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MG ドム レビュー

今回は、MG 1/100 MS-09 ドムのレビューをご紹介します!

MG ドムは、『機動戦士ガンダム』に登場するMS『MS-09 ドム』の1/100スケールモデルキットです。新規金型により、肩部や肘部、股関節、足首といった各部の内外装を改良し、可動域を拡大したアップグレード版。柔軟な可動や可動手により、自然なポージングが可能なキットになっています。ジャイアント・バズ、ラケーテン・バズ、シュツルム・ファウストといった豊富な武装が付属。価格は5,500円(税込み)です。

小隊「黒い三連星」の搭乗機として登場し、RX-78-2ガンダムを含むホワイトベース隊を苦しめたツィマット社製陸戦用量産機『MS-09 ドム』がマスターグレードに登場。1999年6月に発売されたMG MS-09 ドム(以下旧版)をベースに、MGドワッジで新造された関節を採用したアップデート版です。アップデートされた箇所は肩部、腕部、胴体部、大腿部、足首部、武装類の一部など。

成型色はパープルとブラックをベースにしたドム特有のカラーリング。旧版に比べてパープルが深い色味になり、全体的にミリタリー感が強くなっています。頭部や肩内部、腰裏、脚部スカート裏にレッドを配色。ホイルシールは付属しません。

内部、関節パーツはグレー成型色で、アップデート箇所や一部の内部パーツ、一部の武装パーツにKPSが使用されています。ABSは使用されていません。

ポリキャップ(PC-121)とMランナー(ポリキャップ型PE素材)を各部に使用し、関節強度は高め。背部に負荷のかかる装備はなく、脚底も広いので自立は極めて安定しています。

ジャイアントバズ、ラケーテン・バズ、90mmマシンガン、シュツルム・ファウスト、シュツルムファウスト用マウントラッチ×2、シュツルムファウスト弾頭の基部パーツ×2、ヒート・サーベル、予備マガジン(左右)、予備マガジンのジョイントパーツ☓2、パイロットフィギュアが付属。

旧版(MG MS-09ドム)、MG高機動型ザクVer.2.0用のパーツが余剰で付属します。大腿部の内外パーツやハンドパーツなどがないので、旧版のカラバリとして組むことはできません。

専用の水転写デカールが付属します。

各部を旧版と比較しながら見ていきます。

頭部は旧版から変更なし。胴体に埋まったようなドム特有のシルエットで造形されています。前面にはドム特有の十字モノアイレールが造形。表面はクリアパーツでの再現。外装は合わせ目が出来ないパーツ構成です。

頭部内部フレーム。

モノアイも旧版と同じでポリキャップとボールジョイント軸、クリアピンク成型色パーツによって構成され、上下左右フレキシブルに可動します。モノアイは旧版ではピンクのマーキングシールでの色分けでしたが、アップデート版はシールが水転写デカールになっています。

モノアイは赤いカバーのみを外しても動かせますし、メット部全体を外して可動させることも可能です。

胸部も外装は旧版と殆ど同じ。ですが肩関節がアップデートされたことで表面装甲パーツが新造され、一部モールドがなくなっています。KPS素材でマットな質感に。

肩内部を旧版と並べて。肩は新規パーツによって可動ギミックが追加され、適度に上下、前後スイングするようになっています。組み合わせ強度が高いので、組み込む前にある程度動かして調整しておいたほうが良いかもです。

左胸の拡散ビーム砲も旧版と同じでクリアパーツでの再現です。内部を黄色く塗り分ける必要があります。腹部のコックピットハッチは開閉可能。

腹部内部にはメカニカルなフレームが造形され、中央にはコックピットも造形されています。コックピットには黒い三連星?のパイロットフィギュアが格納されています。黒成型色で塗りムラが出やすいので、きれいに塗装する場合は下地塗装などする必要がありそうです。

腰部は旧版と変わらずで前後とも肉厚な腰アーマーが造形。

腰アーマー裏は各部とも赤い裏打ちパーツが造形されています。裏打ちパーツは簡易的なモールドのみ造形。

リアアーマーの内側には3基のバーニアスラスターが造形され、基部はポリキャップでフレキシブルに可動します。バーニアスラスターの基部はポリキャップを挟んで組み合わせる仕様で合わせ目ができます。

腰部は内部フレームが新造され、股間部にスイングギミックが追加されています。股間軸をスライドさせることで脚部の可動域が広がります。

腕部を旧版と並べて比較。全体的な形状はよく似ていますが、二の腕や前腕装甲の一部など細部の形状が違っています。ハンドパーツもエモーションマニピュレーターで少し小型化され、スタイリッシュになっています。

それと旧版は外装パーツのみで構成されているのに対し、アップデート版では内部フレームが造形されています。内部フレームもメカニカルに造形され、左右の組み合わせながら合わせ目は段落ちモールド化されています。

二の腕は筒型で合わせ目はなし。前腕も合わせ目が出来ないパーツ構成です。ハンドパーツは旧版も細かく可動しますが、アップデート版では多重構造のエモーションマニピュレーターでより緻密に可動します。その分ポロリや弱さがあるので取り扱いには注意が必要。

アップデートされたことで、肘も少し深めに曲がるようになりました。

ショルダーアーマーは旧版では上部に合わせ目がありましたが、アップデート版は表面と内部の2個パーツ構成で簡易的ながらも合わせ目はありません。

肩内部も旧版では合わせ目がありましたが、アップデート版は合わせ目が出来ないパーツ構成になっています。

脚部。ドム特有の肉厚な装甲とスカートアーマーが印象的。どっしりとした重厚感あるスタイルになっています。

脚部内部フレームを旧版と比較。裾にはスカートアーマーに沿ったフレームが造形。表面にモールドも入っているので、塗装などした場合はフレームの状態で飾っておくと映えそうですね。

大腿部がスイング箇所によってパーツ分割され、構造もそれ用に変化。

大腿部は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化。膝から下は左右の組み合わせで後部に合わせ目ができます。脱着可能で内部フレームも楽しめるようになっているので、そのままにしておいても良さそうです。

スカートアーマー内部には外装に沿ったフレームと3基のバーニアが造形されています。バーニア基部が固定されているため、可動ギミックはありません。

ソール部の形状は旧版と同じですが、足首の内部パーツが新造されてややコンパクトになっています。足裏もメカニカルな裏打ちパーツが造形。肉抜き穴などはありません。

新造された足首内部は幅広く展開します。中央の合わせ目も段落ちモールド化。

背部にバックパックはなく、2基の簡易的なバーニアとヒート・サーベルのホルダーが造形されているだけです。

内部にはメカニカルなフレームが造形。

バーニアはボールジョイント接続で適度に可動します。

背部のホルダーは展開可能で、ヒート・サーベルをしっかりとホールドさせておくことができます。しっかりとホールドされるので、簡単に抜けたりすることはありません。

ヒート・サーベルはグリップが引き起こしリブ付きのものが新造されています。ビーム刃はイエロー成型色での再現。

MGジム・コマンド(コロニー戦仕様)、MG強化型ダブルゼータガンダムVer.Kaと並べてサイズを比較。大きさはジム系と大差ないくらい。ドムの頭頂高は18.6mと18.2mと2種の設定があります。

旧版(MG MS-09 ドム)と並べて。形状の違いは一見すると殆どわかりませんが、よく見るとハンドパーツがエモーションマニピュレーターだったり、グレー成型色がKPSでマットな質感になっていたり、パープルが深みのある色合いになっていたりで渋さや洗練された感じがありますね。

MGドワッジMGドワッジ改とも並べて。すべて同じフォーマットになります。これらの他にもリック・ドムⅡなどのバリエーション機がこのフォーマットでキット化されると嬉しいですね。

頭部の可動は旧版と同じ。適度に見上げる動きが可能です。左右へは干渉するのでわずかです。

腕は肩がアップデートされたことで少し高くまで上がるようになっています。肘もより深くまで曲がります。

肩も広めにスイングが可能。

腹部が旧版と同じ2箇所のボールジョイント接続で、上半身を適度に前後左右スイングさせることができます。

腰は少しひねらせる程度で殆ど回せないようです。アクションベースやスタンドへは、股間部にコの字パーツを組み付けてのディスプレイとなります。股間部を少し左右に広げて隙間を作ってはめ込みます。

股間部にスイングギミックがあるので、少しですが旧版よりも深くまで立膝をすることができます。

左右への開脚は、股間部のスライドギミックによって変化。そのままだとあまり変わりませんが、スライドさせることでサイドアーマーとの干渉がなくなり、より広く広げることができます。足首は旧版に比べて少し深くまで曲がるようです。

脚の付け根に可動ギミックが追加されたことで、内股、がに股が幅広く可動するようになっています。

可動域の総括としては、全体的な可動域は旧版と比べて特別幅広く可動するというわけではないですが、肩や大腿部に可動ギミックが追加されたことで、より柔軟に可動するようになっています。ぎこちなさが解消されたことで、よりスムーズに自然なポージングが楽しめそうですね。

ジャイアント・バズ。H&L社製の360ミリロケット砲で、MG高機動型ザクVer.2.0系に付属しているものと同じです。ただし保持しやすいよう、グリップが引き起こしリブ付きのものに変更されています。

筒型パーツの組み合わせで合わせ目は出来ないパーツ構成です。

グリップはスイング可動こそありませんが、2箇所の引き起こしリブが造形され、保持する際の角度変更が可能です。センサーやフォアグリップは上下にスイングが可能。センサーはハッチが展開可能で、内部はクリアピンク成型色パーツを埋め込みます。クリアパーツは一旦組み込むと抜けにくいので、仮組みなどでは注意が必要です。

砲口は開口され、砲口下部のフックも可動します。後部マガジンは内部に簡易的な弾頭が造形されています。

旧版のジャイアントバズと並べて。旧版は砲身などに合わせ目ができ、各部の作りも簡易的。

ラケーテン・バズ。ほぼ旧版に付属しているものと同じですが、こちらもグリップは引き起こしリブ付きのものが新造されています。「ラケーテン」はドイツ語で「ロケット」という意味。

本体部分はモナカ割で上下に合わせ目ができます。

側面のセンサーもモナカ割で作りが簡易的。前後のレンズやスコープなどは塗装が必要です。砲身下部のフォアグリップは前後にスイングが可能。

後部のマガジンは脱着可能で、内部には1基のみ弾頭が造形されています。マガジンもモナカ割で合わせ目ができます。

90mmマシンガン。旧キットに付属しているものと同じです。表面には適度にモールドが造形。軽量武装なので取り扱い安いです。

本体部分はモナカ割で上下に合わせ目ができます。マガジンは脱着可能。側面のジョイントは展開可能です。

腰部のカバーパーツを外すことでポリキャップ穴が露出。90mmマシンガンをマウントしておくことができます。

シュツルムファウスト。ドイツ語で『疾風』と『拳』を意味する使い捨ての対MS用ロケットランチャーです。こちらも旧キットに付属しているものと同じ。作りは簡易的ですが、グリップパーツとロケット弾用パーツを組み換え可能です。

付属のマウントラッチを使用することで、シュツルム・ファウストをサイドアーマーにマウントさせることができます。画像では少しずれていますが、もう少し奥まではめ込めます。

90mmマシンガン用の予備マガジンは、付属のジョイントパーツを使用することでサイドアーマーにマウントさせることができます。組み付ける向きに注意。予備マガジンは1個パーツ構成で裏面は肉抜き穴です。

パイロットフィギュア。旧版のものと同じで、黒い三連星とは分からないくらい簡易的。

簡単に武装して。

グリップはエモーションマニピュレーターとグリップの引き起こしリブで固定するため、持たせやすくなっています。関節強度も高いので、斜めに構えても手首が垂れることなく保持させることができます。

角度の付いた位置で握らせるので、肩に担ぐポーズも再現しやすいです。

肩関節がアップデートされたことで、両手持ちも自然な形、姿勢で再現することができます。脚部スカートアーマーによって、ホバー走行するポーズもそれらしく様になります。

グリップの握る位置を変えることで、脇に抱えるようなポーズも再現可能。干渉もなくラクに保持させることができます。エモーションマニピュレーターなのでポーズに表情が付きやすいのがいいですね。

ヒート・サーベルも引き起こしリブでしっかりと固定できるので、スルッと抜け落ちることなく保持させることができます。気にかけることなくポージングに専念できるのがいいですね。

ラケーテン・バズは引き起こしリブ付きのグリップが可動しますが、それでも背部マガジンが肩と干渉するなどで少し保持させるのが難しいところがあります。一旦マガジンを外して干渉しないようにしてから保持させたほうがラクです。

90mmマシンガンには引き起こしリブなどはなく、ハンドパーツとの固定もありません。エモーションマニピュレーターでグリップを握らせるだけになります。少し不安定さはありますが、エモーションマニピュレーターの可動が繊細なので自然な形で保持させることができます。

シュツルム・ファウストもダボ固定ではないですが、エモーションマニピュレーターでしっかりと握らせることで問題なく保持させることができます。特徴的な武装なので、ポージングも一味違った演出ができるのがいいですね。

適当に何枚かどうぞ。

MG RX-78-2ガンダムVer.3.0と組み合わせて劇中シーンっぽく再現。どちらも自然で柔らかいポーズがつけられるので、シーン演出も様になります。

以上です。旧版も完成度が高く、評価の高いキットですが、関節がアップデートされたことでより洗練され、武器保持やポージングもしやすくなっています。成型色が濃いパープルで渋さが増していますし、エモーションマニピュレーターなどによってより自然なポージングが再現できるのもいいですね。

気になる点は少ないですが、ジャイアント・バズが合わせ目の出来ないものに変更されているので、できればラケーテン・バズも新規造形で再現されていると良かったかと。

各部の合わせ目もほとんどなくなり、素組みでも塗装して楽しむにも都合のいいキットになっています。部分的にですが内部フレームも造形されるなど作りは更に優秀に。武装類も豊富に付属し、ポージングの自由度も高いです。より落ち度がなくなり、まさに決定版といえるキットに仕上がったのが嬉しいですね。

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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。(一度切りです。)切れ味はもちろん優秀。薄刃ですが強度が高く長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら

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4 件のコメントがあります。

  1. 匿名

    on 2022年2月11日 at 11:54 - 返信

    流石の出来で安心しました。これは来月のリックドムも期待大ですね。唯一個人的に気になるのは、拳のサイズかな。エモーションマニピュレーターも嫌いじゃ無いけど、旧キットのゴツイ拳の方が好きなバランスだったので。

    • nori

      on 2022年2月17日 at 10:01 - 返信

      コメントありがとうございます!
      この完成度ならリック・ドムも間違いない感じですね!
      ですがどうせなら、エモ手と旧版の固定ハンドパーツ両方付属していると良かったですねぇ。

  2. 匿名

    on 2022年2月15日 at 02:22 - 返信

    HGリックディアスといい良いアプデキットですねぇ。
    HGUCやMGの初期に出てリメイクが望めるか厳しい機体とかもこういう方式でドンドン出て欲しいですね。

    • nori

      on 2022年2月17日 at 09:58 - 返信

      コメントありがとうございます!
      仰るとおり!
      Ver.2.0や完全新規というのは難しいと思いますが、
      初期キットは武器の保持が難しかったり不自由さがあったりもするものも多いので、
      ぜひアップデートと言うかたちで改善してもらいたいですね!

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