴的な攻撃演出が可能なキットになっています。大型ジャベリンやビームサーベル、ディスプレイ用台座といった豊富なオプションパーツが付属。価格は2,090円(税込み)です。
ジェターク社が第5世代実証機として開発を進めたモビルスーツで、意思拡張AIによる自律型ドローン(遠隔操作無人機)を搭載するグエル・ジェターク搭乗機『ダリルバルデ』がHGでキット化。『イーシュヴァラ』と呼ばれるドローン攻撃ユニットや、有線式拘束用装備『シャクルクロウ』、肩部のドローン防御ユニット『アンビカー』といった特徴的な武装ユニットが再現されています。
成型色は頭部や四肢などの淡めレッドをベースに、胴体部などにブラウン気味のダークグレー、全身各部にホワイトを配色。その他、頭部メインカメラはイエロー、付属武装のビームジャベリン刃はクリアグリーン、ビームサーベル刃はクリアパープル、付属のランナーレス台座はクリアー成型色での再現です。
シールは頭部や胴体部、肩部周りなどの細かい部分を補いますが、特別多くはありません。全身各部のシェルユニットはシールによる選択式で、お好みで発光状態と非発光状態を選択することができます。細部に塗装が必要ですが、素組みでも十分な色分けが再現されています。
ABSは不使用。ブラウン気味のダークグレー成型色パーツはKPSで構成されています。
ポリキャップも不使用。各部ともパーツによる組み合わせで、関節強度の高いカッチリとした構造で取り扱いやすいです。背部にイーシュヴァラのドローンユニットを装備していますが負荷は小さく、自立は安定しています。
ビームジャベリン(ビームアンカー、ビームクナイ)(ビーム刃2種付き)、ビームサーベル刃✕2、シャクルクロウ用のリード線✕2とジョイントパーツ✕2、平手(左)、クリアー成型色のランナーレス台座が付属。
頭部は昆虫の角のような反ったアンテナや後頭部の輪型装甲が特徴的に造形。スリット状のセンサーや頬のダクトなども印象的にデザインされています。折れたアンテナも付属すると面白かったかも。
メット部は前後で組み合わせますが、頭頂部から側面にかけてできる合わせ目はモールドっぽく造形。
スリット状カメラアイのイエローとグリーンは黄色いパーツにシールを貼っての再現で、額のビームバルカンはグレーに塗り分けが必要です。
同社が開発したディランザ(一般機)と頭部を比較。曲状の頭部やカメラアイ形状などは似たところがありますね。
胸部は装甲に起伏を持たせた近未来的なデザイン。各部ともパーツによる細かい色分けが再現されています。中央のシェルユニットはシールを貼り、その上からクリアパーツを被せる構造で発光状態がリアルに演出されています。
肩部はボールジョイント接続で上や前面に展開可能。首もボールジョイント接続で適度に可動します。
腹部に可動ギミックがあり、上半身を幅広く前後させることができます。
腰部も丸みのある装甲で印象的。リアアーマーもアポジやスリットモールドなど独特のデザインで造形されています。フロントアーマー下部やリアアーマー中央のダクトはグレーに塗り分けが必要。
フロントアーマー裏は肉抜きですが、リアアーマー裏はメカニカルなモールドが造形。特にリアアーマーは前面から見えやすいので、こういった配慮がしてあるのはありがたいですね。リアアーマー中央部もグレーパーツによる色分けを再現。フロントアーマーはボールジョイント接続で適度に可動します。
胴体部もディランザ(一般機)と並べて。同社開発機ということもあって胸部形状やカラーリング、色分け箇所などはよく似ています。
腕部自体は比較的軽装ですが、肩にはダリルバルデの特徴であるドローン防御ユニット『アンビカー』を装備。アンビカーは肩を覆うような存在感のある武装になっています。
二の腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は左右の簡易的な2個パーツ構成ですが、前後の合わせ目は段落ちモールド化されています。ハンドパーツは珍しい白成型色での再現。
前腕は脱着が可能。ドローン攻撃ユニット『イーシュヴァラ』のAタイプドローンとして使用することができます。後部に3.0mm穴があるので、スタンドなどで浮かせた状態でのディスプレイが可能。
ショルダーアーマーも比較的軽装。前後の組み合わせですが、合わせ目は端でモールド化されていて見た目に落ち度はありません。前面のシェルユニットはシールの上からクリアパーツを被せての再現。側面のハードポイントはヒンジ接続で上下させることができます。
肩のドローン防御ユニット『アンビカー』はシールドのような大型の装甲。表面装甲と裏打ちパーツ、基部パーツで構成され、裏面にはメカニカルなモールドが造形されています。基部はスイング可能。裏打ちパーツを塗り分けても面白そうですね。表面のスリット状シェルユニットはシールで色分けします。
ハードポイントやアンビカー裏のジョイントによってアンビカーの配置を自由に変えることができます。
アクションベースなどに付属している筒型のジョイントパーツを使用すれば、アンビカーを浮かせた状態でディスプレイさせることが可能。
脚部は大腿部から裾にかけて細身の身軽さを感じさせるデザイン。エッジのある装甲と曲状の装甲が混在したような作りになっています。膝や大腿部側面は白い装甲パーツでの色分け。
大腿部は前後、膝下は左右の簡易的な組み合わせで、膝とはヒンジ接続というディランザに似た構造。膝関節も左右の簡単な組み合わせですが、各部とも左右、前後の合わせ目は段落ちなどでモールド化されています。
膝には縦長のニークラッシャーを装備。表面にはマイクロ機雷であるペレットマイン射出口も造形されています。裏面が肉抜きなはちょっと寂しいですね;大腿部前面や側面のシェルユニットはシールの上からクリアパーツを被せての再現。
膝関節だけでなく足首の上の部分も前後に可動。足首も左右に深くまで可動させることができます。脚部裾の可動の自由度はかなり高いですね。
ソール部はつま先、かかとともにシャープで、有線式の拘束用装備『シャクルクロウ』の機能を持つ特徴的なデザイン。
つま先裏は肉抜き穴で簡単な作りですが、内部には細かなモールドが造形されています。ソールは取り外してつま先とかかとを前方に展開することで、シャクルクロウとして使用可能。
射出状態を再現する場合は付属のジョイントパーツを組み付けてリード線を接続します。脚部側のボールジョイント先にもリード線を接続。リード線はどちらも深くまで差し込め、簡単に抜けたりすることはありません。ジョイントパーツに3.0mm穴があるので、スタンドを使用することでシャクルクロウを浮かせた状態でディスプレイさせることができます。
バックパック。基部は軽装ですが、左右には前腕と同様、ドローン攻撃ユニット『イーシュヴァラ』を装備しています。こちらはBタイプ。
バックパック本体は2個パーツ構成で作り自体は簡易的。ですが合わせ目はモールド化されていて殆ど見えません。下部の角型スラスターもプレスのみでリアルに造形されています。
Bタイプは前腕と同じく左右の組み合わせで中央の合わせ目は段落ちモールド化。
Bタイプは前腕と交換することができ、先端にはビームサーベル刃も組付けが可能です。他ではあまり見ないギミックで特殊。
2ダボ接続なのは他のHG水星の魔女やHGUCなどと共通。他キットのバックパックと交換することもできます。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。頭頂高自体は陸ジムよりも頭一つ分大きい程度ですが、肩にアンビカーがあるため、全高はだいぶ大きくなっています。
劇中で決闘を繰り広げたガンダムエアリアル(HGガンダムエアリアル)と並べて。なりふり構わず戦う両機、両者にはなかなか熱いものがありましたし、キャラクターの性格を反映した見応えのある決闘シーンでしたね。
同シリーズの登場機であるHGディランザ(一般機/ラウダ専用機)、HG ベギルベウとも並べて。ディランザ一般機2機をあっという間に粉砕したシーンにはダリルバルデの性能や攻撃性の高さを感じました。
頭部の可動は、顎は深くまで引くことができますが、見上げる動きはわずか。左右へは多少顎が干渉しますが、水平までスイングさせることができます。
腕はY字よりも高くまで上げることが可能。肘は2重関節で深くまで曲げることができます。
肩は適度に前後スイングが可能。前方へは肩が引き出せるのでその分広くスイングさせることができます。
腹部が可動するので、上半身は幅広く前後させることができます。
左右へも適度にスイングが可能。
腰は干渉なく360度回転させることができます。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。
前後開脚は、フロントアーマーが可動するので前方へは適度に展開可能。後方は大柄なリアアーマーが可動しないので、干渉してそれなりの展開となります。
膝はヒンジの2重関節で深くまで曲げることができます。
足首はボールジョイントと前述した可動で幅広く前後、左右させることができます。かなり柔軟。
左右への開脚は水平まではいきませんが幅広く展開させることができます。
内股、がに股ともに干渉するので可動は45度程度まで。
立膝は少し特殊な姿勢ですがきれいな形で再現することができました。
可動域の総括としては、多少脚を上げると膝のニークラッシャーが干渉しやすいですが、それ以外は各部とも広めに可動させることができます。イーシュヴァラの展開が目玉のキットですが、通常のポージング自由度も高いので遊びがいがありそうですね。
ビームジャベリン。錨(いかり)形状のビームアンカーと、爪状のビームクナイを連結させた長尺の近接用兵器になります。供給エネルギーは機体から両腕を介する直結式で、高出力のビーム双刃による高い切断力を誇るとのこと。
特別長いというほどでもないですが、ダリルバルデ本体の1.5倍程度の長さはあります。
ビームアンカーとビームクナイは筒型パーツの組み合わせで分離可能。
ビームアンカーは簡単な左右の組み合わせで柄の部分に合わせ目ができます。簡易的な構造で軽装なので取り扱いはラク。ビーム刃はパチンと組み合わせるので簡単に抜けたりすることはありません。
ビームクナイも同様。左右の組み合わせで柄の部分に合わせ目ができます。
ビームジャベリンを装備して。
振り下ろす、断つ、突くといった様々なポーズが演出可能。細身で軽量な武装なので、重量で腕が垂れたりすることは全くないですし、肩のアンビカーとも干渉なく構えさせることができます。ただ、手甲パーツが少しでも浮いてくるとスルッと移動しやすくなるのでその点だけ注意です。
平手は自然な形での再現で、手のひらにはメカニカルなモールドが造形。
アンビカーは自由に向きが変えられるので、前方に配置して防御態勢を取るようなポーズも再現することができます。
ビームアンカーとビームクナイに分割できるので、二刀流で軽快なポーズを取らせることもできます。
クリアグリーン成型色のビームジャベリン刃はブラックライトで照らすと発光します。
イーシュヴァラを展開。ドーベンウルフのビームハンドっぽい演出ができるのがいいですね。
Aタイプ、Bタイプともに展開することで、劇中でディランザ(一般機)を瞬殺する際のシーンも再現することができます。
アンビカーやイーシュヴァラのBタイプをまとめて射出。攻防両面におけるドローン展開が可能です。
前腕にイーシュヴァラのBタイプを組み付け、その先端にビームサーベル刃を装備。ビーム刃はややきついくらいにしっかりと固定させることができます。クリアパープル成型色のビームサーベル刃は珍しいですね。
関節も緩い箇所などなく、ヒンジの膝関節もヘタれる感じはなかったです。イーシュヴィラのAタイプも3.0mmダボでしっかりとディスプレイできているので、特にポージングでの不自由さは感じませんでした。首の角度を変える際にアンテナに手が当たりやすく、徐々に外れやすくなってくるので注意です。
ソールのシャクルクロウを展開してリード線を接続し、有線によるシャクルクロウの射出状態を再現。迫力のある攻撃シーンを演出することができます。劇中でエアリアルに掴みかかったシーンもリアルに再現できそうです。
シャクルクロウも3.0mm軸の固定強度はまずまずでディスプレイ時の不自由さはありません。リード線が少し長めなので、たるみが気になるなら少しカットするなどしても良いかと。
各部のシェルユニットを黒いシールに貼り替えて非発光状態に。発光状態とは見た目にそれほど大きな違いはないですが、ちょっとしたワンポイントがなくなっているので少し寂しい感じにはなりますね。
胸部、肩部、アンビカー、大腿部のシェルユニットを黒いシールに変更して。クリアパーツはピンセットなどで外しやすかったですが、シールがピンセットだと欠けたり破れたりしやすく、貼替えが少し難しかったです。予め発光と非発光をチョイスして変更しないようにするか、2体用意して発光、非発光を再現するなどしたほうがいいかも。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。ガンダムでは珍しくない赤いカラーリングではありますが、赤い機体にはやっぱりインパクトがありますし、イーシュヴィラやシャクルクロウ、ビームジャベリンといったバリエーション豊かな武装が付属しているのでなかなか遊びがいがありますね。肩のアンビカーも存在感があり、ポージングでも造形美を感じさせるアイテムの一つになっています。
気になる点はあまりないですが、弄っていると徐々にアンテナが外れやすくなってくるのが少し気になりました。それとビームジャベリンは手甲が浮いてくると抜けやすくなってくるので注意です。
リード線によるシャクルクロウ射出状態、アンビカーやイーシュヴィラAタイプ、Bタイプによるドローン展開など、ストーリーの初期登場機とは思えないほどのクォリティの高い武装を装備していますし、ラスボス的な風格を持ったキットになっているのがいいですね。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。薄刃ですが強度が高く長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら