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MG RGM-79 ジム Ver.2.0 レビュー

今回は、2009年2月に発売されたMG 1/100 RGM-79 ジム Ver.2.0のレビューをご紹介します!

MG RGM-79 ジム Ver.2.0は、『機動戦士ガンダム』他に登場するMS『RGM-79 ジム』の1/100スケールモデルキットです。ガンダムVer.2.0と同様のインナーフレームにより、抜群の可動とプロポーションを実現。3分割式と左右2分割式がチョイス可能な腰アーマーの他、ハイパー・バズーカ、ビーム・スプレー・ガン、シールドといった武装が再現されたキットになっています。価格は3,850円(税込み)です。

戦力建て直しのため、極短期間での大量生産を実現した地球連邦軍初の量産型MS『RGM-79 ジム』がMGのVer.2.0でキット化。2008年7月に発売されたMG RX-78-2 ガンダム Ver.2.0の内部フレームや武装類を流用しつつ、一部の内部フレームや外装などを新造。量産機らしいプレーンな機体形状が再現されています。

成型色は淡めのブルーとレッドを基調としたカラーリング。その他、胸部エアインテークにイエロー背部サーベル柄にホワイトが配色されています。関節や内部パーツ、胸部装甲などはグレー、頭部バイザーはクリアグリーン(クリアイエロー?)成型色パーツでの再現。

シールは頭部センサーを補うくらいでわずか。塗装は殆ど必要なく、組み立てるだけで十分な色分けが再現されます。

関節や内部パーツにはABSが使用されています。

ポリキャップはPC-202を背部や肩部、股間部などに使用し、全て使い切ります。関節はABSパーツの組み合わせで強度はまずまず高め。細身ですが、脚底に可動箇所が多く、しっかりと接地できるため自立は安定します。

ハイパー・バズーカ、ビーム・スプレー・ガン、シールド、ビームサーベル刃、ディスプレイ用ジョイントパーツ、連邦兵フィギュアが付属。

フロントアーマーを3分割の仕様にするための外装パーツが付属。

MG RX-78-2ガンダムVer.2.0用の余剰パーツがいくつか付属。ビーム刃とサーベル柄が付属するのでそのまま使用することもできます。

擦って転写するガンダムデカールが付属。

専用のマーキングシールが付属します。不死身の第4小隊やジャック・ザ・ハロウィン(ジャック・ベアード機、アダム・スティングレイ機)、ホワイト・ディンゴなどのエンブレムが収録されているのでお得感がありますね。

全身にはメカニカルな内部フレームが造形。大部分はMG RX-78-2ガンダムVer.2.0の内部フレームからの流用ですが、頭部や腹部、膝部装甲などがMG RGM-79ジムVer.2.0用に新造されています。フレームのまま飾っておいても楽しめるくらいに完成度の高い仕上がり。

頭部内部フレーム。バイザーから見える内部フレームがメカニカルに造形。口元のダクトなども細かく再現されています。とさかはクリアグリーンパーツでの再現。クリアパーツはブラックライトで照らすと少し発光します。

胸部はRX-78-2ガンダムの内部フレームを流用しつつ、腹部にはカセット式のコックピット(コクピットブロック)が新造されています。カセット式のコックピットについては後述します。

腕部はほぼRX-78-2ガンダムの内部フレームと同じ。肘を曲げるとフレームがスライドするというメカニカルなギミックが再現されています。ショルダーアーマーにも網状の内部フレームが造形。

脚部内部フレーム。大部分はRX-78-2ガンダムと同じですが、膝のフレームがRGM-79ジム用に新造されています。こちらも膝を曲げるとフレームがスライドするギミックあり。

ソールにも内部フレームが造形。足首の可動に合わせて前後のシリンダーシャフトが伸縮。

バックパックにも内部フレームが造形。こちらもRX-78-2ガンダムと大部分は同じですが、バーニアがRGM-79ジム用に新造されています。

外装の内側にもメカニカルなモールドが造形されています。組み付けると隠れてしまう部分ですが、組立時にも楽しめますし、外装を外した状態でディスプレイしても見栄えがするのがいいですね。

続いて外装を組み付けた状態の各部をMG RX-78-2ガンダムVer.2.0(以下、RX-78-2ガンダム)と比較しながら見ていきます。(通常のMG RX-78-2ガンダムVer.2.0が手元にないため、一番くじのソリッドクリアスタンダードとの比較になります。ご了承くださいm(_ _)m)

頭部は内外共にRGM-79ジム用に新造。ガンダムタイプのようなアンテナはなく、量産機らしいシンプルなデザインになっています。フェイス全体を覆うバイザーが印象的。バイザーのクリアパーツはブラックライトで照らすと少し発光します。

メット部は前後の組み合わせですが、頭頂部から側面にかけて出来る合わせ目は段落ちモールド化。とさか前後のセンサーはクリアパーツにグリーンのシールを貼っての色分けで、シールを貼らずクリアパーツをそのまま活かすこともできます。

胸部をRX-78-2ガンダムと並べて。一見するとよく似ていますが、襟元の色分け用に襟、胸部外装共に新造。腹部コックピットハッチもフラットな装甲パーツなどが新造されています。

腹部コックピットハッチは開閉可能。内部のカセット式のコクピットブロック(コックピットハッチ)が露出します。

首部や肩部はRX-78-2ガンダムと同構造。肩部は多数のパーツを組み合わせる構造で幅広く展開しますし、上下左右にも柔軟に可動します。

腹部の構造はRX-78-2ガンダムと同じで上半身と下半身が分離可能。ただし腹部に格納されているのはコアファイターではなくカセット式のコックピットブロックになります。

コックピットブロック。表裏共にメカニカルなモールドが造形。塗装で塗り分けるとかなり映えそうですね。前後の組み合わせなので側面に合わせ目ができます。構造が同じなのでRX-78-2ガンダムにも組み込み可能。逆にジムにRX-78-2ガンダムのコアファイターを組み込むこともできます。

中央のハッチは上部にスライド展開可能。内部のパイロットフィギュアが露出します。一般兵のパイロットフィギュア、シート共にリアルに再現されています。フィギュアは黄色などに塗り分けが必要。

腰部をRX-78-2ガンダムと並べて比較。ジムではヘリウムコアのないプレーンな装甲が新造されています。特に前面は左右2分割式のこだわりある作り。

新造された腰アーマー裏は各面ともメカニカルなモールドが造形されています。リアアーマーはボールジョイント接続ですが、展開すると中央の装甲パーツが干渉して外れやすいので注意です。

腕部をRX-78-2ガンダムと並べて。内外ともに形状は全く同じです。細身でモールドも少なくシンプル。

上腕、前腕ともに筒型で、前腕の合わせ目はモールドっぽく造形。

ハンドパーツは親指以外、個別に第2と第3関節が可動するタイプ。親指も付け根がボールジョイントでフレキシブルに可動します。武器の保持には適さないですが、表情は付けやすくなっています。

ショルダーアーマーは内部フレームに1個パーツを被せる簡易的な構造。合わせ目もなく、モールドもわずかに入っている程度で軽装です。

脚部をRX-78-2ガンダムと並べて。大部分の形状は同じですが、膝から下の前面にプレーンな1個パーツ装甲が新造されています。

各部とも内部フレームに外装を被せる仕様で合わせ目はモールド化。ふくらはぎも左右の組み合わせながら後部中央の合わせ目は段落ちモールド化されています。

ソールの形状は全く同じ。コンパクトなデザインでアンクルアーマーも特別変わったものではありません。アンクルアーマーが少しふらつきやすいのと、後部装甲が外れやすいので注意です。

足裏は内部パーツが露出し、モールドの色分けを実現。中央のスラスター部分もメカニカルに造形されています。つま先は2箇所で可動し、足裏を深く曲げることができます。

バックパックは形状自体は殆ど同じですが、右のサーベルホルダーが内部に収納され、下部のバーニアが小型のものに変更されています。右のサーベルホルダーは指揮官機用に展開し、2本差しも可能とのこと。

左のサーベルホルダーも収納可能。

サーベル柄のジョイント部分は内部ボールジョイントが可動し、サーベル柄を左右にスイングさせることが可能。背部に手を回してサーベル柄を抜き取るようなポーズも再現しやすくなっています。

バックパックは角型のポリキャップ接続で背部にしっかりと固定。

一番くじのソリッドクリアスタンダードですがMG RX-78-2ガンダムと並べて比較。ガンダムはカラーリングや頭部V字アンテナ、ツインアイ、腰部ヘリウムコアなど各部がかなりヒロイック。一方のジムは量産機らしい渋さが魅力です。

HGUC RGM-79ジムと並べて。MGのほうが赤色が淡い他、プロポーションがかなり違っています。HGUCはどっしり感がありますが、MGは比較的細身。

頭部の可動は、首が短いため、顎引きは干渉してわずかに下がる程度。見上げる動きは適度に可能です。左右へは少し顎が干渉するくらいで問題なくスイング可能。

腕は水平よりも少し上まで上げることができます。肘は2重関節で完全に曲げることが可能。

肩の前後スイングは、後方へは殆どスイングしませんが、前方へは肩が広く引き出せる構造なので90度程度幅広くスイングさせることができます。

胸部と腰部に少し可動ギミックがあるので、上半身を少し前後させることができます。

腰部の装甲が干渉するため、腰は少しひねる程度。アクションベースやスタンドへは、股間部に付属のジョイントパーツを組み付けてのディスプレイです。

腰アーマーの干渉が少ないため、前後開脚は前後とも幅広く展開させることができます。

膝は2重関節で深くまで曲げることが可能。

足首は前後左右とも適度に可動します。

左右への開脚は水平程度まで幅広く展開させることができます。

大腿部と股間部が干渉するため、可動は内股、ガニ股共に45度程度まで。

立膝はまずまずきれいな姿勢で再現することができました。

可動域の総括としては、頭部や腰部など多少可動が制限される箇所はあるものの、肘や膝などは幅広く可動しますし、前後や左右への開脚なども幅広く可動します。量産機でそんなに激しいアクションポーズも必要なさそうですし、劇中シーンの再現は比較的しやすそうではありますね。

ハイパー・バズーカ。ブラッシュ社製の300mm口径、MS用単砲身ロケットランチャーになります。筒型パーツなどの組み合わせで合わせ目ができるのはグリップのみ。MG RX-78-2ガンダムVer.2.0からの流用です。

グリップは少しスイングが可能。ただし展開し過ぎるとバラけることがあるので注意です。側面のジョイントは引き起こし可能。

後部には弾頭のモールドが細かく造形。内部に弾頭型モールドはありません。

ハイパー・バズーカは一応バックパックにマウントできますが、劇中でも見たことがないのでマウントしないほうが無難かも。

ビーム・スプレー・ガン。ボウワ社製の主兵装ビーム系携行火器になります。低コストですが射程が短く、ビームがやや拡散気味に発射されるため、射程や威力よりも命中率を重視しているとのこと。

内部には1個パーツ構成ながらもメカニカルな内部フレームが造形。

こちらも筒型パーツやグリップパーツを被せるような構造で合わせ目はありません。

シールド。ファーダゲール社製のシールドで、ルナ・チタニウムを使用した三重ハニカム構造。ガンダムシールドと同規格です。こちらもMG RX-78-2ガンダムVer.2.0からの流用。裏面にはメカニカルなモールドが造形されています。

上部ののぞき窓は裏面のレバーをスライドさせることで閉じる構造になっています。

ジョイント基部は上下にスライド可能。

グリップ、ジョイント部分ともに引き起こしが可能で、ジョイント基部もロールするなど各部が柔軟に可動します。

連邦フィギュア。MG RX-78-2ガンダムからの流用ですが、黄色く塗装することで連邦の一般兵として再現することができます。

一通り武装して。

ビーム・スプレー・ガンはハンドパーツのダボをグリップに固定させ、グリップを指で握らせて保持します。ダボは浅めで外れやすいですが、指で握れるのでポロリ頻度は少なめです。

シールドはグリップを握らせて前腕にダボ固定します。ダボがしっかりと固定されますし、グリップも握らせるのでしっかりと保持させることができます。シールドは背部にもマウント可能。

ですがグリップを握らせなくてもダボ固定だけで保持できますし、左のハンドパーツも自由に使えるのでいいかも。

ビームサーベル刃はクリアピンク成型色での再現。掌のダボをサーベル柄に固定させて保持しますが、ダボが浅めで外れやすいので注意です。こちらも指で握れるぶん不安は軽減されます。

肩が幅広く可動するので、両手持ちは特にぎこちなさもなくラクに保持させることができます。躍動感あるポーズを取らせるとエース機っぽい雰囲気が出てかっこいいですね。

腰部フロントアーマーを3分割のものに組み替えて。ジムといえば平面タイプが定番ですが、ジムⅡにも繋がるようなふんどしタイプのジムを再現することができます。

2分割と同様、3分割も表面にモールドはなし。裏面にはメカニカルなモールドが造形されています。

腰部3分割のアーマーでポージング。特に腰回りの不自由さはなく、可動は2分割と同じ。幅広く開脚することもできますが、腰アーマーは全体的に外れやすいので注意です。

ハイパー・バズーカもビーム・スプレーガンと同様、掌のダボにグリップを固定して指で握らせます。グリップが少し可動するので、特に突っ張る感じもなく保持できています。

股間部に組み付けるディスプレイ用ジョイントパーツの固定強度はまずまず。キットの角度によっては外れることがあるので注意です。

脇に構えるポーズもラクに再現可能。

適当に何枚かどうぞ。

 

以上です。無駄のない機体形状がいかにも量産機らしいですし、カラーリングも淡めの赤やくすんだ雰囲気のあるライトブルーに素朴感があっていいですね。内部フレームが再現されているため、関節から露出するメカメカしいディテールがいい味を出していますし、外装の内側にもモールドが造形されるなど開発側のこだわりも感じられるキットになっています。

気になる点はMG RX-78-2ガンダムと同じですが、腰アーマーが比較的外れやすいのと、武器の保持に少し不安があるので注意です。掌のダボが浅めで武器固定が甘いので、指でうまく握らせつつきれいな形で保持させたいところです。

武装類もハイパー・バズーカが付属し、ア・バオア・クー戦のような雰囲気の装備ができますし、迫力ある砲撃ポーズも演出することができます。ビーム・スプレー・ガンも小回りが効く武装で、劇中で何度も見られる軽装での射撃ポーズが様になります。腹部コックピットブロックもメカニカルに再現されていて緻密。まだまだ色褪せることのない、充実感を感じさせるキットになっているのがいいですね。

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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。切れ味はもちろん優秀。薄刃ですが強度が高く、長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら

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