今回は、HG 1/144 FP/A-77 ガンダムファラクトのレビューをご紹介します!
HG ガンダムファラクトは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場するMS『FP/A-77 ガンダムファラクト』の1/144スケールモデルキットです。ペイル・テクノロジーズ系の細身で特徴的な機体形状を新新規造形で再現。バックブースターやガンビット展開、ビームサーベルグリップの格納、折りたたみ可能な足先といった様々な展開・格納・変形ギミックが搭載されたキットになっています。大型ライフルやビーム・サーベル、表情付きの平手が付属。価格は2,090円(税込み)です。
ペイル・テクノロジーズが開発したガンダムタイプのモビルスーツで、スタン効果を持つガンビット展開や超高精度の狙撃戦術を有するエレン・ケレス登場機『FP/A-77 ガンダムファラクト』がHGでキット化。
空間戦闘を重視した細身の機体形状や、両肩のバックブースター、バックブースターに格納されるガンビット『コラキ』、鳥のくちばしを想起させる足部ユニット『ビークフット』、狙撃用の携行火器『ビームアルケビュース』といった特徴的な装備が再現されています。
成型色は深みのあるブルーグレーをベースに、全身各部にホワイトやオレンジイエローを配色。その他、頭部にレッド、各部シェルユニットにクリアブラック、関節や内部にグレーを配色するなど、全体的にヒール味の強いカラーリングになっています。
シールは頭部や全身各部のシェルユニットを補うくらいで少なめ。説明書に『※シールはお好みで使用します。』との記載があり、シールの有無によってシェルユニットの発光と非発光状態をチョイスすることができます。今回はシールを貼って発光状態にしています。
グレー成型色の内部・関節パーツにはマットな質感のKPSが使用されています。ABSは不使用。頭部やシェルユニットなどは細かいパーツが多いので紛失に注意が必要です。
ポリキャップも不使用。すべてパーツのみで構成されています。関節強度は高めで、特別負荷のかかる装備はなく自立は安定しています。
ビームアルケビュース、ビームサーベル(ビーム刃、柄)✕2、平手(左)が付属。
背部のバックパック(肩部バックブースター込み)を外した状態で。全身が細身なのに加え、存在感のあるバックブースターを外したことでより細身で華奢なスタイルになりました。
頭部は4本アンテナや赤いツインアイが印象的。全体的にダークなブルーグレーでまとめられた悪魔感の強いデザインになっています。額のシェルユニットやビームバルカン、ツインアイまでパーツで細かく色分けされているのは見事。小さいパーツが多いのと、「切り取り注意」の箇所が多いのでその点は注意が必要です。
額のシェルユニットはシールの上からクリアパーツを被せる仕様。クリアパーツ内部には緻密なモールドが造形されています。
胸部は逆三角型。スリット入りのエアインテークなどはなく、左右にはエアインテークを思わせるシェルユニットや黄色い装甲板が造形されています。腹部も白いパーツでインパクトのある仕上がりに。シェルユニットはシールを貼り、その上からクリアパーツを被せる仕様です。
肩部は他のHG水星の魔女シリーズとは少し異なり、ボールジョイントを下向きに組み合わせる構造。なので前後へのスイングは柔軟ですが、上下への可動はやや制限されます。
腰部は軽装で各面とも大柄なフロントやサイドアーマーはなし。前後にはホワイトやイエローパーツでワンポイントが加えられています。
腰アーマー裏はリアーアーマーがフレーム状の肉抜き穴。フロントアーマーも特にモールドなどは造形されていません。フロントアーマーはヒンジ接続で少し上下します。
腰には前後へのスイングギミックがあり、上半身を幅広く前後させることができます。
腕部。モールドも少なく、細身で派手さもないですが、少しだけ力強さを感じさせるようなデザインになっています。
二の腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は内部フレームを前後で挟む構造ですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化されています。
膝関節は上腕と前腕を完成させてから最後に組み合わせる後ハメ構造。特別合わせ目消しなどの処理は必要ないですが、なぜか安心感がありますね。
前腕にはサーベル柄が格納されていて、装甲を展開することでサーベル柄を取り出すことができます。
肩部自体は軽装。ですが複数パーツの組み合わせでメカニカルに造形されています。合わせ目もなし。
脚部も細身ですが、節々に厚みがあり、パーツによる部分的な装甲の色分けを再現。大腿上部のシェルユニットも印象的にデザインされています。
脚部は全体的に簡易的な内部フレームが造形。
大腿部はフレームの前面と左右からパーツを組み合わせる構造で合わせ目はモールド化。膝から下も合わせ目が出来ない構造で、少ないパーツ数ながらも色分け再現度の高い、最適化されたパーツ構成となっています。
膝関節や肘と同様、大腿部と膝下を完成させてから組み合わせる後ハメ構造です。
ソールは前後に広がりを見せる2又構造。後部装甲があるぶんワイルドさ、存在感もありますね。
後部の装甲を収納し、つま先とかかとを折りたたむことで足部ユニット『ビークフット』として使用することができます。ビークフットは鳥類のくちばしを想起させる足部ユニットで、宙空時の戦闘で効果を発揮するとのこと。
つま先側、かかと側共にモールド入りの裏打ちパーツが造形されるなど、造り的にも落ち度は見られません。中央のビーム砲もきっちりと造形されています。
つま先と踵で個別にロールできますし、踵側はアームで幅広く展開させることもできます。可動箇所が多いぶん接地が少し不安定にはなりますが、柔軟に可動するので表情は付けやすいです。
背部にはバックパックを装備。左右にはアーム接続による肩部大型バックブースターが造形されています。
バックパック自体は上下2枚パーツ構成で、後部に1基のスラスターが造形されただけの軽装タイプ。スラスターは内部が別パーツで緻密に造形され、ボールジョイント接続で適度に向きを変えることができます。
ファラクト本体とは標準幅の2ダボ接続。なので他のHG水星の魔女シリーズやHGUCなどのバックパックも装備することができます。
バックブースター。このキットのなかでも特に存在感のあるユニットになります。細かいパーツ構成で、前面のシェルユニットや各部色分け装甲なども別パーツ化。各部が緻密に再現されています。
側面の装甲は薄型のウイングタイプ。外側のスラスター口は別パーツ化され、内側には2基のガンビット『コラキ』が格納されています。装甲は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化。
バックブースター基部には可動ギミックがあり、内部の造りも緻密。左右の組み合わせですが、合わせ目が露出しない構造になっています。
内部の可動ギミックによって上部装甲が展開。内部のスラスターが露出します。内部スラスターは前後とも別パーツによる色分けを再現。
装甲は少し引き出しが可能で、接続基部(赤◯部分)によって前後などにロールさせることができます。
内側のガンビット『コラキ』は一部を押し込むことで容易に脱着が可能。ユーザーに対する細かな配慮がされていていいですね。
ガンビット『コラキ』は表裏で表面のモールド形状が異なり、分解することで2基(一対)のガンビットとして使用することができます。一部モールドやビーム口はグレーに塗り分けが必要。
3.0mm穴などはなく、アクションベースや通常のスタンドでディスプレイできるようにはなっていません。コラキを浮かせてディスプレイさせる場合は、後日発売のHG水星の魔女 ウェポンディスプレイベース(2023年1月発売予定)が必要です。
バックブースター接続用のアームは2個パーツ構成で簡易的。内側には肉抜き穴があります。
アームは2箇所に可動箇所があるので、バックブースターを前後や左右に可動させることができます。
バックブースターへの接続側もロールや上下スイングなどが可能。バックブースターを幅広く柔軟に可動させることができます。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。頭頂高自体はルプスレクスと同程度ですが、肩にバックブースターを装備していることでやや大柄になっています。ガンダムファラクトの全高は未定、頭頂高は19.1mです。
劇中で決闘を繰り広げたHGガンダムエアリアル、HGディランザ(一般機/ラウダ専用機)と並べて。※ディランザはラウダ専用機として組んでいます。スレッタとエランの強化人士4号との決闘やその後の展開は涙なしでは見られない印象的なシーンでした。
同シリーズのHGダリルバルデとも並べて。どちらも御三家各社の機体で、それぞれ形状が全く異なる個性的なデザインになっています。大きさはほぼ同じ。
頭部の可動は、顎が長いですが、ある程度顎を引く動きもできますし、見上げる動きも適度に可能です。左右への可動は顎と肩が干渉するので45度程度まで。
腕は水平よりも少し上まで上げることが可能。肘は1重関節でV字程度まで曲がります。
肩はボールジョイントと胸部側の可動によって適度に前後させることができます。
腰の可動ギミックや腹部のボールジョイント接続によって上半身を幅広く反らすことができます。
左右へも適度にスイング可能。
腰は干渉することなく360度回転させることができます。アクションベースやスタンドへは、股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。ジョイント穴が角型ですが、固定強度が適度にあるのでディスプレイはし易いかと。
前後開脚は、フロントアーマーが小型なので前方へは幅広く展開させることができます。後方はリアアーマーを避けるようにすればある程度展開可能。
膝は1重関節ですが深くまで曲げることができます。
足首の前後可動はないので画像は省きました。左右へはつま先と踵がロールするのでどんな角度でも表現することができます。
左右への開脚は水平まで幅広く展開させることができます。
内股は大腿部と股間部が干渉するので殆ど可動せず、がに股も少し開く程度。ですが足首がロールするのである程度表情を付けることはできます。
大腿部と膝下の比率に差があるぶん立膝は深くなりますが、きれいな姿勢で再現することは可能でした。
可動域の総括としては、一般的なキットとは少し構造が違っているため、可動も特殊な動きを見せる箇所があります。ですが各部とも幅広く可動するので、どんなポーズにも柔軟に対応してくれそうです。
ビームアルケビュース。ファラクト専用の携行火器になります。本銃を用いたGUNDフォーマットによる近くリンクは、狙撃戦術の成功確率を著しく上昇させるとのこと。ただしその分、パイロットへの負担は相当なものとなりそうです。
ロングサイズの武装ですが、本体は左右の組み合わせで構造自体は簡易的。ですが上下の合わせ目は段落ちモールド化されるなど抜かりはありません。
銃口は別パーツ化。
表面にも細かなモールドが入っているので見栄えがします。
ビームアルケビュースを装備して。
ビームアルケビュースは通常のハンドパーツでグリップを挟んで保持します。グリップとハンドパーツとの幅が合っているので、隙間なくしっかりと保持させることが可能。
後部のストックが長いですが、脇に抱えるようにすれば問題なく保持させることができます。
機体形状はヒール調ですが、機体デザインか成型色の関係からか、割りと上品さも併せ持っているなという印象。見れば見るほどかっこよさが強く感じられるようになっていきます。背面のバックブースターにも存在感がありますね。
バックブースターを展開しての飛行ポーズも様になります。平手が付属するので、銃身に手を添えて支えるようなポーズも再現することができます。
ガンビット『コラキ』は通常のスタンドなどでディスプレイできるようになっていないので、どのようにディスプレイさせるかが悩みどころではありますね。今回は両面テープを使ってスタンドに貼り付けてみました。
コラキを分解して、ディランザをスタン攻撃するイメージでディスプレイ。演出の良し悪しは別にして、コトブキヤのプレイングベースAを使うことで、コラキが素早く移動するような演出ができるのはいいですね。
ビームサーベル刃は蛍光クリアグリーン成型色での再現。グリップにサーベル柄を差し込んで保持します。サーベル柄の一部にリブがあるので、うまくリブの干渉を避けるようにして差し込みます。多少ハンドパーツと柄との間に隙間がありますが、抜け落ちることなく保持させることができます。
ビームサーベル刃はブラックライトで照らすと鮮やかに発光します。
足部ユニット『ビークフット』を展開して攻撃シーンを演出。脚の付け根が幅広く可動するので、脚を上げてビーム射撃するようなポーズも再現し易いです。
各部のシェルユニットを非発光状態にしていきます。頭部のシェルユニットはパーツで色分けされているため、非発光を再現する場合はシールを貼り付けて色味を統一します。
胸部、バックブースターの前面、大腿部のシェルユニットは一旦クリアパーツを外して赤いシールを剥がします。
クリアパーツは各部とも裏面から押し出すと簡単に外れるようになっているので、発光から非発光状態に変更したい場合もラクに処理ができます。
非発光状態で。各部のシェルユニットが非発光になったことで、全体的なアクティブ感が薄まった感じも。額のシェルユニットはグレーのシールを貼るため、少しチープな感じになってしまうのはちょっと・・・;
適当に何枚かどうぞ。
劇中のディランザを圧倒するシーンを再現。
以上です。ヒール感の強い機体形状やカラーリングをしていますが、その中にも上品さみたいなものが感じられますし、造形的にも見れば見るほど味が出てかっこよさが増してくるようなキットになっています。ガンダムエアリアルとは対象的な雰囲気があるのもファラクトの魅力。キットの構造自体もしっかりとしていて完成度が高く、可動域の広いのでポーズも取らせやすいです。
気になる点はあまりないですが、あえて言うなら肩のバックブースター側面の装甲が少し抜けやすいのと、脚の付け根や足首周りに少しぎこちなさを感じるということくらいでしょうか。額のシェルユニットはシールを貼ると違和感が出るので、発光状態のみチョイスしたほうが良さそうですね。
ビームアルケビュースの合わせ目も段落ちモールド化されていますし、細部までしっかりと作り込まれています。構えての射撃ポーズはかなり様になりますし、バックブースターも各部がフレキシブルに可動するので表情が付けやすいです。コラキも細かいパーツ構成で設定通りの展開が可能。後日発売のウェポンディスプレイベースと組み合わせてより劇中シーンに近いディスプレイを楽しみたいですね。
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