今回は、FULL MECHANICS 1/100 ソードカラミティガンダムのレビューをご紹介します!
FULL MECHANICS ソードカラミティガンダムは、『機動戦士ガンダムSEED MSV』より、MS「GAT-X133 ソードカラミティガンダム」の1/100スケールモデルキットです。各部にソード系の武装を持つ特徴的な機体形状を新規パーツを用いて再現。シュベルトゲベール、パンツァーアイゼン、マイダスメッサー、アーマーシュナイダーといった近接戦闘特化型の武装が多数付属するキットになっています。価格は6,650円(税込み)。プレミアムバンダイ限定の商品です。
地球連合軍が万能機開発計画「リビルド1416プログラム」の一環として開発したカラミティガンダムの派生機で、全身にソードストライカーと同系列の武装を持つ近接戦闘仕様機「GAT-X133 ソードカラミティガンダム」がFULL MECHANICSシリーズでキット化。
2021年6月に発売されたFULL MECHANICS カラミティガンダムの内外パーツを流用しつつ、肩部や背部バックパック、パンツァーアイゼン、マイダスメッサー、シュベルトゲベール、アーマーシュナイダー、ビームエフェクトなどが新規造形で再現されています。色分け用の一部外装パーツも新造。
成形色はオレンジを基調に、各部にイエローやホワイト、ダークグレーを配色。その他、シュベルトゲベールがワインレッド、腹部スキュラの砲口がライトグレー、腰部モールドがブルー、一部装甲や内部・関節パーツがダークブルー成形色での再現となっています。
ホイルシールは通常のカラミティガンダムからの流用。頭部センサー類を補うくらいです。赤いシールは使用しません。塗装も頭部ダクトや各部ダクトを補うくらいでわずか。素組みで十分な色分けが再現されています。
内部・関節のダークブルーパーツ、イエローやホワイトの外装パーツはKPS素材となっています。クリアのスタンドのみABSでキット本体には使われていないので、塗装する場合も破損を気にせず取り組めそうです。
ポリキャップは不使用。肘はKPS、膝はPSとKPSパーツ構成で関節強度はまずまず高め。背部に対艦刀「シュベルトゲベール」を持つバックパックを装備していますが、後方への負荷は少なく、自立は安定しています。
■付属品
パンツァーアイゼン用のケーブルパーツ✕2、エフェクトパーツ各種(シュベルトゲベール用:3種、マイダスメッサー用✕2)、ディスプレイ用ジョイントパーツ、アクションベース6✕2が付属。
余剰パーツがいくつか付属。クリアのパーツはお好みでご自由にお使いくださいとのこと。
専用のマーキングシールが付属します。水転写デカールではないのは初心者に優しくといったところでしょうか。
■各部形状
形状の異なる部分のみ、通常のFULL MECHANICS カラミティガンダム(以下、通常のカラミティ、ノーマルなど)と比較しながら各部を見ていきます。
まずはバックパックを外した状態で全身から。成形色の関係か、どことなく武士のような、全身に甲冑をまとったような容姿になっているのが印象的。
■頭部
頭部形状は通常のカラミティと同じ。角度の付いたV字アンテナや側頭部のアンテナなど、少しヒールさを感じさせる特徴的な形状が再現されています。頬はダクト内部はパーツ分割されているので塗り分けがラクです。
頭部は多数パーツの組み合わせで各部の合わせ目は段落ちなどでモールド化。とさか前面のセンサーは前が白いパーツ、後ろがオレンジパーツの上からグリーンのシールを貼っての色分け。こちらも頬のダクトと同様、パーツ分割されているので塗装での塗り分けがラクです。
ツインアイはクリアパーツにシールを貼っての再現。シールを貼らずにふちを黒く塗るなどすれば、クリアパーツを活かすこともできます。
■胴体部
胸部・腹部。こちらも形状は通常のカラミティと同じ。網状のダクト(エアインテーク)や中央の580mm複列位相エネルギー砲「スキュラ」など、各部がパーツで細かく色分けされていてリアルです。MG並の完成度の高さ。
首はダブルボールジョイントで柔軟に可動。肩は複数パーツの組み合わせでかなり幅広く柔軟に可動します。
腰部。左右に幅があり、シャープで刺々しい装甲が印象的。各部モールドやスラスター口などは裏打ちパーツとの兼ね合いで細かく色分けされていてリアルです。
腰アーマー裏も通常のカラミティと同じ。各面ともメカニカルなモールド入りの裏打ちパーツが造形されています。ところどころ肉抜き穴やモールドがタルい感じはありますが、簡単なパーツ構成ながらメカメカしさが表現されているのは良いかなと。
腰には可動ギミックがあり、ふんどし部分の上下スライドに合わせて腰の基部も前後に可動。上半身が反らせるようになっています。
股間部にもスライドギミックがあり、スライドさせることで脚部の可動域が広がります。
■腕部
腕部を通常のカラミティと並べて比較。肩の一部装甲や上腕以下など、同形状の箇所はありますが、ショルダーアーマーはマイダスメッサーを持つ装甲がソードカラミティ用に新造。前腕にも新造されたパンツァーアイゼンを装備しています。
腕部は全体に簡単な内部フレームが造形。
上腕、前腕各部とも筒型パーツの組み合わせで合わせ目はありません。前腕のパンツァーアイゼンは脱着が可能。
前腕の手首側はボールジョイント接続で、上下や左右など適度にスイングさせることができます。
ロケットアンカー「パンツァーアイゼン」。射出式のロケットアンカーで、敵機の捕縛や態勢を崩すなどに用いられる他、クローによって自機を固定するといった使用も可能とのこと。各部がパーツで丁寧に色分けされていて完成度が高いです。
中央のダークグレーパーツは上下にスライド可能。このパーツがロックになっているようで、青⇒側に上げることで、白いクローが展開できるようになっています。クローは手前に引き出し、左右に広げて展開。
パンツァーアイゼン裏面のパーツを外し、付属のケーブルパーツを組み付けることで射出状態を再現することができます。リード線はどちらも先端折り曲げるため、引っ張っても抜けないようになっています。
MGストライクガンダム用のパンツァーアイゼンと並べて比較。どちらも用途は同じですが、形状は全く異なります。射出部分もストライク用はクローのみが飛び出るのに対し、カラミティ用は本体ごと射出されるようになっていますね。
ショルダーアーマーも合わせ目ができないパーツ構成。前後の装甲は通常のカラミティは色分けされていませんが、こちらは裏打ちパーツを交えてお洒落に色分けされています。
前後の黄色いふちはパーツできっちりと色分けされていますし、内側にはメカニカルなモールドも造形。側面のマイダスメッサー柄は脱着が可能。ジョイント部分も作りも丁寧です。
ビームブーメラン「マイダスメッサー」。両肩に装備された投擲武器になります。ソードストライクと同タイプの兵装だが、グリップの形状が異なるなど細部に違いが見られるとのこと。
肩から取り外して付属のエフェクトパーツを組み付けることで、ビームブーメランとして使用することができます。
柄の部分はグリップパーツを挟んでの2枚パーツ構成ですが、側面の合わせ目は各部とも段落ちなどでモールド化。
柄の内側には3.0mm穴があり、付属のアクションベース6を使うなどすれば、マイダスメッサーを単体でディスプレイさせることができます。ありそうでなかった仕様で、投擲シーンの演出に配慮されているのが良いですね。
付属のアクションベース6は2022年10月に一般発売されたものと同じものです。
MGストラップ用のマイダスメッサーと並べて比較。こちらも形状がかなり違っています。
■脚部
脚部を通常のカラミティと並べて比較。大部分の形状は同じですが、外側の脹脛にはアーマーシュナイダーとそのホルダーが新造。カラーリングもどことなく武士味が感じられる配色になっています。
大腿部は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化。膝から下も細かなパーツの組み合わせで合わせ目はモールド化されています。
膝はヒンジ接続構造。大腿部や膝から下の部分を組み立ててから組み合わせる構造で組み立てがラクです。
脹脛のホルダーは表面装甲が展開可能。内部からアーマーシュナイダーが露出します。アーマーシュナイダーは取り外し可能。表面装甲はヒンジ接続で少し引っかかりやすいので、ムリに展開してパーツが白化したり破損したりしないように注意です。
コンバットナイフ「アーマーシュナイダー」。実体刃式の格闘兵装になります。取り回しの良さから超至近距離での戦闘力に秀でているとのこと。刃はパーツできっちりと色分けされていますし、刃側面には形式番号「GAT-X133」が見えやすく印字されていて完成度が高いです。
2個パーツ構成なので合わせ目などはありません。
後部のスラスターは少し上下に可動。表情を変化させることができます。
ソール部。通常のカラミティと同形状ですが、かかとの配色が違っているため、少し身軽な感じが表現されているようです。
足裏はつま先、かかと共に蓋パーツなどで細かなモールドが造形。塗り分けるともっと見栄えがしそうですね。つま先、アンクルアーマーともに上下に可動します。
■バックパック
背部には2本の対艦刀「シュベルトゲベール」を持つバックパックを装備。対艦刀がバランスよく配置されているため、ソードカラミティ本体と組み合わせても違和感がないですし、シルエットもかなり格好良いものになっています。
バックパック本体部。厚みのある装甲と下部スラスターで構成されたユニットになっています。後部スラスターは黄色いパーツでの色分けを再現。
下部には2口の角型スラスターが造形。スラスター基部は少し上下に可動します。スラスター口の上部のフィンは別パーツ化されているので、塗り分けたりするともっと見栄えがしそうですね。
対艦刀をマウントするアーム。複数パーツの組み合わせで肉抜き穴はなし。ディテールがしっかりとしていて完成度が高いです。下部のフックは動きそうな雰囲気ですが、可動ギミックはありません。
15.78m対艦刀「シュベルトゲベール」。ソードストライクガンダム用の装備を改修した対艦刀、レーザーの刃と合金製の切っ先により、水中戦での使用にも対応するとのこと。ロングサイズの大剣型武装になっています。
刀身部分はダークブルーのモールドパーツと白い切っ先パーツを挟み込む構造ですが、側面の合わせ目は各部とも段落ちなどでモールド化。
白いビーム発生器には付属のビームエフェクトパーツが組み付け可能。幅がギリギリなため、組み付ける際にビームエフェクトが少し反る場合があるので注意です。
グリップ周りも合わせ目は段落ちや段差でモールド化。側面のモールドやグリップエンドのレーザー砲口もパーツできっちりと色分けされています。造りに抜かりがないですね。
グリップエンドのレーザー砲口にも付属のビームエフェクトパーツが組み付け可能。
MGストライクガンダム用の対艦刀「シュベルトゲベール」と並べて比較。ビーム発生器やグリップなど、大まかな配置は同じですが、デザインは全く別物です。
対艦刀のアームとバックパックとの接続部はロール可能。
アームと対艦刀との接続部分もロール可能。2箇所のロール可動部で柔軟に前後させることができます。
アーム上部にはスイングギミックがあり、対艦刀を左右ハの字型に展開することもできます。何気にポージング時の表情に変化を与えてくれますし、接地時の干渉も避けられるというありがたい仕様。
バックパックはソードカラミティ背部とは横長のダボ接続。他のカラミティ系と同じなので、各種とも交換することができます。バックパック内側のメカモールドが凄いですね。
ソードカラミティにエールのバックパック、エールカラミティにソードのバックパックを装備して。カラーリングは異なりますが、カラミティ本体は大部分が同じなので装備を交換しても全く違和感がありません。
■他キットとの比較
ベースキットであるFULL MECHANICS カラミティガンダムと並べて。カラーリングと装備が違っているため、ソードカラミティのほうが軽い感じがありますね。仕様によってデザインやカラーリング、形状に関する開発側の配慮が伺えます。
カラミティのバリエーション機であるFULL MECHANICS エールカラミティガンダムと並べて。こちらもカラミティ本体の大部分は同じですが、カラーリングや肩部、前腕部、そして背部装備が違っています。エールカラミティは背部装備によってかなりトップヘビーなシルエットに。
MGソードストライクガンダム(MGエールストライクガンダムVer.RM+MG エールストライクガンダム Ver.RM用 ランチャーストライカー/ソードストライカーパック)と並べて。装備品の位置は同じですが、ソードカラミティは各種装備を2基ずつ保有しています。
■各部可動域
ベースのカラミティとフォーマット、構造共に同じなので可動域もほぼ同じ。以下の画像では通常のカラミティのほうが関節がヘタれているため、少し広く可動していますが差はありません。
頭部は適度に上下に可動し、上半身も適度に反らすことが可能。腕は水平よりも上まで上がりますし、肘も2重関節構造なので深くまで曲げることができます。
腰は干渉するため、少ししか回りません。膝は2重関節で深くまで曲げることが可能。立膝もきれいな姿勢で再現することができます。
左右への開脚は水平程度まで幅広く展開可能。これ以上に展開できますが、サイドアーマーがポロリします。足首は45度程度まで曲がります。
可動域の総括としては、フルメカニクスシリーズのフォーマットで各部とも柔軟に可動します。多少腰の回転が物足りないところはありますが、肘や膝、肩など各部が広く可動するので、近接戦闘のダイナミックなポージングも十分に再現できそうです。
■ポージング
一通り武装して。
シュベルトゲベールはグリップに突起があるので、指パーツをしっかりと組み付けることができます。なのである程度安定した保持が可能。
ただし指パーツがKPS素材なため、経年などでヘタれるとやや抜けやすくなってくるので注意です。シュベルトゲベール自体は軽量なので、頻繁に落としたりということはなかったです。
全体的に可動が柔軟なので、躍動感あるポーズは十分に再現することができます。シュベルトゲベールを使って腕を振り下ろすようなポーズも再現可能。
ただ、通常のカラミティでは見られませんでしたが、金型の劣化のせいか肩の関節強度が弱く、シュベルトゲベールを構えるだけでも腕が垂れる感じがありました。個体差があるかもしれませんが、肩が垂れたりパーツが外れたりする場合はポーズを取らせる前にあらかじめ補強しておいたほうが良いかもですね。
浮かせてディスプレイさせる場合は付属のジョイントパーツを股間部に組み付けます。このジョイントパーツも固定がやや甘いので、浮かせた状態でキットを傾けると外れやすかったりします。1/100サイズのキットは重量があるので、それに応じてしっかりと組み付けられるジョイントパーツがほしいですね。
シュベルトゲベールは2本を並行に連結することができます。ビームエフェクトパーツも連結用のものが付属し、大型の太剣として使用することが可能。迫力ある斬撃シーンを演出することができます。
ただし指パーツが外れやすいこと、2本のグリップが近いこともあり、保持させるのが少し難しいです。片手で保持してもう片手は添えるだけにするなどしたほうが、ポーズを取らせるのはラクかも。
2本連結状態で重量はありますが、肘や手首といった各部関節強度は高いので、肩さえ補強しておけば片手持ちでも十分に保持できます。
対艦刀は背部にマウントしたまま前方に展開し、発振器にエフェクトパーツを組み付ければ、砲撃しているような演出も楽しむことができます。
付属のケーブルパーツを組み付け、前腕のパンツァーアイゼン射出状態を再現。リード線には適度な強度があるので、パンツァーアイゼンが垂れ下がったりすることなく安定したディスプレイが可能です。
肩のマイダスメッサーを保持して短剣として使用。グリップが円筒状なため、握らせるとたまに角度が変わることがありますが、ある程度しっかりと保持できるのでポーズは再現しやすいかと。
単体でディスプレイできるので投擲シーンもリアルに演出可能。このような軽快なポーズが演出できるのも、近接戦闘仕様であるソードカラミティの特徴の一つですね。
ビームエフェクトパーツ各種は蛍光クリアグリーン成形色での再現で、ブラックライトで照らすと鮮やかに発光します。
アーマーシュナイダーも対艦刀と同様にダボがあり、指パーツにしっかりと組み付きます。軽装なので保持がすごくラクで、ポージングで全く気を使う必要がありません。反転して苦無のように持たせることも可能でした。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。近接戦闘仕様だからか、機体やカラーリング、配色の関係か、どことなく鎧を纏った武士のような雰囲気がありますし、ソード系の武装が揃っているのでよりそれらしい演出ができて面白いですね。重厚な大剣を振り下ろすポーズだけでなく、ブーメラン、小刀といったコンパクトで小刻みな演出もできるのでポーズを取っていて楽しいです。
気になる点は、個体差かもですが、肩関節が外れやすく、シュベルトゲベールを保持するだけでも肩が垂れることがありました。通常のカラミティではそういったことがなかったので、金型の劣化もあるのかなと思います。それと腰アーマーがやや外れやすいので、ポージングでは少しストレスを感じるかも。
造形、ディテール共に文句がなく、外見的な完成度が高いですし、武装類の造形にも落ち度がありません。FULL MECHANICSシリーズらしいメカニカルなディテールにも見応えがあり、機体としてのリアルさや存在感もバツグン。これまでに発売された遠距離砲撃仕様や制空戦闘仕様とは異なる、また違った側面のカラミティガンダムが楽しめるのが良いですね。
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