今回は、 2007年12月に発売されたHG 1/144 SVMS-01E グラハム専用ユニオンフラッグカスタムのレビューをご紹介します!
HG グラハム専用ユニオンフラッグカスタムは、『機動戦士ガンダム00』に登場するMS「SVMS-01E グラハム専用ユニオンフラッグカスタム」の1/144スケールモデルキットです。グラハム専用ユニオンフラッグの特徴的なカラーリング、機体形状を再現。試作型ライフルやプラズマソードが付属するほか、劇中同様、飛行形態への変形機構が再現されたキットになっています。価格は1,100円(税込み)です。
ユニオン軍の最新鋭量産型モビルスーツ「フラッグ」の強化改良機で、劇中では対ガンダム調査隊のグラハム・エーカーが搭乗。ガンダムエクシアやガンダムデュナメス、スローネアインなどと激しく交戦した機体「SVMS-01E グラハム専用ユニオンフラッグカスタム」がHGでキット化。
2007年10月に発売されたHGユニオンフラッグ(量産型)のパーツを流用しつつ、グラハム専用フラッグカスタム特有のフレームのような機体形状が新規パーツを用いて再現されています。
成形色はブラックを基調に、各部にホワイト、頭部バイザーにクリアオレンジを配色。説明書の塗装見本ではややブルーグレー系のカラーリングになっていますが、成形色はかなり黒が強く表現されています。
ホイルシールが付属し、肩羽や武装類の一部などを補いますがわずか。説明書のカラーリングだと全体をブルーグレーに塗り分ける必要がありますが、黒ベースの場合は素組みでも十分なくらいの色分けになります。
一部、強度が必要な部分のパーツにはABSが使用されています。なので塗装やスミ入れを施す場合は破損やひび割れなどに注意が必要。
ポリキャップは不使用。肘膝共にABSとPSを交えた構造で関節強度はまずまず高めです。細身ですが、足底がしっかり接地するのと背部ウイングユニットもさほど負荷はかからないため、自立は安定します。多少後方に負荷がかかる程度。
■付属品
試作新型リニアライフル、ソニックブレイド(プラズマソード)が付属。(ディフェンスロッドは右肘に装備しています。)
■各部形状
形状の異なる部分のみ、HGユニオンフラッグ(量産型)(以下、ユニオンフラッグ)と比較しながら各部を見ていきます。
■頭部
頭部をユニオンフラッグと並べて比較。ユニオンフラッグが左右で大きさの異なる羽を装備しているのに対し、グラハムカスタムは左右対象で額などの装甲も平らでガッチリしたものに変化しています。バイザーは同形状。頬にグラハム機特有の傷のようなモールドはありません。
メット部は合わせ目ができないパーツ構成。
バイザーは内部にシルバーのシールを貼り、クリアオレンジパーツを被せての再現。光が当たるとキラッと光る仕様で映えます。中央1つ目センサー周りはグレーなどに塗り分けが必要。
■胴体部
胸部、腹部。形状はユニオンフラッグと同じですが、漆黒のカラーリングと白い胸部装甲が特徴的。襟の羽は一部を白いシールで色分けします。
首にスイングギミックはありませんが、押し込むことで変形用の腹部可動ギミックにロックがかかるようになっています。肩はダブルボールジョイント接続で、引き出すことでより柔軟に可動するようになっています。
腹部は変形用に前後に幅広く可動します。
腰部をユニオンフラッグと並べて比較。基部形状は同じですが、フロントアーマーは背部ウイングユニットの形状が違っています。
背部ウイングユニットはユニオンフラッグの場合広く前後しますが、グラハムカスタムは前方にスイングし、前進翼のようなスタイルになります。
背部(腰部)のウイングユニットは上下にスイング可能。
フロントアーマー裏にモールドはありません。簡易的な造りです。足の付根はボールジョイント型で前後に可動。脚部自体もフレキシブルに可動するようになっています。
■腕部
腕部もユニオンフラッグと同形状。フレームのように細身でメカメカしいデザインで造形されています。上腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は左右と前面の組み合わせで後面に合わせ目ができます。肘から分離しませんが、色分けしなければ後ハメの必要はなさそうです。
手首はボールジョイント接続で手前に反らすことができます。ハンドパーツややや大きめで力強い雰囲気。
ショルダーアーマーは簡単な1個パーツ構成。
左腕部の肘側面にはディフェンスロッドを装備。基部をロールさせることができます。
ディフェンスロッドは簡単な1個パーツ構成で裏面は肉抜き穴。上下モールドは白いシールでの色分けします。全体を包むように貼るため、粘着力が弱まると浮きやすいので注意。
■脚部
脚部をユニオンフラッグと並べて比較。形状は殆ど同じですが、膝から下はグラハムカスタム用に新造。脹脛が少し厚みが増して筋肉質な感じになっています。足首の羽は外側にくるので組み間違えないように注意します。膝の白い円形パーツは一旦組み込むと外しにくいので、仮組みなどでは注意が必要。
大腿部は前後の組み合わせで側面に合わせ目、膝から下は左右の組み合わせで後部に合わせ目ができます。腕部と同様、膝関節が分離しませんが、色分けしない場合は後ハメなどの加工は必要なさそうです。
ソール部はユニオンフラッグと同じ。コンパクトながら、脚甲とかかとの突き出た装甲が特徴的に造形されています。合わせ目ができないパーツ構成ですが、脚甲の縦長装甲裏は肉抜きです。
足裏もふちに肉抜き穴がありますが、モールドは適度にデザインされています。かかとの外側の装甲のみ、飛行形態用の尾翼として展開することができます。特に説明書などに記載はありませんが、自立の支えにもなります。
■バックパック
背部には特徴的なウイングユニットを装備。ユニオンフラッグでは左右で分割されていましたが、このグラハムカスタムでは左右エンジンが装甲で連結。よりボリューム感あるユニットになっています。
ダクト内部は簡易的で特にモールドなどはありません。
ウイングは上下(前後)にスイング可能。表面には適度なモールドがデザインされています。
ウイングユニットは全体が上下に可動。
グラハムカスタム本体とは縦型の2ダボ接続。ユニオンフラッグと共通なので組み替えることもできます。
■他キットとの比較
HGUC RX-78-2ガンダム(リバイブ版)、HGUCνガンダム(ファンネルなし)と並べて大きさを確認。大きさはRX-78-2と同等程度で比較的小柄です。グラハムカスタムの頭頂高は17.9m。
ベースのHGユニオンフラッグ(量産型)と並べて。グラハムカスタムは黒が基調で部分的に形状が変わっていることもあり、硬派な雰囲気が強いです。
劇中で交戦したHGガンダムエクシア、HGガンダムデュナメス、HGガンダムスローネアインとも並べて。どれもプロポーションが良く造形的な精度も高いです。
■各部可動域
頭部は適度に上下します。いじっていると左右の羽が外れることがあるので注意。肩にウイングがあるため、ややせせこましいですが、左右へのスイングは水平まで可動します。
その他の可動域はユニオンフラッグと大体同じ。腕は水平までは上がらずやや制限されます。肘は1重関節ですが、90度以上に曲げることが可能。上半身は広めに前後します。
腰は干渉なく360度回転可能。立膝はユニオンフラッグは干渉して90度も曲がりませんでしたが、グラハムカスタムは90度程度は曲げられるようになっているようです。構造上、立膝をきれいな姿勢で再現するのは難しいようでした。
左右への開脚は水平まで幅広く展開させることができます。足首はボールジョイント接続で少し角度変更が可能。
全体的にそこまで広くはない感じですが、細身ですし、左右への開脚など広く可動する箇所も多いです。肘膝も物足りなくない程度の可動域はあるので、適度なポージングは再現できそうです。
■武装類
XLR-04 試作新型リニアライフル。アイリス社が開発した試作型のライフルです。大型バッテリーを搭載し、使える電力を大幅に増やすことで弾丸のスピードと威力が格段に向上しているとのこと。後部ストックが左右に分岐するなど、独特のシルエットをした武装になっています。上部と後部スリットの白はシールでの色分け。
本体部分は左右の組み合わせで部分的に合わせ目ができます。
銃口は簡単に開口。
グリップは前後にスイングします。後部ストックもボールジョイント接続でフレキシブルに可動します。可動強度は高め。
飛行形態時に機首になるため、後部は45度ほど角度を変えることができます。
■ポージング
一通り武装して。グラハムは左利きなので、武装類は主に左手に装備します。もちろん右手でも保持が可能。
試作新型リニアライフルはハンドパーツにグリップを差し込んで保持します。ダボ固定ではないため、ややふらつきやすいですが、ある程度は固定されるのでストレスは少ないかと。
浮かせてディスプレイさせる場合は股間部のカバーパーツを外して3.0mm穴を露出。アクションベースやスタンドの3.0mm軸を差し込みます。軽量なので、重さでスタンドの支柱がふらつくようなことはありません。
脚の付け根がボールジョイントで可動が柔軟なのと、細身で脚部もスラっとしているため、劇中のような脚を振りながら飛行射撃するポーズも印象的に再現することができます。・・・カトンボ・・・?
全体的に動かしやすく、ポーズは取らせやすくて良いですね。腕を上げすぎると肩が外れやすいのでその点は少し煩わしさを感じるかも。
試作新型リニアライフルの両手持ちはゆったりとした姿勢で再現することができます。手首がボールジョイントで柔軟なのと、全体的に細身で干渉が少ないのが要因かと。
ソニックブレイド(プラズマソード)は白成形色のみなので、刃をライトブルー、柄をダークグレーに塗り分けが必要です。
柄が細身で向こう側にスルッと完全に抜けてしまいやすいので注意です。詰め物をするか、角度を調整しつつ抜け落ちないように保持する必要がありそうです。独特の形状をしているのに、ポーズは格好良くて決まりやすくて良いですね。
■飛行形態
飛行形態への変形は、まず肩を外側に引き出します。そして腰を倒し、肘を曲げて腰のウイングユニット後部から肘を曲げて前方に伸ばします。
脚部を後方に折りたたみ、頭部を押し込んでロックします。
前方に試作新型リニアライフルを組み付け、かかとの装甲を展開して尾翼としたら、飛行形態への変形完了となります。
飛行形態。フレームのようなメカメカしさを持ちつつも、戦闘機らしいシルエットで造形されています。寝そべり型に近いですが、無駄のないフォルムで造形バランスも良いですね。
飛行形態をいろんな角度から。腹部が頭部押し込みでロックされるため、形状が一気に崩れるようなことはありません。多少腕や脚の配置が崩れるくらい。
肘と膝はダボを組み合わせてロックするようになっていますが、ダボが浅いですし固定も甘く外れやすいので注意です。この強度だとあまり意味がない気がします・・・;
浮かせてディスプレイさせる場合はMS形態時と同様、股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。
今回は再現していませんが、劇中のように腕を展開し、試作新型リニアライフルのフォアグリップを握らせて精密射撃するポーズも再現してみても面白いかもですね。
ウイングを可動させてX字のように配置すれば、高速飛行形態を再現することもできます。
ユニオンフラッグと組み合わせて対ガンダム調査隊の編隊を再現。
適当に何枚かどうぞ。
「正に・・・眠り姫だっ・・・・。」
以上です。漆黒のカラーリングで硬派な雰囲気が感じられますし、見た目は細身で貧弱そうにも見えますが、ポージングではなかなかの力強さを見せてくれます。造形が良いのかポーズも格好良く決まりやすいですし、グラハムフラッグ特有の味を感じさせてくれるのが良いですね。
気になる点は、多少フロントアーマーが干渉で外れやすいのと、武装類がやや保持しにくいところがありますね。特にソニックブレイド(プラズマソード)は全体が細く、ハンドパーツ穴も大きいので保持でスルッと抜け落ちてしまいます。詰め物など少し工夫が必要なこともあってやや面倒かなと。
多少気になる点はありますが、細身で思った以上によく動いてくれますし、変形機構もなかなか良いです。飛行形態の前進翼シルエットはかなり魅力的ですし、多数機入手して鹵獲作戦シーンを再現するのも良さそう。デザイン的に好みは分かれるかもですが、ジムのように年期が入る程に良さや風格が増しますし、グラハム機特有の良さが存分に楽しめるキットになっているのが良いですね。
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