今回は、2004年6月に発売されたHGUC 1/144 RX-78 NT-1 ガンダム NT-1のレビューをご紹介します!
HGUC ガンダム NT-1は、『機動戦士ガンダム0080』に登場するMS「RX-78 NT-1 ガンダム NT-1」の1/144スケールモデルキットです。プロポーションを損なうことなくチョバムアーマーの脱着が可能なギミックを再現。付属パーツの差し替えにより、ガトリング展開状態でのポージングが再現可能なキットになっています。ビームライフル、ビームサーベル、シールドといった武装類も付属。価格は1,650円(税込み)です。
RX-78-2 ガンダムの実戦データを元に、地球連邦軍がNT専用機として再設計した機体で、劇中ではクリスチーナ・マッケンジーが搭乗。リボーコロニーにてケンプファーやザクⅡ改らサイクロプス隊と激しい戦闘を繰り広げた機体「ガンダムNT-1」がHGUCでキット化。
特に他キットからのパーツ流用はありません。ガンダムタイプの中でも比較的オーソドックス且つヒロイックな機体形状が新規造形で再現されています。コードネームは「アレックス(ALEX)」。
成型色はホワイトを基調に、各部にブルーやイエロー、レッドを配色。全身に装着可能なチョバムアーマーはグレー成型色での再現となっています。その他、内部や関節はパープルグレー成形色での再現。
ホイルシールが付属。頭部や一部モールドなどを補いますが、全体的にシールでの色分け箇所は少なめです。素組みでも違和感がないくらいの色分けが再現されていますが、各部の小型バーニアやダクトなどは塗装が必要です。
KPSやABSは不使用。ポリキャップ以外のパーツはPS素材なので、塗装やスミ入れをする場合もあまり破損を気にせずに取り組めそうです。
ポリキャップはPC-123プラスを使用し、全身各部に組み込みます。肘、膝共にポリキャップとPSパーツ構成で関節強度はまずまず高め。特に負荷のがかかるような装備はないため、自立は安定しています。
■付属品
シールド、ビームライフル、90mm腕部ガトリング砲パーツ✕2、ビームサーベル、武器持ち手(右)が付属。
全身各部用のチョバムアーマーが付属します。頭部用のヘッドギアは付属しません。
専用のマーキングシールが付属。連邦のマークやシールドに印字するアレックスの文字などが収録されています。
■各部形状
まずはチョバムアーマーを取り付けない、NT-1素体の状態で各部を見ていきます。チョバムアーマーを取り付けた状態のレビューがご覧になりたい場合は以下のリンクからどうぞ。
頭部。端正な顔立ちでバランスの取れたイケメンフェイス。V字アンテナもシンプルなデザインでヒロイックに造形されています。ツインアイは白いパーツにシールを貼って色分けしますが、こめかみのバルカンはイエロー、左右のダクトはグレーに塗り分けが必要です。
とさか前後のセンサーはグリーンのシールでの色分け。メット部は前後の組み合わせで、上部から側面にかけて合わせ目ができます。合わせ目を消す場合はフェイスパーツの後ハメ加工が必要。
■胴体部
胴体部。オーソドックスなガンダムタイプらしいエッジの効いた装甲が造形。各部はトリコロールカラーでの再現となっています。腹部にはブルーグレーを配色。胸部、腹部ともに前後の組み合わせで側面などに合わせ目ができます。腰部中央のV字周りはモールドの上からシールを貼っての色分けです。
腹部には全天周囲モニター型のコックピット(外装のみ)モールドが造形されています。
リアアーマーは下部の小型バーニア内部を黄色と黒に塗り分けが必要。腰はやや太めのダボ接続。ボールジョイントではないので少し可動が制限されそうです。
腰アーマー裏にモールドは造形されておらずフラットな状態。ただそのぶん、裏打ちパーツの自作はしやすそうです。側面の小型バーニア(赤◯)内部は黄色や黒に塗り分けが必要。別パーツ化されているので塗装はラクかと。股間部はボールジョイント接続。
■腕部
腕部。こちらも各部にエッジの効いた装甲が造形。前腕には90mm腕部ガトリング砲格納用の青いカバーが造形されていますが、全体的な造りや色分けはそれほど凝ったものではありません。
上腕は筒型で合わせ目はありません。前腕は左右と青い装甲の組み合わせですが、合わせ目はモールド化されています。
ショルダーアーマーは簡単な3個パーツ構成ですが、各部とも合わせ目はモールド化されています。前後や側面の小型バーニア内部は黄色や黒に塗り分けが必要。内部シーリング型のパーツは合わせ目ができますが、各部とも分離するので合わせ目を消すのはラクです。
■脚部
脚部。モールドは控えめながら、パーツによる配色やバランスの良い造りでまとまりがあります。膝の赤い部分はシールでの色分け。スネ辺りの角型ダクトは内部を塗り分ける必要があります。
大腿部は左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。膝から分離するので、合わせ目消しは楽そう。膝から下は複数パーツの組み合わせで合わせ目はなし。後部のダクト内部は黒く塗り分けが必要です。
足首はメカニカルな内部パーツが造形。簡単な1個パーツ構成でパーツの裏面は肉抜き穴でした。
アンクルアーマーを含めたソール部。モールドもなくシンプルな造りですが、アンクルアーマーは合わせ目が端にくるのであまり目立ちません。足裏もパーツで蓋をするようになっているため、肉抜き穴がなく見栄えがします。
■バックパック
バックパック。本体はシンプルなボックスタイプですが、ガンダムタイプらしくV字に配置されたビームサーベル柄を装備しています。数個パーツの簡単な組み合わせですが、側面の合わせ目はモールド化。上部や側面の小型アポジは内部をイエローやブラックに塗り分けが必要です。
バックパックは3ダボ接続。他キットと共通ではないので、交換などすることはできないようです。
下部のバーニアは固定式で可動ギミックなどはありません。内部を黄色や黒に塗り分ける必要があります。
■他キットとの比較
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べて。1年戦争時の機体ということもあり、大きさは陸ジムと大差ありません。ガンダムNT-1の全高は18.0mです。
HG RX-78-2 ガンダム(REVIVE)、HG RX-78-2 ガンダム(THE ORIGIN版)とも並べて。アレックスはだいぶ前(2004年発売)のキットなので、プロポーションには少し差があります。ですがこのレトロ感がこのキットの良さでもありますね。
MGガンダムNT-1(旧キット)とプロポーションを比較。それほど差はないですが、MGのほうが細部までパーツできっちりと色分けされていて見栄えがします。アポジなども別パーツ化されているので緻密さがありますね。
MGガンダムNT-1(Ver.2.0)ともプロポーション比較。Ver.2.0は比較的近年のキットなのでその分各部の造りがしっかりとしていますし、NT-1の立体物としては完成された感があります。パーツによる色分けも緻密。
■各部可動域
首が短く干渉しやすいため、頭部はわずかに上下する程度です。左右へは干渉なくスムーズに可動。
腕は45度ほど上がるくらい。肘は1重関節で、曲げる角度は90度程度までとなります。肩は胴体部からの1軸接続。可動ギミックなどがないため、前後へのスイングギミックはありません。画像も省きました。
腹部側のポリキャップにより、上半身を少し前後スイングさせることができます。
腰は少し浮かせることで、干渉なく360度回転させることができます。股間部に3.0mmジョイント穴がないため、アクションベースやスタンドへのディスプレイはコの字パーツで股間部を挟んでのディスプレイとなります。しっかりと固定させるわけではないので、キットを斜めにすると不安定になる場合も。
フロントアーマーが広めに可動するので、前方への開脚は水平程度まで展開可能。後方はリアアーマーが干渉するのでそれなりとなっています。
膝は90度程度まで可動。膝関節パーツはよく見る筒型タイプで合わせ目はありません。膝装甲の裏は肉抜き穴っぽい作りです。
足首は2箇所の可動部により、幅広く前後させることができます。左右へは干渉であまり広く可動しないようでした。
左右への開脚は、股間部がボールジョイントで干渉するため、ハの字程度までの展開となります。
内股、ガニ股とも少し可動する程度。
立膝はややバランスが悪いですが、それなりには再現可能でした。
可動域の総括としては、腕の上げる角度が制限されたり、股間部がボールジョイントで可動が不十分だったりと、現代のキットを知っていると少し不満を感じるかも。ですが劇中でそれほど動いている印象もないので、シーンを再現する場合はそこまで派手に動かす必要もないのかなと。
■武装類
90mm腕部ガトリング砲。左右の両前腕部に内蔵された90mm口径の射撃兵装になります。一旦前腕のカバーパーツを外し、付属の90mm腕部ガトリング砲を組み付けることで、展開状態を再現することができます。砲口部分が別パーツ化されているので、塗り分けたりすると映えそうですね。
シールド。耐ビームコーティングを施したシールドになります。4個パーツの簡単な組み合わせ(ポリキャップを除く)ですが、特に造りに落ち度はありません。肉抜き穴などもなし。
裏面のグリップは可動しませんが、接続基部は付け根ボールジョイントによって柔軟に可動します。
ビームライフル。ビームの収束装置やユニットなどに独自のデバイスが用いられた専用ビーム・ライフルになります。ミリタリー感あるデザインと表面モールドが細かく特徴的。なかなか見応えのあるビームライフルになっています。
本体部分は簡単なモナカ割で上下などに合わせ目ができます。マガジンの脱着ギミックなどもありません。
■ポージング
ビームライフルとシールドを装備して。
ビーム・ライフルは武器持ち手で保持。多少遊びがあってふらつきますが、特にポロリなどはないのでポージングはラクです。ただ、ストックが長く、上腕や前腕と干渉しやすいので、ポージングは少しぎこちなさがあるかもです。
シールドはグリップが細く、遊びというかスカスカで、肘側もしっかりと固定されず簡単に被せているような状態なのでふらつきやすいです。こちらはたまにポロリしそうな固定強度。
小型のキットで取り扱いやすいですし、関節強度もそこそこあるのでポージングの難しさなどはないですね。サクッとポーズを取らせて飾れるキットになっていると思います。
ビーム・サーベルはグリップとハンドパーツの幅が合っているので、スルッと抜けることなく保持が可能。ビーム刃はピンクに塗り分ける必要があります。
チョバム・アーマーを装着した状態で。各部に厚みのある装甲が造形され、マッシブ感あるガンダムNT-1に変化。チョバム・アーマーはFSWS計画の一環として開発されていた装備で、「チョバム」とは「セラミックス複合外装による爆発反応材質」という意味です。
チョバム・アーマー装着状態を色んな角度から。チョバム・アーマーは前腕以外、合わせ目ができない組み合わせになっているので見栄えが良いです。ヘッドギアがないのは少し残念ですが、劇中シーンを忠実に再現できるのでこれでも全く問題ないですね。
チョバムアーマー装着状態をMGガンダムNT-1(旧キット)とプロポーションを比較。HGのほうが僅かに大きいかなという程度。プロポーションに差はあまりないようでした。
MGガンダムNT-1(Ver.2.0)ともプロポーション比較。成形色がかなり違っているほか、Ver.2.0のほうが全体的にボリューム感があってずっしりとした雰囲気があります。
■チョバム・アーマー装着状態の各部形状
胴体部は胸部と腰部を覆うようにチョバム・アーマーを装備。胸部はバックパック側のチョバム・アーマーと連結固定されるため、比較的外れにくなっています。一方、腰部のチョバム・アーマーは被せるように取り付けるため、やや外れやすいところがあるので注意です。
後部もバックパックやリアアーマーを覆うようにチョバム・アーマーを装備。リアのチョバムアーマーは被せるタイプですが、ポリキャップと1軸でしっかりと組み付いています。バックパックのチョバム・アーマーも胸部側と連結するため、しっかりと固定されます。バーニアの部分が露出するようになっているのは良いですね。
腕部。肩のチョバム・アーマーは外側からスライドさせて組み付けるタイプでしっかりと固定されます。前腕も前後2枚でしっかりと組み付くため外れないようになっています。端に合わせ目ができるので、気になる場合は反対側にもスジボリしてモールドを作ると良いかも。
脚部。チョバム・アーマーは膝から下の部分を覆うだけですが、四方向からパーツを組み合わせるため、合わせ目はないですし固定強度も高いです。
ビーム・ライフルは保持可能でした。ただしチョバム・アーマーとの干渉でギリギリ持たせられるくらい。腕部がアーマーで覆われるため、シールドやガトリング砲は装備できないようになっています。
腰は干渉することなくしっかりとひねることが可能。全身にチョバム・アーマーを装着していますが、多少前方への開脚範囲が狭まったくらいで、全体的な可動域は装着前とあまり変わらないようでした。
HGUCケンプファーと組み合わせて劇中シーンを再現。ケンプファーにはチェーン・マインが付属しているので、チョバム・アーマー爆破のシーンもリアルに再現することができます。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。多少可動域に物足りなさはあるものの、各部の合わせ目はそれほど多くなくて好感が持てる構造ですし、プロポーションもなかなかバランスの取れたものになっていると思います。チョバム・アーマー装着時もバラけることはないですし、ガシガシ動かしてもある程度遊べるかと。
欠点的には、各部の色分けがされていないので、素組みだとややもっさりとした感じが出てしまっています。なので細部をしっかりと塗装できれば、グッと締まった感じになりそうですね。
できればリメイクなどしてほしいですが、とりあえずこのプレーンな造形でもレトロな感じがあるので、このキットならではの良さを楽しんでみるのもいいのではないでしょうか。
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3 件のコメントがあります。
名無し
on 2020年6月19日 at 01:27 -
HGUC版はスマートで劇中のフォルムを再現した感じのアレンジデザインがイイですね。
私はHGUCではなく旧キット(ポケ戦版)を購入し、
胴体の横幅を1ミリ程詰めて自分の出来る範囲で色塗りと墨入れを施しましたが
これが意外なほどにカッコ良くなってとても気に入っています。
現代デザインアレンジのHGUC版はもちろん魅力的で、可動範囲や工作精度は旧キットが明らかに負けていますが
旧キットの持つ武骨な当時デザインや顔の出来はかなり良いので(あくまで個人的感想ですが)
是非ポケ戦版も作って頂きたいとレビューを拝見しながら思った次第です。
ばn
on 2024年6月30日 at 14:26 -
NTー1欲しいんですけど売ってないので買えません
バナナ猫
on 2024年6月30日 at 14:27 -
NTー1欲しいんですけど売ってないので買えません