HG 赤いガンダムレビュー

今回は、 HG 1/144 GMS-α 赤いガンダムのレビューをご紹介します！

HG 赤いガンダムは、『機動戦士ガンダムGQuuuuuuX』に登場するMS「GMS-α 赤いガンダム」の1/144スケールモデルキットです。特徴的な頭部や胴体周りなどの赤いカラーリングを再現。ビームライフルやシールド、ハイパーハンマーといった武装類が付属するほか、2機ビットが付属し、劇中の印象的なアクションポーズが再現可能となっています。価格は2,750円（税込み）です。

地球連邦軍が開発中だった試作MS「RX-78-02 ガンダム」をシャア・アズナブルが奪取し、専用に赤く塗り替えた機体で、劇中ではシャア・アズナブルやシュウジ・イトウが搭乗。第一次ソロモン会戦で活躍したほか、ジークアクスともマヴ戦を繰り広げた機体「GMS-α 赤いガンダム」がHGでキット化。

シャア専用機の特徴である赤いカラーリングに加え、どことなくエヴァを意識したような、細身で人体的な機体形状が新規造形で再現されています。ガンダムハンマーのチェーンとディスプレイ用パーツのみ、RG RX-78-2ガンダムVer.2.0用武器セットから流用となっています。

成形色はピンクを基調に、胴体部やソール部などにレッド、胸部や脚部、武装類など各部にダークグレーを配色。その他、腕部や脚部モールド、ビームライフルのセンサーなどがイエロー、シールドの一部がグレー成形色での再現となっています。全体的に艶がなくマットな仕上がりに。

ホイルシールが付属し、頭部センサーや各部モールド、シールドやビットの一部などを補います。シールを貼らないと少し物足りないかもですが、パーツだけでも特に不自然さは無いくらいの色分けは再現されています。センサーやモールドなどのシールは予備があるので紛失しても変えが効きます。

赤いガンダム本体部の殆どのパーツはKPS素材で構成されているため軽量。その他武装類のパーツもPS素材で塗装に対応しています。ABSはおそらくハンマーディスプレイ用のパーツのみなので、塗装による破損は気にせずに済みそうです。

ポリキャップはボールジョイント型のPC-7のみを使用し、胴体部とハンマーにのみ組み込みます。肘や膝関節はKPSパーツ構成で関節強度はまずまず高め。両肩に大型のビットが装備可能ですが、装備しても特に大きな負荷はなく、安定した自立が可能です。

■付属品

ビーム・ライフル、シールド、シールド用ジョイントパーツ、ビット✕2、ハンマー、ハンマーディスプレイ用パーツ、ビームサーベル刃✕2、ビット用ジョイントパーツ3種✕2、平手（左）が付属。

専用のマーキングシールが付属。シャア搭乗時のきれいなジオンマークと、シュウジ搭乗時の経年劣化したジオンマークが収録されています。

■各部形状

HG 赤いガンダムの各部を見ていきます。

■頭部

頭部。エヴァを意識したようなクセのあるデザインで、表面には細かなモールドが造形。特に歌舞伎のような目元のグレーや丸みのある顎装甲などが印象的に造形されています。

左右の装甲や後頭部むき出しの弾倉もダークグレーパーツで色分けされていて特徴的。後頭部の一部はピンクに塗り分けが必要。センサーはピンクのシールでの色分けです。

とさか前面のセンサーやツインアイは青いパーツにシールを貼っての色分け。シールを貼らなくてもパーツで色分けされているので塗装もしやすくて良いですね。走査線のような模様も印象的。全体的に小さいパーツが多いので紛失に注意です。

中央部分は頬の装甲とは別に独立可動し、頭部をより高くまで見上げることができます。この可動もヒトクセあって面白いです。

■胴体部

胴体部は細身で人体らしいデザインで造形。骨組みのようなフレームが多数見られるなど、柔軟な可動を意識させる造りになっています。各部がパーツで細かく色分けされていて造りが丁寧。

首は黄色い基部パーツが前後に可動。肩はボールジョイントの受け口になっています。更にボールジョイントの受け口部分もボールジョイントポリキャップ接続で、少し引き出すことで柔軟に可動します。

腰部。厚みのある装甲はなく、T字型の軽装スタイルで造形。ヘリウムコアのような装甲も胴体部と同じ赤で配色されています。各部モールドはパーツでの色分けとなっています。

リアアーマー裏は簡易的な裏打ちパーツが造形。

■腕部

腕部。比較的細身でシンプルですが、肩の斜線や前腕の黄色い装甲が特徴的。どことなく工事現場のトラテープ？のような装甲が造形されるなど、独特の雰囲気を持ったデザインになっています。肩と肘後部にはビットやシールドマウント用のハードポイントが造形。表面はモールドの上からシールを貼っての色分けです。

上腕は筒型パーツの組み合わせで合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせですが、合わせ目は段落ちなどでモールド化されています。手甲の一部はオレンジに塗り分けが必要。

肘のハードポイントは左右にスイング可能。

ショルダーアーマーはビット用のハードポイントや黒いラインモールドが特徴的。ラインモールドはパーツでの色分けです。翼端灯は右肩がグリーン、左肩がレッドのシールでの色分けですが、凸モールドの上に貼るため、少しずれやすいので注意です。ハードポイントに可動ギミックはなし。

■脚部

脚部。こちらも人体のように細身。表面には独特のクセを持ったモールドが造形されています。大腿部裏のモールドも特徴的。各部ダークグレーのモールドはパーツでの色分けですが、オレンジのモールドはシールでの色分けとなっています。

大腿部はパーツを挟んで左右から組み合わせますが、前後とも合わせ目はモールド化されています。膝から下も一部が左右の組み合わせですが、合わせ目はモールド化されているため、合わせ目処理が必要ありません。

足の付け根はロールや上下と柔軟に可動します。ふくらはぎのビット用ハードポイントはロール可能。

ソール部は各部と同じくメカニカルに造形。足裏はところどころ肉抜き穴がありますが、モールドのように配置されているのでそのままでも問題はなさそうです。中央に反転した「RX78」モールドが入っているのも面白いですね。

■バックパック

背部にはコアファイターっぽいデザインのバックパックを装備。特に脱出装置のようなギミックは再現されていませんが、RX-78-2を思わせる左右のサーベルホルダーが特徴的に造形されています。サーベル柄の一部はグレーに塗り分けが必要。

下部には6基のスラスターが造形。

サーベルホルダーはボールジョイント接続で前後へのスイングなど柔軟に可動します。

バックパックはHGでよく見られる通常の2ダボ接続。なので一部のHG水星の魔女シリーズやHG SEED FREEDOMシリーズなどのバックパックも装備させることができます。

■他キットとの比較

HGUC RX-78-2ガンダム（リバイブ版）、HGUCνガンダム（ファンネルなし）と並べて大きさを確認。RX-78-2とほぼ同じ大きさですが、造形が最も緻密。もはやHGの枠に収まらない完成度を誇っています。

同シリーズのHG GQuuuuuuX（ジークアクス）、HG ゲルググスガイ機（GQ）とも並べて。このシリーズはどのキットも緻密で細部の造りがすごいです。

■各部可動域

顎が長く干渉しやすいため、頭部を下げる動きはやや制限されますが、可動ギミックによって高くまで見上げることができます。左右へは干渉なく幅広くスイングします。

肩周りのボールジョイントによって腕はY字程度まで上げることが可能。肘は2重関節で深くまで曲げることができます。

肩も2箇所のボールジョイントで広めに前後します。

腹部と股の付け根2箇所にボールジョイントがあり、腹部を引き伸ばすなどすることで上半身を広めに前後させることができます。

腰はを避けることで360度回転可能。アクションベースやスタンドで浮かせてディスプレイさせる場合は、通常通り、股間部に3.0mm軸を差し込みます。

大柄な腰アーマーがないため、前後開脚は干渉なく幅広く展開させることが可能。股の付け根ボールジョイントをうまく活用して干渉を避けます。

膝も2重関節で深くまで曲げることが可能。

足首も広めに前後します。左右へは足首を少し引き出すことで干渉が避けられ、広めにスイングするようになっています。

左右への開脚もうまく干渉を避けることで水平程度まで展開可能。

内股はヘリウムコアのようなパーツが干渉するため制限されますが、がに股は水平程度まで展開することができます。

立膝はかなりきれいな姿勢で再現することができました。

可動域の総括としては、多少可動にクセがあり、干渉を避けるように動かす必要がありますが、全体的にかなり広く可動しますし、細身なので取り扱いがラクです。なので劇中ポーズも再現しやすいですし、遊びやすいキットになっているのが良いですね。

■武装類

ビーム・ライフル。マニピュレーターで操作する射撃兵器です。どことなくRX-78-2ガンダムのものに似ていますが、赤いガンダム本体と同様、少しモールドが特殊でクセのあるデザインになっています。上部センサーは黄色いパーツでの色分け。

本体部分は左右の組み合わせですが、大部分の合わせ目は段落ちモールド化。特に合わせ目処理は必要なさそうです。

上部センサーと銃身下部のフォアグリップは左右にスイング可能。特にセンサーはかなり深くまで下げることができます。フォアグリップとともに銃身下部の装甲もスイングするのが良いですね。

シールド。胸部を覆い隠すことができる大型のシールドです。1stの連邦系の機体でよく見る定番タイプですが、ふちの凹凸状モールドによって荒々しさも感じさせるデザインになっています。表面のモールドはグレーのシールを貼っての色分け。表面のジオンマークはきれいなシャア仕様と劣化したシュウジ仕様が選択できますが今回は貼っていません。

裏面もフレームのような裏打ちパーツが造形されるなどなかなか特徴的。

付属のジョイントパーツを使用することで、シールドをバックパックにマウントすることができます。

ハンマー。スラスター付きの鉄球が先端に取り付けられた格闘兵器です。

RX-78-2のものは鉄球にスパイクが付いていますが、こちらは厚みのある装甲のみとなっています。合わせ目はできないパーツ構成。スラスター部分は黄色く塗装する必要があります。

チェーン部分はRG RX-78-2ガンダムVer.2.0武器セットからの流用で、アドバンスド・MS・ジョイント構造。多重成形で構成されているため、組み立てる必要がなく、ランナーから切り出すだけでそのまま使用することができます。

鎖がしっかりと繋がっていてくねくねと表情を変化させることが可能。

ビット。サイコミュによる制御を前提とした無線誘導端末です。ララァのエルメスが装備していたようなデザインで、まだら模様のスラスターやエネルギータンクのような球状装甲がメカニカルに造形。スラスター口もパーツで細かく色分けされるなど、完成度の高い造りになっています。　スラスター内部はオレンジに塗り分けが必要。