今回は、HG 1/144 デスルターのレビューをご紹介します!
HG デスルターは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場するMS「MD-0021 デスルター」の1/144スケールモデルキットです。ディランザの前世代機であるデスルターの特徴的な機体形状を新規パーツを用いて再現。アサルトライフル、ベルタブラードR3、ヒートナイフ、ドローンコンテナといった装備により、劇中に登場した様々な形態が再現可能となっています。価格は2,860円(税込み)。プレミアムバンダイ限定の商品です。
ジェターク・ヘビー・マシーナリーが開発し、ディランザより前に主力展開していた汎用型MSで、劇中ではオルコットやグエル・ジェタークらが搭乗。フォルドの夜明けの機体として登場し、プラント・クエタ襲撃やヴィム・ジェターク撃墜というグエルの運命を変えるきっかけとなった機体「MD-0021 デスルター」がHGでキット化。
他キットからの流用はなく、ミリタリー調のカラーリングや旧型機らしい独特の機体形状が完全新規造形で再現されています。アサルトライフルやベルタブラードR3、トゥループランドセルなど多数の武装が付属し、換装することでA装備、B装備、C装備(オルコット搭乗機)も再現することができます。
成形色はダークグリーンを基調に、ドローンコンテナのコンジャムポッドにホワイトを配色。その他、頭部センサーはクリアオレンジ成形色での再現となっています。内部や関節、一部装甲はダークグレー成形色での再現。
ホイルシールが付属し、頭部や武装類のセンサー、シールド(C装備用)、ベルタブラードR3の一部を補いますが多くはありません。塗装は殆ど必要がなく、素組みで十分なくらいの色分けが再現されています。
ダークグレーの成形色パーツにはKPSが使用されています。ABSは不使用。
ポリキャップも不使用。肘、膝関節共にPSとKPSパーツによるヒンジ接続で関節強度はまずまず高め。特に不可のかかるような装備はないため、自立は安定しています。
■付属品
アサルトライフル、ベルタブラードR3、ドローンコンテナ、トゥループランドセル、グレネードランチャー、平手(左右)が付属。
■各部形状
HG デスルターの各部を見ていきます。
■頭部
頭部。特にアンテナなどの装飾はなく、シンプルな装甲のみで構成されています。その中でクリアオレンジのバイザーが印象的に造形。素朴ながらも硬派なデザインになっています。
メット部は左右の組み合わせですが、後頭部の合わせ目は段落ちモールド化。その他の箇所も合わせ目ができないパーツ構成です。後頭部センサーはオレンジのシールでの色分け。
バイザー内部には簡単なメカモールドが造形されています。
バイザーはブラックライトに反応し、鮮やかに発光。
■胴体部
胸部・腹部は丸みのある装甲が造形。ディランザ系に見られる胸部左右のバルカンもメカニカルにデザインされています。胸部中央の装甲はグリーンのパーツでの色分け。
胴体内部はそれほど凝った造りではありません。
首と肩はボールジョイント接続で適度に可動します。
腰部比較的軽装。ですが薄型の装甲が腰を囲うように造形されています。リアアーマーには幅のある装甲が造形。
リアアーマーには裏打ちパーツが造形され、適度に展開可能。脚の付け根部分は簡単な1太ダボ接続です。
■腕部
腕部。肩部こそ丸みがありますが、全体的にはエッジの効いた装甲で重機的な雰囲気があります。
上腕は筒型パーツの組み合わせで合わせ目はなし。前腕は多数のパーツを細かく組み合わせていく構造でこちらも合わせ目はありません。個体差かもですが、肘を曲げると前腕パーツが少し外れやすかったです。
肘はヒンジ接続でサクッと簡単に組み立てることができます。
前腕にはヒートナイフを装備。ナイフは後部を押し込むことでナイフの刀身部分が露出。武器として使用することができます。
左肩には角型のシールドを装備。
シールドは裏打ちパーツがきっちりと造形され、2本のアサルトライフル用マガジンが収納されています。マガジンは取り外せ、アサルトライフルのマガジンと組み換えが可能。マガジンはモナカ割ですが合わせ目はモールド化されています。シールドは1ダボ接続で右肩にも装備可能。
肩は球状で程よくメカニカル。
■脚部
脚部。初期主力機らしい即席感、程よいメカニカル感、重厚感などを併せ持つ素朴ながらも深みのあるデザインで造形。細身の足首もなかなか良い味わいを醸し出しています。
大腿部は前後の2枚パーツ構成ですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化されています。膝から下は前面と左右パーツの組み合わせですが、こちらも後部の合わせ目は段落ちモールド化されています。
膝もヒンジ接続構造。大腿部と膝から下の部分を組み立ててから組み合わせる簡単に組み立て構造になっています。
後部には角型スラスターが造形。足の付根は柔軟に可動します。
ソール部はどことなくディランザ味を感じさせるデザイン。ですが簡素な感じもあり、こちらも先行機らしい良い雰囲気が出ていると思います。足首裏は肉抜き穴あり。
足裏はつま先、踵共にモールド入りの裏打ちパーツが造形。このあたりも抜かりがありません。つま先は少し上下します。
■バックパック
バックパックはシンプルなボックスタイプ。簡単な前後2枚パーツ構成ですが合わせ目は目立ちません。下部のスラスターも特に別パーツ化されておらず一体仕様。
表面のカバーパーツは取り外しが可能。付属の武装類各種をマウントすることができます。カバーパーツは組み付ける向き(上下)に注意。
バックパックは標準的な2ダボ接続なので、一部のHGUCやHG水星の魔女シリーズ、HG SEED FREEDOMシリーズのバックパックと交換、カスタマイズが可能です。
■他キットとの比較
HGUC RX-78-2ガンダム(リバイブ版)、HGUCνガンダム(ファンネルなし)と並べて大きさを確認。RX-78-2と同じくらいで、HGとしてはさほど大きくはありません。
後継機であるHGディランザ(一般機)と並べて比較。デザイン的にどことなく似た感じはありますが、ディランザのほうが全体的に肉厚で重厚感があります。デスルターのほうが作業マシン味が強い感じも。
ヴィム・ジェターク搭乗のHGディランザソルと並べて。父と知らずに撃ってしまったグエルの心情は計り知れないものだったと思います。切ないシーンだったので組み合わせて楽しむには気が引ける・・・;
■各部可動域
頭部は少し上下します。左右へは多少顎が干渉しますが問題なくスイングさせることが可能。
腕はY字以上に高くまで上げることができます。肘も2重関節で深くまで曲げることが可能。
肩は適度に前後スイングが可能。前方へは可動ギミックによって広めにスイングします。
腹部の可動ギミックや腰のボールジョイントにより、上半身を適度に前後させることができます。
腰は干渉なく360度回転可能。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。
前後開脚は水平程度まで展開可能。フロントアーマーはないですが、大腿部が太めで干渉しやすいところがあります。
膝は1重関節でくの字程度まで曲げることが可能。膝装甲はボールジョイント接続で柔軟に可動します。
足首は前方側に広めに可動。左右へも広めに可動します。
左右への開脚は水平以上に幅広く展開させることができます。
大腿部が干渉するため、内股、ガニ股共に少し可動する程度。
立膝はきれいな姿勢で再現することができました。
可動域の総括としては、多少内股、ガニ股など干渉するところはありますが、全体的に可動域は広め。特に肩周りは軽装で幅広く動かせますし、ポージングでも柔軟に対応してくれそうです。
■武装類
アサルトライフル。100mm実体弾による単車と連射の切り替えが可能なデスルターの携行火器になります。モールドは少なくシンプルですが、シルエットはミリタリー調。
センサーはオレンジのシールで色分けしますが、奥まっている部分に貼るため、貼り付けが難しいところがあります。シールも小さいので紛失に注意が必要です。
本体部は簡単な左右の組み合わせで殆どの箇所は段落ちモールド化。銃口付近が少し合わせ目っぽいですが、モールドとしておいても良いかと。
フォアグリップは銃身下部に収納されており展開が可能。下部のマガジンも脱着が可能。なかなか凝った造りになっています。
ベルタブラードR3。大型の無反動砲になります。光学センサーを内蔵したミサイルが射出可能。ちなみに名称は開発した技術者の名前から取られたそうです。こちらもさほど派手ではないですが、チープでもなく良い塩梅のデザインになっていると思います。
砲身部分は左右の組み合わせですが、上下の合わせ目は段落ちモールド化。
砲口下部のグリップは収納可能。砲口はやや浅めですが開口されています。
ドローンコンテナ。コンテナ型の発射ユニットです。コンジャムと呼ばれる通信妨害ドローンを28基格納。ボックスタイプの特徴的な武装になっています。
前面のハッチは展開可能。内部からコンジャムポッドの白いモールドが露出します。モールドの凹み部分はグレーに塗り分けが必要。ハッチ裏面も適度にモールドがデザインされています。
ベルタブラードR3。、ドローンコンテナ共にバックパックにマウント可能。固定強度はまずまず高めです。
トゥループランドセル。兵員輸送用の背面ユニットになります。目標地点に到達後、バックパックから切り離してピンポイントで閉院を展開するという強襲作戦にも用いられるとのこと。
側面のハッチは展開可能。ハッチ内側には階段のようなモールドがうまく再現されています。トゥループランドセル本体は簡単な左右の組み合わせですが、各面の合わせ目は段落ちモールド化。
トゥループランドセルもデスルターのバックパックに装着可能。しっかりと固定されます。
グレネードランチャー。3連式の擲弾射器になります。劇中ではフォルドの夜明けに所属するオルコット機が装備していました。弾頭部分は白いパーツできっちりと色分けされています。
グレネードランチャーは前腕のハードポイントにマウント可能。左右どちらの肩部にも装備することができます。
シールド、ドローンコンテナ、ベルタブラードR3を装備してA装備に。重武装のスタイルで攻撃性の高さを感じさせる仕様。アサルトライフルは標準装備となっています。
アサルトライフルはシンプルに握り手にグリップを差し込んで保持します。特にふらつきもなく保持は良好。グリップ、ライフル共にディテールが良いので見栄えがします。
両手持ちも問題なく再現可能。肩の可動が柔軟で干渉がないですし、グリップも前後に広く可動するのでゆったりと保持することができます。
メカニカルな平手が付属。表情が付けられますし、ライフルを支えるような動きも再現することができます。
ベルタブラードR3もアサルトライフルと同様、グリップを握り手に差し込んで保持します。
こちらも隙間なく保持できてふらつきなどはありません。グリップが前後に可動するので担ぐポーズもゆったりと再現できます。
背部にトゥループランドセルを装備してB装備に。こちらは武装類が少なく、補助や輸送を目的としたような仕様になっています。トゥループランドセルが後方に突き出たようになっていますが、軽量なので自立に大した影響はありません。
背部トゥループランドセルはなかなかの存在感。劇中ではプラント・クエタでのデリング・レンブラン襲撃時に使用されました。
近接格闘用兵器であるヒートナイフを展開して。多くの武装が付属し、遠近様々なシーンの演出ができるのが良いですね。
トゥループランドセルを設置して。
HGBFジムスナイパーK9(別売り)などに付属しているフィギュアを添えてみても面白いかと。
シールド、ドローンコンテナ、ベルタブラードR3、グレネードランチャーを装備してC装備(オルコット搭乗機)仕様に。
A装備にグレネードランチャーが追加されただけですが、シールドに黄色いラインが入ったことで指揮官機と識別できるようなスタイルになっています。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。どちらかというと地味な機体ですが、グエルが父親を殺めるという衝撃的なシーンを演出するなどインパクトがありました。キットとしても初期型の量産機らしい古めかしさや素朴さなどが感じられて良いですね。HG水星の魔女シリーズなので造形や構造、可動域は申し分ないですし、劇中シーンも再現性も高いです。
気になる点も特になし。造りもいい加減なところがなく完成度が高いです。武装類も豊富に付属し、トゥループランドセルの射出など、劇中シーンを余す所なく再現できるのも良いですね。
その他、A、B、C装備がサクッと再現できますし、多数の武装類で幅のあるポージングが楽しめるのも魅力的。ディランザよりもミリタリー感が強いため、複数機買って軍隊を形成すると見応えがありそうですし、圧倒的な物量が楽しめそうなキットなのが良いですね。
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