今回は、HG 1/144 MS-09 リック・ドム ガイア機/オルテガ機(GQ)のレビューをご紹介します!
HG リック・ドム ガイア機/オルテガ機(GQ)は、『機動戦士ガンダムGQuuuuuuX』に登場するMS「MS-09 リック・ドム ガイア機/オルテガ機」の1/144スケールモデルキットです。GQuuuuuuX版リックドムの特徴的な機体形状を再現。差し替えなしで高機動形態への変形が可能な他、電磁ハーケン、ジャイアントバズーカといった武装によって印象的なアクションポーズが可能となっています。価格は3,630円(税込み)です。
陸戦用重MS「ドム」の宇宙改装型で、劇中では黒い三連星であるガイアとオルテガが搭乗。ニャアンのジークアクス、シュウジの赤いガンダムと激しいマヴ戦を行った機体「MS-09 リック・ドム ガイア機/オルテガ機」がHGでキット化。
ドム特有の肉厚で重厚感ある容姿に加え、腰背部にも脚部を追加した「3本脚」の特徴的な機体形状が新規造形で再現されています。(ヒート・サーベル刃のみ、オリジン版ドムや高機動型ザクからの流用)ガイア機とオルテガ機の違いは肩部ヒート・サーベルの装備の有無だけです。
成形色はパープルとブラックを基調に、各部にグレーやダークブルー、ダークグレー、レッドなどを配色。ドム特有の渋みのあるカラーリングが再現されています。その他はモノアイがクリアピンク、脚底のフレームやバーニアがシルバー、内部や関節がダークグレー成形色での再現となっています。
ホイルシールは付属せず。一部モールドや脚裏、背部スラスターのバーニア内部などを塗り分ける必要がありますが、素組みで十分なくらいの色分けが再現されています。
ABSは不使用。パープルとダークブルーの外装、ダークグレーの内部・関節パーツはKPS素材での再現で塗装に対応しています。
ポリキャップは不使用。肘や膝はPSとKPSパーツ構成で関節強度はまずまず高め。背部に脚部スラスターを装備しているため、後方に負荷がかかりますが、上手くバランスを調整すれば問題なく自立可能です。
■付属品
ジャイアント・バズ、ヒート・サーベル(柄、サーベル刃)✕2、電磁ハーケンパーツ(手甲、リード線、ハーケン)、平手が付属。ヒート・サーベルは2本付属していますが一つは予備とのこと。
専用のマーキングシールが付属。胸部の拡散ビーム砲や腰部の白いラインマーキング、肩部モールドなどを補います。
■各部形状
HGUCリックドム(HGUC ドム/リックドム)と比較しながら各部を見ていきます。
■頭部
頭部をHGUCと並べて。GQ版ドムの頭部はHGUCよりも小型でスタイリッシュ。赤いフレームもよりシャープで深みがあり、洗練された感じがあります。ドム特有の十字型モノアイスリットも特徴的に造形。1stのドムと同様、赤とブラックのツートンカラーでシンプルに色分けされています。
頭部は合わせ目ができないパーツ構成。
基部は左右の組み合わせですが、大部分は段落ちモールド化されているようです。
モノアイはボールジョイント軸のパーツにクリアピンクパーツを組み込んでの再現。なのでモノアイを十字スリット内部で柔軟に可動させることができます。赤いフレームパーツを外して調整します。
クリアピンクパーツは一旦組み付けると外しにくいので、仮組みなどでは注意が必要。ブラックライトて照らすと少し発光するようでした。
■胴体部
胸部・腹部。シンプルな曲状装甲ですが、右胸や腹部の斜線モールド、ドム特有の胸部拡散ビーム砲などがデザイン性高く造形されています。
右胸の斜線モールドはブルーグレーのパーツで、拡散ビーム砲はマーキングシールでの色分け。
背部はフレーム状の装甲が造形。メカニカルなディテールが表現されています。
胴体内部構造。
襟の装甲は個別に前後に可動。頭部を広めに可動させることができます。肩左右には厚みのある平円状の装甲が造形。上部にはシルバーのハードポイントや円筒状のモールドがあり、GQ版ならではのアレンジが施されています。
肩部の平円状装甲は幅広く展開可能。腕部をしっかりと伸ばせるようになっています。
ロールも可能。ただし接続軸が鍵型ダボなので、無理に引っこ抜いて破損させないように注意です。
腰部も胸部と同様、曲状の装甲になっていますが、脇の部分は一部が円形に欠けた状態になっています。その他、側面には小型のセンサーは配されていますし、背部には独特のスラスターも装備。GQ版特有のアレンジがされています。(背部の脚部スラスターは外しています)
背部スラスターは円型と筒型パーツの組み合わせで合わせ目はなし。バーニアもそれぞれ別パーツ化されていて作りが良いです。バーニア内部は赤く塗り分けが必要。
スラスターは赤◯の部分で上下にスイングしますし、基部をロールさせることもできます。可動が柔軟。
腹部や股間部、背部脚部スラスターの基部各所に可動ギミックがあり、角度を自在に調整できるため、ポージングにより表情を持たせることができます。腰部アーマー基部もボールジョイントで柔軟に可動。
腰アーマー裏はメカニカルなモールドが造形。見えにくい箇所の造りにも抜かりがありません。
■腕部
腕部はドムらしいデザインですが、HGUCよりも丸みがあり、より細身でスタイリッシュに造形されています。肩と上腕の接続部は結構スカスカで抜けやすいですが、破損を防ぐためか、そういった仕様になっているのかなと思います。
上腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は一部が左右の組み合わせで、前後ともに合わせ目っぽくなっています。
手首は別パーツによる可動軸が設けられていて、上下に幅広くスイングさせることができます。
ショルダーアーマーはドムらしい曲状アーマーが造形。特に内部が赤で色分けされているところがよりドムらしさを感じさせますね。内部パーツの合わせ目は段落ちモールドっぽくなっています。上部もフィンのようなモールドが特徴的に造形。
■脚部
脚部。ドム特有の幅のあるスカートアーマーは健在。ですが大腿部がやや細身なため、GQ版ドムのスタイリッシュさがより際立っています。
膝から下は大柄ながら、筒型パーツなので合わせ目はありません。このサイズで筒型なのはなかなか珍しい・・・;
足の付根は2個パーツ構成で上下やロールと柔軟に可動。
膝を曲げると膝裏の装甲が内部に収納。膝をより深くまで曲げられるようになっています。
ソールはドム特有の大型楕円で重厚感あるデザインに造形。アウトソールのエッジにも凸状のモールドが多数施されており、独特の荒々しさを感じさせるものになっています。つま先、踵共に左右の組み合わせですが、合わせ目は段差、段落ちモールド化。足首は上下や左右柔軟に可動します。
足裏は多数の丸型スラスターが造形。緻密さが感じられる造りになっています。パーツで蓋がされているため、肉抜き穴などの不備はありません。ただ、集合体恐怖症だとちょっとストレスを感じるかも。バーニア内部は赤く塗り分けが必要です。
足裏のバーニアは各部が個別にスイング可能。踵は展開可能で各部の表情を細かく変化させることができます。これほど緻密なギミックもHGとしてはなかなか珍しくて良いですね。
■バックパック
背部には脚部(膝から下)と同型の脚部ユニットを装備。ややシュールとも思いましたが、実際のキットだとさほど違和感はなく、うまくまとまっていると思います。
ドム本体の造形やプロポーションを崩すこともないですし、もともとドムの背部スラスターは存在感が薄く、脚部(スラスター)を流用することで機動性が向上するという点でも理にかなっているかなと。
背部の脚部スラスターは下方に展開可能。展開することで3本脚の高機動形態に変化します。
脚部ユニットとリックドム本体との接続部はフレーム状でメカニカルに造形。
脚部スラスターはフレームから簡単に着脱できるようになっています。
■他キットとの比較
HGUC RX-78-2ガンダム(リバイブ版)、HGUCνガンダム(ファンネルなし)と並べて大きさを確認。全高はRX-78-2とそんなに変わらず。幅と奥行きがあるだけで特別大きくはありません。GQ版リックドムの全高は20.2mという設定です。
HGUCリックドム(HGUC ドム/リックドム)と並べて。十字のモノアイスリットや肉厚な装甲といったドムらしさを残しつつ、スタイリッシュなプロポーションで造形。各部にジークアクス版特有のアレンジも施されています。
HGUC リック・ドムIIと並べて。こちらのほうが造形が近い感じがあるかも。進化している分、各部の造形が洗練されている印象です。
劇中でマヴ戦を繰り広げたHGジークアクス、HG赤いガンダムと並べて。両ガンダムがかなり細身なので、並べるとドムの重厚感が際立ちます。各種とも劇中シーンを再現するのに十分なディテールを持っていますね。
■各部可動域
襟や首の可動によって頭部は程よく上下します。左右へは襟が干渉するため、スイングが制限されるようでした。
腕は水平程度まで上げることができます。肘は2重関節でV字程度まで曲げることが可能。
可動ギミックによって肩部は幅広く前後させることができます。
腹部の可動ギミックにより、上半身を適度に前後させることができます。
腹部がボールジョイント接続なため、上半身を360度ロールさせることができます。浮かせてディスプレイさせる場合は、他のキットと同様、股間部にアクションベースやスタンドの3.0mm軸を差し込みます。
股間部のスライドギミックによって干渉が避けられるため、前後開脚は広めに展開させることができます。
膝は1重関節で90度程度曲げることが可能。膝装甲裏も裏打ちパーツできっちりと蓋がされています。
足首は前後左右とも少し可動します。
左右への開脚も水平程度まで幅広く展開可能。
足の付根のロールギミックにより、内股、ガニ股共に45度程度までロールします。
少し浅めではありますが、立膝も再現することができました。
可動域の総括としては、全体的に肉厚ですが、各部とも干渉が避けられるような構造になっていて幅広く可動します。可動強度もしっかりとしていて破損も少なそうですし、ポージングの自由度も高いので様々なポーズに対応してくれそうですね。
■武装類
ジャイアント・バズ。ハニーウォール&ライセオン (H&L) 社製の360mmロケット砲になります。装弾数は10発。ドム本体と同様、重厚なシルエットで造形されています。砲口周辺や後部マガジンラックなども網状のモールドがデザインされていてオシャレ。
砲身部分は簡単な左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。特に色分け箇所はないので、合わせ目を消したい場合はそのまま処理すれば良さそう。
砲口はしっかりと開口。砲口下部にはフックのようなモールドも細かく造形されています。特に可動ギミックはなし。後部弾倉の脱着ギミックもありません。
センサー内部はグレーのパーツで構成されているので、ピンクで塗り分けたりしても良さそう。ただし一度組むと抜きにくいので注意が必要。センサーの可動ギミックはありません。
グリップは前後にスイング可能。フォアグリップと一体になっていてかなり特殊です。フォアグリップも左右にスイングしますが、フォアグリップを曲げないとグリップが干渉で制限されるので注意です。
HGUCドム/リックドムのジャイアント・バズと並べて。このキットに付属しているほうが長く大柄。サイズ的にもジークアクス版ドム専用という感じがしますね。
ヒート・サーベル。ドム専用の白兵戦用の装備になります。ビーム刃はグリーン、柄はシルバー成形色での再現。
ヒート・サーベルは肩部ハードポイントにマウント可能。1stのドムは1本のみ装備していましたが、GQ版ドムでは両肩にヒート・サーベルを装備することができます。
電磁ハーケン。左手の手甲パーツを専用のパーツに組み替えることで、電磁ハーケン射出状態を再現することができます。
フックは展開状態のみが付属。閉じた状態のものはありません。
■ポージング(ガイア機)
ジャイアント・バズを装備してガイア機で。
ジャイアント・バズは手甲パーツをバラし、グリップをハンドパーツに組み付けて保持します。グリップが太く、ハンドパーツ穴に隙間なく収まるのでしっかりとした保持が可能です。
バズのグリップが可動しますし、手首もスイングするので全く干渉なく保持することができます。なので担ぐポーズも容易に再現可能。ただし上腕の強度があまり高くないので、キットの角度によっては腕がクルッと反転してしまうかも。
フォアグリップを握らせて両手持ち射撃ポーズを再現。肩の平円状装甲が幅広く可動するので、両手持ちはかなり余裕を持った状態で再現することができます。
首や腹部が広めに可動するため、上体を反らしての飛行ポーズが映えますね。
平手は細指でスタイリッシュですが、グワッと開いた状態でポーズに勢いが出ます。
背部の脚部スラスターを展開し高機動状態でジェットストリームアタックを再現。背部スラスターはとにかく圧巻。物量と重厚感を兼ね備えた迫力ある飛行シーンを再現することができます。
高機動状態を接地させた状態でホバー移動を表現。劇中で見られた、コロニーを滑るような臨場感あるシーンも再現可能です。
■ポージング(オルテガ機)
肩部後方にヒート・サーベルを装備してオルテガ機に。
ヒート・サーベルも一旦手甲パーツをバラし、グリップを握らせて保持します。少し柄が細身でスルッと移動しやすいですが、上下とも太くストップがかかるため、抜け落ちることはありません。
ヒート・サーベルで襲いかかるシーンを再現すれば、大迫力の攻撃シーンが再現可能。3本脚によって通常のドム以上の威圧感を感じさせることができます。
ハーケンはイエローのリード線での再現で、手甲やハーケンにしっかりと組み付いています。深くまで差し込めるので抜けにくいですし、リード線も程よい強度があって垂れず、表情が付けやすいです。ハーケンはシルバー成形色での再現。
ただしリード線が短いので、劇中の機体に引っ掛けて電流を流すようなシーンを再現するにはちょっと距離が近いかなと。悪くはないと思いますが、可能であれば市販のリード線を使って延長しても良いかと思ます。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。ドムらしい容姿ながらも各部に特殊なモールドがデザインされるなど、GQ版ならではのアレンジが随所に見られますし、これまでのドムにはなかった各部モールドが特殊でとても新鮮味があって良いですね。構造的にも簡易版MGのような完成度の高さがありますし、可動ギミックも充実していて細かな表情付けがでいてとても良いです。
気になる点はほとんどないですが、全体的に可動強度が高いため、比較的強度が弱い箇所に負荷がかかりそうです。各部とも太い軸でグリグリ動かしても十分な強度がありますが、何度も動かしていると破損することもあるかもしれないので少し注意かなと。それと足裏は◯が多数あるため、気になる方もいるかなと。
このサイズの2体組み合わせれば、劇中のジェットストリームアタックで襲いかかるシーンもかなり迫力あるものになりますし、迫りくるドムの威圧感を十分に堪能することができそうです。このキットをうまく改修してアップデート版のドムを再現しても良いくらい。フォーマットも秀逸ですし、HGの枠に収まらない、クォリティの高さをまざまざと見せつけられるキットなのが良いですね。
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