今回は、水性カラー アクリジョンとタミヤエナメルのメタリック塗料を比較してみましたので、ご紹介していきます!
しばらくぶりの比較検証シリーズ。今回はラッカー塗料で塗装後、部分的に筆塗りで色分けするのにムラが出にくい最適な塗料がないかと思い、水性カラー アクリジョンとタミヤエナメルのメタリック塗料を筆塗り、エアブラシ塗装して比較してみることにしました。(ついでにアクリジョン令和慶祝カラーも比較しています。)
今回の比較で、各塗料がどんな色なのか、ムラが出にくいのか、隠蔽力が高いのかなどを参考にしていただければと思います。他にもシタデルやファレホなどがありますが、比較的安価で入手しやすいものを対象にしています;
■■比較する塗料■■
比較する塗料は下記のとおりです。
◯クレオス 水性カラーアクリジョン 『シルバー(N-8)』、『ゴールド(N-9)』、『カッパー(N-10)』、『黒鉄色(N-18)』、『メタルブラック(N-28)』、『焼鉄色(N-76)』
アクリジョンは、安全と塗装環境の改善を目指した新世代のエマルジョン系水性塗料で、塗膜に厚みがあり、有機溶剤の強い匂いを持たない、家庭環境にも適した塗料です。塗装後の筆やエアブラシなどの道具は、乾燥前であれば水で洗浄することが可能です。
◯タミヤエナメル 『コッパー(XF-6)』、『ダークアイアン(XF-84)』、『チタンゴールド(X-31)』、『チタンシルバー(X-32)』
タミヤのエナメル塗料は、アクリル塗料よりも筆の伸びが良く、発色の良さも持つ塗料です。乾燥時間が長いのでムラが出にくく、綺麗な光沢面が出せますし、下地塗装の塗膜にほとんど影響を与えないので、重ね塗りが簡単という長所があります。
◯クレオス 水性カラーアクリジョン 『梅(RCN-1)』、『菫(RCN-2)』、『桜(RCN-3)』
令和慶祝カラーは、新元号の訪れを祝うべく、日本流行色協会(JAFCA)が発表した「令和 慶祝カラー」を再現したアクリジョン塗料です。淡く優しい色合いが印象的。
希釈には、水性カラーアクリジョン、タミヤエナメルそれぞれ、専用の溶剤を使用します。
■■比較検証方法■■
まずは比較として、100均などで売っているスプーンを、下地の透けが確認しやすいブルー(Mr.カラー インディブルー)で塗装しておきます。半分は筆塗り塗装用にマスキングして残します。
そして下地塗装していない普通のクリアースプーンと下地塗装したスプーンに、筆塗りやエアブラシで塗料を吹き、それぞれのムラや隠蔽力などを確認してみたいと思います。
■■検証■■
アクリジョンのシルバー(N-8)、ゴールド(N-9)、カッパー(N-10)です。それぞれ左が下地塗装をしていないクリアーのスプーンに吹いたもので、右が下地塗装をしたスプーンにエアブラシと筆塗りで塗装したものになります。(各画像はクリックすると大きい画像がご確認いただけます。)
アクリジョンシルバー(N-8)・・・・筆塗りだとかなり色乗りもいいですし、ムラもそこまでではないかなと言う印象。ラッカー塗料ほどの速乾性はないので、ゆっくりと丁寧に塗ることができます。(溶剤で薄めずそのまま筆塗りしています。)
アクリジョンゴールド(N-9)・・・筆塗りだと少し隠蔽力が弱いかなと言う印象ですが、まぁこれはさじ加減だと思いますし、色乗りはいいですね。しっかりと混ぜないとムラができやすいのでその点は注意です。
アクリジョンカッパー(N-10)・・・こちらも色乗りがよく、隠蔽力も高めです。ムラもできにくいので使いやすいですね。
アクリジョンのエアブラシ塗装に関しては、はじめに1:0.5(塗料:溶剤)くらいで薄めて吹きましたが、かなり弾いてダマになりやすかったです。うすめず吹くと今度は食いつきも良く、きれいに塗装できました。ただ、1度吹きだとやや下地が透けて見えたので、2度吹きした方がよりきれいに仕上がるかと。それと、薄めずに吹くとどうしてもエアブラシが詰まりやすかったりするので、詰まる場合は少しだけ薄めてやるといいと思います。慣れるとラクに塗装できそうです。
アクリジョンの黒鉄色(N-18)、メタルブラック(N-28)、焼鉄色(N-76)です。全体的に隠蔽力は高いですね。どれも筆塗りでは少しムラが出ていますが、塗り方次第できれいにできると思います。
アクリジョン黒鉄色(N-18)・・・ツヤがあり、隠蔽力も高めです。適度に焼色が入っているのがいいですね。ガイアカラーのガンメタルに近いかも。エアブラシ塗装も筆塗りも色乗りがよく、使い勝手のいい塗料です。
アクリジョンメタルブラック(N-28)・・・焼色のないクリーンなブラックに金属粒子が混ざったような色合い。黒鉄色に比べると少しツヤが弱い仕上がりになっています。
アクリジョン焼鉄色(N-76)・・・色乗りもいいですし、筆塗りもかなりしやすいです。他の塗料に比べてだいぶマット感が強く、使い分けしやすそうな塗料。
ハンドピース洗浄時、ラッカー系のクリーナーだとアクリジョンが溶けず、カップの中に塗料が溜まって落ちにくかったです。次に拭いた時に、中に溜まった塗料がそのまま吹きでたりすることがありました。
なので、使い終わったらすぐにティッシュなどで吹かず、一旦水を入れてうがいをしたほうが良いかと。何度かうがいを繰り返し、予めカップの塗料を落としてからティッシュで吹き、最後にラッカー系でうがいをするときれいになると思います。(あくまで個人で試した方法ですのでご容赦をm(_ _)m アクリジョン専用のツールクリーナーの使用をおすすめします。)
アクリジョン 梅(RCN-1)、菫(RCN-2)、桜(RCN-3)です。梅と桜はエアブラシでも筆塗りでも若干隠蔽力が弱いので、下地を整えてから塗装したほうが良さそうですね。菫は色が濃い分、隠蔽力も高いですが、しっかりと混ぜないとムラができやすいので注意です。
タミヤエナメルのチタンゴールド(X-31)、チタンシルバー(X-32) 、コッパー(XF-6)、ダークアイアン(XF-84)です。どれもエアブラシ、筆塗りともに塗装しやすく、取り扱いやすい塗料でした。ムラも少なく、隠蔽力も高めで安定していますね。コッパーは粒子が粗めなのと、ダークアイアンはだいぶマット感が強いので、使いみちはやや制限されるかも。
欠点としては、マスキングを剥がす時、境目が浮きやすかったり、金属粒子が散らばるなど、やや食いつきが弱く剥がれやすいところがあるので注意です。
タミヤのエナメルはラッカー系のクリーナーでも問題なく落ちてくれます。普段ラッカー系塗料を使っていれば、エアブラシ塗装時もストレスなく使えると思います。
今回比較した塗料をすべてまとめて撮影。色味の違いが確認できるかと。
以上です。アクリジョンは溶剤で薄めて吹くと弾いたので、「最悪!使えねぇf^_^; 」と思いましたが、うすめずに(少しだけうすめて)吹くとかなり使える優秀な塗料だなと思いました。匂いもほとんどなく、ご家庭内でもあまり周囲を気にすることなく塗装ができそうです。食いつきもよく、きれいな塗装面になりますね。
一方のエナメル塗料も、エアブラシ、筆塗り共に仕上がりがよく、今更ながら十分に使える塗料だと確認ができました。剥がれやすいところがあるので、その点だけ注意ですね。
現在制作中のRGサザビーは内部フレームの動力パイプなどがパーツ分割されていないので、筆塗りで塗り分けする時に最適な塗料はないかと今回比較をしてみました。結果どれも仕上がりが良かったので、使用環境なども考慮しつつ、いろんな場面で使い分けられると良いですね。
3 件のコメントがあります。
はにまる
on 2019年11月6日 at 19:47 -
はじめまして。
いつも楽しく拝見しております。
アクリジョンですが、クリアカラーを使用したことがあるのですが
攪拌時にかなり泡立って使いにくいイメージがあります。
今回使用したものは泡立ちとか気になりませんでしたか?
nori
on 2019年11月7日 at 04:14 -
コメントありがとうございます!
確かに、攪拌棒で混ぜるときは少しブクブクするところがあったような。でもそんなに気にはならなかったですかね~。
空気が入るときれいに筆塗りしたい場合に影響が出たりするので難しいところではありますね;
ネットでは筆で混ぜると泡立ち、攪拌棒だとほとんど出ないという意見もチラホラ・・・。
はにまる
on 2019年11月7日 at 15:37 -
なるほどです。
攪拌棒を使ってみますね!!