今回は、2016年5月に発売されたHG 1/144 MS-06R 高機動型ザク“サイコ・ザク”(サンダーボルト版)のレビューをご紹介します!
HG 高機動型ザク“サイコ・ザク”(サンダーボルト版)は、『機動戦士ガンダムサンダーボルト』に登場するMS『MS-06R 高機動型ザク“サイコ・ザク”』の1/144スケールモデルキットです。アニメ版をイメージした成型色と、シールによる新カラーバージョンで再現。全身のバーニアノズルや脚部装甲といった高機動型らしい機体形状の他、サブアーム、ロケットブースターを有する大型ランドセル、豊富な武装類が再現されたキットになっています。価格は2,970円(税込み)です。
高機動型ザクIIをベースにリユース・P・デバイスを搭載して開発され、単機でムーア同胞団の艦隊を壊滅させる活躍を見せたダリル・ローレンツ搭乗機『MS-06R 高機動型ザク“サイコ・ザク”』がHGでキット化。武装類にHG量産型ザク(ガンダムサンダーボルト版)のパーツを流用しつつ、サイコ・ザクの特徴的な機体形状が新規造形で再現されています。
成型色は深みのあるレッドをベースに、胸部や上腕などにオレンジ、胸部、膝部、ソール部、バックパックなどにブラックを配色。その他、各部バーニアに深みのあるゴールド、動力パイプにダークブラウン、シーリング※の関節や内部にグレー成型色パーツが使用されています。※シーリング・・・・関節や一部の装甲をデブリやホコリから保護するためのカバー。
シールは腰部装甲やスパイクアーマー、脚部アポジ、バックパックのモールドなど各部を補いまずまず多め。細かいシールがおおいので貼り付けに時間はかかりますが、そのぶん細かく色分けされた緻密なキットに仕上がります。各部バーニアノズルや足裏、大型ランドセルの一部などに塗装が必要です。
ABSやKPSは不使用。背部に大型ランドセルや2基のロケットブースター、ザク・バズーカ、ザク・マシンガン、ヒート・ホーク、シュツルム・ファウストといった武装類をまとめて装備しているため、背部には圧倒的な重武装感があります。
ポリキャップはPC-001を全身各部に使用し、関節強度はまずまず高め。背部に武装類を装備していますが、下側のロケットブースターが接地するので自立の支えになります。
背部に装備している武装類以外にもジャイアント・バズ✕2、シュツルム・ファウスト、サブアーム(左右)、専用台座、平手(左右)、武器持ち手(左右)、HG量産型ザク(サンダーボルト版)のサブアーム用ジョイントパーツ✕2が付属。
HG量産型ザク(サンダーボルト版)などの余剰パーツがいくつか付属します。
専用のマーキングシールが付属。
背部のロケットブースターや武装類を外した状態で全身から。
頭部。シルエットは通常のザクタイプですが、メット部のモールドやシーリング処理が施された動力パイプなどが細かく造形。サイコ・ザクらしさを高めています。アンテナのスリットラインはシールでの色分けでモールドはなし。モノアイはモールドにピンクのシールを貼っての色分けです。
メット部は上下の組み合わせなので後頭部などの合わせ目はモールドとしておいても良さそうです。
下部のレバーをスライドさせることでモノアイが左右に可動しますが、可動範囲は狭め。
胸部・腹部はザクらしいデザインですが、左右には別パーツ化された小柄のスラスターが造形。スラスターは外側をグレーに塗り分ける必要があります。
シーリング処理が施された動力パイプは腹部からバックパックに連結。一部が切り欠いた状態で、少しずつ曲げながら組み合わせますが、軟質素材ではないので無理に曲げると折れてしまうので注意です。(実際に折れました;)
首はポリキャップ接続。肩は適度に前方に展開することができます。
腰部は少し縦長で品のある装甲が造形されています。オレンジの装甲部分はシールでの色分けで、塗装する場合は細かなマスキングが必要。中央の小型スラスターは別パーツ化されています。スラスターは小さいので組立時の紛失に注意します。外側をグレーに塗り分けが必要。
腰アーマー裏は各部とも細かなモールドが造形されています。フロントアーマー裏は特に緻密。塗り分けると更に良くなりそうですし、こういうのはとてもいいですね。
右腕部。こちらも肩にL字シールドを装備するなどザク定番の形状が再現されています。サンダーボルト版仕様である肘関節シーリングも印象的に造形。
上腕は筒型で合わせ目はなし。肘関節のシーリング、前腕の黒い装甲部分は左右の組み合わせでそれぞれ合わせ目ができます。肘から分離しないので、合わせ目を消す場合は後ハメなどの処理が必要です。左右の丸モールドは赤いシールでの色分け。
L字シールド。本体は3個パーツ構成で作りは簡易的ですが、L字の角には細かなスラスターが造形。それぞれ別パーツ化されていて作りが細かいですが、小さいパーツなので紛失に注意します。ボールジョイント型ポリキャップで適度に可動します。
左腕部は肩のスパイクアーマー以外の部分は右腕部と同じ。スパイクアーマーは赤い装甲が前後の組み合わせで中央に合わせ目ができます。ポリキャップを挟む構造でスパイクも別パーツ化されているため、合わせ目消しはラクそう。
スパイクアーマーの付け根やフレーム部分はシールでの色分けで、塗装する場合は細かな塗り分けが必要です。スパイクアーマーは先端がシャープで、作りがしっかりとしていていいですね。
脚部は高機動型ザク(R-2型)を思わせる脚部装甲などが印象的に造形。膝関節や動力パイプのシーリングも印象的にデザインされています。膝の小型スラスターは別パーツ化。外側をグレーに塗り分けます。
大腿部は前後の組み合わせで左右に合わせ目ができます。膝のシーリングも左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。膝から下は細かいパーツ構成で合わせ目はなし。各部の合わせ目を消す場合は後ハメ加工が必要です。装甲各部のアポジはモールドにシールを貼っての色分け。
後部スラスターカバーは展開可能。下部のスラスターも大小のゴールドパーツで細かく再現されています。
ソール部は他の高機動型ザクと同様、コンパクトなタイプですが、つま先が平型で脚底には凹凸のモールドが造形。足首のグレーパーツは展開可能です。
足裏はふちが全て肉抜き穴。足裏の凹凸が激しいので、埋めて造形するにはそれなりの技術が必要そうです。
背部には大型ランドセルを装備。バックパックには並行に2本のプロペラントタンクが造形され、その両端にはそれぞれ多数の小柄スラスターが造形されています。他のキットではなかなか見ない、圧倒的な重厚感がありますね。
下部プロペラントタンクの一部はライトグレーのシールで、ランドセル中央のモールドはダークブラウンのシールで色分けします。一見するとあまり変わりませんが、光を当てると色味がブラウンに変わるというにくい演出。ロケットブースターのジョイントは鉤型ダボで、差し込んでから右に回して固定します。
大型ランドセルは角型ダボなど多数のダボ接続で背部にしっかりと固定されます。腹部の一部もシールでの色分け。
ランドセル上部には左右にサブアーム(収納状態)を装備。収納状態のサブアームは簡単なモナカ割で合わせ目ができます。表面の丸モールドはダークブラウンのシールでの色分け。
サブアームは付属の展開状態のものに組み換えが可能。収納状態を外して展開状態を組み付けます。ポリキャップ接続で適度に固定強度がありますが脱着はラク。
展開型のサブアームは基部を除いて1個パーツ構成なので、劇中のようなしなやかな動きを再現することはできません。ですがそのぶん強度があるので取り扱いはし易いです。
サブアーム基部やランドセルとのポリキャップ接続部が可動するので、サブアームを上下や左右に可動させることができます。引っかかるものがないので特に不自由さは感じないですね。
上部のロケットブースターは上部に3基のザク・バズーカ、左右に全4基のドラムマガジンとザク・バズーカ用の予備マガジンを装備。上部に並ぶザク・バズーカはとにかく圧巻の一言です。
ザク・バズーカは1本のジョイントパーツでロケットブースターに接続。固定強度があるので特にストレスなく取り扱うことができます。
ザク・バズーカは対艦用の280mm口径バズーカ砲で、HG量産型ザク(サンダーボルト版)からの流用になります。センサーはピンクのシールでの色分け。砲身部分は左右の組み合わせで上下全体に合わせ目ができます。
フォアグリップやセンサー、グリップ、砲口下部のフックまで各部が細かく可動します。ザクバズーカはIランナー✕2、E1・E2ランナー✕1で構成されているため、同ランナーのパーツ同士で組み合わせないと組み合わせが緩かったりするので注意です。
側面にマウントされているドラムマガジンは付属のザク・マシンガンと組み換え可能。ザク・バズーカ用の弾頭は組み換えは出来ずシンプルな飾り物になります。こちらも1枚のジョイントパーツを使ってロケットブースターに組み付けます。
ロケットブースターは先端部を除いて単純なモナカ割。なので上下に合わせ目ができます。ジョイント部分はダークブラウンのシールでの色分け。
先端部には5基のスラスターが造形。
下部のロケットブースターは上部に3基のシュツルム・ファウスト、左にザク・マシンガン、右にヒートホークを装備。ロケットブースターの形状自体は上下とも同じです。
シュツルム・ファウストも1本のジョイントパーツでロケットブースターに接続します。やや短めのもので、弾頭部分がモナカ割になっています。こちらもカチッとはまり込むので簡単には外れません。
ロケットブースター右側にマウントしているヒートホーク。HGのザク系でよ見られる定番の武装になります。1個パーツ構成で、収納型ではないので刃の部分はイエローに塗り分けが必要です。ロケットブースターのジョイント部分のパーツの組付けが浅いとヒートホークがポロリし易くなるので注意です。
ロケットブースター左側にマウントしているザク・マシンガン。こちらもHGのザク系に付属しているものと殆ど同じ形状のものになります。ジョイント部分に引っ掛けて固定。固定強度はそれなりにありますが、手が当たると比較的外れやすいので注意です。
銃身部分は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。
センサーやフォアグリップは可動式。
ザク・バズーカ、ザク・マシンガン、シュツルム・ファウストをEXモデル オッゴのものと並べて比較。それぞれ形状が違っています。(画像右側がオッゴのもの。)オッゴのものが一般的かと言われると微妙ですが、並べてみると結構違う感じですね。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。サイコ・ザク本体は陸ジムよりも少し大きい程度ですが、背部の装備がすごいのでそのぶん存在感みたいなものはありますね。ちなみにサイコ・ザクの全高は未定です。
劇中で激しい戦闘を繰り広げたHGフルアーマーガンダム(サンダーボルト版)と並べて。どちらも装備が圧巻。
HGUCジョニー・ライデン専用ザクが手元にないので、同じ高機動型ザクであるRGジョニー・ライデン専用ザクと並べて。(背部ロケットブースターや武装類は外した状態です。)似た箇所はありますが、サイコ・ザクは高機動型ザクのカスタム機らしさがよく表現されています。HGですがRGに匹敵するかそれ以上に緻密。
頭部は広くはないですが適度に上下します。左右へも干渉なくスムーズにスイング可能。
腕は肩のアーマー類を交わすようにすれば水平程度まで上げることができます。ちょっと不格好になるのは気になるところ。肘は1重関節で90度程度まで曲がります。
肩も適度に前後スイングが可能。前方へは引出しギミックで広めにスイングします。
上半身はわずかに前後する程度なので画像は省きました。
腰もわずかにスイングする程度で殆ど分かりません。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。
前後開脚は、フロントアーマーが広く可動するので前方には広く展開します。後方はリアアーマーが可動しないのでやや制限されます。
装甲が干渉するので膝を曲げる角度は90度程度まで。膝装甲裏は殆ど見えません。
足首は広めに前後します。左右へも広めにスイング可能。接地性は高そうです。
左右への開脚もハの字以上に展開可能。サイドアーマーがなければもっと広く展開させることができます。
脚の付け根がロールするので、内股、ガニ股も幅広く展開させることができます。
立膝はきれいな姿勢ではありませんが、ある程度再現することは可能でした。
可動域の総括としては、上半身はやや可動が制限されますが、下半身は全体的に広めに可動します。装備が派手なので簡単なポーズでも十分様になると思いますが、腕や腰など可動が不十分な箇所を脚部などの可動で補いつつ、うまくポーズを取らせたいところです。
ジャイアント・バズ。主にドム系列機に装備されている360mm口径バズーカ砲になります。OVAではビーム・バズーカを使用していましたが、こちらは元が漫画版で新カラーバージョンのサイコ・ザクなのでそのままジャイアント・バズが付属しています。
砲身部分は左右の組み合わせで上下全体に合わせ目ができます。センサーはピンクのシールでの色分け。
こちらもザク・バズーカと同様、フォアグリップやセンサー、グリップ、砲口下部のフックまで細かく可動します。
ジャイアント・バズを装備して。
付属の台座は他キットのものとは異なり、支柱が前向きに角度が付いています。おそらく背部のロケットブースターの重量を考えたバランス配分になっているのかなと思います。
支柱は組み替えて配置を変更することができますし、ジョイント部分も組み替えることで角度を変更することができます。
ただ、股間部への3.0mm軸が若干細いのでキットがクルッと回転しやすいです。なので下の画像のような飛行ポーズはちょっと控えたほうがいい気もしますね。
ジャイアント・バズやその他の武装は付属の武器持ち手を使用して保持します。グリップのダボをハンドパーツに組み付けて保持するため、しっかりとした保持が可能。
グリップも可動するので肩に担ぎやすく、干渉しないのでポーズも付けやすいです。ただ、ハンドパーツのボールジョイントが緩めで、しっかりと押し込まないと武器ごと抜け落ちやすいので注意です。予め補強しておいてもいいかもですね。
背部からのビューは圧巻。これだけ背面に迫力あるキットもそうそうないですね。ただその分負荷がすごいため、ポージングはかなり難易度が高いです。重量でキットがクルッと回転したり、最悪、負荷で股間部の3.0mm軸が折れる場合もありそうなので注意しながらポーズを取らせます。
ジャイアント・バズは脇に抱えて持たせることもできます。多少ランドセルのプロペラントタンクが干渉しやすいですが、うまく構えさせてポーズを取らせたいところです。
平手が付属するので、バズーカの砲身やフォアグリップに手を添えたりと表情を付けることができます。
ダボ固定ではないのでふらつきがありますが、一応HGUCドム/リックドムに付属しているビーム・バズーカも装備することができました。
ザク・バズーカを装備して。少しマガジンが干渉してポーズが制限されますが、こちらもグリップが可動するのでそんなに不自由さはないですね。ジャイアント・バズよりも小型なのでそのぶん取り回しがラク。
サブアームを展開してザク・マシンガンを装備。サブアームにグリップを深く押し込むことでしっかりと保持させることができます。ガッチリと組付けられるので簡単には外れません。
サブアームはザク・バズーカも保持可能。しっかりと保持出来ていますし、サブアーム自体も強度があるのでポージングでは全くストレスになりません。
サブアームを含めた4腕での射撃ポーズはかなりの迫力。
シュツルム・ファウストは柄が細身なので、ハンドパーツからスルッと移動しやすいです。射出ポーズを取らせたい場合はうまく配置して、向きや位置が変わらないようにしたいですね。
背部のロケットブースターを外すとかなりポージングがラクになります。
ヒート・ホークもシュツルム・ファウストと同様、柄が細身なのでハンドパーツから移動しやすいです。刃の向きがクルッと変わることも多いので、こちらもうまく配置して劇中のような薙ぎ払うポーズを再現したいところです。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。多少プロポーションが劇中と少し違っていたりして気になるところもありますが、実際のキットは深みのあるレッドでミリタリー感が強調されていますし、造形的にも装備的にもずっしりとした重厚感を感じることができます。特に背面からのビューは圧巻で、各部バーニアが細かく別パーツ化されているぶん、緻密さやメカニカルさがあって情報量も多く、ワンランク上のHGとして楽しむことができます。
気になる点は、各部に組み付けた小型スラスターパーツは適度に固定強度がありますが、干渉や手が当たるなどで外れることがあります。小さいパーツが多く吹っ飛びやすいので、とにかく紛失には注意が必要です。気がついたらなくなっていたということもなくはないと思います。予備もありません。
それとハンドパーツがやや外れやすいのと、背部にロケットブースターを装備しているとかなりの重量になるので、浮かせた状態でポーズを取らせるのが難しかったです。補強したりコツを掴めば適度にポーズが取らせられるので、慣れるまでは破損に注意したいですね。
武装類が豊富に付属していて攻撃パターンも充実。サブアームを展開すれば4本腕での射撃ポーズも再現できるなど大迫力のディスプレイシーンを演出することができます。サンボル版フルアーマーガンダムと組み合わせ、重厚感ある死闘のバトルシーンを再現したいですね。
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