今回は、MG 1/100 MS-09R リック・ドムのレビューをご紹介します!
MG リック・ドムは、『機動戦士ガンダム』に登場するMS『MS-09R リック・ドム』の1/100スケールモデルキットです。新規金型により、外装・内部構造を改良し、可動域を拡大したアップグレード版。大型化されたバックパックやリアスカートをはじめ、内部バーニアユニット、宇宙用バーニアのメカニックディテールが施された足裏面など、特徴的な機体形状が再現されたキットになっています。ビーム・バズーカ他、豊富な武装が付属。価格は5,500円(税込み)です。
ザンジバルやキャメル艦隊の搭載MSとして登場した他、コンスコン隊の主力MSとしても多数登場したMS-09ドムの宇宙仕様機『MS-09R リック・ドム』がマスターグレードに登場。1999年10月に発売されたMG MS-09R リック・ドムをベースに、先月(2022年2月)に発売されたMG ドムと同様の関節機構が再現されたアップデート版。アップデートされた箇所は肩部、腕部、胴体部、大腿部、足首部、武装類の一部などです。
MS-09ドムとMS-09R リック・ドムとの違いは、リアスカート、脇、足裏、背部バーニア周りの形状とビーム・バズーカなど武装類の有無になります。
成型色は若干青みのあるパープルとブラックをベースにしたカラーリング。頭部や肩内部、腰裏、脚部スカート裏にレッドが配色されています。先月発売されたMG MS-09ドム(以下、アップデート版ドム)とはパープルの色味が少し違っています。
ホイルシールは付属せず。ビーム・バズーカ用のジュエルシールが付属しています。
内部、関節パーツはグレー成型色で、アップデート箇所や一部の内部パーツ、一部の武装パーツにKPSが使用されています。ABSは使用されていません。
ポリキャップ(PC-121)とMランナー(ポリキャップ型PE素材)を各部に使用し、関節強度は高め。背部に負荷のかかる装備はなく、脚底も広いので自立は安定しています。
ビーム・バズーカ、ジャイアントバズ、ヒート・サーベル、パイロットフィギュアが付属。
MG MS-09Rリック・ドム(旧版)、MG高機動型ザクVer.2.0用のパーツが余剰で付属します。大腿部の内外パーツやハンドパーツなどがないので、旧版リック・ドムとして組むことはできません。
専用の水転写デカールが付属します。
旧版のMGリック・ドムが手元にないので、アップデートされた箇所を旧版のMG MS-09ドム(以下旧版ドム)と比較しつつ、リック・ドム特有の形状の部分をアップデート版ドム(MG ドム)と比較しながら見ていきます。
頭部は新旧各種とも同じ。胴体に埋まったようなドム特有のシルエットで造形されています。前面はドム特有の十字モノアイレールが造形。外装は合わせ目が出来ないパーツ構成で、表面はクリアパーツでの再現です。
頭部は内部フレームが造形。
モノアイはポリキャップとボールジョイント軸で上下左右フレキシブルに可動します。モノアイは旧版リック・ドムではクリアパーツにピンクのマーキングシールを貼っての色分けでしたが、アップデート版は水転写デカールを貼るようになっています。
モノアイは赤いカバーやメット部全体を外すことで可動させることができます。
胸部を旧版ドムと並べて。肩関節のアップデートに伴って表面装甲パーツが新造され、一部モールドが省かれています。KPS素材でマットな質感になっています。
肩内部を旧版ドムと並べて。肩部はアップデート版ドムと同じく可動ギミックが追加。上下、前後へのスイングが可能となっています。
左胸の拡散ビーム砲や腹部のコックピットハッチの開閉は旧版、アップデート版共に同じです。拡散ビーム砲はクリアパーツでの再現で、内部を黄色く塗り分ける必要があります。
腹部内部フレーム。コックピット内部にはパイロットフィギュアが格納されていますが、パイロットフィギュアは特別リック・ドム用に新造されたものではなく、通常のMS-09ドムと同じものになります。
フロントスカートはドム系各種と同じ形状。
アーマー裏は各部とも赤い裏打ちパーツが造形されています。裏打ちパーツは簡易的なモールドのみ造形。
リアスカートをアップデート版ドムと並べて。リック・ドムはスカートが縦長で裾が鋭利に。左右にモールド、中央にスリットが入っています。アップデート版用に新造されたものではなく、旧版リック・ドムからの流用になります。
リアスカートの裏打ちパーツも比較。こちらも旧版リック・ドムからの流用です。バーニアはポリキャップ接続でフレキシブルに可動します。
腰部はアップデート版ドムと同じく内部フレームが新造。股間部にスイングギミックが追加されています。股間軸をスライドさせることで脚部の可動域を広げることができます。
腕部を旧版ドムと並べて比較。二の腕や前腕装甲の形状などが違っています。前腕はやや丸みのある装甲に変化。ハンドパーツもエモーションマニピュレーターに変更されています。
アップデート版ドムと同じく内部フレームが造形。二の腕以下は内部フレームに外装パーツを被せる仕様です。
二の腕は筒型で合わせ目はなし。前腕も合わせ目が出来ないパーツ構成です。ハンドパーツは多重構造のエモーションマニピュレーターで緻密に可動しますが、固定強度に弱さがあるので取り扱いに注意が必要です。
手首に余裕はないですが、無改造で旧版ドムのハンドパーツに組み替えることが可能です。
ショルダーアーマー、肩内部共に合わせ目が出来ないパーツ構成になっています。
脇のボールジョイント軸パーツはリック・ドム用に裏打ちパーツが造形されています。(旧版リック・ドムと同じ。)
脚部を旧版ドムと並べて。大腿部がアップデート版ドムと同じく、幅広く可動するフォーマットに変更されています。膝から下は旧版ドムと同じ。特有の肉厚な装甲とスカートアーマーによって重厚感が感じられるデザインになっています。
脚部内部フレーム。
裾のバーニアは前後の組み合わせで合わせ目ができます。ポリキャップ接続で適度にスイング可能。
大腿部を旧版ドムと並べて比較。足の付根がロールするため、それに合わせて内外パーツが新造されています。
大腿部は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化。膝から下は左右の組み合わせで後部に合わせ目ができます。外装は内部フレーム観賞用に脱着可能。
ソール部を旧版ドムと比較して。脚甲などは旧版ドムと同じですが、足首の内部パーツが新造。
パーツに無駄がなくなり、スカートアーマーと干渉することなく足首を幅広く可動できるようになっています。
足裏をアップデート版ドムと並べて。アップデート版ドムでは裏打ちパーツのバーニアが中央に1基のみのホバー仕様でしたが、リック・ドムではバーニアが5基の宇宙仕様になっています。裏打ちパーツは旧版リック・ドムからの流用です。
背部をアップデート版ドムと並べて。バーニア周りが大型化され、ヒート・サーベルのホルダーも少し高い位置に配置されています。外装パーツは肩関節のアップデートに伴って新造されています。
内部にはメカニカルなフレームが造形。内部フレームやバーニアは旧版リック・ドムからの流用です。
バーニアはボールジョイント接続で適度に可動します。
背部のホルダーは展開可能。ヒート・サーベルをしっかりと保持することができます。
ヒート・サーベルはアップデート版ドムと同じく、グリップが引き起こしリブ付きのものが新造。しっかりと保持できるようになっています。ビーム刃はイエロー成型色での再現です。
MGジム・コマンド(コロニー戦仕様)、MG強化型ダブルゼータガンダムVer.Kaと並べてサイズを比較。大きさはアップデート版ドムと同じでジム系より少し大きい程度。ドムの頭頂高は18.6mと18.2mと2種の設定があります。
アップデート版ドム(MG ドム)と並べて比較。殆ど差がないですが、パープルの色味が少し違っています。その他の成型色は同じ。前面は一見すると違いがほとんど分かりません。後面は背部のバーニア周りとリアスカートが大型化されているので変化が分かりやすいかと。
旧版(MG MS-09 ドム)と並べて。パープル成型色が旧版とはかなり違っています。深みのあるパープルでおもちゃ感が薄く仕上がっています。
可動域を旧版ドムと簡単に比較。肩は構造がアップデートされているため、少し広めに可動します。腹部が新造されて細くなったことで、胸部をひねる動きも柔軟になっているようです。
下半身は股間部がアップデートされているので立膝が少し深く沈められますし、左右への開脚も大腿部がアップデートされているので広めに展開させることができます。
可動域はアップデート版ドムと殆ど同じなので、詳細は以下のリンクからアップデート版ドムのレビューをご参考くださいm(_ _)m
ビーム・バズーカ。リック・ドムの主兵装になります。エネルギーのチャージに時間がかかるものの、威力は連邦軍のMS用ビーム兵器やゲルググのビーム・ライフルを凌駕するとのこと。構造は旧版リック・ドムと同じで簡易的。グリップに引き起こしリブが追加されています。
本体は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。
砲口のみ別パーツ化されているので、塗装で色分けする場合は後ハメ加工が必要です。
側面のセンサーは基部がモナカ割で合わせ目ができます。センサーはクリアパーツではなく、クリアピンクのジュエルシールが使用されています。ドーム状の鮮やかな仕上がり。
グリップは角度変更はできませんが、2箇所に引き起こしリブがあるので、エモーションマニピュレーターで保持しやすくなっています。
ジャイアントバズ。H&L社製の360ミリロケット砲になります。MG高機動型ザクVer.2.0系に付属しているものと同じ。アップデート版ドムと同じく、グリップが引き起こしリブ付きのものに変更されています。合わせ目が出来ないパーツ構成になっています。
センサーやフォアグリップは上下にスイング可能。センサーはハッチが開閉可能で、内部センサーはクリアピンク成型色での再現となっています。
こちらもグリップは可動しませんが、2箇所の引き起こしリブによって保持しやすくなっています。
マガジン内部には簡易的な弾頭が造形。
パイロットフィギュアは旧版ドムなどと同じ。モールドが緩めです。黒成型色なので、塗装する場合はムラが出ないように注意が必要です。
一通り武装して。
浮かせてディスプレイさせる場合は、股間部の接続部を少し広げて隙間を開け、コの字パーツを差し込みます。
ビームバズーカは重量がありますが、関節強度は高いので腕が垂れることなく保持させることができます。ただ、弄っていると手首が緩くなって傾いてくるので注意が必要です。
巨大な武装なので攻撃シーンにも迫力が出ます。グリップが角度がついた状態で保持できるので、肩と干渉することなく担がせることができます。エモーションマニピュレーターは好みが分かれそうですが、可動箇所が多く柔らかい表情が付きやすいのがいいですね。
ジャイアント・バズもグリップが2箇所で保持できるので干渉なく持たせることができます。脇に担いだり脇に抱えたりするポーズも容易。センサーのフタパーツがポロリしやすいので注意が必要です。(個体差かも。)
ヒート・サーベルもグリップに引き起こしリブが追加されたことでしっかりと保持させることができます。
背部や足裏がリック・ドム特有の形状なので、背面から眺めて楽しむのもいいですね。
適当に何枚かどうぞ。
肩が前後スイングするので、ジャイアント・バズの両手持ちもラクです。
以上です。各部がアップデートされたことで洗練され、より完成度が高く仕上がっていますね。成型色は2月に発売されたドムよりも少し青みが強いくらいですが、それがよりミリタリー感を強く感じさせますし、宇宙空間における運用機らしさが強調されているようです。
気になる点は、ビームバズーカはできれば合わせ目ができないパーツ構成だと良かったかなと。重量のこともあるかと思いますが、せめて段落ちモールド化されていると良かったかも。エモーションマニピュレーターは手首が弱くなってくるので、何度も弄っていると気になってくる箇所ではありますね。
ビームバズーカを保持するとその存在感に圧倒されますし、ポージングも迫力があって様になります。劇中シーンの再現もしやすいですし、12機いるとガンダムが倒せそうな、仕上がりの良さを感じさせるキットになっているのがいいですね。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。(一度切りです。)切れ味はもちろん優秀。薄刃ですが強度が高く長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら
3 件のコメントがあります。
匿名
on 2022年3月12日 at 07:49 -
個人的にビームバズーカはサイコザクのを流用して欲しかったかな
bobin1971
on 2022年3月12日 at 10:38 -
手が小さくなったのは改悪だな 最近のは全部そう。
匿名
on 2022年3月14日 at 20:40 -
いいですなぁ。ドムといいリックドムといいちっとも手に入らない。どこで手に入れたか教えてほしいぐらいです。