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HG ボリノーク・サマーン レビュー

今回は、HG 1/144 ボリノーク・サマーンのレビューをご紹介します!

HG ボリノーク・サマーンは、『機動戦士Zガンダム』に登場するMS「PMX-002 ボリノーク・サマーン」の1/144スケールモデルキットです。頭部にレドーム、背部に高機動型バックパックを持つ特徴的な機体形状を再現。専用シールドのクロー可動ギミックにより、印象的なポージングが可能となっています。価格は3,520円(税込み)です。

シロッコが独自開発したハンドメイドMS群「PMXシリーズ」の1機で、劇中ではサラ・ザビアロフが搭乗。同シリーズ機であるパラス・アテネやジ・オと共に運用され、終盤ではGディフェンサーの攻撃からシロッコを庇って撃墜された機体「PMX-002 ボリノーク・サマーン」がHGUCでキット化。

重厚な機体形状に加え、索敵能力を有するとされる頭部レドーム、背部の高機動型バックパック、クローが展開可能な専用シールドといった特徴的な装備が新規造形で再現されています。ビームエフェクトパーツのみHGUCシナンジュからの流用。名前の由来は「森のくまさん」です。

成形色はライトグリーンとグリーンを基調に、各部にイエローやレッド、上腕や大腿部、スネなどにダークブルーを配色。その他、内部・関節パーツはダークグレー成形色での再現となっています。

ホイルシールが付属し、頭部モノアイやレドーム、頬ダクト、脚部やスラスターのモールドなどを補いますが多くはありません。炸裂弾ランチャーの砲口などを塗り分ける必要がありますが、素組みそのままでも十分なくらいの色分けが再現されています。

頭部レドームにはクリアブラックのリフレクションカットパーツが仕様されています。きめ細かなモールドが入っているため、光を反射しやすく、きらびやかに演出してくれます。

ダークブルーとダークグレー成形色パーツにはKPSが使用されています。ABSは不使用。

ポリキャップはPC-132Cを腰部や肩部、手首、足首など各部に、PC-7をバックパックのバーニアに使用しますが多くはありません。肘や膝など多くの関節はPKSパーツ構成で関節強度はまずまず高め。背部に大柄なバックパックを装備しているため、後方に負荷がかかりますが、うまくバランスを取ることで自立は可能です。

■付属品

発光状態の頭部パーツ、エフェクトパーツ(ビームサーベル用✕2、ビーム・トマホーク用✕2、)、ビーム・トマホーク、平手(左)が付属。

余剰パーツがいくつか付属。エフェクトパーツは代わりに使っても良さそうですね。

■各部形状

HGUCボリノーク・サマーンの各部を見ていきます。

■頭部

頭部は頭頂部のレドームが特徴的。左右のダクトも左右に幅あり、個性的なシルエットを形成しています。どことなくゴリラやクマなど動物的な雰囲気も感じさせるデザイン。頬のダクトは黄色いシールでの色分けです。

頬側面の装甲は合わせ目っぽいですが、モールドとしておいても良い感じかなと。

モノアイはダークグレーパーツにピンクのシールを貼っての再現。モノアイレールもきっちりとモールド化されています。

頭部底面にはレバーがあり、左右に動かすことでモノアイも左右に可動するようになっています。可動は割とスムーズ。

頭頂部がレドーム発光状態の頭部が付属。組み替えることでレドームが輝いているような状態を再現することができます。形状自体は通常の頭部と同じ。

レドームの内側には虹玉模様のシールを貼るようになっているため、リフレクションカットのレドームに少し色味がついて感じが良くなっています。

■胴体部

胴体部。胸部に丸みがあって大柄。トップヘビーのずんぐりとした容姿が特徴的に造形されています。どことなくカジュアル服のようにも見えますし、可愛らしさも感じさせるデザインになっています。脇からバックパックに伸びる2本動力パイプも印象的。

首は幅広く前後します。肩はダブルボールジョイントのパーツで接続する構造。ダブルボールジョイントパーツは簡単なモナカ割ですが、合わせ目は段落ちモールド化されています。

腹部のアーマー裏には裏打ちパーツが造形。ボールジョイント接続で柔軟に可動します。股間部にはスイングギミックがあり、少し脚部の可動域を広げることができます。

■腕部

腕部は大柄なショルダーアーマーやエッジの効いた前腕装甲が造形。やや力強さを感じさせるデザインになっています。

上腕は筒型パーツの組み合わせで合わせ目はなし。前腕のダークブルー装甲は上下の組み合わせですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化されています。前腕の一部は黄色いシールでの色分けですが、モールドは造形されていないので説明書の画像を頼りに貼り付けました。

肘関節の前腕側はロール可能。ライトグリーンの装甲は専用シールドのハードポイントになっています。

肘は前後に幅広く可動しますし、前腕側の可動によって左右にも可動するようになっています。なのでがわら曲げなども自由に再現することができます。

前腕には専用シールドが装備可能。ある程度しっかりと固定することができます。

専用シールド。右腕部に装備する専用のシールドで、シザースやビームガンなどの武装を持つ複合装備になっています。

側面のモールドは黄色いパーツで、各部装甲はそれぞれのパーツできっちりと色分けされています。

裏面中央には2基のビーム・トマホークをマウント。

先端部のクローであるシザースは左右に幅広く展開可能。中央にはビーム・トマホークのビーム・ガン発射口があり、射撃武装として使用することができます。

クローは左右の簡単な組み合わせで側面に合わせ目ができます。合わせ目を消す場合は後ハメなどの加工が必要。

中央のビーム・トマホークは取り外しが可能。組み合わせ強度が高いので、取り外す際は破損に少し注意です。(個体差あるかも。)

取り外したビーム・トマホークはエフェクトパーツを組み付けることで武器として使用可能。ビーム・ガン口にはビームサーベル刃を組み付け可能です。

ショルダーアーマーは前後の組み合わせですが、中央の合わせ目は段落ちモールド化。

側面の装甲は少し展開可能。前面の炸裂弾ランチャーはパーツの組み替えによるハッチ展開状態が再現できます。が、普通に開くだけでも展開できます。内部には弾頭モールドが造形。グレーに塗り分けが必要です。

■脚部

脚部。全体的に厚みがありますが、それでいて造形バランスが良くスタイリッシュ。大腿部と膝下装甲が色分けされていてカジュアルさがあり、フットワークの軽さも感じさせるようなデザインになっています。赤いダクト部分はパーツによる色分け、黄色いモールドはシールでの色分けとなっています。

脚部内部構造。

大腿部は前後、膝から下は前面と左右の組み合わせですが、合わせ目は各部とも段落ちモールド化されています。

ソール部はエッジの効いた装甲が造形。つま先のダクトも赤いパーツできっちりと色分けされていますし、足裏のモールドも細かいです。足裏は少し肉抜き穴あり。

つま先は角度変更が可能です。

■バックパック

背部には大型のメイン・スラスター、サイド・バーニア、サブ・バーニアなどの複数の推進器を備える大型のバックパックを装備。かなりボリューム感あるユニットになっています。

中央のメインスラスター。大型のスラスターユニットでかなりの存在感があります。後部には3基のバーニアを装備し、バーニアは各種とも内部は赤いパーツでの色分け。

バーニアはボールジョイント型ポリキャップ接続なのでで少し引き出せば少し可動します。ですがあまり動かす必要もないかなと。上部のスリットダクトもパーツできっちりと色分けされています。裾の黄色いモールドはシールでの色分け。

バックパックと本体とは2ダボ接続ですが、凸凹の形状が他と逆なので他キットのバックパックと交換はできないようです。それと動力パイプを挟むので組み替えは現実的ではない感じですね。

サイド・バーニアは特徴的な楕円体型。表面にはメカニカルなモールド、下部には3基のバーニアが造形されています。サイドバーニア本体は簡単なモナカ割ですが、上下の合わせ目は段落ちモールド化。先端の黄色いモールドはシールでの色分けです。

サブ・バーニア。こちらは円筒型のバーニアになっています。筒型パーツの組み合わせで合わせ目はなし。先端の4口バーニアはパーツでの色分けです。

各部スラスター群は付け根がボールジョイント接続である程度柔軟に可動。バーニア口を後方に向けたり、上下にスイングさせたりと表情を細かく変化させることができます。

■他キットとの比較

HGUC RX-78-2ガンダム(リバイブ版)、HGUCνガンダム(ファンネルなし)と並べて大きさを確認。νガンダムほどではないですが、HGとしてはやや大きめ。幅はHGの2倍以上の大きさがあります。

同じPMXシリーズであるHGUCパラス・アテネと並べて。発売時期にかなり差がありますが、並べてもそこまでの違和感はない感じです。ただ、パラス・アテネの大きさには驚かされますね;

同じPMXシリーズの機体であるHGUCジ・オと並べて。ジ・オもなかなかの大型キットですが、ボリノーク・サマーンとの差はあまりないようでした。

■各部可動域

首の可動によって頭部を広めに上下させることが可能。左右への可動は、顎の干渉で少し斜めになるものの、問題なくスイングさせることができます。

腕は水平程度まで上げることが可能。肘は2重関節とロール可動によって深くまで曲げることができます。

肩はダブルボールジョイントの接続部によって少し前後にスイングできます。

腰部には2軸の可動ギミックがあり、上半身を広めに前後させることができます。(バックパックを装備していると可動が制限されます。)

腰は干渉なく360度回転可能。こちらはバックパックを装備しても同じです。アクションベースやスタンドへは、股間部のポリキャップ穴に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。

腰アーマーが無いため、前後開脚は幅広く前後させることができます。

膝は2重関節ですが、外装が干渉するため、くの字程度までと制限されます。

足首の可動は、前後へは適度に可動しますが、左右への可動はやや制限されます。

左右への開脚は水平までは行きませんが、ある程度広く展開させることができます。

内股は干渉で制限されますが、がに股はある程度広めに展開することができます。

立膝はきれいな姿勢で再現することができました。

可動域の総括としては。ボリューム感のある機体ですが、全体的な可動域はまずまず広め。干渉が避けられるような構造になっているようですし、ある程度動きのあるポーズは再現できそうです。

■ポージング

右手の専用シールドに重量があるため、自立時は姿勢が少し右側に傾きやすいです。ですが浮かせてディスプレイさせる分には問題なさそうですね。

肘がかなり柔軟に可動するので、ポージングでその恩恵を受けてかなりいろんな動きをつけることができます。専用シールドは大柄な武装ですが、全くストレスなく動かせるのが凄いですね。

専用シールドは複合武装になっているので、クローで挟む、打突するといったポーズやビーム・ガンで射撃するポーズなどいくつかのポージングを演出することができます。

モノアイの可動ギミックに加え、平手なども付属するのでポーズに表情が付けやすくて良いですね。

バックパックはスラスターやバーニアが多いので、背面からのビューには見応えがありますね。全体的に重量があるので、支柱が細いスタンドだと少し不安があるかも。太い支柱のスタンドを使ったほうが安心ではあります。

ビーム・トマホークは一旦手甲パーツをバラして握らせます。抜け落ちることはないですが、グリップがやや細身なため、クルッと反転したりスルッと移動したりすることがあるので注意です。

こちらもグリップを反転させることでトマホークとサーベルの両方が楽しめます。

背部バックパックに重量があるので、自立してのポーズはやや後方に倒れやすいかも。足首も角度がつきにくいですが、うまくバランスを調整すれば、接地した状態でもポーズを取らせることが可能でした。

肩の炸裂弾ランチャー展開や頭部交換によるレドーム発光状態など、ちょっとした表情の変化が楽しめるのも良いですね。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。最新のキットなので完成度が高いのはもちろん、可動が柔軟でポージングもかなり格好良く演出してくれます。名前の由来の通り、どことなくくまさんに似たような容姿も面白みがあって良いですし、頭部レドームもそれらしい雰囲気があって印象的。おかっぱのようにヒトクセあるのも見た目的に楽しませてくれますね。

気になる点は、そんなに無いですが、股間部がポリキャップなのでものによっては3.0mm軸を指してもクルッと反転したりすることがあるかも。それと足首の可動域がやや狭いのと、背部に重量があるので自立してのポージングが少し難しいところも。再現したい場合はうまくバランスを調整する必要がありそうです。

背部バックパックもバーニアが多く見応えがありますし、重厚な雰囲気を演出してくれます。パーツ構成もなかなか秀逸で色分け、構造ともに感心しますし、待望のキット化で待った甲斐があったと思わせてくれる、ボリノーク・サマーンの魅力が余すことなく再現されたキットになっているのが良いですね。

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