今回は、2006年2月に発売されたMG 1/100 MSA-003 ネモのレビューをご紹介します!
MG ネモは、『機動戦士Zガンダム』に登場するMS『MSA-003 ネモ』の1/100スケールモデルキットです。量産機のシンプルな機体形状を新規造形で再現。胴内部の球体コクピットや腹部二重関節、股関節スイングギミックを持つ内部フレームにより、様々なアクションポーズが再現可能なキットになっています。ビーム・ライフルや伸縮が可能なシールドが付属。価格は3,080円(税込み)です。
ジムⅡの後継機として開発され、ティターンズ側に譲渡されたマラサイの代わりに導入されたエゥーゴの主力量産機『 MSA-003 ネモ』がMGでキット化。他キットからの流用はなく、グリーンを基調とした外装やメカニカルな内部フレームが新規造形で再現されています。
成型色は頭部や四肢などにグリーン、胴体部や肩部、ソール部、シールドなどにダークブルーを配色。その他関節や内部・武装類にはグレー成型色パーツが使用されています。
ホイルシールは付属せず。一部モールドや脚底、パイロットフィギュアなどを塗り分ける必要がありますが、各部ともほぼパーツによる色分けが再現されているので素組みでも十分な仕上がりになります。
グレー成型色の内部・関節パーツ、武装類にはABSが使用されています。KPSは不使用。
ポリキャップはPC-126を各部に使用します。関節はABSによるフレーム構造で関節強度は高め。特に負荷のかかるような装備はなく、軽装で脚底の接地もしっかりとしているため、自立は安定しています。
ビームライフル、シールド、ビームサーベル刃✕2、シールド用ジョイントパーツ、エゥーゴパイロットフィギュアが付属。
量産機用のナンバーデカールやエゥーゴ、アーガマ、AE社などのマーキングが収録されたガンダムデカール、コーションマークが収録されたマーキングシールが付属します。
■内部フレーム
後頭部や肩内部、ソール部を除いた全身各部にメカニカルな内部フレームが造形。スタイリッシュな機体形状に合わせた細身の内部フレームになっています。
頭部は前面のみフレームが造形。1個パーツ構成ですが、バイザー内部にはメカニカルなモールドが入っています。胴体部と連結する場合は後頭部は外装パーツが必要になります。
胴体部は全体にフレームが造形されています。胸部のエアインテーク内部もスリットモールドが造形。外装パーツを被せるため、殆ど見えなくなりますが、肩のマルイチや腹部のシリンダーシャフトなどもそれらしく再現されています。
腕部はジム系に似た内部レームになっています。上腕はポリキャップを差し込んでいるだけですし、前腕のハードポイントもパーツが外れやすいため、フレームのままポーズを取らせるのは控えたほうが良さそうです。ショルダーアーマーにも内部フレームが造形されるなどこだわりは強め。
脚部内部フレーム。各部にシリンダーシャフトが造形されるなどメカニカルさが強調されています。
膝や足首の可動に合わせてシリンダーシャフトが伸縮。
バックパックにもメカニカルな内部フレームが造形。バーニアの基部が別パーツ化されるなど塗り分けがしやすくなっています。
続いて外装を組み付けた状態で各部を見ていきます。
■各部形状
頭部。ジム系の流れを汲む幅広なバイザーが量産機らしくて印象的。軽装ですが、左右の装甲や後頭部のアンテナなどもメカニカルに造形されています。クリアパーツのバイザーから内部メカが確認できるのもいいですね。額のモールドは黄色いパーツでの色分けですが、こめかみのバルカンはグレーに塗り分けが必要です。
メット部は前後の組み合わせで頭頂部から側頭部にかけて合わせ目ができます。アンテナはランナーに『国内用』と印字がありましたが、おそらく安全基準の関係で海外品と分けられているものかと。
後頭部センサーは黄色く塗り分けが必要。クリアオレンジのバイザーと額センサーはブラックライトで照らすと発光します。
胸部・腹部は軽装でモールドも少なめ。ですがエアインテークや腹部コックピットハッチなどもパーツできっちりと色分けされています。
肩には可動ギミックがあり、前方や上下など広めに可動します。
腹部コックピットハッチは上下に展開可能。開閉した内部はフレームが露出するなどなかなかリアルに造形されています。
コックピットにはエゥーゴ所属のパイロットフィギュアが内蔵されています。一応全天周ですが、クリアパーツなどは使用されていない簡単な作りになります。
腰部は各面ともジムの発展型らしいプレーンな装甲が造形。リアアーマーにはサーベルホルダーが造形されています。
サーベルホルダーは上下に展開可能。サーベル柄も取り外しが可能です。ホルダー内部もメカニカルな内部フレームが造形されるなど、細かい箇所もきっちりと再現されています。
腰アーマー裏に裏打ちパーツはないですが、各面とも内側にメカニカルなモールドがデザインされています。裏打ちパーツの自作もできそうですし、そのまま塗り分けても良さそうです。
股間部にはスライドギミックがあり、前方にスライドさせることで脚部の可動域を広げることができます。スライド先でカチッとロックがかかって固定できるのがいいですね。
腕部も軽装ですが、肩部や前腕部には適度な厚みがあります。肘関節も外装パーツで覆われているのは何気に珍しいかも。
上腕は外装が筒型で合わせ目はなし。前腕も合わせ目が出来ないパーツ構成で細かくモールド化されています。ハンドパーツは親指と人差し指、残り3指がそれぞれ可動するタイプ。
手首はヒンジ接続で適度にスイングさせることができます。表情が付きやすいですが、手首のグレーパーツが外れやすくふらつくのはちょっと気になるところです。
ショルダーアーマーは各面から外装を被せていく仕様で合わせ目はなし。前後の小型ダクトはパーツでの色分けとなっています。側面の赤いダクト内部はグレーに塗り分けが必要。ここもついでにパーツで色分けされていると良かったですね。
ショルダーアーマー自体、広く展開しますし、側面のグリーンの装甲も可動します。肩内部は合わせ目あり。
脚部。程よい肉付きで各部ともエッジの効いた装甲が造形されています。後方の厚みのあるスラスターや膝裏の動力パイプも印象的。
大腿部は前後の組み合わせで側面に合わせ目ができます。モールドっぽいラインなのでそのままでも問題はなさそう。膝から下は各部に外装パーツを被せて行く構造で合わせ目はモールド化されています。
後部スラスターカバーは斜め下にスライドさせることができます。ふくらはぎ側面のカバーパーツを外すことでハードポイントが露出。MGバリュートパック(別売り)などを装着することができます。大腿部側面のダクトはグレーに塗り分けが必要。
スラスターカバーは更に広く展開させることが可能。裾の内部フレームが露出するなど、MGならではのリアルなギミックが再現されています。赤いスラスター内部はグレーに塗り分けが必要。こちらもできれば別パーツで色分けされていると良かったですね。
ソール部は比較的軽装。モールドも少なく派手さはありません。アンクルアーマーは左右の組み合わせですが、合わせ目は端でモールド化されています。
足裏は細かなモールドの入った裏打ちパーツが造形。赤い裏打ちパーツでインパクトは十分です。一部モールドはグレーに塗り分けが必要。つま先は前後に角度変更が可能です。
背部には小型でコンパクトなバックパックを装備。
下部バーニアはボールジョイント接続で少し可動します。2個パーツ構成で細かく色分けされていますが、一旦はめ込むと分解が難しいので仮組みでは注意が必要。中心部はグレーに塗り分けが必要です。
バックパックは縦長ダボを主軸にした3ダボ接続でしっかりと組み合わせることができます。
■他キットとの比較
MGジム・コマンド(コロニー戦仕様)、MG強化型ダブルゼータガンダムVer.Kaと並べてサイズを比較。ジム・コマンドと同じくらいで、1/100サイズのキットとしては比較的小柄な部類になります。ネモの全高は18.5m。
同シリーズのMGゼータガンダムVer.2.0、MGマラサイと並べて。マラサイと大きさに差はないですが、ゼータは頭一つ分ほど大きめでした。
エゥーゴカラーですがMGジムⅡとも並べて。ネモはジムの発展機ですが、バイザーやエアインテークなどに面影があるくらいでかなり違っています。
HGUCネモとサイズを合わせて比較。意外にもプロポーションに大差はないようですね。MGのほうが少しスタイリッシュなのと、脚部のスラスターカバーの大きさが違っているかなという程度。
■各部の可動域
頭部の可動は、顎引きは干渉して制限されますが、見上げる動きは45度ほど展開可能。左右へは少し顎が干渉するくらいで問題なくスイングさせることができます。
腕はY字程度まで幅広く展開することができます。肘も2重関節で深くまで曲げることが可能。
肩は少し前後する程度ですが、前方へは肩引出しギミックによって少し広めに展開させることができます。
腹部と腰部がボールジョイント接続で、上半身を少し前後させることができます。
腰は干渉するため、少し撚る程度です。アクションベースやスタンドを使ってのディスプレイは考慮されていないので、股間部にコの字パーツを組み付けてディスプレイさせるようになります。
前後開脚は、フロントアーマーが広く可動するので前方へは広く展開させることができます。後方はリアアーマーが可動しないので制限されます。
膝は1重関節で、外装が干渉するのでくの字程度までしか曲がらず。膝装甲裏はダボが気になりますが、狭いのでそんなには目立ちません。
足首は前後左右とも特別広くはないですがそれなりに可動させることができます。
股間部がボールジョイント接続で干渉するため、左右への開脚はハの字までいかず狭め。
内股、がに股も特別広くは可動せず。
大腿部と膝から下の部分の長さに差があるため、立膝も少し崩れた形になります。
可動域の総括としては、腕周りは比較的広めに可動しますが、それ以外の箇所は比較的狭めかまずまずの可動域といったところ。なので躍動感あるポーズは期待出来ないですが、量産機としてのシンプルなポーズは再現できるのである程度形にはなりそうですね。
■武装・付属品
ビーム・ライフル。ジムⅡが使用しているものの同等品ですが、ネモのエネルギーサプライドライバーなどが改良されたため、より効率よく運用することが出来るとのこと。
左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。
フォアグリップは左右にスイングが可能。センサーはシールなどの色分けもないのでグリーンなどに塗り分けが必要です。ビーム・ライフルはサイドアーマーにマウント可能。下にスライドさせることでロックがかけられ、腰にしっかりと固定させることができます。
MGジムⅡ(エゥーゴカラー)のビーム・ライフル(画像右)と並べて。形状は殆ど同じですが、ジムⅡのビーム・ライフルはセンサーがクリアパーツで再現されているのと、フォアグリップの向きが違っているようです。
シールド。ネモの専用装備になります。裏面にはオプションラッチが装備されていて、上部先端は打突用のアキュートとしても使用可能とのこと。薄型ですが、細かなパーツ構成でリアルに再現されています。裏面には細かなモールドが造形。
通常はシールド上部が固定されていますが、ロックを外して浮かせることで後部にスライドさせることが可能。シールドをコンパクトにすることができます。このあたりの組み換えなしのギミックもMGならでは。
エゥーゴのパイロットフィギュア。一般的なフィギュアに比べて少し厚みがあります。オレンジ単色だと物足りない感じがありますが、淡黄色などで塗装するとよりそれらしくなりそうです。底板が造形されているのでフィギュア単体で自立させることが可能。
■ポージング
一通り武装して。
ビーム・ライフルは手のひらにダボ固定させるため、ある程度保持できます。ですがダボが浅めで少し外れやすいので、指パーツでしっかりと握らせておくと良さそうです。
股が開きにくいのがポージングが制限される要因にはなっていますが、ディスプレイ次第では適度に攻撃的なポーズも再現可能です。
ビーム・ライフルの両手持ちですが、弄りすぎるとライフルがハンドパーツから外れやすいので、簡単に構えさせ、左手もフォアグリップにそっと手を添える程度にしておいたほうが無難かも。
シールドは付属のジョイントパーツを前腕に組み付けることで、シールドを腕部にマウントさせることができます。組み付ける位置を変えることで前腕後部にも配置可能。
ジョイントパーツは前腕にしっかりと組み付いて簡単にはハズれないですし、シールド自体もジョイントパーツにしっかりと組み付いているので外れることがなく、ポージングに注力できます。
ビームサーベルはダボ固定ではないので、指パーツでしっかりと握らせて保持します。弄ると外れやすいですが、一旦握らせて触らずにおくか、一旦ポーズを決めてから握らせると良いかと。
浮かせてディスプレイさせる場合でも、細身のコの字パーツを組み付ければある程度しっかりするので、キットの角度が変わることなくポーズが取らせられますね。
ビームサーベル刃は蛍光のクリアグリーン成型色での再現。ブラックライトで照らすと鮮やかに発光します。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。ネモ特有のグリーンカラーが印象的。素朴ではありますが、これぞネモといったカラーリングや機体形状がうまく再現されていますし、内部フレームもしっかりと造形された見応えのあるキットになっています。脚部にはメカニカルなフレームが露出していますし、後部のスラスターカバー展開などリアルなギミックが搭載されているのもいいですね。
気になる点は、武器保持が不安定なのでポージングで少し気を取られるのと、多少腰部のポリキャップに遊びがあるのか、上半身が少しふらふらするところがあります。ボールジョイントがしっかりと固定されているのでそんなには気にならないですが、少し補強しても良いかもですね。
可動域が広くないため、どうしてもポージングは制限されやすいですが、それでもビーム・ライフルやサーベルを構えたりすれば量産機らしいポーズは再現可能。可動箇所の多いMGなので柔らかい表情も付きますし、シールドの収納ギミックも秀逸です。劇中ではやられメカですが、それを払拭するくらいの存在感を持ったキットになっているのがいいですね。
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2 件のコメントがあります。
匿名
on 2023年4月13日 at 15:22 -
ネモはジム2の後継機じゃないですよ
nori
on 2023年4月13日 at 16:28 -
コメントありがとうございます!
ご指摘感謝ですm(_ _)m
一応ウィキにも「ジムⅡの後継機」と記載がありますが、「ジムⅡの後継機として開発され」としておいたほうが良かったですかね;
記事を修正しておきます;