今回は、HG 1/144 ギャプランTR-5[フライルー](ティターンズ仕様)(A.O.Z RE-BOOT版)のレビューをご紹介します!
HG ギャプランTR-5[フライルー](ティターンズ仕様)(A.O.Z RE-BOOT版)は、『A.O.Z RE-BOOT ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-』より、「ギャプランTR-5[フライルー](ティターンズ仕様)」1/144スケールモデルキットです。ティターンズ仕様の青いカラーリングを成型色で再現。その他、特徴的なガンダムタイプ頭部などが新規造形で再現されています。価格は3,630円(税込み)。プレミアムバンダイ限定の商品です。
グリプス戦役期にティターンズが運用した可変MA「ギャプラン」を改修し、ガンダムタイプのセンサーユニットへの換装、ロング・ライフルの装備などを施工。単騎での敵陣突入や制圧を主任務とするエリアドミナンス機「ギャプランTR-5[フライルー](ティターンズ仕様)」がHGUCに登場。
2006年12月に発売されたHGUCギャプラン TR-5[フライルー](以下、通常版 又は1号機)をベースに、ガンダムタイプの頭部、肩部外装、股関節パーツ、ハンドパーツといった各所が新規造形で再現された2号機仕様です。
成形色は2色のダークブルーを基調に、頭部や胴体部、肩部、脚部、背部など各所にオレンジを配色したティターンズカラー。内部・関節やロング・レンジ・ライフルの一部などはパープルグレー成形色での再現です。
シールは頭部ツインアイや各部モールド、武器センサー、つま先などを補いますが特別多くはありません。特に肩部は新規パーツによる色分けが再現されるなど、より完成度の高い色分けを実現しています。肩や前腕の動力パイプ、ハンドパーツの一部などを塗り分ける必要がありますが、素組みでも十分な仕上がりになります。
通常版ではABSが使用されていた関節パーツはKPSに変更され、塗装性が向上しています。
ポリキャップはPC-116を使用し、全身各部に組み込みます。肘、膝ともにポリキャップとPS(KPS)パーツの組み合わせで関節強度はまずまず。左右バインダーや後部スラスターも特に負荷がかかるほどではないため、自立は安定しています。
■付属品
ロング・レンジ・ライフル、握り手(左右)、武器持ち手用パーツ(左右)、MA形態用のアンテナパーツ、ランナーレス台座が付属。通常版では専用台座が付属していましたが、こちらは股間部パーツの新造に合わせ、3.0mm軸でディスプレイできるランナーレス台座に変更されています。
通常版、HGUCギャプランの余剰パーツが多数付属。このキットではフルドドⅡを装備しないため、Hランナー(画像上)は一部のパーツしか使用しません。
通常版(1号機)のパーツが一通り付属しているので、1号機のカラバリとして組むことも出来ますし、1号機と同じ仕様の2号機として組むこともできます。
専用のマーキングシールが付属。T3部隊のマーキングが収録されています。
■各部形状
新規造形の箇所をHGUCギャプラン TR-5[フライルー](以下、通常版 又は1号機)と比較しながら各部を見ていきます。
■頭部
頭部。ギャプランらしいシルエットを残しつつも、ガンダムタイプ特有のV字アンテナやツインアイのあるマスクを装備。より凛々しい表情に変化しています。額やとさかのセンサーはグリーンのシールでの色分け。
メット部は左右の組み合わせですが、合わせ目はきっちりとモールド化されています。新規造形のガンダムタイプフェイスはMk-V系のチンガードが長くシャープに造形。
通常版(1号機)頭部と並べて比較。V字アンテナやメット部などの形状は同じですが、フェイスは通常版がギャプランと同型のモノアイタイプなのに対し、ティターンズ仕様はガンダムタイプのキリッとした表情になっています。
■胴体部
胴体部は通常版と同じ。左右の細いエアインテークや胸部のシャープな装甲などが特徴的に造形されています。胸部装甲手前の三角モールドは黄色いシールでの色分け。エアインテーク内部は黒く塗り分けが必要です。
首は1軸固定で可動ギミックはありません。頭部裏のポリキャップ部分にのみ可動ギミックがあります。首元の角穴はMA形態への変形でも使用しないので少し気になりますね。
フロント、サイドアーマーを通常版と並べて比較。通常版は全体にメカニカルな増加スカート・ユニットを装備しているのに対し、ティターンズ仕様はフラットな装甲のみの軽装スタイル。
リアアーマーも通常版が増加スカート・ユニットとマルチ・アーム・ユニットを装備しているのに対し、ティターンズ仕様はシンプルな軽装スタイルになっています。中央下部のバーニアはパーツによる色分けが再現されています。
腰アーマー裏はふんどし裏にスリットモールドがあるくらいで、全体的にモールドはありません。段差などもないので、裏打ちパーツの自作などはし易そうですね。
股間部は通常版と同じボールジョイント接続。ただし中央のジョイントパーツが新造されていて、通常版が専用台座の角型ダボ接続なのに対し、ティターンズ仕様は3.0mm穴のものに変更。これによってアクションベースや付属のランナーレス台座にも対応するようになっています。
腰部はMA形態への変形用に全体がガバっと展開。MS形態時、MA形態時ともに各部の接続ダボや接続穴(赤◯)によってロックがかかるようになっています。
■腕部
腕部を通常版と並べて比較。一見するとあまり変化がないように見えますが、通常版が肩にフルドドⅡ(ショルダーユニット)を装備しているのに対し、ティターンズ仕様は装備しない軽装スタイルになっています。前腕には大型のムーバブル・シールド・バインダーを装備。
ティターンズ仕様はハンドパーツも穴なしのものが新造されています。それ以外は通常版と同じ。前腕は筒型で合わせ目のない構造ですが、前腕は左右の組み合わせで前後中央に合わせ目ができます。肘が分離するので合わせ目消しはラクそう。指先は赤く塗り分けが必要です。
前腕のムーバブル・シールド・バインダーは通常版と同じ。前端部にビームライフル、後方にスラスターを持つ大型シールドです。各部とも上下2枚パーツ構成で、合わせ目は内側にくるので目立ちません。
側面のモールドはそれぞれシールでの色分け。
シールドの先端部はスライドギミックによって長さを延長することができます。
先端ビームライフルは銃口がきっちりと開口。その後ろのグリップも展開することができます。後部スラスターもパーツによる色分けを再現。バーニアは2口が連結しているので、気になる場合は中央の接続部を塗り分けるかバーニアを切り離すなど加工が必要です。
ムーバブル・シールド・バインダーは1軸とポリキャップで、ロールや上下に展開などフレキシブルに可動。ポリキャップがむき出しなのはちょっと気になりますね。
前述しましたが、通常版の肩部にはフルドドⅡ(ショルダーユニット)を装備。内側の丸穴に接続されています。一方のティターンズ仕様は軽装になっています。
ただし肩部は新規パーツで構成されているため、側面に合わせ目はありません。更に前後のダクト(内部も)や側面の◯モールドもパーツで色分けされるなど構造がアップデートされています。塗装が可能であれば、通常版を組み替えてアップデートさせても良いですね。
肩は2箇所のポリキャップ接続でフレキシブルに可動します。
■脚部
脚部は通常版から変わらず。裾はスカートアーマーのような、エッジの効いた幅のある装甲になっています。大元のHGUCギャプランと同じで構造が古いため、大腿部の丸モールドなどは垂い感じがありますね。膝のモールドはオレンジのシールでの色分けです。
大腿部、膝から下ともに左右の簡単な組み合わせで中央に合わせ目ができます。幸い膝から分離するので合わせ目を消すのはラクそう。
側面のモールドはダークブルーのパーツで、裾内側のバーニアはオレンジのパーツで細かく色分けされています。バーニアの外側はグレーなどに塗り分けが必要。
ソール部はかっちりとした作りでエッジと幅があり、つま先が長く造形されています。つま先は全体をパープルグレーのシールで、側面の三角モールドはオレンジのシールで色分けします。
足裏は裏打ちパーツなどで肉抜き穴はありません。モールドも比較的少なめ。つま先は45度ほど角度変更が可能です。
■背部
背部には縦に長く太さのあるスラスターを装備。ダークブルーの部分は左右の組み合わせで中央に合わせ目ができます。消す場合は後ハメなどの加工が必要。側面のモールドはシールでの色分けです。
後部はスリットダクトの大型スラスターや3基バーニアのスラスターが混在した形。3基バーニアのスラスターは適度に可動します。大型スラスターや3基バーニアのふちはパープルグレーなどに塗り分けが必要。
■他キットとの比較
ベースキットであるHGUCギャプラン TR-5[フライルー]と並べて。通常版はフルドドⅡや増加スカートユニットを装備しているため重量感がありますが、こちらのティターンズ仕様はギャプランと同じ軽装スタイル。ティターンズカラーなので独特の渋さがあります。
■可動域
首(頭部側)にポリキャップによる可動部がありますが、首は殆ど上下しません。左右へもわずかに傾ける程度。
腕は水平よりも高くまで上げることができます。肘は1重関節で、装甲が干渉するため、90度まで曲がらず。
肩は外側のポリキャップ接続部によって少し前後にスイングさせることができます。
胴体部はMA形態への変形・展開構造になっているため、上半身を前後させたり、腰をロールさせたりすることはできません。
前後開脚は適度に展開可能。フロントアーマーの可動が制限されるため、前方への開脚は制限されます。一方、リアアーマーは広く可動するため、後方へは幅広く展開させることができます。
膝は2重関節ですが、外装などが干渉するため、くの字程度までと可動が制限されます。
足首は適度に前後します。左右へも少し角度変更が可能。
股間部がボールジョイント接続なので、左右への開脚はハの字程度と制限されます。
内股、ガニ股ともに45度程度まで展開可能。
立膝をきれいな姿勢で再現するのは難しいようでした。
可動域の総括としては、MA形態への変形ギミックがあるため、全体的に可動が制限されます。幸い肩や股間部などはそこそこ広めに可動するので、そのあたりを上手く利用しつつ、ポージングを楽しむようになりそうです。
■武装
ロング・ブレード・ライフル。ビーム・ピストルにロング・ブレード・バレルとスタビライザー・ユニットを加えた長距離狙撃用ビーム・ライフルになります。通常版に付属しているものと同じ。グリップ周りはパーツやブレードバレルはパーツによって色分けされています。
合わせ目は出来ないパーツ構成。
■ポージング
ロング・ブレード・ライフルを装備して。
ロング・ブレード・ライフルは握り手の手甲パーツを外し、武器持ち手をグリップに組み付けます。そして分解した手甲パーツを組み付けて保持します。
ダボ固定ではないですが、武器持ち手がグリップに隙間なく組み付くのでしっかりと保持させることができます。
ロング・ブレード・ライフルの後部が長く、前腕と干渉しやすいので、脇に抱えるように持たせたほうがラクです。手首が抜けやすいのと、ロング・ブレード・ライフルの後部がバラけやすいので注意。
分解してコンパクトなビーム・ピストルとしても使用することができます。
ムーバブル・シールド・バインダーが自由に可動するので、シールドとしてのディフェンスシーンはもちろん、グリップを握らせてビームライフルで射撃するポーズも再現可能です。
股間部パーツが3.0mm穴のものにアップデートされたので、浮かせてディスプレイさせるのがかなりラクになりました。お陰で撮影がかなりし易いですし、ディスプレイ時の表情も色々と変化させることができます。
ビームサーベルは握り手(穴あり)に柄を差し込んで保持します。握り手穴に対して柄が細身ですが、うまく引っかかるのでたまに落とすくらい。ストレスはさほど感じませんでした。
■MA形態
MA形態への変形は、頭部と両腕部、肩の接続パーツを分解します。
そして額を分解してアンテナパーツを閉じたものに組み替え、再度胴体部に組み付けます。
胸部と背部スラスターを展開。
股間部を展開して胸部と固定。
腰部で折り返して内側のダボでロックします。つま先とアンクルアーマーは伸ばしておきます。
腕部はムーバブル・シールド・バインダーを反転させてシールドを伸ばします。腕部を本体に組み付けたら、MA形態への変形完了です。
MA形態。左右にバインダーを展開し、胸部や腰部装甲を機首としたシャープなシルエットのフライトユニットになっています。
MA形態を色んな角度から。腰部周りにロック機構があるだけなので、腕部や脚部の形状がやや崩れやすい傾向にあります。ですが特に可動させる箇所もないので、ずれた箇所を微調整すれば特にディスプレイで面倒なところはありません。
MA形態の機体形状が戦闘機タイプなので、シンプルにフライトシーンを演出するだけでも十分に格好良いです。
どの角度でディスプレイしても格好良く見えますし、腕部を自由に動かせるので、ムーバブル・シールド・バインダーを左右に開くなどライフルの向きが調整できるのも良いですね。
頭部を余剰パーツと組み替えれば、各部をアップデートしたHGUCギャプラン(カラバリ)(専用ブースターなし)を再現することができます。
更に余剰パーツと組み合わせることで、重武装仕様のギャプランTR-5[フライルー] 2号機を再現することができます。
肩部や腰部に増加ユニットを装備するため、かなりボリューミーな姿に変化。頭部もガンダムタイプに変更されているため、通常版(1号機)とはまた違った雰囲気になっていて格好良いですね。
この仕様でもMA形態に変形可能でした。重量が増すため、重さに耐えられるようなスタンドを使ったほうが良さそうです。それと個体差かもですが、付属のランナーレス台座だとキットがクルッと反転してしまうことがありました。
ギガンティックアームユニット(HG ガンダムTR-1[ヘイズル・アウスラ]ギガンティック・アーム・ユニット装備 )も簡単に装着可能。
ただしかなりトップヘビーになるため、股間部が開いたりして自立が難しいところがあります。浮かせてディスプレイさせたほうがポージングがラクかも。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。ベースキットが古いため大味な合わせ目もありますが、相変わらずギャプラン系はMS形態、MA形態共に格好良いですし、ティターンズカラーならではの渋さがあって良いですね。もともとプロポーションは良いですし、秀逸な変形をこなす、可変MSファンにはたまらない一体だと思います。
気になる点は、肩の接続部分がKPSになったせいか、腕をグリグリ動かしていると肩関節がバラけやすいです。弄っていると徐々に合わせ目の隙間が空いてくるので、空いたらしっかりと押さえて組み合わせるなどしたほうが良さそうです。
1号機用のパーツが一通り付属しているので、重武装仕様が再現できるのも嬉しいですし、ギガンティックアームユニットと組み合わせればボリューミーな巨大MSも再現可能。A.O.Zシリーズにまた一つ、遊べるバリエーション機が追加されたのが嬉しいですね。
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4 件のコメントがあります。
匿名
on 2024年5月3日 at 10:15 -
余剰部品を使っての組替まで!
自分もショルダーユニット作りましたが大変でした…本当お疲れ様です。
nori
on 2024年5月9日 at 22:59 -
コメントありがとうございます!
ねぎらいのお言葉感謝です!
疲れが吹っ飛びました!
taka:安藤隆浩
on 2024年5月4日 at 22:14 -
こんにちはorこんばんは。
ガンダムフェイスのフライルーカッコイイですよね、初めてみたのは
電撃ホビージャパンでしたが、この機体が初めて公式的に立体化されたのは
ガンダムコンバージかな?
ここ最近はVer1.5的な作りが多いですよね、このプラモデルに関しては
色は違うけどフルドドⅡを装備したフライルーも組めて良いですよね。
これでアドバンスド・フライルーやリック・ディアス[シュトゥッツァー]と
それのメガ・バズーカランチャー装備使用等[フェイスガード装備]も
プレバンからで良いので、いつか発売してほしいですね。
ちなみに書籍は2008年に発売されたAD OF ZのVol.6です。
当時は型番は同じですがハイゼンスレイⅡではなく
ウーン・ウォード[高速戦闘形態]という名称でした。
nori
on 2024年5月9日 at 22:58 -
コメントありがとうございます!
フライルー良いですね👍️
フルドドⅡが改造なしで組み付けられるのはありがたいの一言です!
フライルーに関して深い情報をお持ちですごいですね!
自分は正直リック・ディアス[シュトゥッツァー]の存在を知らなかったのですが、
重厚なリック・ディアスなようでキット化されると良いなと思います!