今回は、2000年10月に発売されたHGUC 1/144 MS-14F ゲルググマリーネのレビューをご紹介します!
HGUC ゲルググマリーネは、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場するMS『MS-14F ゲルググマリーネ』の1/144スケールモデルキットです。ゲルググマリーネの特徴的な機体形状を新規造形で再現。肘・ひざ関節部には露出防止のポリキャップカバーを新造。幅広い可動域により、様々なアクションポーズに対応したキットになっています。価格は1,320円(税込み)です。
ゲルググを海兵上陸部隊仕様に改修した機体で、海兵隊専用MSとしてシーマ艦隊などにに配備された『ゲルググマリーネ』がHGUCでキット化。ゲルググ系改修機の特徴的な機体形状や、機動性の向上を目的としたプロペラントタンク付きバックパックなどが新規造形で再現されています。
成型色は主に胴体部のライトグリーンや頭部・四肢などのダークグレーがベース。関節カバーパーツや各部小型スラスターはブルーグレー成型色での再現で、全体的にやや地味めの量産機らしいカラーリングになっています。
シールは頭部モノアイを補うくらいでわずか。小型スラスターの内部など部分的に塗装が必要ですが、素組みでも大部分の色分けは再現されています。
ABSやKPSは不使用。すべてPS素材で構成されています。
ポリキャプはPC-123プラスを各部に使用し、関節強度はまずまず高め。背部バックパックに影響はなく、脚底の接地面も大きいので自立は安定しています。
MMP80マシンガン、スパイクシールド、ビームサーベル×2、武器持ち手)、平手(左)が付属します。
頭部はゲルググ特有のシルエットで、左右の動力パイプなどがメカニカルに造形。ゲルググに比べて後頭部の放熱フィンが大型化されています。メット部は前後の組み合わせで頭頂部から側面にかけて合わせ目ができます。
モノアイは黒いシールの上からモノアイのピンクシールを貼っての再現です。説明書に記載はないですが、口元のパーツを外してシールの位置を変えることで、モノアイの左右可動を表現することができます。分解し易いので貼り替えはラク。
胴体部もゲルググらしいシルエット。部分的にメカニカルなモールドが造形されています。腹部コックピットハッチの開閉ギミックなどはありません。胸部、腰部とも前後の組み合わせで側面に合わせ目ができます。
リアアーマーもゲルググと同じスカートタイプ。各部の小型バーニアが別パーツで色分けされています。小さいパーツがあるので、紛失には注意が必要です。中央下部にあるスラスターの凹みは黒く塗り分けが必要。
腰アーマーに可動ギミックはなし。アーマー裏にモールドはなくプレーンな作りです。リアアーマー内側の3基スラスターはポリキャップ接続で前後、左右へのスイングが可能。
腕部も棘感のある肩アーマーや前腕の装甲など、ゲルググと殆ど変わらないデザインになっています。
二の腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。肘から分離するので、合わせ目消しはラクそう。
前腕には110mm速射砲が造形され、砲口は別パーツ化。塗り分けがしやすそうです。
ショルダーアーマーは前後の組み合わせで上部や側面に合わせ目ができます。肩に被せる仕様なので単体化でき、合わせ目消しもラク。側面のダクト内部は赤く塗り分けが必要です。
脚部もゲルググと殆ど変わらず。裾広がりのスカートアーマータイプにデザインされています。色分けも最低限で、後部小型スラスターの凹みは黒く塗り分けが必要です。
大腿部は左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。膝から下も左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。膝から分離するので、合わせ目消しはラクそう。後部装甲が別パーツ化されているので、その分見栄えはするようになっています。
ソール部は簡易的なパーツ構成ですが、脚底はつま先側が蓋パーツになっています。かかとも別パーツ造形で接地が安定。かかとパーツ裏には肉抜き穴があります。
スカートアーマー内部には3基の小型スラスターが造形。ポリキャップ接続で適度にスイングします。基部がモナカ割で隙間までパーツ化されているので、作りが雑に感じるかも。
バックパックは2基のプロペラントタンクを装備したタイプで、4基のバーニアが造形。機動性を重視したユニットになっています。
バックパックは2ダボ接続。
バーニアは各部とも別パーツ化されていて塗装はラク。上側のバーニアは小さいので紛失に注意です。大きいバーニア内部は赤く塗り分けが必要。
前後の組み合わせで側面や上部など一部に合わせ目ができます。上部にアンテナが造形されていますが、細身なので折ってしまわないように注意です。
プロペラントタンクはモナカ割で簡易的。上下に合わせ目ができます。ポリキャップ接続で少し前後にスイングします。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。HGとしては少し大きめ。設定に近いサイズだと思います。ゲルググマリーネの全高は20.2mm。
劇中で戦闘を繰り広げたHGUCジム・カスタム、HGUCガンダムGP01Fbフルバーニアンと並べて。ジム・カスタムとは発売時期に10年ほどの差がありますが、並べてもそこまで違和感はないですね。
手持ちのゲルググ系として、HG ジョニー・ライデン専用ゲルググ、HG シン・マツナガ専用ゲルググJと並べて。どれもベースキットの発売時期は近いですが、フォーマットが異なるため各部形状やサイズ感が違っています。
頭部はわずかに上下する程度。左右へは少し干渉しますが、水平にまでスイング可能です。
腕はショルダーアーマーが干渉するため、水平までも上げることができず。肘も90度まで曲げることはできません。
胸部側に可動ギミックがないので、肩の前後スイングギミックはありません。胸部や腹部に可動ギミックがないので、上半身の前後スイングもわずか。共に画像は省きました。
腰は360度回転可能。股間部に3.0mm穴などはないので、アクションベースやスタンドで浮かせてディスプレイさせる際は股間部にコの字パーツを挟みます。ただ、はめ込みが考慮されてはいないので、キットがふらついたり傾いたりしやすいので注意です。
腰アーマーが固定式なので、大腿部が干渉して前後開脚は制限されます。
膝の曲げる角度は90度程度まで。膝から下も空洞が目立ちます。
足首は前後左右ともまずまず可動します。
股間部がボールジョイント接続で、左右の開脚はハの字程度まで展開。
内股、ガニ股も45度程度までとなります。
立膝も殆どできないので画像は省きました。
可動域の総括としては、さすがに現代のキットに比べると可動域の不十分さは目立ちますが、四肢関節はそれなりに動きますし、腰部や脚部のスカートアーマーが広いので意外と干渉が避けられます。その辺りの可動を活かしつつ、うまくポージングさせたいところです。
MMP80マシンガン。本格的な対MS戦闘を想定して開発した口径90mmマシンガンになります。主にジオン残党軍などが使用。
モナカ割の簡易的な作りで上下に合わせ目ができます。マガジンの脱着ギミックもなし。
銃口は開口されています。
スパイクシールド。別名ナックルシールドとも呼ばれる装備で、ザクIIのシールドを独自に製造し、手持ち装備としたシールドになります。前面には3本のスパイクが造形。スパイクは一体成型です。簡易的ながら裏面には裏打ちパーツも造形されています。
グリップは別パーツで可動式。
一通り武装して。
MMP80マシンガンは付属の武器持ち手を使って保持させます。ダボ固定ではないですが、グリップをしっかりと挟み込めるので遊びもなく取扱が安定しています。
股間部のコの字パーツが固定されないので、浮かせてディスプレイさせる際にキットが傾いたりふらついたりしやすいのが難点かと。
スパイクシールドもグリップをハンドパーツに差し込み、前腕にもダボ固定されるのでしっかりと保持させることができます。
平手が付属するので、ポーズにちょっとした表情が付きますし、MMP80マシンガンに手を添えるような自然なポーズができるのはいいですね。
ビームサーベルはクリアイエロー成型色の1個パーツ構成なので、柄周りはグレーに塗り分けが必要です。ブラックライトで照らしても発光はせず。
グリップにしっかりと差し込んで固定できるので、抜けることもなくポーズを取らせることができます。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。ゲルググ特有の機体形状で、ポージングさせると独特のかっこよさがありますね。地味なカラーリングですが、その分量産機らしさがあり、渋くまとまりのあるキットになっています。背部プロペラントタンクも適度な存在感があり、ポージングに華を添えてくれるのもいいですね。
気になる点は、浮かせた状態でのディスプレイが考慮されていないので、股間部にコの字パーツを挟んでも不安定でキットが傾きやすいです。なのである程度調整しながらポーズを取らせるようになります。あと、胴体部のライトグリーン成型色が少しおもちゃっぽいので、もう少しミリタリー感のあるグリーンだと良かったかもですね。
作りが簡易的でレトロな感じもありますが、前腕には110mm速射砲、リアアーマーや脚部スカート内部には可動式スラスターも造形されるなど、細部にはこだわりも見て取れます。劇中ではアルビオン隊と交戦するシーンも多かったので、ジム・コマンドやシーマカスタムとうまく組み合わせて劇中シーンを再現したいですね。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。(一度切りです。)切れ味はもちろん優秀。薄刃ですが強度が高く長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら