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HGUC ザクII FS型(ガルマ・ザビ専用機) レビュー

今回は、2002年9月に発売されたHGUC 1/144 MS-06FS ザクII FS型(ガルマ・ザビ専用機)のレビューをご紹介します!

HGUC ザクII FS型(ガルマ・ザビ専用機)は、『機動戦士ガンダム MSV』より、MS『ザクII FS型(ガルマ・ザビ専用機)』の1/144スケールモデルキットです。ガルマ専用機の特徴的なカラーリングや頭部のバルカンなどをリアルに再現。肩関節の追加により、両腕でのマシンガンを構えるポーズが再現可能なキットになっています。専用ヒートホークが付属し、腰サイドアーマーに取り付けが可能。価格は1,100円(税込み)です。

ザクIIF型をベースに少数生産されたザクIIFS型の内、ガルマ・ザビ(当時少佐)専用機として製造された機体『ザクII FS型(ガルマ・ザビ専用機)』がHGUCでキット化。2002年7月に発売されたHGUCシャア専用ザクをベースに、ガルマ機特有のカラーリングや4基のバルカンを備えた頭部、専用ヒートホーク、マゼラ・トップ砲が新規造形で再現されています。

成型色はブラウンとダークグリーンを基調としたガルマカラー。その他、胸部や膝部はダークグレー、関節・内部や動力パイプ、武装類はグレー成型色での再現となっています。

シールはモノアイと前腕の丸モールドを補うくらいでわずか。こめかみのバルカンや武器のセンサー、ヒート・ホークなどを塗り分ける必要がありますが、素組みでも大部分の色分けが再現されているので違和感やチープな感じはありません。

登場作品はコミック『機動戦士ガンダム オレら連邦愚連隊』と『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』。

ちなみに『FS型』とは、一年戦争序盤の主力機だった『C型』から南極条約によって耐核装備が不要になり、軽量化したタイプが『F型』。その『F型』をマイナーチェンジし、F型をベースとした白兵戦における火力向上型が『FS型』になります。

ABSやKPSは不使用。殆どのパーツはPS素材で構成されています。ポリキャップはPC-123プラスをすべての関節に使用し、関節強度はまずまず高め。特に負荷のかかる装備はなく自立は安定しています。

ザク・バズーカ、マゼラ・トップ砲、ザク・マシンガン、ヒート・ホーク、ヒート・ホーク用ジョイントパーツ、武器持ち手(左右)が付属。

大部分の形状はベースのHGUCシャア専用ザクと同じなので、形状の異なる頭部のみ比較します。それ以外は簡単にご紹介。

頭部をシャア専用ザクと並べて。大部分はシャア専用ザクと形状が同じ。共に面長シルエットで造形されていますが、ブレードアンテナの根元形状が異り、こめかみのバルカンが片側2機基の合計4基搭載されたものが新造されています。

こめかみのバルカンはグレーに塗り分けが必要。動力パイプの色味が違っているのもガルマザクの特徴の一つです。

モノアイは内部パーツにピンクのシールを貼っての再現。パーツにモノアイモールドは造形されていません。

下部にモノアイを可動させるためのレバーなどはないため、メット部パーツを外して左右に可動させるようになります。メット部パーツの固定が硬いので、予めダボを削って脱着しやすいようにしておくのも手ですね。

胴体部。ザク特有の背広を意識したデザインで造形されています。モールドは殆どなく重機的。ドズル機のようなエングレービングもありません。ダークグリーンを基調とした地味なカラーリングですが、だからこそ全体のブラウンが生きるところもありますね。

右腕部にはザクⅡ定番のL字シールドを装備。前腕にダークグリーンが配色されているのもガルマザクの特徴の一つです。

二の腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は各部とも左右の組み合わせで合わせ目ができます。肘から分離しますが、合わせ目を消す場合はダークグリーンの部分の後ハメ加工などが必要です。肘側面の丸モールドはグレーのシールでの色分け。

L字シールドの接続部はボールジョイント接続でフレキシブルに可動。前後の組み合わせで側面などに合わせ目ができます。

L字シールドはポリキャップを挟んでの2枚パーツ構成。成型色も表裏で違っています。表面はモールドのないプレーンな作りですが、裏面にはフレーム状のモールドも造形されるなど対照的。

左肩にはスパイクアーマーを装備。スパイクは別パーツ化されておらず、前後の組み合わせで中央に合わせ目ができます。分解できるので合わせ目消しはラク。

こちらはポリキャップを交えた1軸接続で上下やロール可動が可能となっています。

脚部もザク特有の丸みを帯びたデザイン。モールドも殆どなくシンプルな作りになっています。腕部とは違ってこちらはブラウンで統一。

大腿部、膝から下共に左右の組み合わせで中央に合わせ目ができます。膝から分離ができ、膝関節も1個パーツ構成で分解できるので合わせ目消しはラクそう。全体的に合わせ目消しがし易い構造になっているのは配慮が感じられていいですね。

ソール部もポリキャップを挟んでの2個パーツ構成でかなりシンプル。ザク系特有の曲状装甲が再現されています。

脚裏はメカニカルなモールドが造形。肉抜き穴などはありません。

足首はポリキャップを交えた細かな構造で引き出しやロールが可能。この可動によってソールが幅広く前後、左右可動させることができるため接地が安定します。

バックパックもシンプルな1個パーツ構成。ですが動力パイプを挟むため脱着できるようにはなっていません。アポジやスラスターなどの造形もなし。リアアーマー中央のホルダーは展開可能。ザク・バズーカをマウントさせることができます。

HGUCシャア専用ザクと並べて。こめかみの4基バルカンが思ったよりも目立つのと、ガルマカラーのブラウンがいい味を出しているようです。動力パイプの色味が異なるぶん、雰囲気も少し違っているようですね。

HGUCシャア専用ザクⅡ(リメイク)とも並べて。リメイク版のほうが洗練された感じがありますし構造も細かいので、ガルマ専用ザクもこのフォーマットでキット化されると嬉しいですね。

頭部形状が異なる位なので、全体的な可動域はベースのHGUCシャア専用ザクと同じ。頭部は少し上下に可動する程度。左右へはスムーズにスイング可能です。腕は肩のシールドやスパイクアーマーを避けることで両腕とも水平程度まで展開可能。肘は1重関節で90度程度曲がります。

胸部・腹部・腰部が一体なので、腰の回転や上半身の前後スイングなどはありません。膝は2重関節ですが曲げる角度は90度程度まで。足首が広く展開するので、ソールを特殊な位置に配置することができます。

股間部がボールジョイント接続で干渉するため、左右への開脚はハの字程度まで。足首が広く可動するので、左右へも広く可動し、接地が安定します。

全体的に広く可動する箇所は少ないですが、足首が幅広く可動するので接地状態でのポージングはしやすそうです。ただ、胴体部に可動ギミックがなく、そのぶん表情を付けることが出来ないのはデメリット。

マゼラ・トップ砲。公国軍地上部隊のMBT(Main Battle Tank)マゼラ・アタックの主砲として使用されていた175mm砲を取り外し、MS用の手持ち兵器として改良した武装になります。マゼラ・アタックの砲塔は分離してホバー自走(マゼラ・トップ)として運用されていたため、この名称になったとのこと。

本体部分、砲身共に上下の組み合わせで側面に合わせ目ができます。表面がメカニカルにデザインされているぶん、合わせ目を消すには細かな処理が必要です。

グリップや本体周りもかなり細かく造形されていますね。特に塗装の必要はありません。

ヒート・ホーク。MS白兵戦用の武装になります。ブレード部分が赤熱化し、的の機体を溶断。ガルマ・ザビ専用機用に装飾や形状などがカスタマイズされたヒート・ホークになっています。なので柄の部分をゴールドやダークグリーンに、刃の部分をシルバーに塗り分ける必要があります。

1個パーツ構成なので合わせ目などはありません。

付属のジョイントパーツをサイドアーマーに組み付けることで、ヒート・ホークをサイドアーマーにマウントさせることができます。固定強度が弱く、ジョイントパーツが抜けやすいので注意。ヒート・ホーク自体もジョイントパーツへの固定が甘いので、予め補強しておいたほうが良さそうですね。

ザク・バズーカ。シャア専用ザクにも付属している定番の武装になります。口径は280mm。開戦当初は核弾頭の射出にも使用されていたものの、南京条約締結後は通常弾頭を装備するとのこと。

砲身部分は左右のモナカ割で上下に合わせ目ができます。砲口など前後パーツは別パーツ化。

フォアグリップとセンサーは上下にスイング可能。主グリップに可動ギミックはありません。センサーはピンクに塗り分けが必要。

リアアーマーの中央ホルダーを展開することで、ザク・バズーカがマウント可能。センサーは上向きに配置しておきます。固定強度があまり高くなく、腕が当たるなどすると簡単に外れてしまうので注意です。

ザク・マシンガン。こちらもシャア専用ザクにも付属している定番の武装になります。新旧ザクのもっとも一般的な携行武装で、一年戦争の初期に多様された武装とのこと。細かなパーツ構成で、なかなかしっかりしたデザインで造形されています。

本体部分は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。フォアグリップは前後、センサーは上下に可動。両手持ちやセンサーの目視もしやすくなっています。

一通り武装して。

マゼラ・トップ砲は左の武器持ち手でグリップを握らせて保持します。ダボ固定ではなくグリップとハンドパーツとの間に隙間もあるため、片手保持だとクルッと向きが変わりやすいです。武器持ち手で保持しますが、指を添えるトリガーの造形もなし。

ですが両手持ちはかなりラク。ぎこちなさなどはなく、すんなりと両手持ちさせることができました。なのでマゼラ・トップ砲をしっかりと構えさせることができますし、様になる砲撃ポーズもラクに再現可能。このキットの売りな部分ですね。

腰のヒート・ホークやジョイントパーツのポロリ頻度が高いので、補強しておかないとポージング時に何度となく外れて面倒です。背部にマウントしているザク・バズーカも外れやすいので注意。ヒート・ホークなどはパーマネントバーニッシュを塗っておくだけでもポロリが減るのでだいぶ違ってきます。

ヒート・ホークもグリップとハンドパーツのとの間に隙間があるので、ヒート・ホークの角度が少し変わることがあります。ですが通常のザクが持つヒート・ホークよりは柄が太めで凸凹があるため引っかかりやすく、抜け落ちたり刃の角度が変わったりすることなく保持させることができました。

ザク・バズーカもダボ固定ではないので保持にふらつきや遊びがありますが、その分突っ張る感じはなく、ぎこちなさが軽減されて逆に保持し易いです。ハンドパーツがバラけることもないのでストレスはそれほどありません。多少角度が変わりやすいくらい。

肩が90度程度まで引き出せるので、ザク・バズーカの両手持ちもかなりラク。

ザク・マシンガンの保持も同様です。遊びはありますがその分保持がしやすく、肩が幅広く可動するので両手持ちもすんなりと再現することができます。

浮かせてディスプレイできるようにはなっていないので、アクションベースやスタンドに付属しているアームで胴体部などを挟んで浮かせるか、股間部にコの字パーツを挟んでのディスプレイとなりそうです。股間部へは挟みにくいですが、うまくはめ込むことでポージングの幅も広がります。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。ブラウンやダークグリーンのカラーリングには通常のザクにはない渋さがありますし、前腕や動力パイプへの配色の変化によっていい味を持ったザクⅡになっていると思います。こめかみのバルカンも何気に存在感があり、ガルマ専用機としての違いを生み出していますね。

気になる点は、腰などに可動ギミックがないため、やや可動が制限されて動きが付けにくいです。ですがその分肩の可動範囲が広く、ストレスなく武器の両手持ちができるのがいいですね。それと全身各部の合わせ目が目立つのと、武器のグリップ保持に遊びがあってふらつきやすいので注意です。

泥臭いマゼラ・トップ砲と華やかなデザインのヒート・ホークが付属しているのがいかにもガルマ専用機らしくて面白いですし、どちらもポージングをうまく彩ってくれます。構えるポーズも様になりますね。劇中ではガルマは搭乗していないようですが、劇中シーンを再現するのもいいですし、ガルマが操縦するシーンを思い浮かべながらポージングを楽しむのもいいですね。

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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。薄刃ですが強度が高く長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら

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4 件のコメントがあります。

  1. モルガナ

    on 2022年12月14日 at 07:39 - 返信

    いつもレビュー拝見して制作の参考にさせて頂いております。
    さて、特定のブラウザでサイトが閲覧出来ない状態になっておりましたが、本日確認すると、閲覧できなかったChromeで閲覧可能となっておりましたのでご報告致します。

    • nori

      on 2022年12月14日 at 09:38 - 返信

      コメントありがとうございます!
      ご報告いただきありがとうございますm(_ _)m
      当方のSSL設定に不備があり、リダイレクトエラーが発生していたようです。現在は設定を変更し、エラーが解消していると思われます。
      何かとご不便をおかけしましたが、今後ともどうぞよろしくお願い致しますm(_ _)m

  2. 匿名

    on 2022年12月15日 at 11:23 - 返信

    マゼラ・トップ砲って側面に出てるグリップにトリガーっぽい造形が見受けられません?

    • nori

      on 2022年12月15日 at 18:01 - 返信

      コメントありがとうございます!
      そっちなんですね;グリップを通常の持ち手で握らせて、フォアグリップを武器持ち手でトリガーに指を合わせるっていう・・・;
      納得しました!アドバイスいただき感謝ですm(_ _)m

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